閉会中の委員会活動

観光振興等対策特別委員会

現地調査

委員会名 観光振興等対策特別委員会
目的 観光振興対策現地調査
日時 平成28年10月12日(水)~13日(木)(2日間)
調査先 五島市、波佐見町
出席委員 委員長 深堀 浩、副委員長 山口経正、委員 橋村松太郎、委員 山田博司、委員 髙比良 元、 委員 中島浩介、委員 大久保潔重、委員 宅島寿一、委員 大場博文、委員 宮本法広
概要

1.五島コンカナ王国(五島市)

五島コンカナ王国において、五島市およびコンカナ王国での観光施策「観光客及び宿泊客 受け入れの現状、観光事業の取組等」について調査を行った。

○五島市の概況
  ・五島市の位置   
五島市は、九州の最西端、長崎県の西方海上約100Kmに位置しており、大小152の島々からなる五島列島の南西部にあって、総面積は420.04平方Km、11の有人島と 52の無人島で構成されている。
・地勢   
福江島の西側の海岸は、東シナ海の荒波を受け海蝕崖がつらなり、特に大瀬崎の断崖、嵯峨島の火山海蝕崖が有名。また、福江島、嵯峨島には、小型のホマーテ(臼状火山) 及びアスピーテ(楯状火山)の火山群があり、その特異な火山形は我が国でも珍しい存在となっている。島全体の景観は非常に美しく、その大部分が西海国立公園に指定されている。
・気候   
五島地方は対馬暖流の影響が大きく、冬は暖かく夏は比較的涼しいといった海洋性の気候(西海型気候区)に属し、年間平均気温は17度で対馬暖流の影響を受け比較的温暖で、年間降水量は2794.5mm。
○五島列島各市町・観光協会、五島振興局との連携事業    
 【世界遺産の島の個人型観光受入推進プロジェクト H27~H29】
  ・目的   
①観光客の五島列島周遊促進、3市町の連携促進   
②個人観光客をターゲットとした世界遺産登録に向けた受け入れ環境整備   
③観光関係事業者の意識向上、人材育成  
・実施主体  五島列島おもてなし協議会   
・構成団体  五島市、新上五島町、小値賀町、五島市観光協会、新上五島町観光物産協会、
       おぢかアイランドツーリズム協会   
・事業内容   
①3島合同月間着地型情報誌「ゆたっと」発行   
②観光客受入環境整備やマップづくり・ガイド養成等   
③職員間交流や観光客満足度調査の実施 など  
 


五島コンカナ王国にて

 
○五島市の主なイベント
  ・五島列島夕やけマラソン ・バラモンキング(トライアスロン) 
・国指定・重要無形民族文化財ヘトマト  ・長崎県指定・無形民族文化財チャンココ     
○その他、感動しま旅!五島プロジェクト
  ・体験型観光推進事業 ・巡礼ツアー推進事業 ・誘客プロモーション事業など実施。 
○五島コンカナ王国における観光客の状況と取組事項
 
  • 宿泊者数は、平成25年 13334人 平成26年 16574人 平成27年 17637人と増加傾向。
  • 客室のハイクラスルームリニューアル、観光ワイナリー開業、スポーツ合宿やインバウンド受入強化等を図っている。
  • しまとく通貨利用者や、WEBでの予約増加が要因とみている。
  • 今後は、ハイクラス宿泊施設計画、レストランの充実、ワイナリー生産性向上など新たな計画を進めていく予定。
    

2.五島列島酒造(五島市)

地産地消で原材料はすべて五島産による酒蔵である「五島列島酒造」を視察した。まさしく「五島」そのものを封じ込めた会社であり、観光振興を図っている。福岡国税局管内酒類鑑評会においては、2011年11月に『五島麦』が金賞を受賞。五島産二条大麦の原料特性がよく現れている点や、芳醇な香りとふくらみのある味を評価して頂き、金賞の評価を受けている。全国各地から観光客が訪れ、「五島」をアピールしている。


五島列島酒造にて

3.三井楽町(五島市)

遣唐使ゆかりのある三井楽町(日本遺産)にある「辞本涯」や、明星院(日本遺産)、県と市連携による環境整備等行っている「高浜」など、現地を視察した。現地へ直接赴くことにより、道路整備等の必要性や日本遺産登録後のさらなる維持すべきための問題点など、改善すべき事業のみならず、地域住民の協力等、現状把握を行った。

日本遺産 現地視察

4.波佐見町

波佐見町(中尾山・鬼木地区)において、観光客誘致状況及びARによる情報発信等の 取り組みについて調査を行った。

○波佐見町の概況
 
  • 虚空蔵山系を南に、東北を神六山系に、西を弘法岳山系の100~500mの山々が起伏し、町の中央を東北から南南西にのびる川棚川は、川棚町を経て大村湾に注いでいる。これに沿って、折敷瀬、宿、田の頭、岳辺田、平野地区が平坦部を形成し、やや密集した集落が連なり、水田が耕されている。 山林は,傾斜地に拓かれた畑地帯から山頂に達して、町全体を囲み森林資源地帯を形成しており、地質は、第三期層丘陵と石英粗面岩類の山地がいたるところに散在起伏し、沖積層平坦部がその間に入りこみ複雑な地形をなしている。
  • 長崎県のほぼ中央、東彼杵郡の北部に位置し、西は佐世保市、南は川棚町、東は佐賀県武雄市、嬉野市に、北は佐賀県有田町に接している。東西10.5km、南北7km、周囲33kmで総面積56km2。また、長崎県内でも海に面していない唯一の町でもある。       
  • 人口は、15324人、戸数は5017戸(平成23年7月末現在)だが、400年の伝統をもつ全国屈指の「やきものの町」として栄えている。全国の一般家庭で使われている日用食器の約13%は波佐見町で生産されている。町内には陶磁器に関する約400の事業所があり、町内の約2000人が窯業関係の仕事にたずさわっている。また、農業の近代化にも力をいれ、県営圃場整備、農村総合整備モデル事業なども県下で第1号として実施。水田面積650haのうち約83%の区画整理が完了。大型農機による作業とライスセンターを結んだ米麦一貫作業体制が確立されている。これによって生じる農家の余剰労働力は、地場産業である陶磁器関連産業への就労と結びつき、農工一体となって発展を続けている。今後は、波佐見テクノパークに立地した長崎キヤノン㈱と400年の歴史を有する陶磁器産業、農業や温泉などとの共生を図り、「活力と潤いにみちた陶磁と緑のまち 波佐見」を目指したまちづくりを展開していく。
○陶郷 中尾山うつわ散策マップ・中尾山なび事業概要
 
  • 中尾山地区には、17の窯元が伝統を受け継いでおり、170mを超える世界最大の登り窯跡を有し、陶器祭りの時期には、約1万人もの観光客が訪れる。しかし、道幅は狭く入り組んでいるため、初めて訪れた人には道順や周遊ポイントが分かりづらいという問題があっていた。このような課題に最新のIT技術(拡張現実AR)を利用して魅力を伝える「おもてなし」を実現した事業である。
  • Wi-Fi整備、アシスト付き電動レンタサイクルの利用等も実施しており、今後は、アプリ利用者の増加を期待する。

波佐見町 中尾山・鬼木地区にて

現地調査

委員会名 観光振興等対策特別委員会
目的 観光振興対策現地調査
日時 平成28年8月23日(火)~25日(木)(3日間)
調査先 函館市、岩手県、日本橋長崎館(東京都)
出席委員 委員長 深堀 浩、副委員長 山口経正、委員 橋村松太郎、委員 山田博司、 委員 中島浩介、委員 大久保潔重、委員 宅島寿一、委員 大場博文、委員 宮本法広
概要

1.函館市役所(北海道函館市)

函館市役所において、観光都市函館の魅力発信等についての調査を行った。

○函館市の概況
  函館市は,渡島半島の南東部に位置し,東・南・北の三方を太平洋・津軽海峡に囲まれ,西は北斗市・七飯町・鹿部町と接している。   
安政6年(1859年)横浜・長崎とともに日本最初の国際貿易港として開かれて以来、海外との交流が始まり、近代日本の幕開けの中でいち早く外国文化に触れ、市民の中にも新進的な国際感覚が息づく、長い歴史と文化を有する街。 
(平成28年7月末現在 平成24年7月末から外国人住民を含む。)  
世帯数 143,896世帯  人口 266,585人   
○函館山展望台
  昭和28年に山頂に展望台が開設され、昭和33年には山麓と山頂を結ぶロープウェイが開業。  
昭和63年には125人乗りの新ゴンドラを導入し、そして北海道新幹線開業を控えた平成27年秋にリニューアルされ、観光地として人気の場所であり、日本に関する旅行ガイド「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」に三つ星として収録されている。  
※函館市夜景グレードアップ基本計画あり
○北海道新幹線開業を見据えた観光振興の取り組みについて
  ミシュラン・グリーンガイド・ジャポンにて函館市の21箇所が星「★」をもらっている。  
「★★★」:函館山からの夜景、「★★」:五稜郭跡、元町地区など、「★」函館、函館港など。  
このような持ち前を活かして「観光基本計画」と「北海道新幹線開業はこだて活性化アクション」と連携した取り組みにより、活性化させている。
施策ピックアップとして
  • 「函館まちあるき」コース造成
  • 人材育成。マップ作成・イベント創出
  • 新たな体験観光メニューの創出
  • 市内周遊性向上の推進
  • 広域観光の推進 など


函館市役所にて

2.岩手県庁(岩手県盛岡市)

岩手県庁において、世界遺産平泉の観光振興等にかかる現状等について調査を行った。

  ○2017年は特に「世界遺産登録5周年」であり様々なイベントを実施している。  
 「東北観光復興元年」とし、国・東北各地とも連携した取組を強化している。  

①地域資源を活かした魅力的な観光地づくり   
  • 復興ツーリズム推進事業
  • 三陸総合振興推進事業 など
②観光人材の育成や二次交通などの受け入れ態勢整備   
  • 県民運動などによるおもてなしの実践
  • 交通ネットワークの整備など来訪者の交通手段の充実 など
③効果的な情報発信と誘客活動   
  • ターゲットに即した観光誘致の促進
  • コンベンションの誘致促進
  • 教育旅行の誘致促進 など
④国際観光の振興   
  • 海外向け情報発信及び誘客活動の強化
  • 外国人観光客の受入態勢の強化
  • 東北観光復興対策交付金の活用による取組強化 など

○「平泉の文化遺産」について   
平成23年6月登録   
 平泉-仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群-   
構成資産   
 「中尊寺」「毛越寺」「観自在王院跡」「無量光院跡」「金鶏山」  

○平成18年登録から漏れた5遺産については、拡張登録に向けた調査研究を集中実施しており、平成29年度末の推薦書(案)提出を目指している。


岩手県庁にて

3.日本橋 長崎館(東京都中央区日本橋)

日本橋 長崎館において、アンテナショップとしての取り組み等について調査を行った。

(1)目 的
   首都圏にアンテナショップを設置し、本県の歴史・文化、自然、食などの魅力を総合的に 発信するとともに、県内市町及び関係企業・団体との連携強化により、県産品のブランド化・販路拡大及び長崎県への誘客促進を図る。
(2)基本コンセプト
   首都圏と地元の人・物・情報の交流を活発化することで“地域を元気にする”   
《ポイント》
  • 人気の定番商品に加え、既存の流通に乗っていない商品や知名度が低い観光資源も積極的にPR
  • アンテナ機能を重視し、首都圏の消費者が求める商品や観光資源を掘り起こして、ショップから地元へ提案
  • 長崎の魅力を活かした新たなライフスタイルの提案
《ターゲット》
30~40代の女性、本物志向のシニア層、団塊及び団塊ジュニアの母娘 など
(3)ショップの特徴
  ① 観光等情報発信ゾーン【約3坪】  
  • 来館者の目に付きやすいよう、入口近くに設置
  • 旅の案内人を配置し、きめ細やかな観光情報等を提供
② 物販ゾーン【約43坪】  
  • 来館者に島々をめぐるように買い物を楽しんでもらうよう、島と船をイメージした平台を設置
  • 食と暮らしの案内人を配置し、隠れた逸品や新しいライフスタイル等を紹介
③ 軽飲食提供ゾーン【約8坪】  
  • 本県自慢のお菓子やお茶、お酒などを提供
  • 波佐見焼、三川内焼の陶磁器等を食器に使用(販売も可)
④ イベントゾーン【約14坪】  
  • 物販ゾーンや軽飲食提供ゾーンと連動した実演販売やテストマーケティングのほか観光イベントなどが出来るよう備品や大型映像装置等を準備


アンテナショップ 日本橋 長崎館にて

  以上のほか、函館山夜景・五稜郭など観光地の魅力に関するツアー客の現状、Wi-Fi整備状況等について、東京都心の、他県アンテナショップにおける情報発信状況などについて、現地調査を行った。