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平成23年12月19日 定例記者会見

 ●会見内容●

1.県民栄誉賞について
2.諫早湾干拓事業について
3.朝鮮民主主義人民共和国情勢について
4.平成23年を表す漢字について
5.石木ダムについて
6.九州新幹線西九州ルート(長崎ルート)について
7.諫早湾干拓事業について
8.原子力災害に関する対応状況について
9.諫早湾干拓事業について
10.県民栄誉賞について
11.原子力災害に関する対応状況について

1.県民栄誉賞について

○広報課長   それでは、ただいまより知事の定例記者会見を行わせていただきます。
 よろしくお願いいたします。

○知事  どうぞよろしくお願いします。
 今日は、まず私の方から2点、ご報告をさせていただきます。
 1点目は、県民栄誉賞の贈呈についてでございます。
 先般、内村航平選手に対して県民栄誉賞をお贈りしたいというお話をいたしておりましたけれども、今般、日程の調整がつきまして、あさって、12月21日、14時15分から表彰式を執り行わせていただくということにいたしました。大変お忙しい選手生活を送っておられるのでありますが、長崎にお帰りいただいてふるさとでの表彰式を執り行うことができるということになったところでありまして、内村選手をはじめ、関係者の方々に心からお礼を申し上げたいと思います。21日には改めて県民の皆様方とともに、心からお祝いを申し上げたいと思っております。
 内村選手は、先般、お話をさせていただきましたように、世界体操競技選手権大会の後も、11月の「FIG2011体操ワールドカップシリーズ東京カップ」でも個人総合優勝をされ、今月の豊田国際体操競技大会の種目別の床、鉄棒でも優勝をされるという大変すばらしい成績を挙げておられます。来年夏のロンドンオリンピック代表にも決定したという報道をお聞きしており、日本体操選手として初めての選出で、大変喜ばしいことであると思っております。
 それから、市川森一先生に対する県民栄誉賞についても授与させていただきたいということで決定をさせていただきましたが、この詳細な日程については、これから調整をさせていただくこととしております。これが1点目のご報告であります。

2.諫早湾干拓事業について

○知事  2点目は、諫早湾干拓事業の開門問題であります。
 これまでの経緯については、既に皆様御承知のとおりでありますが、12月3日、九州農政局から地元に入られて説明会が行われました。地元の皆様方からは、ボーリング調査と言いながら、取水量が現在、1日に1万2,000トンほど取水がなされておりますが、これが2万9,000トン加わるということになって、相当の量に上ってまいりますので、新たな地盤沈下、あるいは周辺の井戸に対する影響が懸念されるということで、強い反対の意向が示されたところであります。
 その際、国においては、地元の理解と協力が得られるよう努力する。得られない場合は、上の指示を仰ぐことになるというような発言があったとお聞きしておりますが、この間、その後の説明等はなされておりません。
 そういった中に12月12日、ボーリング調査の入札が行われたということであります。地元の理解と協力が得られるよう最大限努力するという姿勢でありましたが、地元の意向に沿うことなく、こうした入札が行われたということでありまして、信頼を裏切ることにつながりかねない取り扱いであり、大変遺憾に思っております。
 この間、私どもは、これだけ大量の地下水を取水するということになると、地盤沈下、周辺の井戸に対する影響が生じるのではないかということを繰り返し申し上げてきたところでありまして、そういった中に国は環境アセスの準備書を公表するという段階になりました。
 このアセスの実証の一環としてボーリング調査を行うという説明をされておりますが、アセスはアセスとして準備書を公表した後でこういったボーリング調査が行われるというのは、手順として本末転倒である。本来であればアセスを取りまとめる過程の中で十分そういった影響調査というものを踏まえた上で、地下水に頼ることができるのかどうか見きわめた上でアセスを行うべきであると考えております。本当に何度も申し上げるようで恐縮でありますが、手順が全く逆転していると思っております。
 逆に言うと、いかに安易に地下水によるということが選択されたのか。ボーリング調査も行わないで、アセスの中では農業用水を地下水に頼るという方向性が示されているわけでありますので、このアセスの手順そのものがいかにいいかげんなものであったのかということにもなりかねない内容を含んでいると思っております。
 万が一、周辺の飲料水、あるいは工業用水に影響が生ずるということになると、これは大変な問題である思っております。直ちに企業の撤退にも結びつきかねない課題をはらんでいると思っているところでありまして、私ども、しっかりそうした問題点を改めて国に説明をし、理解を得ていく努力をする必要があると考えております。
 今回のこのボーリング調査の基本的な考え方でありますが、15日間の揚水試験を行うとされております。そして、3月下旬までに調査を完了するという考え方のようでありますが、15日間のボーリング調査で、例えば水量が確保できるのか、どれだけ水が揚水できるのかということは把握できるかもしれませんが、その結果、どういう影響があるのかというのは、15日間ではまず難しいものと思っております
 専門家の方々のご意見をお伺いする中でも、例えば、粘土層の場合、地下水の移動速度が遅いので、地盤沈下を発生させるには相当の時間がかかるであろうと言われております。15日間の試験では地盤沈下の影響までは把握できないのではないかという指摘がなされているところであります。
 一方、平成19年に、中央干拓地においてボーリング調査を行いました。これは宅地等の用地を造成しており、そこで活用するための用水を地下水で確保しようということで、この時には日量200トンのボーリング取水の予定でありましたが、この時の揚水試験が3ヵ月間、影響監視など含めますと、全体で1年間の調査が実施されたところであります。
 わずか200トンの時に、しっかりそうした手順が踏まれているにもかかわらず、今回は新たに2万9,000トン、これを15日間でやろうというお話であり、理解しがたい問題を含んでいると考えているところであります。
 一方、また、諌早市においては、地盤沈下の防止と地下水保全のために、地下水取水の規制に向けた条例がさきの議会で可決されたということであります。
 これまでの地盤沈下等、深刻な状況の中にある諌早市の対応としては、当然必要なことではなかろうかと考えているところであります。
 また、この条例の施行は、来年の4月1日からということでお聞きしておりますが、こうした条例の趣旨、あるいはこれまで地元の方で取水協定を締結してきたという経緯を十分に踏まえていただいて、慎重な、真摯な対応を求めてまいりたいと考えているところであります。
 以上、私からは2点ご報告を申し上げたところであります。
 あとはどうぞよろしくお願いします。

3.朝鮮民主主義人民共和国情勢について

○記者(NCC)  幹事社のNCCです。最初に質問させていただきます。
 今起きている一番大きなニュースというのが、北朝鮮の金正日総書記死去ということですけれども、知事としてはそれをどう受け止めていらっしゃるか。長崎県にどのような影響があると考えられるか、その辺の考えをお聞かせください。

○知事  突然の報道でありまして、大変びっくりいたしました。今後、北朝鮮の政治体制がどのように進んでいくのか、まだ見極めができないような状況であろうと思いますが、基本的には東アジア地域の情勢が安定化する方向で進んでいくことを強く願っております。
 特に、本県の関連の事項でありますが、例えば本県出身の拉致被害者の方もいらっしゃるというお話をお聞きしておりまして、そうした問題、あるいは核兵器の開発の問題等も大きな課題になっております。こうした問題が平和裏に解決の方向に向かうことを強く期待しているところであります。

4.平成23年を表す漢字について

○記者(西日本新聞社)  全体的な話なんですけれども、今年の日本全体での漢字一字というのに「絆」という字が選ばれましたけれども、長崎県で例えば漢字一字で表すというと、どういう字、振り返って見られて今一番適切なのはどういう字と思われますか。

○知事  漢字一字というのは難しいですよ。熟語だったら何か出てくるかもしれませんが。あえて一字と言われると、実は私も「絆」かなと思っておりました。というのは、いろんな場面で「絆」という言葉を多く聞いてきた年であります。
 一つは、佐世保の米軍基地のマーチン司令官が代わられましたが、やはり地域の市民の方々との絆は非常に大切だと、日本語の「絆」という文字を書いて、市民の方々に紹介をされていました。
 そして、私自身も特に、アジア戦略の中で、孫文・梅屋庄吉の関係を数多くの場でお話をさせていただきましたが、この事業に取り組む基本的な考え方は、長崎と中国との友好交流の絆をさらに強固なものにしたいということを、繰り返し、繰り返し訴えてまいりました。  それと、東日本大震災の発生に際して、やはり人と人との絆がいかに大切であるのかということが大きな話題になったところでありますので、私自身、どういう文字かと言われると、私も今年は一番「絆」ということについて、多く話をさせていただいたかなという気がしております。

5.石木ダムについて

○記者(長崎新聞社)  石木ダム建設について伺います。
 7月に県の方針が出されて、国に報告をされたと思うんですが、年内にも国の方針が出るのではというようなことも会見か何かでちょっとおっしゃって、予測だと思うんですが、おっしゃっていたと思うんですが、まだ出ていないということについて、まず見解をお示しください。

○知事  去る7月に事業継続の方針で国には報告をしております。有識者会議の議論を踏まえて、早急に方向性をお示しいただきたいという要請活動も行ってまいりました。
 現状は皆様ご承知のとおり、ダムの大きな争点となっておりました八ッ場ダムについての議論が行われている状況のようでありまして、引き続きできるだけ早く方向性が得られるように求めていきたいと思いますが、当初は秋口にも一定の方向性を示していただけるのではないかと期待をしておりましたが、石木ダムの前に八ッ場ダムの議論の方が先行したというような状況でありまして、そちらの方が早く方針を示されるのが先なのかなということで待っている状況であります。

○記者(長崎新聞社)  それに関連してですが、国の回答が付替道路の工事再開のタイミングときっかけにもなり得るというようなこともおっしゃっていましたが、予算執行の問題もあると、同時におっしゃいました。再開の見通しについてはいかがでしょうか。

○知事  そう遠からず方向性をお示しいただけるのだろうと思っております。そうした場合に、残された期間との関連で、どういう工期がとれるのか。どこまで執行できるような体制になるのか。そこら辺の見極めもしながら、着手の時期については判断をしていかなければならないだろうと思っております。
 年明け早々ぐらいには方針をお示しいただきたいと思っております。

○記者(長崎新聞社)  年明けにも、もし国の方針が出ない場合には、県としての決断もあり得るということですか。

○知事  そうですね。そういうこともあわせて考えなければならないだろうと思っております。ただ、地元の皆様方は、国の姿勢がどう示されるかということに関して、やはり関心をお持ちだろうと思っておりますので、できるだけ国の方針が示された中で手順を踏んでいければと思っております。

6.九州新幹線西九州ルート(長崎ルート)について

○記者(朝日新聞社)  長崎新幹線の件でお聞きしたいんですけれども、議論が中央の方でいよいよ大詰めになっているようなんですが、1点気になる点が工期の問題、費用を抑えるために10年程度からもう少し工期を延ばすという案がどうやら検討されているようなんです。知事に確認の意味でお聞きしたいんですが、仮に認可ということになっても、その工期が今までよりも延びるということになった場合、従来県の立場としては一括開業と、できればフル規格化ということなんですけれども、仮にその工期が延びて、一括開業は難しいということになった場合、県としては、あくまでも一括開業というのを求めていくのか。それとも、先に武雄温泉〜諫早までは先行で開業して、そこから先はでき次第というような立場なのか。工期の延び方にもよると思いますが、その辺、県の立場としてはどういうことになるんでしょうか。

○知事  認可の方針がどういう形で示されるのか。例えば、武雄温泉〜諫早間は認可して、もう着工しています。今回、諫早〜長崎間が認可されるのか、武雄温泉〜長崎間が認可されるのかですね。フル(規格)という選択肢もあるでしょうし。
そういった場合に、例えば、それが具体的に工期がどうなるのかということにもよりけりなんだろうと思いますが、武雄温泉〜諫早間が早く完成をして、その間にいわゆる諫早〜長崎間がうんと長くなって、その間の施設がたなざらしになるというようなことは、これは避けなければならないだろうと思います。別々にやるとすれば、これまでも申し上げてきたように、フリーゲージトレインを投入する計画がありますので、その他数十億円の軌間変換装置を別につくらなければならない。そのための用地の確保もしなければならない。ということは、相当手戻りがあるし、将来的には不必要な投資まで必要になってくる。したがって、全体の進捗の中で、武雄温泉〜長崎間が一定の時期に完成を迎えることができるのが一番望ましいと思っているところです。
 これは事業費、予算が幾ら確保できるかということによるだろうと思うんです。この西九州ルートの場合には、わずか残された区間が21キロでありますので、全く他の路線と同じように25年になるのか、どのくらい想定されているのかわかりませんが。3路線全く同じ期間だと、21キロの区間を同じように少しずつ、少しずつやっていくというのは不合理な話だと思います。非常に距離の短い区間でありますので、工期も短くて済む環境にあると思います。前提条件も一定西九州ルートは整理済みでありますので、そういった中でどのくらいの工期が想定されるのか、それを見極めていく必要があると思います。

○記者(朝日新聞社)  基本は一括開業だと。

○知事  そうですね。無駄な投資を避けるという意味でも、一括開業できるような工期内で完了が迎えられるよう努力をしていく必要があると思います。

○記者(毎日新聞社)  関連ですが、そうすると、開業時期が先延ばしもやむなしということでしょうか。

○知事  どの程度想定してあるのかというのは全くわかりません。といいますのは、例えば、認可を受けたのが(平成)20年だから21、22、23、今もう3年経過していますね。実はこの間、中央にも訴えてきたのは、諫早〜長崎間は長大トンネルを予定している。これにはやはり相当期間もかかる。そして、工事を進めるためには用地買収からかかっていかなければなりませんので、そうした状況の中で工事そのものにどのくらいの期間を要するのか、これは改めてしっかりとスケジュールを把握していく必要があると思っております。
 そういった中で、意図的に事業費を少なくして先延ばしをするというようなことはあってはならないと思っておりますので、粛々と計画的に進めていった時にどのくらいの工期になるのか。我々はこれ以上遅くなると一括開業に間に合わなくなりますよということを申し上げてきたんですが、改めて武雄温泉〜長崎間について認可が得られるということであれば、そこら辺の工程を見極めながら、粛々と工事が進んでいくように働きかけを行っていく必要があると思います。

○記者(毎日新聞社)  2018年の春(の開業)を目指しているんですけれども、それに伴ってまちづくりも一緒に進めていく必要がある。そこら辺、まちづくりに与える影響はどうなんでしょうか。

○知事  それはやはり事業の着手順位というのがあるのだろうと思います。例えば長崎駅がまだ認可が得られてないので姿が見えないような状況ですが、認可が得られれば長崎駅部から着手していくと、あるいは諫早駅周辺もあわせて計画を策定して取り組んでいくということになっていくのではないでしょうか。
 周辺の事業との関連性、連動性も十分考慮して事業の順番を決めていかなければならないのではないかと思います。

7.諫早湾干拓事業について

○記者(時事通信社)  諫早湾干拓関連で1件確認させてください。  筒井農水副大臣が、「ボーリング調査を行う時は事前に地元県に通知する」というふうにおっしゃっていたんですが、今の段階で来ておりますでしょうか。

○知事  現地に入るということですか。それはまだ聞いておりません。

○記者(時事通信社)  先ほど知事、非常にお怒りの言葉があったと思うんですが、今までも官邸だったり、農水大臣だったり、直接上京されて抗議文なりをお渡しされたりするケースがあったと思うんですが、今回もそのようなお考えがありますでしょうか。

○知事  ボーリングの契約がなされたということもありましたので、今日、県、諫早市、雲仙市の市長さん連名で、「諫早湾干拓事業の開門問題に係るボーリング調査の即時中止と開門方針の見直しを求める要求書」を出させていただきつつあります。まだ届いてないのかもしれません。

○記者(時事通信社)  送り先は農水省でよろしいでしょうか。

○知事  九州農政局長、農林水産大臣、内閣総理大臣あてに出しております。

○記者(時事通信社)  例えば、それは提出を確認されたら、いただくことってできますか。

○諫早湾干拓課企画監  提出確認後、記者室の方にも情報提供をしたいと思います。

8.原子力災害に関する対応状況について

○記者(NBC)  玄海原発関連のことでお聞きしたいんですけれども、先々週の金曜日、1次冷却水の漏れがあったということで、長崎県への連絡というのがちゃんとした連絡という形で入らなかったというふうなことをお聞きしたんですけども、そのことでかなり長崎県としても不安、不満を抱える県民の方がいらっしゃると思うんですよね。
 今のところ2回ぐらい九電との間で安全協定の話をされているというふうにお聞きしていますけれども、それが締結できていないから遅れたのではないかという話もちょっとあるんですが、そういったことについて知事はどういうふうにお考えなのかということをお聞きしたいんですが。

○知事  一部合意に向けて先行しているところもあると聞いておりますが、恐らく立地自治体以外での安全協定というのは全国に例がありませんので、少し時間がかかるのかもしれません。それはそれで鋭意できるだけ早く締結できるようにという調整を進めていきたいと思います。
 それと今回の情報提供、説明は全く別の話だと思っております。こうした福島第一原子力発電所の事故を踏まえて、やっぱり地域住民の皆様方に対するしっかりとした情報提供と説明責任、これは不可欠な要素だと思っておりまして、そういう要請も繰り返し行ってきたところでありますので、改めて今回の事態を受けて強く申し入れを行っておりますが、やはりこれから原子力発電所を安定的に運営していこうとされるのであれば、そういった点についてしっかりと留意をいただく必要があるものと思っております。

○記者(NBC)  この件に関して、県議会の特別委員会でもいろいろと九電の長崎支店の方を呼んで話をしているけれども、広報担当者で原子力担当の方とは話ができていないというようなことがあって、そこがちょっと長崎県としてももう少し原子力担当の人間とも話すような形でやるべきではないかという意見がありましたけど、その点についていかがでしょうか。

○知事  安全協定の話を含めて、本店のしかるべき窓口の方と協議を進めさせていただいている状況でありますので、そういった場を含めてしっかりと申し上げるべきところは申し上げていかなければならないと思います。

9.諫早湾干拓事業について

○記者(長崎新聞社)  話が前後してすみません。諫干の今の中止の要請書の関連でちょっとお伺いします。昨年から判決が確定して、抗議文なり、いろいろと抗議は国に対してしてきた経過がありまして、今回も内容としては同じような開門の判断をもう一回見直すようにということだと思うんですけれども、今回の件がこれまでと違う点というか、変わっている点があればそこをお伺いしたいんですが。

○知事  ボーリング調査の入札が今の時期になされたということは、恐らく早急に現地の調査に入るのではなかろうかと思います。現地の調査がなされるということになると、地域の住民の方々は非常に大きな不安を抱え、そうした事態に直面されるということになってくるものと思います。場合によっては予想しないトラブル等も懸念されるところでありますので、まずはしっかりと冒頭申し上げたように、地元の理解と協力を得ながらと、こうおっしゃっているのであれば、まず繰り返し説明をしていただいて、理解が得られるようなご努力をいただく必要があると思うんです。1回いらっしゃって、お帰りになられて上の指示を仰ぐと言われて以来、そうした動きが止まっていますので、一体どうなるんだろうかという不安も地域の方々は抱えておられると思います。
 実は、県もいろいろと複雑な立場があります。地域住民の安全・安心を守る行政としての立場がありますし、それから、ボーリング調査が行われようとしている国有地の管理を委託されている立場もあります。そして、農地についてはご承知のとおり、農業振興公社の方で土地の譲渡を受けて管理して営農をしていただいているという立場もあります。さまざまな立場がありますので、現地にいざ入られるということが想定されるわけでありますが、仮にそうなったら、やはり大きな混乱につながっていく可能性もあるのではないかと思っておりまして、そういうことも踏まえて、今回改めて要求をさせていただいたところであります。

○記者(長崎新聞社)  それで、現地の大きな混乱につながるということですけれども、ボーリング調査中止というより、説明に来てくれという要請になるんでしょうか。

○知事  いえいえ、説明に来てくれというんじゃなくて、説明もなされずに、入札自体が前に進んだわけです。12月3日に説明があって、これはもう絶対まかりならんといったそのわきで、もう次の段階に進んでおられるわけでありますので、そういったことについては、今までおっしゃったことと違うではないかという趣旨の要請です。

○記者(長崎新聞社)  関連ですが、そうすると、県の今の複雑な立場からすると、ボーリング調査を阻止するということは、現実できないんでしょうか。

○知事  これはなかなか難しい面があると思います。というのは、例えばボーリング調査をやろうとされているのが民有地であれば、それは土地を提供しないということで阻止することができるだろうと思いますが、国有地で計画をするということであれば、国有地の管理は一旦委託されておりますが、所有権は国であるわけです。管理者としての県に対する相談はまだ一切あっておりません。
 そういう中で、どこまで権限が及ぶかというと、県の立場は管理を受託している立場でありますので、最終判断は管理者としては反対だということは、これは申し上げることができると思いますし、そうしなければならないと思うんですが、それを国に上げたら、国の権限のもとに判断し、方向性が示されるということになるだろうと思います。
 ただ、それはボーリング調査の問題でありまして、いざ本格的に取水、井戸を掘るということになると、国有地だけでは当然済まない話になってきますので、そうした段階では当然ながら、多くの地権者の方々のご理解も得ていく必要があるものと思っております。
 いかんせん、我々が懸念しておりますのは、手順を考えてみた時に、これまでの手順と違って環境アセスの手順も、先ほど申し上げたように後先、逆のような手順になっておりますので。しかも、12月3日に地元に説明に入られて、12日には入札をするという形になっていますので、拙速に事が進められつつあるのではないかという懸念をしております。
 そういった中で、やはりこれまでの国が取り組んでこられたような手順をしっかりと地元の慣行、協定、こういった部分についても尊重していただいて、手順を踏んで検討を進めていただく必要がある。これはもちろん、環境アセスのためのボーリング調査と、こう言っておられますので、そうであるならばなおさらのことであろうかと思います。

○記者(長崎新聞社)  これは開門差し止め訴訟の原告団の方からちょっと聞いた話ですが、ボーリング調査をさせることによって、逆に影響があるとか、これじゃ間に合わないといったことが証明されるからやらせてやったらいいんじゃないかというような意見も聞いたんですけど。

○知事  先ほど申し上げたように、今の手法というのは、15日間でやろうとしているんですね。15日間、恐らく揚水試験を中心に調査が行われるだろうと思います。水量が安定的 に確保できるかどうか。その影響が周囲にどの程度及ぶのか。直ちに影響が出れば、これは取りやめになると思います。ところが、やはり専門家のお話を聞くと、すぐすぐに影響が出るか、出ないかわからないということなんですね。問題は、そうした時ですよ。
 事が粛々と前に進められて、後日、とんでもない影響が生じてきたということになると、これは後戻りがきかない要素があるわけです。例えば、地盤沈下を一旦来すと元に戻らないわけですよね。その辺のことをやっぱり慎重に対応していく必要があるのではなかろうかと思うんです。直ちに、取水する過程の中ですぐ影響が出るというような形になるのかもしれませんが、そうならないかもしれない。そこはやはり慎重に対応を求めていくべきだと思っております。

○記者(長崎新聞社)  今のままではボーリング調査をしても、それは簡単にやっただけで大した結果も得られないのに、大丈夫という結論だけが出てしまうような危険性があると。

○知事  15日間のボーリング調査ですから。向こう1年間の経過観察を含めてやるという話じゃないですから。前回は、同じ事業主体、国ですよ。1年かけて調査を行い、わずか日量200トンの水に対して地域住民の皆さん方との協定を締結して手順が踏まれてきたわけであります。そういった事実と比較してみると、今回は非常に拙速に事が運ばれようとしているのではないかという危惧の念を強くしております。

○記者(長崎新聞社)  なんででしょうね、農水省はそういうふうに拙速に。

○知事  恐らく先の控訴審判決が確定してしまって、国が開門の義務を負っていると、度々説明をされておりますように。そういうことで開門を行うためには、あと2年しかないという考え方があって、そのためには今から準備しないと間に合わないという計算のもと、スケジュールが組まれているのではなかろうかと思っております。
 我々は、これまでと同様、その判決は国が負うものであって、地元の住民の方々が負うべきものではない、国が判断したわけですから。我々は、問題があるので慎重にやってくれと言ったにもかかわらず、自ら決断してそういう結果を負う話になったわけでありますので、我々としては納得できないという思いについては、これまでと同様、変わりありません。

○広報課長  諫早湾干拓以外で何か質問があれば。

10.県民栄誉賞について

○記者(KTN)  話は戻るんですけれども、内村選手に県民栄誉賞を授与されるということで、もう今や「世界の内村」になっていると思うんですが、長崎県にとって内村選手の存在はどういう存在ですか。

○知事  そうですね、これまでになかったすばらしい実績を上げてくれている選手ですね。スポーツ界のみならず、幅広い県民の方々に大きな力を与えてくれた選手だと思っております。まだまだ若いですので、これからもっともっとオリンピックを含めて大活躍をしていただいて、また県民の皆さん方に大きな夢と感動を与えていただきたいと思っております。

11.原子力災害に関する対応状況について

○記者(共同通信社)  私も戻って申しわけないんですが原子力の関係で、安全協定なんですけれども、例えば年度内とか、何か(締結までの)見通しのようなものというのは出てきているのでしょうか

○知事  先般、危機管理監が年度内を目標に頑張ると、こう話をしたと思います。そんな悠長に構えておくような課題ではないと思いますが、ただ一つは、恐らく全国似たような動きにあると思うんです。そういった中で、それぞれの電力会社ごとに取扱いが違うというようなことにならないよう、九州電力さんも相当気になさっておられるんじゃないかなと思います。したがって、そこは全国の動きも見極めつつ、お互いに早期に締結できるように努力していかないといけないと思っております。

○記者(共同通信社)  向こうの感触として、どれぐらいかかるかなというのは。

○知事  まだ個別の項目については私も把握しておりません。ただ、そういった方向で話し合いの場は持っていくということは了解をいただいておりますので、何らかの形で安全協定が締結できるものと思っております。

○記者(共同通信社)  ストレステストの結果が提出されているんですけれども、(運転を)再開する前に保安院の説明会を地元で開くようにというようなことも要望されていたかと思うので、その日程とかは連絡は来ているのでしょうか。

○知事  いいえ、まだ日程等の連絡はいただいておりません。この間の経過の中で、地元に対するしっかりとした説明を行うということについては既に了解をいただいておりますので、再稼働前には間違いなくご説明等がいただけるものと思っております。

○広報課長  それでは、以上で知事の定例記者会見を終わらせていただきます。

○知事  どうもありがとうございました。

★発言内容については、わかりやすいように一部変更している部分があります。
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