Vol.210 オーストラリア (フィッシャー マーギュリート)

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オーストラリアのビーチでの安全対策

 

 G’day everyone! 皆様、こんにちは!国際交流員のペギーです。

 皆様は、オーストラリアといえば、まず頭に浮かぶのは多分コアラかカンガルーだと思います。その次に思い浮かぶのは、オーストラリアの海岸線に並ぶ美しいビーチでしょうか。オーストラリアのビーチの1つ、ナラビーン・ビーチは、ビーチボーイズの曲「Surfin’ USA」に登場する有名なサーフィン・ビーチのひとつとして挙げられるほど、オーストラリアのビーチは愛されています。手つかずの砂と輝く海を見ると、そのまま飛び込みたくなるかもしれません。しかし、海に入る前に注意すべきことがあります。ビーチに行くたびに、ビーチに表示されている標識を確認し、サーフ・ライフガードの指示に従うことが大切です。今回は、皆様にオーストラリアのビーチを安全に楽しむための基本的な安全情報を紹介したいと思います。

クイーンズランド州のホワイトヘブンビーチ

https://www.queensland.com/gb/en/places-to-see/experiences/beaches/how-to-do-whitehaven-beach

 

1.Always Swim Between the Flags 常に赤と黄色の旗の間を遊泳する

 赤と黄色の旗が立っているビーチは、サーフィンのライフガードがパトロールしていることを象徴しています。サーフ・ライフガードは、赤と黄色の旗を使って、泳いだりはねたりしても安全なエリアを示します。このエリアは砂州(砂が集まっている場所)にあり、ここではサーフィンは禁止されています。

赤と黄色の旗

https://www.healthdirect.gov.au/beach-safety

 

2.Be Aware of the Rips  離岸流(「リップ」)に注意

 離岸流は海岸に打ち寄せた波が沖に戻ろうとする時に発生する強い流れでのことで、岸から世界最速の水泳選手よりも速いスピードで海へと水を戻します。離岸流は砂州の間にある深海で発生します。白い泡がなく、緑や青に見えます。離岸流に巻き込まれると、速いスピードで沖に流されます。岸まで戻ろうとしますが、離岸流と反対方向に泳ぐことは不可能なので、エネルギーの無駄であります。その代わり、離岸流に対して直角に、岸と平行に泳ぐ必要があります。砂州に到達すれば、波に押されて岸に戻ることができます。体力がないときは、ただ浮いて片手を上げ、サーフ・ライフガードに救助が必要であることを知らせましょう。赤と黄色の旗の間にとどまることで、離岸流に巻き込まれるのを避けることができます。

オーストラリアのクイーンズランド州のサーフ・ライフ・セービングクラブからの離岸流についてのお知らせ。黒い矢印は離岸流の流れ。

https://lifesaving.com.au/safety-info/rip-currents

 

この写真は干潮時に撮影されたので、砂州と離岸流が明確に見える。

https://www.sbs.com.au/language/english/en/podcast-episode/how-to-keep-safe-from-australias-beach-hazards/l2tkazjyg

 

さて、この写真に離岸流を見つけられますか?

 

離岸流は赤の矢印の通り。

https://www.smh.com.au/national/nsw/can-you-spot-danger-at-the-beach-dr-rip-is-here-to-help-20230919-p5e5yw.html

 

3.Be Careful of Stingers  スティンガーに注意

  I) Bluebottles  ブルーボトル(aka Pacific Man O’ War 別名パシフィック・マン・オ・ウォー)

   夏の間は東海岸で、秋から冬にかけては南西海岸で見られます。ブルーボトルは青いビニール袋を浮かべたような姿をしています。群れで移動し、長さ3mにもなる長い触手を持っています。この触手が人間の皮膚に触れると刺されて痛いです。もし刺されたら、触手を指の先(皮膚がかたいところ)で取り除いてください。その後、シャワーに行って、お湯で洗い流してください。ライフガードにもお知らせしてください。

ブルーボトル

https://www.theguardian.com/australia-news/2019/jan/06/bluebottle-epidemic-thousands-stung-as-record-numbers-swarm-queensland-beaches

 

II) Irukandji  イルカンジ

    イルカンジは非常に強い毒を持つハコクラゲの一種で、死に至ることもあります。直径1~2cmと非常に小さいため、水中で見つけるのは不可能に近いです。細長い触手を持ち、その長さは1mにも達します。イルカンジ・クラゲは通常、クイーンズランド州のバンダバーグからケアンズ、ポートダグラス、オーストラリア北部の海岸線周辺、西オーストラリアのジェラルトンまでの熱帯海域に生息しています。ピークシーズン(「スティンガーシーズン」)は11月から5月です。刺された場合は、患部に酢を30秒以上かけます。酢がない場合は、触手を注意深く外し、患部を海水で洗い流します。すぐに 000 に電話して医療支援を求めてください。

イルカンジ

https://manoa.hawaii.edu/exploringourfluidearth/biological/invertebrates/phylum-cnidaria/weird-science-deadly-box-jellyfish

 

4.“Be Crocwise”   ワニに注意

 ソルトウォーター・クロコダイルはオーストラリアの北部に生息しています。ソルトウォーター・クロコダイルは世界最大の爬虫類で、非常に攻撃的です。安全標識に注意し、ソルトウォーター・クロコダイルが生息している地域では、川や河口、マングローブの岸辺、深いプール、海等に入らないでください!

オーストラリアのワニ教育プログラム “Be Crocwise”

https://becrocwise.nt.gov.au/crocodiles-and-me

 

ソルトウォーター・クロコダイルは上の地図のオレンジ色の地域に生息しているので、この地域では絶対に海に入らない!

https://territorywildlifepark.com.au/our-animals/saltwater-crocodile

 

マングローブの木の近くで日光浴しているワニ

https://sailing-whitsundays.com/article/fun-facts-about-saltwater-crocodiles-in-airlie-beach

 

5.Sharks  サメ

  夜明け、夕暮れ、夜間は泳がない方がいいです。また、遠泳したり、河口や沖合等で泳ぐのは避けた方がいいです。赤と黄色の旗の間、または シャークネット内にいれば安全です。サメ警報が鳴った場合は、サーフ・ライフガードの指示に従い、水から出てください。

サメ標識

https://www.goldcoastbulletin.com.au/news/council-to-warn-tourists-about-shark-attacks-on-northern-nsw-beaches-and-surf-breaks/news-story/58eb13b37789930558a9eba499277c48

 

6.Be Sun-Smart  日焼けから身を守ろう

  オーストラリア上空のオゾン層には穴が開いているため、オーストラリアの紫外線指数は非常に高く、皮膚がんを発症するリスクが高いです。実際、オーストラリアは世界で最も皮膚がんの発生率が高い国であります。オーストラリアには、太陽の下で賢く過ごすためのスローガンがあります:SLIP、SLOP、SLAP、SEEK、SLIDE。これは、SLIP on a T-shirt (Tシャツを着る)、SLOP on sunscreen (日焼け止めを塗る)、SLAP on a hat (帽子をかぶる)、SEEK shade (日陰に入る)、SLIDE on sunglasses (サングラスをかける)、という意味です。皆様もオーストラリアを訪れる際には、これらのガイドラインに従って、日焼けから身を守ることをオススメします。

https://www.cancer.org.au/cancer-information/causes-and-prevention/sun-safety/campaigns-and-events/slip-slop-slap-seek-slide

 

  ちなみに、シドニーに到着すると、多くの観光客がシドニーで最も有名なビーチ、ボンダイ・ビーチに直行します。このような観光客のほとんどは、オーストラリアのビーチに関する予備知識なしに海に入り、サーフ・ライフガードに救助される羽目になります。このようなことがよくあるため、ボンダイ・ビーチのサーフ・ライフガードを題材にした『ボンダイ・レスキュー』という人気テレビ番組があります。

   しかし、皆様はこれでオーストラリアのビーチの安全についての知識は身についたと思いますので、オーストラリアのビーチを安全に楽しむことができると確信しています。

「ボンダイ・レスキュー」のテレビ番組

https://10play.com.au/bondi-rescue/participants/season-15

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