各海区の漁業の紹介(8海区)

このページを印刷する

長崎県海区別地図

西彼海区

西彼海区は、長崎半島から西彼杵半島西岸と離島域で囲まれ、西方向に開いた五島灘の一部で、沖合域は九州西方を北上する対馬暖流の影響を受けています。沿岸域では沿岸流との境界に多くの潮目が形成され、変化に富んだ海洋環境となっています。また、沈降性海岸特有の急深地形が形成されており、急傾斜地より深所は起伏が少ない緩やかな傾斜となっています。
地域内には水産物の水揚げの拠点として新長崎漁港が立地し、多くの魚介類が集荷するとともに、海外向けの出荷も行われています。また、漁港の背後地には水産加工団地や、行政、大学の海洋関係の研究機関が集積されており、生産・流通・加工・研究・教育にわたる水産基地が形成されています。
主として、刺網、たこつぼ、かご、まき網などを中心とする漁船漁業が営まれています。

大村湾海区

大村湾は、南北に約26km、東西に約10km、湾北部の針尾瀬戸と早岐瀬戸の2本の細い水路でのみ外海とつながる閉鎖性の強い内湾です。水の出入りが非常に少ないため、湾内の水温は気温の影響を受けやすく、夏季は30℃を超え、冬季は10℃を下回るなど季節変動が大きいのが特徴です。
湾内では、小型底びき網、刺網、延縄、カゴ、採介藻等の漁業が営まれ、ブリ類やマダイ等の魚類養殖やカキや真珠の貝類養殖も営まれています。

橘湾海区

橘湾は長崎県の南部に位置しており、西は長崎半島、東は島原半島に囲まれ、湾口は南西に大きく開いた、やや外洋性の強い面積約680k平米の湾で、海岸線は比較的単調な地形です。
湾域は対馬暖流の影響を受け、主にカタクチイワシ、マアジ、サバ類、タチウオ、エビ類、イカ類が漁獲され、サザエ、ウニ類等の磯根資源にも恵まれ、中・小型まき網のほか小型底びき網、刺網、はえ縄等の漁業が営まれています。また、静穏域では、トラフグ、ハマチ(ブリ)、マダイ等の魚類養殖、カキの養殖が営まれています。

有明海海区

有明海は長崎県、佐賀県、福岡県、熊本県に囲まれ、周辺に多くの都市部や農村地区を抱え、陸域からの負荷により富栄養化や汚染が進行しやすい閉鎖性の海域です。湾口部は橘湾と不知火海に接続し、湾奥部には遠浅な海底地形を有しています。
海域内の潮流は潮汐により随時流向を変えますが、長期的には海域内の海水は反時計回りに移動しています。
潮汐による干満の差が大きく、干潮時には湾奥部の佐賀県、福岡県および熊本県側に広大な干潟が形成され、二枚貝を始め、大型底棲生物が抱負に分布することにより海域全体の浄化能力は本来高く、また、広大で肥沃な浅海域を有することから、漁場として利用されるだけでなく、海域全体がヒラメ類、カレイ類、フグ類、ガザミ類、エビ類、貝類等多くの重要水産資源の産卵場や幼稚仔の育成場となっています。
有明海北部ではアサリやマガキ養殖がさかんなほか、中部ではノリ、南部ではワカメ養殖など藻類養殖もさかんです。ほかにも小型底びき網、ごち網や一本釣など漁船漁業も営まれています。

県北海区

県北地域は本県の北西端に位置し、対馬暖流の影響を強く受け、五島列島の最北部に浮かぶ宇久島、小値賀島を含む数多くの島嶼とリアス式海岸からなる複雑な海岸地形と相まって、沿岸水との潮境を形成することから、イワシ類、アジ類、サバ類、ブリ類、イカ等の回遊がみられるほか、マダイ、ヒラメ、イサキや磯根資源のアワビ、ウニ類等数多くの魚介類に恵まれています。
また、複雑な海岸地形の湾や入り江では、魚類や真珠などの養殖業も営まれ、内湾から沖合まで漁場環境を活かした多種多様な漁業が営まれています。

五島海区

五島海区は、中通島以南の男女群島を含む五島列島で構成され、長崎県の西に位置しています。東は五島灘、西は東シナ海に面し、黒潮本流から分岐して北上する対馬暖流と、列島付近にできる沿岸流との影響から、西日本有数の好漁場を形成しています。海岸線は、大小百あまりの島々やリアス式海岸で変化に富み、形成される静穏域には海面養殖の適地が多く、また、磯根資源も豊かです。
ここでは、一本釣や延縄をはじめ、まき網、刺網、たこつぼ、採介藻、魚類や真珠等の養殖、定置網など様々な漁業が営まれています。浜浦々には、漁協や民間業者などにより、定置網や養殖によって生産された魚介類を原料とした漁村加工が行われています。

壱岐海区

壱岐島は、九州西部の玄海灘に位置する南北約17km、東西約15kmの平坦な島であり、本島の周辺海域には、対馬暖流分岐流と九州沿岸流が交差し、七里ヶ曽根、ヒラ曽根など天然礁が多く存在することから、いか類、ぶり類、まぐろ類、さわら等の好漁場となっています。
沿岸の浅海域は、起伏に富む岩礁地帯が張り出し、うに類やあわび類などの磯根資源が豊富です。
島内漁業は、いか釣り漁業、釣り漁業を主体として、その他、採介藻漁業、定置網漁業が行われるとともに、島東部及び南部の静穏域では、魚類、真珠、かき類の養殖が行われています。

対馬海区

九州本土と朝鮮半島との中間に浮かぶ対馬島は南北82km、東西18kmと細長く、海岸線は複雑で915kmにも及びます。韓国とは古くから交流が盛んでしたが、近年は高速船も増便し、対馬の歴史や自然を目的とした韓国人観光客が急増しています。周辺には海谷、海盆や岩礁が多くあり、対馬暖流と大陸沿岸水が交錯し、好漁場が形成されているためイカ類、ブリ類、タイ類、ヨコワ(クロマグロの幼魚)、マアジ、サバ類等の回遊性魚類のほか、アワビ類、サザエ、ウニ類ヒジキやカジメ類等の豊かな磯根資源に恵まれています。
森林が多く耕地面積も少ないことから水産業が発展し、いかつり漁業、ひき縄漁業、延縄漁業、一本釣り漁業などの釣漁業やアナゴカゴ漁業のほか定置網漁業や採介藻漁業、豊富な入江を活かしたクロマグロ養殖業や真珠養殖業が営まれています。

このページの掲載元

  • 水産経営課
  • 郵便番号 850-8570  
    長崎県長崎市尾上町3番1号
  • 電話番号 095-895-2832 (水産経営課 漁村振興班) 095-895-2833 (水産経営課 経営金融班 )
  • ファックス番号 095-895-2583