閉会中の委員会活動

環境生活委員会

現地調査

委員会名 環境生活委員会
目的 環境生活行政現地調査
日時 平成28年11月21日(月)~11月22日(火)  (2日間)
調査先 長崎市、諫早市、雲仙市、島原市、南島原市
出席委員 委員長 中島浩介、副委員長 大場博文、委員 三好德明、委員 瀬川光之、
委員 中島廣義、委員 山田朋子、委員 友田吉泰、委員 大久保潔重、委員 麻生隆
概要

1.雲仙地獄の再整備(雲仙市)

環境省の雲仙プラン100に基づく再整備状況について調査を行った。

(1)雲仙地獄の再整備について
  雲仙プラン100は、2034年に迎える国立公園指定100周年に向けて、島原半島が一体となった取り組みを目指して、国立公園である雲仙地域のあり方を示した地域再生計画である。雲仙温泉観光協会が、「見る雲仙地獄」から「体感する雲仙地獄」へと再整備を行いい、平成27年12月15日(火)にリニューアルオープンした。
(2)整備の概要
  お糸地獄:卵部屋を立て替え、休憩施設の増設
大叫喚:間近で噴気が見られるようデッキの整備と歩道の改良
泥火山:泥火山が安全見ることができるようデッキを設置
50周年広場:団体の集合場所にできるよう整備
清七地獄:バリアフリー化
全施設について、多言語対応の説明看板を設置
(3)今後の取り組みについて
   


雲仙地獄の再整備状況

 国立公園は、重要な地形・地質について優れた自然風景地を構成する要素として、評価し指定されている。国立公園の取り組みとして、ジオパークの支援を行ってきた。火山や地質をテーマにした環境学習・自境観察会を開催しており、地域の保全推進や標識等の整備など安全性を確保することが必要である。
 今後も、自然の保護と適正な利用の推進への取り組みを進め、地域振興の起爆剤として、取り組む。

2.大野木場監視所(南島原市)

普賢岳の堆積土砂の状況、観測状況等について調査を行った。

(1)火砕流による被害と現状  
   平成3年に大火砕流が発生した雲仙・普賢岳噴火災害については、25年を経過してもなお、土石流が発生している。平成28年6月の土石流では、約6.5万立方メートルと推定され、赤松谷川上流の砂防施設で食い止められ、下流の人家、国道まで流下することなく、被害はなかった。

(2)監視・観測体制  
   溶岩ドームの動きを、光波測距、GBSAR、振動センサー、GPS、監視カメラ、雨量計などで観測している。観測結果は、島原市長・南島原市長の避難判断の目安や工事関係者の工事中止の判断に利用している。  
(3)無人化施工の取り組み
   


無人化施工操作室

 現在でも、人の立ち入りが制限されている区域【警戒区域】が設定されており、無人情報化施工システムを用いて、安全な場所から建設機械を遠隔操作する「無人化施工」を用いて工事を実施している。
  • 無人測量システム
  • 排土板制御システム
  • ガイダンスシステム
  • 転圧管理システム

3.就労継続支援施設A型事業所「ブルースカイ」の衛生管理について(諫早市)

県が実施している食品衛生自主管理促進事業について、事業所の取組状況を調査した。

(1)事業所の概要
  グループホームや各事業所に夕・翌朝の調理済食材を届ける「ディナーサービス」や、各事業所へ昼食の弁当配達を実施。
  • 法人団体名 :社会福祉法人 南高愛隣会
  • 代表者 :田島光浩
  • 施設管理者:高木美和
  • 職員数:11名
 
(2)衛生管理の取り組み  
 


1.組織図
2.「清潔区域」と「汚染区域」の明確化
3.異物混入対策
 作業服の着用手順の徹底
 食中毒・異物混入対策
4.各種温度管理と記録 各種温度管理簿(7種類)の徹底
 ブラストチラー(急速冷却器)設置 
5.殺菌処理
 紫外線殺菌、次亜塩素殺菌、加熱殺菌
6.衛生教育
 社員の衛生教育(年6回)
 現場点検の取り組み
 ・衛生コンサルタントの指導、営業・安全管理推進課、保健所からの指導
●長崎県の衛生管理の取組
   HACCP方式は、国連の国連食糧農業機関(FAO)と世界保健機構(WHO)の合同機関である食品企画(Codex)委員会から発表され、各国にその採用を推奨している国際的に認められた食品の衛生管理の手法。
 長崎県は、県立保健所の食品衛生監視員が、施設の衛生管理状況を評価し、その結果に応じて、県で作成した手引書を用いて個別に技術的助言を実施。評価段階は8段階に分けられており、一つずつ上の評価段階を目指し、4段階以上の評価を受けた施設は、取り組み施設として、県のホームページ上での公表、製品や広告等にロゴマークを表示することができる。

 以上のほか、長崎市において「県とNPOとの協働事業」、南島原市役所において「道路災害と上水道整備の状況」、「国道251号(木指~赤間間)の災害復旧状況」「島原道路 吾妻愛野バイパスの整備状況」について、諫早市において「諫早ターミナルの再整備状況」について、調査を行った。

現地調査

委員会名 環境生活委員会
目的 環境生活行政現地調査
日時 平成28年8月3日(水)~8月5日(金)  (3日間)
調査先 北海道
出席委員 委員長 中島浩介、副委員長 大場博文、委員 三好德明、委員 瀬川光之、 委員 中島廣義、委員 山田朋子、委員 友田吉泰、委員 大久保潔重、委員 麻生隆 
概要

1.層雲峡ビジターセンター(北海道上川郡上川町)

雲峡ビジターセンターを訪問し、「国立公園の保護と活用」について調査を行った。

(1)大雪山国立公園の保護と活用
  ①大雪山国立公園について  
 昭和9年に国立公園に指定され、登録面積は226,764ha。北海道最高峰の旭岳(2,291m)を主峰とする大雪火山群を中心に、トムラウシ山から十勝岳連峰、石狩岳連峰などの山々や、北海道を代表する石狩川と十勝川の源流地域を含む「北海道の屋根」といわれる一帯が国立公園に指定されている。現在、北海道地方環境事務所上川自然保護官事務所(他2事務所)が管理しており、自然公園指導員や大雪山国立公園パークボランティアにより自然公園の保護や清掃活動などを行っている。他に、自然保護監視員や希少野生動植物監視員が道庁から任命され、利用者への指導や施設の維持管理、動植物の生育・生息状況の調査等を実施している。
   
②層雲峡の自然環境管理と調和した街づくりの取組  
 昭和29年の台風15号被害により、昭和30年代に大規模な植林を行った。昭和32年に自然公園法施行令(昭和32年政令第298号)が施行され、厚生省から環境省の所管となる。  
 その後は計画的な整備が行われなかったが、昭和61年から再整備に着手し、環境庁・上川町・地元利権者による協議が実施された。これにより、第3セクターによる事業実施につながり平成7年から13年にかけて民間施設再編事業、平成9年から13年度にかけて層雲峡観光総合コミュニティセンター整備事業(上川町)、中央プロムナード及び中央広場整備事業(環境庁)、ビジターセンター及び園地整備事業(環境庁)、町道整備事業(上川町)、駐車場整備事業(環境庁)などの複数事業を組み合わせて実施した。平成14年からは温泉街全体を色鮮やかな花々で彩る「層雲峡花ものがたり」を実施した。


層雲峡ビジターセンター調査状況

③今後の課題  
 層雲峡は1990年までのバブル時代からの平成10年まで観光客300万人が訪れていた。その後、旅行形態の多様化により減少し、東日本大震災の影響により170万人まで減少したが、今は回復傾向にある。  
 現在、外国人観光客の占める割合は30%となっている。今後の取組として、歩道整備、ビジターセンターでのセミナー実施、外国語のできるスタッフ配置と情報発信による観光客のニーズに対応していく。  
 平成10年前後に整備した施設については、老朽化しており、今後はその対策に取り組んでいく必要がある。

2.北海道庁(北海道札幌市)

北海道庁を訪問し、再生可能エネルギー・バイオディーゼル利用の取組について調査を行った。

(1)北海道におけるバイオディーゼル燃料の利活用に向けた取組
  ①北海道における環境関連計画について 北海道におけるバイオマスの活用については、バイオマス活用推進計画(H25~H34)に基づき、循環型社会形成推進基本計画や廃棄物処理計画との密接な連携のもと、推進している。
  • 計画策定の目的
    豊かな農林水産資源を誇る本道にあっては、家畜排せつ物をはじめ多様なバイオマスが豊富に賦存しており、その活用を推進することは極めて重要なことから、「北海道バイオマス活用推進計画」を策定

②バイオディーゼル燃料の普及に向けての取組
  • 北海道バイオディーゼル研究会と共催で「利用促進セミナー」を実施し、講演会を実施している。
  • 2016ほっかいどうクールアース・ディのブースを地球温暖化防止イベント会場に設置し、パネル・バイオディーゼル燃料サンプルの展示、廃食油回収、啓発用資料の配布を行っている。
  • さっぽろホワイトイルミネーションへの電力供給
    北海道バイオディーゼル研究会が大通り会場に啓発用看板・発電機を設置し、バイオディーゼル燃料で発電した電気の供給を行う。また、イルミネーションのために排出する二酸化炭素を購入した排出権でカーボンオフセットの実施。
  • 観光地向けに廃食油の回収からバイオディーゼル燃料の製造、利用に関する情報をまとめた「観光地向けBDF導入マニュアル」を配布
    (例)阿寒バスによる摩周湖から阿寒湖間にBDF専用車両による7月から10月に運行されている。
  • 廃食用油の回収協力 ・公用車へのバイオディーゼル燃料の利用
  • 公共工事へのバイオディーゼル燃料の利用促進

※カーボンオフセットとは
 市民、企業等が自らの温室効果ガスの排出量を認識し、主体的にこれを削減する努力を行うとともに、削減が困難な部分の排出量を把握し、他の場所で実現した温室効果ガスの排出削減・吸収量等(クレジット)の購入、他の場所で排出削減・吸収を実現するプロジェクトや活動の実施等により、排出量の全部又は一部を埋め合わせること。  


北海道庁での調査状況

③バイオディーゼルの今後の方向性
資源循環に関係する様々な業種、試験研究機関、行政・支援機関、市民・消費者が連携できる環境づくりを行う必要がある。

  • 研究開発、市場開拓
    品確法をクリアできる高品質製品づくり、軽油と競合できる製造コスト低減、公共工事の重機燃料への需要拡大が必要
  • 情報発信・活動継続
    市民と連携した廃食油の収集・BDF化や企業のイメージアップ活動の継続が課題となっている。

3.泉郷道路(北海道札幌市)

 北海道開発局札幌開発建設部千歳道路事務所を訪問し、「平成31年開通予定の高規  格道路泉郷道路の整備状況」について 調査を行った。

(1)高規格道路の整備について
  ①泉郷道路の概要  
 道央圏連絡道路の整備により新千歳空港や石狩湾新港への物流の効率化が図られ、道央圏連絡道路沿線に位置する石狩湾新港地域(工業地域)では、新規参入する企業立地が年々増加しており、当道路の開通により、更なる企業立地を促し地域経済の活性が期待される。  

 泉郷道路は、北海道横断自動車道千歳東ICから南長沼ランプ(国道274号)にいたる区間。整備効果として、交通機能の強化・適正化と渋滞緩和や新千歳空港や苫小牧港などの物流交通への支援により産業の活性化が図られる。

平成15年度より用地補償に着手し、現在工事を進めている。  
・事業区間:千歳市中央~夕張郡長沼町幌内  
・事業延長:8.2km  

②泉郷道路の整備効果
 当該事業区間に並行する国道337号では4年間(平成21~24年)で11件の交通事故が発生し、出合頭(2件)や追突事故(7件)が約8割を占め、また、道道との交差点付近や平面線形不良箇所(R=70m) に約7割の交通事故が集中している。
これにより、国道337号を通過する交通の当該道路への転換が見込まれ、平面線形不良箇所の回避による交通事故の減少など、道路交通の安全性向上が期待される。


泉郷道路の調査状況

③新たな取組  
 国土交通省では、今年を「生産性革命元年」と位置づけ、調査・測量、設計、施工、検査及び維持管理・更新をあらゆるプロセスにICTを取り入れることで生産性を向上する「i-Construction」を推進している。  
当道路において、ICT土工の第1号工事を開始している。工事では、UAV(ドローン)による施工前の測量が行われ、この測量結果や設計の3次元データを用いてICT建機による土工が始まっている。

以上のほか、旭山動物園において「動物愛護と自然環境保全」、北海道コカコーラボトリング札幌工場において「大手飲料会社が取り組む高度な自主衛生管理」について調査を行った。