閉会中の活動 令和元年度(平成31年度)分

総務委員会

現地調査

委員会名 総務委員会
目的 総務行政現地調査
日時 令和元年11月19日(火)~11月21日(木) (3日間)
調査先 兵庫県、京都府、大阪府
出席委員 委員長 中島浩介、副委員長 山下博史、委員 小林克敏、委員 中島廣義、
委員 浅田ますみ、委員 川崎祥司、委員 深堀ひろし、委員 松本洋介、
委員 吉村  洋、委員 下条博文、委員 中村泰輔
概要
1.世界文化遺産「姫路城」を訪問しインバウンド対応について調査を行った。
(1)歴史
1333年 赤松則村、護良親王の命により挙兵、京に兵をすすめる途中、姫山に砦を築く。
1600年 関が原の戦の後、池田輝政が姫路城主となる。
1601年 池田輝政(徳川家康の女婿)大改築開始
1618年 本多忠政、伊勢国桑名から嫡男忠刻とその室千姫(徳川秀忠長女)とともに入封、西の丸を造営し今日に残る城郭の全容が整うこととなる。
1868年 最後の領主となった酒井忠邦が天皇に「版籍奉還」を申し出る、1871年「廃藩置県」により姫路城は廃止され、姫路県が置かれる。
1873年 全国城郭存廃・処分並兵営地等撰定方(廃城令)が発せられたが、姫路城は名古屋城や熊本城などとともに全国56の存城の一つに加えられた。
1956年 昭和の大修理開始(大天守解体修理)
1931年 姫路城天守閣が国宝に指定される。
1993年 法隆寺とともに日本初の世界文化遺産に登録される。
2009年 大天守保存修理工事に着工、6年後の2015年に完了、現在に至る。
(2)インバウンド対応


【姫路城大天守入口付近】

  • パンフレットの多言語化(6言語:日・英・繁・簡・韓・仏)
  • 案内サインの更新(5言語:日・英・繁・簡・韓)
  • 説明サインの更新(2言語:日・英)
  • Wi-Fi環境の整備
  • 姫路城HP「姫路城大入実況」開設(2言語:日・英)
  • 20言語パンフレットの設置
  • クレジット決済導入
  • 姫路城HPを「姫路城便覧」に更新し、対応言語を拡大(6言語:日・英・繁・簡・韓・仏)するとともに、チャットボット機能を搭載(H30.4.25)
  • 外国語コンシェルジェの配置(H30.3)
  • 外国語定時ガイドの実施(H30.11.10)
     毎日10時と13時に実施している。
     その他、ARポイントを16箇所設置し、往時の建物の構造や仕組みが動画や写真で見られるようになっている。
     また、姫路城シルバー観光ガイド(ガイド料2,000円)があり、1時間半~2時間で案内している。
     当日は1時間でガイドを依頼したが時間短縮にも関わらず詳しく丁寧な説明が行われ、また訪れたいと思わせるガイド案内であった。
     世界遺産を抱える長崎県においても、このような熟練したガイドの育成が急務であると感じた。
2.京都市市民防災センターを訪問し防災に関する調査を行った。
(1)施設の概要


【京都市市民防災センター】

 京都市南区西九条菅田町7に京都市が設置している施設である。
入館料も無料とし、自然災害など万が一の時の正しい対応方法など知識を学べる施設として、1955年に設置された、京都市の災害備蓄倉庫と併設された防災体験館である。
 館内には、京都の地震をはじめとした各種災害の歴史や、実際に災害の体験ができる体験室を完備し、風速30メートルの強風体験や震度7の地震を体験できる地震体験室がある。
 更には都市型水害の怖さをリアルに体験できる「4Dシアター迫り来る地下街の恐怖」など身をもって災害時の備えや行動を体験することができるようになっている。
 この他、小さなお子様向けのキッズファイヤーランドやヘリのフライトシュミレーターなどの施設もある。
 また、事務所や自主防災向けに店舗・ホテル・マンションを模した総合訓練コーナーなど幅広い層に対応できる関西屈指の施設として個人、団体など年間約80万人から利用されている。
 特に地下街の浸水の恐怖においては、浸水が30cmになると、大人2人でさえドアを開くことが不可能という、貴重な体験と知識を得ることができた。
 まだ大丈夫、これぐらいなら安全という今までの常識が通用しない時代になってきている。防災への知識と対策について新しい研修が必要だと感じさせられた体験であった。

3.吹田サッカースタジアムを訪問し「スタジアムの運営等」について調査を行った。
(1)建設資金と概要
対象 金額 参加数(のべ)
法人募金 99億5019万円 721社
個人募金 6億2215万円 34,627名
助成金 35億1333万円 JSC・国交省・環境省
合計 140億8567万円 -

収容人数 40,000人
タイプ サッカースタジアム
募金期間 2012年4月~2015年3月
寄付目標 140億円
建設工期 2013年12月~2015年9月

「国等に対する寄付金の確認」を利用し、スタジアム建設募金団体が寄付金にて建設している。完成後は吹田市へ寄贈し、管理運営は指定管理者制度を利用して株式会社ガンバ大阪が実施している。

(2)スタジアムの特徴


【吹田サッカースタジアム】

臨場感溢れるスタジアム
 ピッチに近い臨場感溢れるスタンドで全席屋根がカバーする快適な観戦環境が保たれ、回遊可能なコンコースにより試合の前後も楽しめる構造になっている。
ヨーロッパスタイルのVIPエリア
 日本最大級の2,000席を備えた巨大なVIPエリアを実現、高級感溢れるラウンジを設置し専用バルコニーから試合を観戦できる。
環境配慮(エコスタジアム)
 南面以外の全ての屋根に500kWの発電量を誇る太陽光パネルを搭載する他、雨水を芝生の散水やトイレの洗浄水に使用したり環境性能の高い機器を使用することにより、年間271tもの二酸化炭素を削減している。
 また、LED照明機器をナイター照明に採用したことにより、従来の消費電力を30%削減している。
地域の防災拠点として
 災害時に人々を守る総合的な防災施設として、有事の飲食物等の備蓄倉庫を設置している。また、避難所として利用ができ、短期滞在で800人、長期滞在で300人の滞在が可能であり、地域の安心安全な都市づくりへの貢献を目指している。

 以上のほか、阪急オアシス箕面船場店において「長崎県とのパートナーシップ」について、大阪府警察犬訓練センターにおいて「警察犬の訓練と警備犬の導入」について調査を行った。

現地調査

委員会名 総務委員会
目的 総務行政現地調査
日時 令和元年7月29日(月)~30日(火) (2日間)
調査先 南島原市、島原市、大村市、長崎市
出席委員 委員長 中島浩介、副委員長 山下博史、委員 小林克敏、委員 中島廣義
委員 浅田ますみ、委員 川崎祥司、委員 深堀ひろし、委員 松本洋介、
委員 吉村洋、委員 下条博文、委員 中村泰輔
概要
1.「有馬キリシタン遺産記念館」及び「南島原市シティプロモーション事業」

「有馬キリシタン遺産記念館」及び「南島原市シティプロモーション事業」について調査を行った。

(1)「有馬キリシタン遺産記念館」の概況


【有馬キリシタン遺産記念館】

  • 所在地   南島原市南有馬町乙1395番地
  • 入館料   大人300円、高校生200円、小・中学生150円
  • 開館時間  9時~18時
  • 展示品
    「原城跡」を中心とする、南島原 におけるキリシタン史を展示した施設であり、キリスト教の伝来から繁栄のゾーンと弾圧のゾーンから構成されている。
    繁栄のゾーンでは、「日野江城跡」とその 城下町を中心に南蛮文化が花開いた時代を展示してあり、日本初となる活版印刷機や銅版画『セビリアの聖母』等、南島原市で繁栄したヨーロッパ最先端の技術を見ることができる。
    弾圧のゾーンでは、島原・天草一揆で使用された本物の十字架や砲弾などが展示され当時の凄まじさを感じることができ、戦いの全貌や後の信徒発見に繋がる軌跡を分かりやすく学べ、戦いの壮絶さを物語る発掘時の遺骨レプリカには必見の価値がある。
    今後の課題としては、世界文化遺産「原城跡」と併せたPR方法と、交通網の整備等が挙げられる。
(2)南島原市シティプロモーション事業の概要


【第1弾 夢】H29制作

  • 南島原市の話題づくりを目的として制作され市の美しい風景、歴史、食をストーリーに乗せ表現している。これまでのご当地動画のように、単純に紹介するのではなく、物語とし て心に届き長く愛される作品を目指し制作費3,000千円、広告費11,700千円、合計14,700千円(一般財源)で作成された。
  • あらすじは、若い時に死に別れた恋人を死ぬまで思い続けた男性が、あの世へ逝く前に、恋人と2人で過ごした50年前の1日に戻り想いを告白する感動物語である。市のシンボルのひまわりが咲き乱れる夏の盛りの8月に市内をくまなくロケハンし、どこを切り取っても絵になると言われる「日本一撮りたいまち」の風景から更に絞り込み撮影を行い、南島原に行きたくなる、美しく心動かされる8分間のショートムービーである。
    この作品は、米国アカデミー賞公認の国際短編映画際「ショートフィルムフェスティバル&アジア2018」において、最高賞である観光映像大賞(観光庁長官賞)を受賞している。
    また、平成30年度には、第2弾として「記憶の灯」を制作。この作品は市民の方も地元への愛着を持ってもらうことを目的に市民キャストを募集し制作された。
    あらすじは、幼い頃に家族に見放され施設で過ごし、心を閉ざした少年が、南島原市に住む伯母へ引き取られ、同級生の少女との出会いにより、心が再生されていく物語となっている。撮影は雲仙・普賢岳災害の復興のシンボルである大野木場小学校を含め、南島原市の旧8町全てで行われた。
2.自衛隊による県内離島からの急患搬送体制の維持・確保について

自衛隊による県内離島からの急患搬送体制の維持・確保について調査を行った。


【UH-60J】

  • 本県の現状
    自衛隊による離島からの急患搬送は、自衛隊法第83条に基づく知事からの災害派遣要請により実施されるものであり、昭和33年1月に第1回目が実施されて以降、昭和42年3月大村航空隊(現第22航空群)にヘリコプターの配備により増加し、令和元年6月末現在で5,050回を数え、多くの県民の生命を救っていただいている。
    しかしながら、本県で夜間等の離島からの急患搬送を実施いただいている海上自衛隊の救難機UH-60Jは、老朽化に伴い早ければ今後数年で除籍される可能性があり、後継機の導入については不明とのことである。
    第22航空群としては、SH-60K・SH-60Jによる代替運用で対応する計画であるが、当該機は哨戒機であり、護衛艦に搭載して外洋での警戒任務に就くことから、急患搬送のための優先度は低く「急患搬送の要請に応じられない状況」が発生する可能性があり、このことは県民の生命にかかわる重要な問題と捉え、政府に対し、代替機又は後継機の配備等を要望している現状である。
  • 今後の対応
    自衛隊としては、今後の急患搬送体制については、海上自衛隊哨戒機(SH-60)のみならず、陸上自衛隊の目達原基地、航空自衛隊の芦屋基地からのヘリを含めた全自衛隊による統合運用により急患搬送へ適切に対応していく方針であるとのことであるが、大村からは場所が遠くなるため急患搬送の任をなすためどのような体制が良いのかということ等を含め医療機関や消防と協議を行っていくこととしている。

 以上のほか、南島原市ひまわり観光協会(南島原市)において「観光概要」、原城跡(南島原市)において「世界遺産視察」、雲仙岳災害記念館(島原市)において「記念館視察と島原半島観光概要」、長崎県消防学校(大村市)において「消防教育」、長崎県警察本部機動隊(長崎市)において「施設と訓練」、長崎県警察学校(長崎市)において、「学校教育」についての調査を行った。