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知事のページ - 長崎県知事 中村法道

平成23年6月27日 平成23年6月定例県議会における知事説明

 本日、ここに、平成23年6月定例県議会を招集いたしましたところ、議員の皆様には、ご健勝にてご出席を賜り、厚く御礼を申し上げます。

 開会に当たり、当面する諸課題について所信を申し述べますとともに、前定例会以降、今日までの県政の重要事項について、ご報告を申し上げたいと存じます。

(東日本大震災への対応)

 現在、我が国は、東日本大震災による被災者の支援並びに被災地の復旧・復興に、国を挙げて取り組んでおりますが、福島第一原子力発電所の事故は未だ収束の見通しが立たず、周辺地域では警戒区域などの設定によって、今なお多くの皆様が不自由な避難生活を余儀なくされるなど、極めて深刻な事態に直面しております。
 本県は、過去において、長崎大水害や雲仙普賢岳噴火災害など大規模な災害を体験しましたが、その都度、全国の皆様から温かい励ましと多大なご支援をいただいて早期の復興を遂げてまいりました。私は、こうした体験や感謝の気持ちを忘れることなく、まずは、県民総ぐるみで被災地や被災者の皆様の支援に全力で取り組んでまいりたいと存じます。
 一方、震災によって、電力供給の制約やサプライチェーン(供給網)の回復の遅れによる生産活動の停滞など、日本全体の経済や国民生活にも影響が生じております。今後、エネルギー政策の見直しが迫られるほか、リスク対応の観点から生産拠点の分散化の可能性が高まるなど、我が国の社会や経済の仕組みが変わろうとしております。
 そのような中、今、求められているのは、被災地や日本の単なる復旧ではなく、過去よりも豊かで活力溢れる日本を目指す、未来志向型の創造的な復興であります。
 残念ながら、被災地においては、今なお瓦礫の処理や、道路等の公共施設の復旧に時間を要しており、新たな取組を進めることが困難な状況にあります。
 従って、被災をしていない九州や西日本地域が、新しい日本の創造に向けた歩みをしっかりと支えていくことが求められており、本県もこうした責務を自覚し、自らの強みを活かした施策を他に先んじて展開していくことで、日本全体の活力の創出に貢献してまいりたいと考えております。
 具体的には、本県の地理的・歴史的な優位性を活かし、上海航路の復活によって新たなアジアとの交流軸を構築し、観光をはじめとする幅広い分野で日中間の相互交流を加速させ、成長著しいアジアの活力を長崎から日本全体に波及させてまいりたいと存じます。
 環境・新エネルギー分野においても、太陽光発電や風力発電、木質バイオマスの活用技術など、県内企業や大学が持つ強みを活かし、先進的な技術開発を支援することによって、省エネや環境保全という時代の要請に応えられる新エネルギー関連産業の振興に力を注いでまいります。
 また、生産拠点の海外移転による国内産業の空洞化を防ぐため、本県もその受け皿の一つとなることによって、ものづくりの復興にも資することができるものと存じます。
 私は、こうした本県が持つ特徴を活かした長崎ならではの対策を積極的に講じることによって、本県の発展はもとより、被災地や日本の復興の歩みにも確かな役割を果たしてまいりたいと考えております。
 それでは、震災対応の主な取組について、ご説明いたします。

(震災の被災地や被災者に対する支援)

本県では、震災発生直後から、庁内に緊急支援本部を設置し、被災地の支援に全力をあげて取り組んでまいりました。
 まず、県民の皆様をはじめ市町や大学などの関係機関にもご理解とご協力をいただき、支援物資を被災地へお届けしたほか、医療、福祉、建設、消防、事務等、被災地のニーズに応じた様々な職種の職員を継続的に派遣し、現地でのきめ細やかな支援活動に力を注いでまいりました。
 特に、原子力発電所の事故が発生して以来、福島県に対する支援には、被爆体験を持つ本県だからこそ出来る支援があると考え、長崎市をはじめ各市町と合同チームを編成し派遣するなど、重点的な支援に取り組んでまいりました。また、長崎大学をはじめ県内の医療機関においても、原爆被爆者医療によって長年培われた経験を生かして、現地で医療支援活動を展開するとともに、「長崎・ヒバクシャ医療国際協力会(NASHIM)」も5月から東京都内で復興支援シンポジウムを開催し、放射線に関する正しい知識の普及を行い、風評被害の払拭に努めているところであります。
 現地におけるその他の支援として、九州で初めてとなる被災地支援災害ボランティアバスを関係団体との共同運行により、これまで3回にわたり宮城県気仙沼市に送り出してきました。
 また、生活用水や照明の確保など、被災地で求められているニーズと県内中小企業が有する環境・エネルギー関連製品とのマッチングを図るとともに、県内企業が無償で製品を提供しようとする際には、現行のトライアル導入支援制度の拡充により、運搬費等を助成するなど、現地が求める製品の提供も促進してまいります。
 一方、被災者の受け入れについても、長期的な支援を念頭に、公営住宅等の提供に加え、生活面での不安を軽減するため、当座の資金について新たに無利子貸付制度を設けたほか、本県に避難している被災幼児・児童・生徒の就園、就学支援や授業料の減免についても、国の第1次補正予算を踏まえて対応することとしております。
 被災者の生活安定に資する就業支援については、国の「緊急雇用創出事業臨時特例基金」等を活用し、県内企業での体験就業をはじめ、水産加工業、漁業、農業分野において雇用の場を提供することとしております。特に、被災した農業者の方が本県での就農を希望する場合、すぐに営農が可能となるよう農地や機械のリース料などの初期費用を助成する新たな支援制度も設けてまいります。
 加えて、被災地域の大学生を県内企業におけるインターンシップとして受け入れ、就業の促進につながるよう支援してまいります。
 また、被災地に在住する児童生徒及びその家族について、100名程度を夏休み期間などを利用して本県に招き、既に本県に避難している皆様も含めて、県内での農林漁業体験民泊のほか、噴火災害から復興を遂げた島原半島の見学や、地元の児童生徒と交流の機会を設けることによって、被災地の子どもたちを少しでも元気づけられるよう応援いたします。
 さらに、食と観光を融合させた多彩なイベント「来てみんね!長崎食KING王国」キャンペーンの中核イベントである「オクトーバーフェスト」において、東北産品等を販売する復興支援ブースを設けるほか、長崎から東北へのツアー参加を呼びかけるなど、県民の復興支援参画の気運も盛り上げていきます。
 なお、私も先月、岩手、宮城、福島の三県を訪問し、お見舞いを申し上げるとともに、職員の派遣などの支援活動に継続して取り組むことや、避難者の受入制度も一層活用いただきたいことをお伝えしたところ、各県の知事からは、これまでの本県の様々な支援活動に対し、厚い感謝の言葉をいただきました。
 また、今回の訪問に際し、被災現場や避難所の様子を目の当たりにして、その想像を絶する被害の大きさに言葉を失うと同時に、改めて被災者の支援と被災地の復興に全力を注がなければならないとの思いを強くしたところであります。

(震災による本県への影響と対策)

今回の震災は、本県でも観光をはじめ様々な分野に大きな影響を及ぼしていることから、県では商工、農林水産などの県内関係団体と国、県、市町からなる「長崎県緊急経済雇用対策連携会議」を開催するなど、情報の収集と共有化を図り、それぞれの課題への迅速な対応に努めることとしております。
 一方、こうした厳しい状況にある中、この機会に本県経済の活性化に資する独自の施策を積極的に展開することが、県勢の浮揚はもとより、被災地をはじめ日本全体の復興につながるものと考えており、各分野における取組について、それぞれご説明したいと存じます。
1 観光等における影響と対策
 県内の宿泊施設での予約キャンセルが相次ぐ中、修学旅行については、訪問先が他の地域から九州・長崎へシフトするなど、回復の兆しが見られるものの、海外からの観光客は依然として厳しい状況が続いております。
 このため、私は、早速、九州地方知事会において、九州の安全性を海外に訴え誘客につなげていく取組を一体となって進めるよう提案を行い、先月と今月の二度にわたり、九州観光推進機構などと連携して韓国や中国を訪問し、現地での宣伝活動や説明会の開催、両国の政府機関への要請活動を行ってまいりました。
 特に、中国では、郭金龍北京市長並びに王志発国家旅游局副局長にお会いし、長崎県や九州はこれまで同様、安心して観光客をお迎えできる状態であることや、日中間において今後一層の交流拡大を図る必要がある旨お伝えするとともに、上海市では藤井副知事が韓正市長とお会いし、九州への観光交流拡大についてお願いしたところであります。
 また、震災後、観光客の激減によって運休していた対馬〜釜山航路は、対馬市と運航会社との協議に県も加わり再開を申し入れた結果、去る6月17日には一部運航が再開されたところであります。県としては、離島における国際航路・航空路の運休や減便が地域経済へ与える影響が大きいことから、緊急対策として旅行会社や運航事業者に対する新たな助成制度を設けることによって、集客拡大の支援とさらなる交流の促進を図ってまいります。
 こうした厳しい状況がある一方、震災の影響によって、今後、訪日旅行の対象として、西日本地域や九州への注目が高まることが見込まれるなど、海外から本県への誘客を拡大する機会が訪れていると考えております。
 そのため、この機をしっかりと捉え、中国や韓国、台湾などの現地旅行会社が実施する本県へのツアー商品造成を支援するなど、東アジアにおける訪日観光客の新たな市場開拓にも早急に取り組んでまいります。
 また、「孫文・梅屋庄吉と長崎」の取組のほか、民間PR会社とタイアップした中国国内での継続的な情報発信の強化や東アジア地域の報道関係者の本県への招聘、香港で開催される食品博覧会への出展など、様々な手段を用いて、本県の多彩な魅力と安全性を積極的に発信していくこととしております。
 特に、本年11月の就航が決定した長崎〜上海航路は、こうした取組に、さらに大きな弾みをつけるものであり、今後、市町や民間団体とも連携しながら、上海航路を活用した本県のPR活動も積極的に展開し、中国をはじめ東アジアにおける本県の観光や物産に関する需要の喚起に努めてまいります。
 なお、国内につきましても、夏場の電力不足に対応するため、夏期休暇の延長などが予想される首都圏や関東・東海エリアの方々を対象に、ウエブサイトの充実を図るとともに、旅行会社などとタイアップした積極的な広告を展開し、本県への長期滞在型旅行への誘導促進を図ってまいります。
2 その他製造業等における影響と対策
 製造業においては、東日本の発注元企業が被災したことによって受注が減少し、引き続き減産を余儀なくされている企業がある一方で、被災地域の工場の代替受注等により増産となった企業や、発電機関連など復旧工事向けの需要によって受注が増えた企業も見受けられます。
 県では、震災以降に資金繰りが悪化している企業に対する支援策として、4月から県の融資制度である「経営安定資金」に特例を設け、貸付利率の引き下げを行ってまいりました。さらに6月1日からは、国の第1次補正予算により新設された「東日本大震災復興緊急保証制度」を活用し、同資金に新たに「東日本大震災関連特別枠」を設けて対応することとしました。
 一方、震災後は、リスク分散への対応やサプライチェーンの再構築を図るため、生産拠点や生産活動を西日本へシフトする動きが見られることから、県としては、こうした状況を新たな企業立地や県内企業の受注拡大につなげる機会と捉え、早急に対応することとしております。
 こうした中、新たな企業立地に関しましては、リスク分散のために本県への立地に動き出した企業も出てきているなど、これまでの積極的な誘致活動の成果が現れてきております。
 さらに、現在は、対象地域を絞った集中的な企業誘致活動に取り組んでいるほか、被災企業の本県への立地を促進するため、現行の誘致補助金制度における投資額の基準を引き下げるなど、その支給要件の緩和を図るとともに、初期投資の負担を軽減するため、設備の輸送費や設置費を新たに助成することとしております。加えて、企業立地の受け皿となる、工業用地の迅速な造成に向けて、必要な調査も併せて実施してまいります。
 また、県内企業の受注拡大につなげられるよう、積極的な企業訪問活動によって、相手方の具体的なニーズの把握にも努めてまいります。
 水産業においては、本県養殖カキの種苗生産地である宮城県が、震災によって壊滅的な被害を受けたことから、緊急に県内漁協等が取り組む宮城県産の親ガキを用いた人工種苗の実証試験を支援し、一定の品質を保持する養殖用種ガキの安定的な確保を目指してまいります。
 水産物の中国への輸出については、原子力発電所の事故による影響で、4月8日以降中断していたため、県においても国等に対し、輸出再開に向けた働きかけを積極的に行っておりましたが、日中政府間で放射性物質の検査証明手続きが合意され、去る5月31日から全国に先がけて輸出を再開したところであります。県では、今後も県環境保健研究センターに必要な検査機器を整備するなど、さらなる輸出促進に向けて、迅速かつ円滑な検査証明手続きに努めることとしております。
 一方、全国の水産加工品生産量の約3割を占める地域が震災によって大きな被害を受けたことから、本県への発注が大幅に増加しているこの機会を捉え、本県加工業者の協業化や被災地の業者受入などを促進することによって、安定的な供給体制の整備と本県水産加工業のさらなる振興を図ってまいります。
3 本県の環境・エネルギー対策
 九州電力における玄海原子力発電所2、3号機の運転再開の見通しが不透明であることや、火力発電の燃料が十分に確保されていないとの報道がなされるなど、九州でも電力供給不足の懸念が生じており、今後、突発的な大規模停電といった深刻な事態を回避するため、県民あげて節電への取組が求められています。
 このため、県としては、事業者の一人として、新たに「長崎県庁節電実行計画」を策定し、冷房稼働時間の短縮や執務室の照明削減などの節電に既に取り組むとともに、九州電力に対して、電力の安定供給の確保を求めているところであります。
 また,喫緊の対策として、県民の皆さんの具体的な節電の取組についても、テレビやラジオ、新聞のほか、県、市町の広報誌などを積極的に活用してご協力をお願いしているところであり、引き続き、その周知徹底を図ってまいります。
 加えて、県内の製造業者に対しては、安定的な生産活動が維持できるよう、自家発電設備の整備費用を新たに助成するほか、県内中小企業を対象に、工場の省エネに関するアドバイザーの派遣や省エネ設備設置に対して助成制度を拡充するなどの支援を行ってまいります。
 一方、県においては、今後、原子力の代替エネルギーの確保など、国のエネルギー政策が大きく見直される中、本県が持つ技術や特徴を活かした環境・エネルギー対策に、民間事業者とも連携を図りながら、積極的に取り組んでまいりたいと考えております

(長崎県地域防災計画の見直し)

 今回の大震災を受けて、国においては、これまでの防災基本計画の見直しや、原子力防災指針における「防災対策を重点的に充実すべき地域の範囲(EPZ)」の見直しなどについて、検討が進められております。
本県においても、先月には、九州電力玄海原子力発電所から半径30キロ圏内にある佐世保、平戸、壱岐、松浦の4市からEPZの拡大など原子力防災等に関する要望書が提出されるとともに、県議会におかれましても、去る6月8日の臨時議会において、「原子力発電に係る安全対策強化などを求める意見書」が採択されたところであります。
これらを受けて、去る6月14日と15日に、宮内県議会議長及び友広松浦市長とともに、国に対し、原子力施設の安全対策の徹底、地理的状況に応じたEPZの見直し、原子力発電所の運営等に関し情報の共有化と地域の意見が反映できる場を設けることなど、原子力災害対策に関する要望を行ったところであります。
 今後、佐賀・福岡両県とも十分に連携を図りながら、広域的な避難計画の策定など、県地域防災計画の見直しを検討することとしておりますが、その際には、専門家による検討委員会を立ち上げて様々な角度からご議論いただき、その結果を計画の見直しに反映させてまいりたいと存じます。

(長崎〜上海航路の就航)

ハウステンボスでは、長崎〜上海航路を本年11月に就航させる方針を決定し、去る5月30日、県と共同で発表を行ったところであります。
 最終的な運航計画は、今後、上海市政府など中国側との調整や国内関係省庁への手続きを経て決定されることとなりますが、ハウステンボスによると、11月初旬に第1便を運航し、年明けの1月下旬から週1〜2便程度の不定期運航を実施し、3月中には定期運航を目指すとされております。
 上海航路の実現によって、日中両国で整備が進む新幹線や高速道路網が一つに結ばれ、新たな人や物の流れを生み出す「新アジア軸」が構築されることとなり、県内経済の活性化に大きな弾みがつくものと考えております。
 また、上海市との友好交流15周年や辛亥革命100周年となる記念の年に就航が実現することは、長崎をアピールする上で大変意義深く、11月の第1便は、九州各県や観光庁にも呼びかけて、大きなキャンペーンを展開する舞台にしたいと考えております。その際には、中国からもマスコミ、旅行関係者の参加を呼びかけるなど、中国全土での情報発信に努め、今後の誘客拡大につなげるとともに、船上での「孫文・梅屋庄吉と長崎」にちなんだイベントを開催するなど、上海航路を日中における文化交流の懸け橋としても活用してまいります。
 また、こうした考え方について、6月7日に開催された九州地域戦略会議において、九州各県知事並びに経済界の皆様にもご説明し、ご協力をお願いしたところであります。
 県としては、今後の運航計画の実現に向けた関係機関との調整や集客のための支援を引き続き行うとともに、本県の活性化に着実に結びつくよう、市町や民間団体とも連携しながら、船内における本県の魅力発信や、県内各地域で様々なもてなしの事業を展開してまいりたいと存じます。
 さらに、今回の上海航路による新たなアジア軸の構築を、本県経済の活性化や新しいまちづくりに、より効果的に活かしていくためには、国が各種規制の緩和や税・財政上の支援措置を講じる総合特区制度を最大限活用することが有効であると考えております。
 そのため、今後、県議会のご理解もいただきながら、「国際戦略総合特区」の指定を目指し、積極的に取り組んでまいりたいと存じます。

(「孫文・梅屋庄吉と長崎」の取組)

 県では、辛亥革命100周年を機に、本県と中国との交流及び本県への誘客を推進する「孫文・梅屋庄吉と長崎」プロジェクトに官民一体となって取り組んでおります。
 このような中、去る4月に、中国湖北省武漢市から新しい辛亥革命博物館の建設準備処の周斌顧問が来県された機会を捉え、新しい博物館に「孫文・梅屋庄吉と長崎」の紹介コーナーの設置を要望したところ、実現をお約束いただきました。
 このことは、既に準備を進めている中山艦博物館の長崎コーナーの設置とともに、中国における本県の知名度向上とイメージ形成に大きく寄与するものと期待しております。
 また、震災の影響によって延期されていた香港での「孫文と梅屋庄吉」展も9月に開催されることとなったほか、7月26日から9月4日まで、民間主催による「孫文と梅屋庄吉」展が、東京国立博物館で開かれる予定となっております。
 10月からは、長崎歴史文化博物館において特別企画展「孫文・梅屋庄吉と長崎」を日中国交正常化40周年となる来年3月までの半年間、日中共同事業として開催するよう、現在、中国関係機関との協議を進めているところであり、県としては、こうした様々な機会を捉えて、本県の取組をアピールし、国内外からのさらなる誘客拡大につなげてまいります。
 また、今年は、本県と上海市が友好交流関係を樹立して15周年に当たることから、長崎県日中親善協議会が、関係機関や県民の皆様のご協力のもと梅屋庄吉の銅像を制作し、上海市側へ寄贈することとなっており、今後も上海市との長年にわたって築かれてきた絆を大切にしながら、幅広い分野において、さらなる交流の拡大に努めてまいりたいと存じます。

(離島の振興)

離島における輸送コスト面での不利条件を少しでも解消するため、県では、国の交付金を活用した新船建造費用等の助成による離島基幹航路の運賃低廉化に取り組んでおります。
 今年4月には、その第1船目となるフェリー「万葉」が長崎〜五島航路に就航し、ジェットフォイルを含む当該航路の旅客運賃が2割引き下げられたほか、運航時間も最大で25分短縮されるなど、住民の目に見える効果が現れております。
 しかしながら、依然として人口減少が続く本県離島の厳しい現状を打開するためには、こうした取組はもとより、従来の発想を超える思い切った対策を早急に講じていかなければなりません。
 そのため、去る5月26日に、「長崎県離島振興本部会議」を庁内に新たに立ち上げたところであり、今後、各部局の連携の下、総合計画に掲げる「しまは日本の宝」戦略の推進に総力を挙げて取組み、離島の自立的発展を目指してまいります。
 さらに、離島振興法の期限を平成25年3月末に控え、航路運賃の低廉化や燃油価格の格差是正など、国策による離島の不利条件の解消を図るほか、国境離島・外洋離島を有する本県の実情を踏まえた産業誘致や定住促進のための特段の措置を講じるなど、従前よりもさらに踏み込んだ内容を盛り込む新たな法整備の実現に向けて、国に対し強く働きかけていきたいと考えております。
 そのため、8月には五島市で総決起大会を開催し、気運醸成に努めるとともに、「新たな離島振興法に関する意見書」を策定し国に提出するなど、県議会をはじめ関係市町とも一体となった取組を展開してまいりたいと存じます。

(企業立地と雇用確保)

 県内の雇用情勢は、4月の有効求人倍率が、前月よりも0.03ポイント改善したものの、0.55倍と、依然として厳しい状況が続いております。
 このような中、高校新卒者については、去る1月に作成した「長崎県新規高卒者就活応援プログラム」による、きめ細やかな支援に取り組むとともに、長崎労働局や県、教育機関等が情報を共有しながら連携した取組を進めてきた結果、3月末現在の就職内定率が94.2%と、前年度を1.7ポイント上回る結果となりました。
 また、高等技術専門校でも、県内企業のニーズに対応した職業訓練や、延べ1,000社を超える企業訪問により、今春の就職率が99.2%と、引き続き高い水準を維持しております。
 去る6月20日には、就職活動が本格化する前の取組として、黒田長崎労働局長とともに、県内経済4団体に対し、新規高卒者の採用枠拡大と早期の求人申込を要請したところであり、今年度も引き続き、県内就職の促進に努めてまいりたいと存じます。
 一方、新たな誘致企業である全日本空輸株式会社長崎コールセンターの開所式が、去る5月10日、長崎市神ノ島において執り行われ、今年度120名の雇用が実現するとともに、将来的には450名の雇用が計画されております。
 また、ソニーセミコンダクタ九州株式会社との間でも、諫早市にある長崎テクノロジーセンターの新しい製造ライン設置に関する立地協定を締結し、今後、投資額1,000億円、新規雇用180名が見込まれております。
 県としては、地元市町とも連携しながら、引き続き企業立地の促進と立地企業の事業拡大を支援するとともに、雇用の確保に、なお一層努めてまいります。

(諫早湾干拓事業の開門に向けた環境影響評価)

 去る6月10日、国営諫早湾干拓事業の開門に向けた国の環境影響評価(アセスメント)の結果素案が公表されました。その内容は、開門による海域環境への影響は極めて限定的で有明海全体への影響は見られず、一方で開門によって、地元の防災、農業、漁業に対する影響や被害が想定されており、さらには十分な対策が講じられていないなど、地元としては理解し難いものでありました。
 6月19日には、鹿野農林水産大臣が来県され、結果素案の概要について説明がなされましたが、私から大臣に対して、主に次の五つの疑問点を申し上げました。
 まず、一点目は、菅総理が上告断念の理由とした「有明海の再生を目指すため」という、開門の目的の根幹となる部分に関し、開門を行ったとしても流速や水質等の影響は極めて限定的で、有明海全体の環境改善に繋がる結果が得られていないにもかかわらず、国はなぜ開門をする必要があるのか、という点であります。
 二点目は、開門方法の案の一つとして、平成14年の短期開門調査と同一の手法が提案されている点について、諫早湾外の有明海全体にはほとんど影響はないとの調査結果が既に得られているにもかかわらず、なぜこのような方法が提起されたのか、という点であります。
 三点目は、排水門付近の洗掘防止対策を講じても、周辺漁場に対する濁りや浮泥の堆積等の影響が出ると予想されているにもかかわらず、なぜ何ら具体的な対応策が示されていないのか、漁業者に被害を甘受せよと言っているのに等しいのではないか、という点であります。
 四点目は、農業用水の確保に関して、地下水の汲み上げは地盤沈下をもたらす旨、本県が繰り返し指摘してきたにもかかわらず、なぜ安易にこのような手法が採用されたのか、取水協定を締結しているという現地の実態が全く理解されていないのではないか、という点であります。
 最後に五点目として、防災面において、現在の干拓事業計画は諫早大水害の降雨実績を基にした100年に1度の降水確率を前提としているにもかかわらず、なぜ今回のアセスでは、それを下回る30年に1度の降水確率を前提に影響と対策を検討されたのか、という点であります。
 これらの疑問に対し、大臣は、「有明海全体の生物生態系や漁業生産がどのように変化するかについて、あらかじめ科学的に予測するのは限界がある」と述べられるとともに、開門前後の有明海の環境変化を把握する必要があるとの考えも示されました。また、開門による影響、被害とその対策に関しては、今後、「しっかりとお答えさせていただく」との発言に終始され、私としては、開門があってはならないとの思いをさらに強くしたところであります。
 なお、地元では、去る4月19日に、開門による生命・財産への被害を生じさせないため、新しい干拓地の全ての入植者をはじめ、県農業振興公社、旧干拓地の農業者、諫早湾内の漁業者及び地域住民の計350名の原告により、長崎地方裁判所に排水門の開放差止を求める訴訟が提起されております。
 県としては、今後、アセス結果の内容を十分に精査し、専門家のご意見もお聞きしながら、アセスの問題点に対する意見書を国に提出するとともに、開門による被害が決して地元に及ぶことがないよう、引き続き県議会や関係者の皆様と連携を図りながら、適切に対処してまいりたいと存じます。

(九州新幹線西九州ルート(長崎ルート)の推進)

 九州新幹線西九州ルート(長崎ルート)の諫早〜長崎間など未着工区間については、本年度中に新規着工が決定された場合に対応できるよう、事業費の中に留保分として、昨年度に引き続き全国枠で90億円が確保されておりますが、残念ながら未だ認可の見通しは立っていない状況であります。
 一方、去る4月1日に、国土交通省から公共事業の費用対効果(B/C)の総点検結果が公表され、西九州ルートの既着工区間である武雄温泉〜諫早間に関しては、フリーゲージトレインの場合に「1.5」、スーパー特急の場合では「1.1」と、いずれも十分な費用対効果があることが、改めて示されたところであります。
 県としては、長崎までの延伸と合わせて、武雄温泉〜長崎間をフル規格で整備し一括開業することが、新幹線効果を最大限に発揮するものであると考えております。
 また、西九州ルートは、本県をはじめとする西九州地域の交流人口の拡大や産業・経済の発展を図るうえで、必要不可欠であるとともに、長崎本線のバイパス機能も有しており、災害対策の観点からも一日も早い整備が求められるところであります。
 こうした中、去る6月14日と15日の2日間、私は宮内県議会議長とともに、民主党陳情要請対応本部の松野組織委員長代理や池口国土交通副大臣、自由民主党、公明党、さらには関係国会議員に対して、諫早〜長崎間の早期認可・着工、肥前山口〜武雄温泉間の複線化などを強く求めてきたところであります。
 今後とも、県議会のご協力を得ながら、佐賀県やJR九州、沿線自治体、経済界とも連携し、こうした課題の解決を国に対して、さらに強く働きかけてまいりたいと存じます。

(石木ダムの推進)

石木ダムについては、国が示した「ダム事業の検証に係る検討に関する再評価実施要領細目」に基づき、関係地方公共団体である佐世保市、川棚町、波佐見町とともに、昨年12月に「検討の場」を設置し、川棚川の治水対策と佐世保市の慢性的な水不足の解消を図るための利水対策に関して、複数の代替案を立案し、検討を行ってまいりました。
 また、広く県民の皆様からご意見をいただくために、パブリックコメントや関係住民説明会を開催したほか、学識経験者等、専門家のご意見も伺ってまいりました。
 去る6月13日には、長崎県公共事業評価監視委員会から、現行の石木ダムがコスト等の面で他の代替案より優位であるとして、事業継続を認める意見書が県に提出されたところであり、今後、県議会のご意見も十分にお伺いした上で、県としての最終的な対応方針を決定し、国へ報告したいと考えております。
 未だご理解が得られていない地権者の皆様とは、今後もあらゆる機会を捉えて、誠心誠意話し合いを継続させていただくことが大切であると考えており、一日も早くご理解をいただけるよう、最大限の努力を傾注してまいります。

(幹線道路の整備)

 本県の道路整備については、昨年度、地域高規格道路として整備を進めてきた長崎南環状線が全線開通し、九州横断自動車道の長崎インターと女神大橋が直結されるとともに、都市計画道路浦上川線が全線開通したことにより、長崎市中心部の渋滞緩和が図られることとなりました。
 また、諫早市内の交通混雑の解消を図る一般国道207号長田バイパスも全線開通したほか、西彼杵道路では、指方バイパスが去る6月2日に開通したところであります。
 さらに、供用開始が当初の予定から遅れている西九州自動車道の佐々インターから相浦中里インター間の約4kmについても、早期の供用を国に対して引き続き強く要望してまいります。
 一方、離島架橋については、伊王島大橋が3月27日に開通し、早速、県内外から多くの観光客が訪れるなど、大きな効果をもたらしているほか、大島大橋も4月1日から通行料を無料にしたところであります。
 また、長崎市が実施を予定している矢上大橋における朝の通勤時間帯の無料化社会実験と併せて、県も利用者の利便性向上を図るため、現在、料金を自主投入としている夜間の無料開放を社会実験として行いたいと考えております。
 このほか、今年度から、島原道路の一部である一般国道251号「吾妻愛野バイパス」や一般県道諫早外環状線の「長野〜栗面工区」にも新たに着手したところであり、今後も、地域間の交流促進や産業振興など、地域の活性化に資する道路整備を積極的に推進してまいります。

(アジア女子バスケットボール選手権大会の開催)

 来る8月21日から28日までの日程で、本県で初めての国際競技大会となる「第24回FIBA ASIA女子バスケットボール選手権 長崎/大村大会」が開催されます。
 この大会は、来年のロンドンオリンピックの予選を兼ねて、日本・中国・韓国をはじめとしたアジア諸国12チームが参加し、予選ラウンドを含めた36試合で競われます。
 大会には2万人規模の参加者が見込まれており、県としても関係団体や自治体と調整を図りながら、地域の活性化に資する大会となるよう支援してまいります。

(平成25年全国高等学校総合文化祭)

 高校生の文化の祭典である全国高等学校総合文化祭が、平成25年に本県において開催されることが正式に決定したことを受け、去る6月13日の県実行委員会で、開催期間を平成25年7月31日から8月4日までの5日間とすることや、各部門の開催地が決定しました。
 全国から多くの高校生が本県に集い、文化活動を通して相互の交流を図ることは、県内高校生の学校文化活動に対する意欲や関心を高めることはもとより、県民全体の文化活動の振興にもつながるものと期待され、県としても、本県の魅力を活かした素晴らしい大会となるよう努めてまいります。

(県立図書館の再整備)

 県立図書館の再整備については、有識者や市町の代表者などで構成する「県立図書館再整備検討会議」から、去る3月に答申が提出されました。
 答申では、県立図書館の役割・機能として「市町立図書館の支援」の重要性などを挙げ、「21世紀にふさわしい知の拠点」として、今後50年を見据えた施設の建設が求められております。
 また、建設場所については、大変狭隘な現在地での再整備は難しいとの認識に立ち、市町に対する支援のあり方をはじめ県民の利便性、財政負担などを比較検討したうえで、建設候補地として長崎市及び大村市をお示しいただきました。
 今後、答申を踏まえ、県議会のご意見をお伺いしながら、県立図書館の再整備に関する方針をまとめていきたいと考えております。

 以上、当面する県政の諸課題について申し上げましたが、県政全般にわたり、今議会において、さらなるご意見、ご提案を賜りたいと存じます。

 次に、議案関係についてご説明いたします。
 まず、補正予算でありますが、今回は、東日本大震災における被災地や被災者の支援と県独自の震災対策、その他緊急を要する経費について編成いたしました。

一般会計
24億5,482万2千円
の増額
特別会計
920万   円
の増額
補正をしております。
 また、このうち、震災対策にかかわる補正予算の総額は、一般会計
 
6億6,354万4千円
 
となっております。
 この結果、現計予算と合算した本年度の一般会計の歳入歳出予算額は、
 
7,115億  378万  円
 
となり、前年同期の予算に比べ、
 
257億  710万7千円
 
の減となっております。

次に、予算以外の議案のうち、主なものについてご説明いたします。
第86号議案「長崎県税条例の一部を改正する条例」は、地方税法の一部改正等に伴い、所要の改正をしようとするものであります。
第95号議案「契約の締結について」は、一般国道251号橋梁整備工事の請負契約を締結しようとするものであります。
第103号議案は、長崎県人事委員会の委員の選任について議会の同意を得ようとするものであります。

委員といたしまして、
川口 春利 君
橘癲々醢臓〃
を任命しようとするものであります。
 いずれも適任と存じますので、ご決定を賜りますよう、よろしくお願いいたします。
 なお、人事委員会委員を退任されます植松 俊徳君には、在任中、多大のご尽力をいただきました。この機会に厚くお礼申し上げます。

 その他の案件については、説明を省略させていただきますので、ご了承を賜りたいと存じます。

 以上をもちまして、本日提出いたしました議案の説明を終わります。
 なにとぞ、慎重にご審議のうえ、適正なるご決定を賜りますようお願い申し上げます。

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