閉会中の委員会活動

文教厚生委員会

現地調査

委員会名 文教厚生委員会
目的 文教厚生行政現地調査
日時 平成28年11月21日(月)~22日(火) (2日間)
調査先 壱岐市、大村市、諫早市、長崎市
出席委員 委員長 宅島寿一、副委員長 坂本浩、委員 橋村松太郎、委員 渡辺敏勝、
委員 外間雅広、委員 堀江ひとみ、委員 山本啓介、委員 ごうまなみ、
委員 近藤智昭 
概要

1.壱岐高等学校

「東アジア歴史・中国語コースと離島留学」について調査を行った。

(1)コースの概要
 
  • 東アジアの歴史や考古学、中国語を少人数でじっくり学ぶことがてきる。1年時は共通のカリキュラムで歴史学と中国語の基礎を学習し、2年時から生徒の興味や進路希望に応じて、歴史学専攻と中国語専攻に分かれ、それぞれ専門の学力をつけていくこととしており、さまざまな体験学習や国内外の史跡巡検、上海外国語大学での中国語研修などを通して、幅広い教養や国際感覚を身につけることができるカリキュラムが組まれている。
  • 現在の生徒数は、1年生13名、2年生9名、3年生3名の計25名で、このうち18名が離島留学生となっている。
(2) 中国語学習  
 


  • 少人数で行う授業で、壱岐高校が基礎とする「わかる授業」を実践している。授業は、中国から招聘した教員等によりネイティブで分かりやすい中国語を教えている。1年生は文法解説などの中国語の基礎を学び、2年生からは「中国語購読」と「中国語会話」の2科目を受講し中国語検定試験や中国語スピーチコンテストに参加する機会があり、共に優秀な成績を収めており、平成27年の「立命館孔子学院 中国語スピーチコンテスト」において最優秀賞を受賞している。さらにコースの特徴として、夏に上海語学研修に参加することができ、中国を含め世界各国の方々との中国語による交流を実施している。日本語が通じない環境において生活することにより、自分の語学力の向上に繋がっている。
(3) 今後の課題
 
  • 離島留学生の受入れについて、現在の18名は里親宅でのホームスティで、今年度は里親の中に、民宿経営者も含まれている。
    留学生の費用は定額3万円が壱岐市からの助成で、自己負担は月額4万円となっている。今後、県、市も含めて、受入れ態勢の強化と離島留学制度のPRに積極的に努めていく必要がある。また、里親、民宿経営者の高齢化も懸念されるため、学生寮等の設置など、生徒が安心して学習できる環境を構築していくことにより、保護者からの理解も得られ、離島留学生の増加に繋がる。

2.社会福祉法人「ゆうわ会」(長崎市)

 「指定障害者支援施設」について調査を行った。

(1)法人の主な沿革
 


  • 昭和41年 さくら保育園開園
  • 昭和46年 知的障害者入所施設「ながさきワークビレッジ」開設
  • 昭和58年 知的障害者入所施設「さんビレッジ」開設
  • 平成11年 社会福祉法人ゆうわ会へ法人名称変更
  • 平成15年 職場適応援助者事業開始
  • 平成17年 知的障害者通所授産施設ワークショップあさひ開設
  • 平成19年 ゆうわ会販売所オープン
  • 平成20年 障害者就業・生活支援センタ-ながさき開所
(2)指定障害者支援施設の概要
  ① 運営方針
  • 利用者の皆さんが社会生活に必要な生活支援を行うと共に、作業訓練を通して、働く喜びを学び、就労に向けた支援を行っている。
  • できる限り居宅に近い環境の中で、地域や家庭との結びつきを重視している。
② おもな作業
  • アートプリントにおいて、発注者の希望に応じたプリントTシャツや看板作成等を行っている。
  • 洋菓子製造において、施設独自のお菓子メニューが好評で既に商品化した。各種イベントへの賞品等として多数の予約が入っており、施設の中でも最も収益が伸びている部門である。
  • 木工製造において、高い技術力により、小物家具から陳列ケースなどを作成している。

 以上のほか、長崎県埋蔵文化財センター(壱岐市)において「バックヤードにおける作業状況と保存についての取組」、特別養護老人ホームハッピーヒルズ(壱岐市)において「ユニットケアへの取組」、新県立図書館建設予定地(大村市)の視察、長崎日本大学高等学校・中学校(諫早市)において「中・高一貫教育や特色ある英語教育」、長崎こども・女性・障害者支援センター(長崎市)において「児童相談体制」について調査を行った。

現地調査

委員会名 文教厚生委員会
目的 文教厚生行政現地調査
日時 平成28年8月2日(火)~8月5日(金) (4日間)
調査先 北海道
出席委員 委員長 宅島寿一、副委員長 坂本 浩、委員 橋村松太郎、委員 渡辺敏勝、
委員 外間雅広、委員 堀江ひとみ、委員 松島 完、委員 山本啓介
委員 近藤智昭
概要

1.北海道立図書館(北海道江別市)

北海道立図書館を訪問し、「全域図書館としての取組み」について調査を行った。

(1)施設概要  
 


北海道立図書館

・敷地面積:30,883.69㎡
・延床面積: 8,323.25㎡
・竣  工:昭和42年2月1日
・開館時間:午前9時から午後5時まで
・定  員: 150名
(2)基本方針  
  ○ 図書館のセンターとして
 道内の図書館網のセンターとして、市町村立図書館の活動に協力し、併せて専門図書館、大学図書館とも連携しながら図書館活動の推進につとめている。
○ 参考図書館として
 道民の多様なニーズに対応できるよう、一般資料のほか比較的高度な調査研究に必要な資料等を整え、道民がこれらを利用できるサービスを行っている。
○ 全域サービスの図書館として
 図書館未設置地域への支援、図書館情報システムの整備等により、いつでも、だれでも、どこからでも求められた資料や情報に対応できるサービスを展開している。
(3)今後の課題等  
   市町村立図書館等への支援や、図書館運営の相談、図書の大量一括貸出し、学校図書館への貸出し等、様々な支援を行っているが、図書館の中の図書館という位置付けのイメージが強いため、今後は個人の利用促進と地域に開かれた図書館としての取組みを強化していく。

2.札幌市立資生館小学校(北海道札幌市)

札幌市立資生館小学校を訪問し、「札幌都心部子ども関連複合施設」について調査を行った。

(1)施設概要  
 


資生館小学校

○札幌市立資生館小学校
 都心部の4小学校(創成小・大通小・豊水小・曙小)は、著しい児童数減少に伴う小規模校化の中で、更に縮小することが予想されたため、学校適正配置の観点から統合された。

○資生館小ミニ児童会館
 都心部には、子どもたちが安心して遊べる場が少なく、学校からランドセルを背負って、直接来館できるミニ児童館の設立は地域の人々の要望であったため、文部科学省と厚生労働省の連携事業(放課後子どもプラン)を活用して設置された。

○札幌市しせいかん保育園
 全市的な利用が可能であるという地域特性を活かし、延長保育、一時保育、夜間保育、障害児保育等の多様な保育ニーズに対応する保育所として、社会福祉法人が運営主体となって設置された。

○札幌市子育て支援総合センター
 専業主婦家庭の父親や共働き家庭など、それまでの事業への参加が難しい市民のニーズや地域を越えた広い範囲での仲間作りを求めている市民ニーズに対応するとともに、家庭の育児力向上の観点から家庭教育を含めた子育て支援を進めるために設置された。

○資生館小ミニ児童会館
 小学校児童対象とし児童数は568名(28.4.1現在)

○札幌市しせいかん保育園
 小学校児童対象 課業日は放課後から19時まで、学校休業日は8時から18時 平成27年利用実績は約24,574名

○札幌市しせいかん保育園
 産休明け~就学前児童対象 開館時間は7時から22時 定員120名、現在125名入園中

○札幌市子育て支援総合センター
  0才~就学前の親子対象 開館時間は9時から17時 平成27年度利用実績52,898名
(2)主な取組み  
 

 『相互交流』、『開放』、『環境』、『安全』をコンセプトとし、全ての児童が安全に利用できる天然芝のグラウンドを整備し外部から施設内をうかがうことができるよう大きな窓ガラスを設置している。また、太陽光発電システムを設置し、節電による環境教育を行っている。 警備については、監視カメラ10台の設置、常時警備(6時30分~22時30分)を行っている。

2.特別養護老人ホーム「静苑ホーム」(北海道江別市)

札幌市立資生館小学校を訪問し、「札幌都心部子ども関連複合施設」について調査を行った。

(1)施設概要  
  ・敷地面積:4,368㎡
・建物構造:鉄骨造一部3階建
・延床面積:2,917.22㎡
・開設年月日:1973年(昭和48年)12月25日
・施  設: 個室 75室、多床室 30室(90床)現在準個室化へ改修中
・定  員: 150名
・職 員 数: 141名(介護系職員112名)
(2)沿革  
 

・1971年 江別盲人養護老人ホーム恵明園 事業開始
・1973年 北海道友愛福祉会が発足(北海道宏栄社から法人分離)
・1973年 特別養護老人ホーム静苑ホーム 事業開始
・1979年 恵明園・静苑ホーム共同墓苑「友愛の廟」完成
・1990年 老人保健施設友愛ナーシングホーム 事業開始
・1999年 静苑ホームを市内新栄台地区へ移転新築
・2008年 魅力ある職場環境づくり会議発足
・2010年 法人職員による研究発表大会の友愛学会を開始
・2011年 市民向け福祉公開講座として市民文化講座を開始
・2014年 グループホームゆうあい 事業開始
・2014年 地域福祉人材応援事業(介護奨学金制度)創設
・2015年 地域助け合いサポートセンター設置

(3)主な取組み  
 

① 多床室の個室化   
 厚生労働省の地域医療介護総合確保基金を活用し、多床室を4つの部屋に区切るなどの改修を行った。ただし、完全に壁で分離するのではなく、天井部分は密閉されていない空間があり、またそれぞれの入口はカーテンとなっている。  
 壁の素材には光を透過する素材を用い、プライバシーを確保しつつもある程度の開放感もあり室内のトイレや、洗面台もリニューアルし照明センサーの採用など細かい点にも配慮されている。自分の部屋ができてうれしいという、入居者からの声や訪ねてきた家族も周囲に気兼ねなく話ができる等、好評である。すでに完全個室に入居している方や二人部屋の方もこの部屋へ移りたいとの要望がでているほどで、現在順番待ちの状態とのこと。
なお、入居費用は、多床室の設定のままである。


特別養護老人ホーム「静苑ホーム」

② 地域福祉人材応援事業  
 江別市の未来の介護人材を確保するため、地域貢献の一環として「介護奨学金制度」を設けている。この奨学金は返済が不要だったり、介護体験ができるなど介護職をめざす学生にはメリットの多い制度となっている。この制度を活用し、資格を取得し、現在静苑ホームに就職している方も多数いる。
・対  象:現在、江別市に在住の学生
・給付条件:法人事業所にて、年10日間程  度のボランティアへの参加
・給付費用:月額 15,000円
・選考基準:面接、課題作文 800字以内
「介護の仕事を志した理由」


③ 地域助け合いサポート  
 地域の独居世帯へのゴミ出しサービスや 孫の結婚式に出たいが、歩行困難で介護が必要なためあきらめている方への介護スタ ッフによる、移送サービスを行っている。 地域自治会とは共同で夏祭りや花火大会を 開催するなど交流の場として施設を開放している。  
 また、職員の中に自分の子供が通うための学童保育所がほしいという声が上がったことと、地域の子育てを支援するという方 針があったことからホーム内に民間が運営する『ふわっと』という放課後児童クラブを設置した。経費はクラブ負担だが家賃は無料としている。 このことにより、普段は自室からあまり出てこない入居者も子ども達を見に来るようになり子ども達との交流によって感情が生き生きとしてきている。  
今後は入居者が子ども達に書道を教えるなど様々な取組みを検討している。

④ その他  
 静苑ホームでは、休むことも大切な仕事をコンセプトに、休憩環境の質的向上に取り組んでいる。コーヒーやジュースなどが無料で飲めるドリンクサーバーやスタッフ専用のWi-Fiを設置。また休憩室の全面改修を行い本格的なキッチンを新設しスタッフが楽しくくつろぎ、疲れを癒す場所をとなった。 このような取組みにより、介護職員の離職率は過去3年で2.7%と平均値を大きく下回っている。

 以上のほか、特別養護老人ホームやすらぎ荘において「ユニットケアの取組状況」、札幌市において「学校給食フードリサイクル事業」、「子ども医療の複合施設」について調査を行った。