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知事のページ - 長崎県知事 中村法道

平成26年3月4日 平成26年3月定例月議会における知事説明

 説明に入ります前に、先ほど、渡辺議長から温かい励ましのお言葉を賜りました。
 議長並びに県議会の皆様に対しまして、心からお礼を申し上げる次第でございます。
 本日、ここに、平成26年3月定例月議会が開会されるに当たり、新たな任期のはじまりとして、所信を申し述べる機会に恵まれましたことを光栄に存じております。
 また、このたび、県議会議員に当選されました、吉村 洋議員、山本 由夫議員、宅島 寿一議員に対しまして、心からお慶びを申し上げます。

 さて、私はさきの知事選挙において、県民の皆様並びに県議会議員の皆様の温かいご理解とご支援により、引き続き知事として県政のかじ取りを担わせていただくこととなりました。
 様々な思いを一票に込めて、県政運営を託していただいた皆様に対し、深く感謝を申し上げますとともに、その期待と責任の重さに身が引き締まり、決意を新たにした次第であります。
 私は、知事就任以来、人を大切にする県政を進め、県民の皆様が、安心して、生きがいを持って暮らしていただけるような、活力に満ちた長崎県を築くために、日々、全力を傾けてまいりました。
 しかしながら、本県は、未だに人口減少や一人当たり県民所得の低迷、さらには「しま」をはじめとする地域活力の低下といった構造的な課題に直面しております。
 今回の選挙期間中、県内各地を巡り、県民の皆様と直接お話をし、現地を拝見してまいりましたが、商店街には多数の空き店舗が目立ち、農村地帯では耕作放棄地が拡大し、離島においては若者が少なくなるなど、改めて本県の厳しい現状を強く認識したところであります。
 このように地域の課題が顕在化する中で、私どものふるさと長崎県が活力を再生し、今後の厳しい地域間競争を勝ち抜いていくためには、県民の皆様と行政が知恵を出し合い、具体的な政策を練り上げるとともに、方向性を共有しながら、力を合わせて、困難な課題に立ち向かっていくことが、何よりも大切であると考えております。
 そのため、これまで以上に幅広い県民の皆様方の参画をいただきながら、「県民主役」、「地域が主役」の県政を推進し、積極果敢に取り組んでまいりますので、県議会議員の皆様には、格段のご支援とご協力を賜りますようお願い申し上げます。
 そして、これからの4年間、私は長崎県を新しい発展のステージに引き上げるため、3つの方向性を持ち、県政運営に取り組んでまいりたいと考えております。

−所得向上を実現するたくましい産業づくり−

 一つは、経済のステップアップ、つまり、所得向上を実現するたくましい産業づくりに力を注いでまいります。
 県においては、今年度から県民所得向上対策に取り組み、農林水産業や製造業、観光業等について、数値目標を掲げ、具体的な振興策を講じておりますが、今後は、さらに施策の充実・強化を図ってまいりたいと考えております。
 そのため、製造業においては、造船や機械、食品関連等の基幹製造業の振興と併せて、地場中小企業の受注拡大を目指し、大手・中堅企業とのビジネスチャンスを拡げてまいります。
 また、企業誘致についても、民間の方々の協力も得ながら情報収集や誘致活動に取り組むなど、誘致体制を強化するとともに、海洋再生可能エネルギー関連産業並びにオフィス系企業等の誘致・育成に力を注いでまいります。

 次に、誇りある農林水産業の育成を図るため、魚価や農産品価格を向上させて、産品そのものが高価格で取引されるよう、高級スーパー等の大口需要者との直接取引の拡大や消費者に高く評価されるトップブランドの創出など、所得向上を目指した生産・販売対策を力強く推進してまいります。
 併せて、生産規模の拡大や強い経営体の育成に力を注ぐとともに、アジアをはじめとした世界の有望な消費市場への輸出拡大並びに、農林漁業者と地域の様々な事業者がネットワークを形成して商品開発等を行う6次産業化を推進してまいります。
 また、地域資源を活かした観光の振興に向けて、「ひかりと祈り 光福の街 長崎」のイメージ戦略や情報発信を展開するとともに、世界遺産登録及び新幹線整備と連動したハード・ソフト両面にわたる観光まちづくりを促進してまいります。
 さらに、サービス業の活性化など第3次産業の振興にも挑戦してまいりたいと考えております。

−世界に通用する新たな長崎県づくり−

 二つ目は、世界へのステップアップ、すなわち、世界に通用する新たな長崎県づくりを進めてまいりたいと考えております。
 グローバル化が急速に進展する中、多様な産業の海外展開を支援し、その活動範囲もアジア諸国から中東や欧米諸国にまで拡げ、海外の活力を積極的に県内経済に取り込んでいく必要があります。
 そのため、先ずは、アジアをはじめ、中東や北米・南米、西欧等の国際市場に向けた本県産品の輸出チャンネルを拡大するとともに、企業の海外進出を支えるビジネスサポート体制や物流体制を一層強化してまいります。

 次に、欧州諸国を含め、各国の特性に応じた観光客の誘致と東南アジア等からの新規航空路線の開設を目指すほか、チャーター便や外航クルーズ客船の誘致など、アジアからさらに地域を拡大した誘客戦略を推進してまいります。
 また、本県は、中国や韓国との深い友好交流の歴史がありますが、同様に、中国と韓国との間においても各種の地域間交流が行われております。
 こうしたことから、これまでの長年にわたる交流の歴史や資産を活かしながら、長崎と中国、中国と韓国、韓国と長崎、このゆかりを結んだ三国間の交流を促進し、地域間交流や民間交流の質的・量的拡大を通して、揺るぎない国際関係の構築を目指してまいります。
 さらに、国際交流に貢献する人づくりや拠点づくりに力を注ぐこととし、地域ごとの海外とのゆかりや交流の歴史を活かした国際交流拠点の形成を図るほか、県立高校への国際科の設置を進め、民間企業等が行うグローバル人材の育成を積極的に支援してまいります。

−支えあう心を育む社会づくり−

 三つ目は、快適さのステップアップであります。少子高齢社会が進展し、人と人とのつながりが希薄になる中、医療や福祉、介護、教育、子育て等の様々なニーズにきめ細かく応えていくためには、これらを社会全体で支え合う仕組みを創る必要があります。
 そのため、先ずは、誰もが活躍できる環境づくりを進めることとし、結婚や出産から育児までの一貫した少子化対策を推進するとともに、女性や高齢者、ニート・ひきこもり等の方々の活躍の場を大きく拡げてまいりたいと考えております。
 また、あらゆる産業にとって、「人」こそが財産であるとの考えのもと、多様な産業を支える人材の育成に力を注ぐとともに、児童生徒の学力向上や特別支援教育の推進など、子どもの教育の充実による未来への投資にも積極的に努めてまいります。

 次に、地域ごとの実態に応じて課題解決を行う、いわゆるオーダーメイド型のプロジェクトや、離島基幹航路運賃及び輸送コストの低廉化、「しまとく通貨」の普及拡大など、「しまは日本の宝」戦略を中心とする振興策を推進してまいります。 
 併せて、市町や民間、県民との協働や地域の特色を活かした地域づくりを促進するとともに、国体を契機としたスポーツ・ツーリズムに取り組んでまいりたいと考えております。
 そして、「健康寿命」を伸ばすことに着目した健康づくり対策の強化や、大学等と連携した医療体制の構築により、県民一人ひとりを支える医療や介護、福祉施策を充実させるほか、消費や食、環境など県民生活の安全・安心を確保してまいります。
 さらに、人や産業、地域を支える社会資本の整備を促進するため、九州新幹線西九州ルート(長崎ルート)や西九州自動車道をはじめ、広域交通ネットワークの整備を加速させるとともに、公共施設の耐震化等を進め、あらゆる災害に耐えうる強靭な長崎県土づくりに力を注いでまいります。
 私は、これまで「何としても長崎県を元気にしたい」との一心で、県政運営に取り組んでまいりましたが、これからが正念場であります。 また、今後の4年間において、これらの目標を達成していくためには、行政だけではなく、県民の総力を挙げた取組が不可欠であります。 そのため、私は、引き続き、県民の皆様方と思いを一つにし、力を合わせて「人や産業、地域が輝く長崎県」の実現に向けて、全力を傾注してまいりますので、どうか県議会議員の皆様並びに県民の皆様におかれましては、今後ともご支援とご協力を賜りますようお願い申し上げます。

 それでは、このような基本的姿勢に基づく、新年度の主な施策について、「長崎県総合計画」の3つの基本理念と10の政策に沿ってご説明いたします。

1 人が輝く長崎県

(未来を託す子どもたちを育む施策の推進)

 安心して子どもを生み育てることができる社会を築いていくためには、結婚、妊娠・出産を含め、子どもが生まれて社会に巣立つまで切れ目のない支援が大切であります。
 そのため、国の交付金を活用して、結婚に関する相談サポーターの養成や独身男女の結婚に向けた意識啓発、健やかな妊娠・出産、育児へとつなぐセミナー等の開催に取り組むとともに、子育て支援者を掘り起こし、地域における子育て支援活動への参画を促進していくなど、少子化対策の一層の充実に努めてまいりたいと考えております。
 また、離島などで実施される小規模保育に対する支援をはじめ、一定基準を満たした認可外保育施設が行う障害児保育への助成や子育て支援者の養成に努め、地域の実情に応じた子育て環境を整備してまいります。
 そして、社会的養護が必要な児童を家庭的な環境で育てていくため、新たに里親育成センター(仮称)を設け、里親制度の広報啓発や研修を総合的に行うことにより、里親の育成支援を強化してまいります。
 一方、社会全体で、子どもたちに自らの将来に対する夢や憧れ、志を育むためには、多様な体験活動に加え、それを支える協力体制や人材確保に努めていく必要があります。
 こうしたことから、新年度は、産学官の連携による中学生の職場体験の充実や、県内外の様々な分野で活躍されている方々から生き方を学ぶ機会を設けるなど、産業界や大学等との教育支援体制づくりを推進してまいります。
 併せて、各学校区に設置され、学校や地域が、「あいさつ」「登下校の見守り」などに協働して取り組む「学校支援会議」の中から、モデル推進校区を指定し、子どもへのメッセージ作成や地域コーディネーターの養成など、活動の充実と活性化を図りながら、地域や家庭の教育力を高め、本県の将来を担う人材の育成を目指してまいります。
 さらに、長崎しおかぜ総文祭の成果を継承し、中高生の文化活動の向上を図るため、学校文化祭の充実に努め、生徒・教職員を対象とした専門研修を実施するほか、平成30年度に本県で開催される全国中学校総合文化祭に向けて、中・高連携による相互交流を行うなど、子どもたちの文化活動のさらなる充実に取り組んでまいります。

(一人ひとりをきめ細かく支える施策の推進)

 県民の皆様が安心して暮らすためには、地域の特性に応じて、医療・保健・福祉・介護・教育など、生活に身近な分野に関して、きめ細かな支援策を講じることが大切であります。
 そのため、小児科・産婦人科の医師不足が深刻な離島・へき地地域における医療機関の医師確保を図るため、臨床研修医に対する資金貸与制度を設け、今後5か年間で50名の貸与者の確保を目指してまいります。
 また、長崎大学等において、県及び島原半島3市の寄附による「島原地域小児医療学講座」を開設し、2名の小児科医の派遣を通して、島原病院内に半島地域を研究フィールドとする、小児医療に関する研究拠点を設けるとともに、島原病院の小児科を再開することにより、小児医療の向上を図ってまいります。
 さらに、発達障害のある方々に対する総合的な支援策として、発達障害者支援センター「しおさい」に、地域支援マネージャーを配置し、相談支援体制を強化するとともに、遠隔地から訪れる方々等の利便性を高めるため、新たに県北地域に相談窓口を設置するほか、就労支援機関への専門研修を実施し、就職及び職場定着を促進してまいります。併せて、施設の老朽化等に伴い、移転・改築が計画されている「佐世保市子ども発達センター」の整備に対する助成を行い、県北地域の障害児療育体制を充実させてまいります。
 加えて、高齢化が進む中、在宅での介護が困難な要介護者をケアする特別養護老人ホームの役割は、ますます重要となってまいります。このため、新年度から、ユニット型個室の整備に加え、地域の実情に応じて、改築等における従来型の多床室や個室の整備に対しても支援を行い、施設利用者の安全・安心の確保やニーズに沿った施設の居住環境の整備に努めることとしております。
 また、いじめや不登校など、児童生徒一人ひとりが抱える不安や悩みに適切に対応し、心の安定を図るため、スクールカウンセラーの配置を拡充するとともに、児童生徒を取り巻く環境の改善に向け、福祉の専門的な知識・技術を用いて家庭を支援するスクールソーシャルワーカーを新たに県立高校にも配置するなど、さらなる支援体制の整備に努めてまいります。
 一方、国においては、公立及び私立高校に関して、平成26年度に入学する新1年生から、授業料に充てるための就学支援金の支給に所得制限を導入し、併せて、低所得者の教育費負担軽減を行うため、奨学給付金制度が設けられました。
 県としては、就学支援金の適切な支給に努めるとともに、低所得者世帯の生徒に対する「奨学のための給付金制度」を創設し、全ての高校生等が安心して勉学できる環境を整えてまいります。

(人を育てる、人を活かす施策の推進)

 少子高齢化による労働力人口の減少が進む中、地域や経済を活性化していくためには、女性の潜在的な労働力の活用に努めるとともに、男女が共に仕事と子育てや生活を両立できる環境を整備することが必要不可欠であります。
 そのため、就業や再就職をはじめ、仕事と子育ての両立、起業やキャリアアップなど、幅広い範囲の女性の就労を総合的に支援する「ウーマンズジョブほっとステーション(仮称)」を設置し、結婚や出産、子育て等のライフステージに応じたきめ細かな女性への就労支援機能を強化してまいります。
 併せて、「女性活躍推進フォーラム」を開催し、経済団体等と協力しながら、女性の活躍に向けた気運の醸成に努めるとともに、企業への働きかけを行うなど、女性が働きやすい環境づくりを目指してまいります。
 また、農業経営への参画や、さらなる発展を目指す女性農業者を対象に、専門アドバイザーを派遣し、課題解決や営農計画の具体化など、経営力向上に向けた活動を支援し、次世代の女性農業経営者の育成に力を注いでまいります。
 一方、水産業については、漁業技術の習得に時間を要する新規就業者の経営安定や、燃油価格の高騰に対応した省エネ型漁業への転換等による経営の改善が喫緊の課題となっております。
 そのため、県では、漁業就業から間もない新規就業者のフォローアップに努めるほか、省エネ漁法への転換及び多角化等に取り組む漁業者に対して、新たに研修奨励金を支給することにより、新規就業者の定着促進と収益性が高く効率的な漁業展開を積極的に支援してまいります。
 また、本県の健康寿命を伸ばし、県民生活の質を高めていくため、「元気 長生き 長崎県」を掲げ、事業所における特定健診の受診率向上を図る職場の健康づくり支援や県民の健康づくり活動に取り組む民間団体への支援など、生活習慣等の改善に向けた対策を推進してまいります。

2 産業が輝く長崎県

(力強く豊かな農林水産業を育てる施策の推進)

 厳しい経済環境の中において、力強く豊かな農林水産業を実現していくためには、所得向上を目指した販売・流通対策を講じ、生産規模の拡大による強い経営体の育成や、生産から加工・販売までを行う6次産業化などを進めていく必要があります。
 そのため、農林業では、本県農産物の有利販売を目指して、産地と信頼関係を構築できる販売店や飲食店を拡大するため、東京・大阪の卸売市場への職員配置による販路の開拓並びに、産地や農業団体が行う販売促進活動の支援や、認知度向上のための関西圏域におけるキャンペーンの実施など、流通・販売対策を強化してまいります。
 また、担い手の経営力強化のため、農地の中間受け皿となる「農地中間管理機構」を設立し、農地集積協力金制度など国の対策を最大限に活用しながら、市町や関係団体と一体となって、担い手への農地集積を加速してまいります。
 畜産振興については、平成29年度に開催される「第11回全国和牛能力共進会」に向けて、日本一連覇を目指すための出品対策の強化や、本県を代表する種雄牛である「平茂晴」の後継牛の造成を加速化させるとともに、県産豚肉のブランド化に向けた飼料給与実証試験に取り組み、品質向上対策を強化してまいります。
 さらに、県産材の流通拡大については、新たに地域材供給倍増協議会を設けて、県産材の出荷窓口を一本化し、県内の核となる製材工場と協定取引を行うことにより、需給体制の整備や県内流通量を拡大させるビジネスモデルを構築してまいります。
 一方、水産業では、昨今の燃油価格の高騰が漁業経営に大変深刻な影響を与えていることから、県としては、国の対策を有効に活用しつつ、省エネ機器の導入支援や沿岸域操業への転換、経営の多角化促進など、重層的な施策を講じて、強い漁業経営体への転換を加速してまいりたいと考えております。
 こうしたことから、新年度は、省エネ型エンジン等の機器整備の導入支援や、燃油使用量が多いいか釣り漁業について光力削減に取り組むとともに、養殖期間が1年程度である短期養殖の導入、並びに漁業種類転換のための技術研修などを積極的に実施し、漁業者の経営体質の強化に努めてまいります。
 特に、水産業が基幹産業である離島地区をはじめ過疎地域において、漁業用燃油費の補てん措置を講じている市町については、財政負担の軽減を図り、県と市町が連携しながら、燃油価格の高騰が及ぼす漁業経営への影響を緩和してまいります。
 また、漁村地域の雇用創出と漁家所得の向上を目指し、今年度から、松浦市や対馬市、五島市において、県や地元自治体、漁業関係者が連携し、地域の実態に即した「漁村地域活性化プラン」の策定を行っているところであります。新年度は、このプランに基づく、新たな漁業技術や養殖技術の導入などに対して助成を行い、地域活性化策の実現を支援してまいります。
 来る3月20日、首都圏における本県産品の販路拡大や観光・物産情報の発信等を目的として、長崎県東京産業支援センターに「長崎県首都圏営業拠点」を開設することとしております。営業拠点施設では、県産品を売り込むテストキッチン付きの商談ルームと、県産品販売コーナーの「長崎よかもんショップ・四谷」を併設しており、今後、市町とも連携を図りながら、効果的な施設運営に取り組んでまいります。
 また、県産品の試食・販売や料理実演等による「長崎県産品愛用フェア 2014」を長崎市内において開催し、県内外の方々に対して、長崎の食や観光などの総合的な情報を広く発信してまいりたいと考えております。

(次代を担う産業と働く場を生み育てる施策の推進)

 力強い地域経済の実現と良質な雇用の場の創出を図り、県民所得を向上させていくためには、今後、新たな需要創造が見込まれる海洋・環境関連産業の振興や、県内製造業の技術力強化等に力を注ぐとともに、企業誘致や食品関連産業の振興などに重点的に取り組んでいく必要があると考えております。
 こうした中、去る2月26日、県では、国が整備を目指す海洋再生可能エネルギーの実証フィールドの誘致に向けて、関係市町の皆様とともに、内閣府の山本海洋政策担当大臣に提案書を提出してまいりました。
 県としては、「ながさき海洋・環境産業雇用創造プロジェクト」の着実な実施により、引き続き、再生可能エネルギーの導入促進と海洋・環境関連産業の拠点形成を推進してまいります。
 また、現在、製造業における中堅企業の技術力や製品開発力の強化によって、県外及び国外からの受注拡大を図り、その効果を中小企業へと波及させるよう取り組んでおります。
 新年度は、県において、技術支援と営業活動を一体的に行うコーディネーターを増員し、県外企業等の発注情報を収集するとともに、工業技術センターと連携して、県内中小企業の技術力を高め、中堅企業や県外企業とのマッチング支援を行うことにより、中小企業への受注をさらに拡大させてまいります。
 併せて、県民所得向上における最大の牽引役である製造業に関しては、県内事業者による「長崎県ものづくり競争力強化推進協議会」を設け、企業間ネットワークの構築や取引先開拓に向けた情報発信に加え、経営力並びに競争力強化のための人材育成などに、一体的に取り組むこととし、県全体の事業拡大を促進してまいります。
 さらに、県制度資金では、従来にない低金利・低保証料である「県民所得向上推進資金」を創設し、食品製造業及び観光関連業等の分野において、県内中小企業による高付加価値化に向けた製品加工や県外市場を見据えた事業展開など、金融面から支援してまいりたいと考えております。
 企業誘致については、約17ヘクタール規模の「ウエストテクノ佐世保」など工業団地の整備が進んでいることから、トップセールスを含め、積極的に取り組んでまいりたいと考えております。中でも、本県では、オフィス系企業の受け皿となる建物の物件が少ないため、新年度は、誘致企業等によるオフィスビルの建設や賃借にかかる助成制度を拡充し、大規模なオフィス系企業の誘致を促進してまいります。
 一方、地域において、経済・雇用を支える産業である島原手延そうめんや五島手延うどんについては、その価値を高め、県外や海外に販売を拡大する産業構造へと転換を進めることとしております。具体的には、日本食の意識が高く、外食単価が高いフランスに焦点を当て、国のJAPANブランド事業を活用して販路を開拓するとともに、首都圏のレストランにおいて「長崎の麺キャンペーン」を実施し、知名度の向上や商品競争力の強化を図り、産地ブランドを確立してまいります。
 また、新たな就業支援の拠点として、若年者や女性、高齢者など、様々な求職者のニーズに応じた支援機能を集め、横断的に取り組む「長崎県総合就業支援センター」を長崎市内に設置し、ハローワークと一体となって、独自の求人開拓や県内企業の人材確保を行うなど、就業支援対策を強化してまいります。

(地域の魅力を磨き上げ人を呼び集める施策の推進)

 美しい海岸線や豊かな自然を有し、古くから異国との様々な交流によって培われた独特の歴史や文化を持つ本県では、地域資源を活かした観光地づくりや交流人口の拡大に取り組んでいるところであります。
 本県の観光客は、一昨年の秋以降、堅調に推移しておりますが、新年度は、「ひかりと祈り 光福の街 長崎」に関する観光資源の充実を図り、誘客の底上げに努めるとともに、県内観光地の周遊をさらに促進させてまいりたいと考えております。
 具体的には、首都圏や関西圏などにおいて、「ひかりと祈り」をテーマに交通事業者や各種メディアとのタイアップによる誘客キャンペーンや観光展覧会を実施するほか、県内観光地の映像を建物壁面に投影して紹介する星空写真展の開催など、効果的な情報発信を行ってまいります。また、「光のおもてなし」として、国体期間中などにおいて、長崎市と連携のもと、長崎県美術館付近から大浦天主堂にかけて、ライトアップイルミネーションを計画しております。
 県内での宿泊・滞在時間の延長や周遊については、世界遺産候補資産を活かし、県内の異なる市町を2泊以上で巡る旅行商品の造成支援や、島原・雲仙を基点として、長崎市や佐世保市、熊本県や福岡県をつなぐ観光ルートの構築など、横軸連携の対策を強化してまいります。
 一方、昨シーズン、J2に初参戦したV・ファーレン長崎は、開幕当初から健闘を続け、J1昇格をかけたプレーオフに進出するなど、県民の皆様の期待に応え、地域の賑わいづくりや交流の拡大に大きく貢献いたしました。
 去る3月2日には、今シーズンのホーム開幕戦を迎えましたが、県としては、新年度において、V・ファーレン長崎のJ1昇格とクラブの安定経営を目指し、試合会場の施設使用料軽減や県民応援デーの開催による集客を図り、県民一丸となった支援に取り組んでまいります。
 また、県立総合運動公園の駐車場については、長崎がんばらんば国体の開催を控え、不足している現状があるため、約2千台を収容できる規模まで整備を行うこととし、大規模イベントに対応できるよう充実させてまいります。

 このほか、国内外の注目度や集客力が高い大型スポーツイベントの誘致は、地域の活性化に大きく寄与することから、スポーツコンベンションへの助成拡充やラグビーワールドカップ 2019の誘致検討並びに、本年7月に予定されるプロ野球フレッシュオールスター戦の開催支援を行い、スポーツを通した交流人口の拡大と地域の賑わいを創出してまいります。

(アジアと世界の活力を呼び込む施策の推進)

 県では、アジア・国際戦略を策定し、海外市場の開拓を進め、観光や物産、企業の進出支援等において、成長著しいアジアと世界の活力を取り込むよう各種施策を推進しているところであります。現在、必ずしも万全とは言えない日中・日韓関係でありますが、県としては、深い交流の強みを活かしながら、地方政府間交流や民間交流に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
 そのため、中国に関しては、本県において、日中「孫文・梅屋庄吉」塾を開催し、日中両国の若者が交流の歴史を学ぶ場を設けるとともに、双方の地域で高校生を受け入れ、交流事業を展開してまいります。
 また、長崎市と共同で整備を進めている「長崎近代交流史と孫文・梅屋庄吉ミュージアム」は、来る4月26日に開館を予定しており、小坂文乃氏をはじめ史料所有者及び関係皆様のご協力をいただきながら、わかりやすく楽しめる展示に努め、孫文と梅屋庄吉・トク夫妻像と併せて、新たな日中友好交流の拠点となるよう情報発信を行ってまいります。
 一方、韓国に関しては、県内の自治体とも交流が活発に行われている釜山広域市と本県との間で、今月下旬、友好交流に関する協定を締結する予定であります。今後、これを記念して釜山において、本県観光や物産、文化に関するプロモーションを展開するなど、幅広い分野で交流を進めてまいります。
 また、県内の官民交流ネットワークを構築し、情報共有や官民連携を強化するとともに、日韓国交正常化50周年を契機として、朝鮮通信使関連資料の世界記憶遺産への登録申請を進めるため、推進母体となる「朝鮮通信使縁地連絡協議会」の活動支援を行ってまいります。
 高い経済成長を続ける東南アジアについては、ベトナム・ホーチミン市との間で、ものづくり人材交流を実施し、現地の職業訓練指導員の技術向上を通して、産業振興の支援と活発な経済交流につなげてまいります。
 また、ベトナムやミャンマーの政府関係者を本県に招へいし、県内企業及び市町を対象として、産業や観光、物産にかかるセミナーを開催するとともに、インドネシアなどの東南アジア諸国へ県内企業と連携した経済ミッション団を派遣することにより、海外進出の気運を醸成してまいります。
 さらに、タイでは、現地企業と連携して県産品等のPRを行うとともに、シンガポールにおいては、クレア・シンガポール事務所への職員派遣に向けた本部研修や現地の県人会員と連携した情報発信に取り組んでまいります。
 県産品の輸出拡大については、農産物の東アジアや東南アジアへの本格輸出に向け、官民一体となった「輸出協議会」を設立して体制を整備するほか、果実類の検疫基準が輸出障壁となっている台湾に関し、新たな防除体系の確立を図り、円滑な輸出環境を整えてまいります。併せて、水産物では、中国での販売拠点の拡大や、中東や東南アジアなど新たな輸出対象国への市場開拓調査及び販売促進活動により、輸出増加に努めてまいります。
 具体的には、中国において、新たに上海市の百貨店に常設コーナーを設置し、舟山市にアンテナショップを開設するなど、販路を拡大するとともに、バーレーンやシンガポール、ブラジルへは水産加工品を中心とした輸出を試みるほか、米国及びタイなどへは鮮魚等の輸出に取り組むこととし、生産者の所得向上を実現するため、輸出対象地域の拡大を図ってまいります。
 一方、このような取組を進める中においては、その基盤となる物流や交通アクセスの強化が重要であります。
 長崎港の国際定期コンテナ航路は、昨年から、週3便体制となりましたが、国際競争力強化のためには、中国向けの直行航路開設など、さらなる充実が必要であり、新年度は、輸出コンテナへの助成拡充や集荷活動の展開、個別商談会の開催など、関係自治体と連携を図り、貨物量の拡大に努めてまいります。
  また、長崎空港は、地方空港の中において、最大級の滑走路を持つなど、国内有数の機能を有することから、空港運用時間の延長をはじめ、機能拡充の可能性調査を行うとともに、東南アジア地域の航空会社等に対し、航空路線の誘致活動に取り組むこととしております。加えて、国際定期航空路線の活性化に必要不可欠なリピーターの獲得や個人旅行客(FIT)の利便性確保のため、近年、増加傾向にあるレンタカー利用に対する支援や佐世保方面への直行リムジンバス運行による社会実験を行い、長崎空港の利用促進と交通需要の的確な把握を図ってまいります。

 このほか、海外からの誘客は、東アジアに加え、東南アジア、欧州など、市場の成熟度や旅行形態に応じた対策を講じてまいります。また、「信徒発見150周年」を記念した巡礼ツアーをはじめ、レンタカーによる個人旅行やトレッキング、民泊体験など本県の特性を活かした誘客にも力を注いでまいります。
 クルーズ客船の誘致については、客船の大型化や東アジアにおけるクルーズ市場の拡大により、船主による自主クルーズから、旅行会社によるチャータークルーズが主流になりつつあることから、チャーター向けに支援制度を見直して、誘致活動を強化するとともに、寄港時のおもてなしなど万全の受入態勢を整えてまいります。

3 地域が輝く長崎県

(「地域発の地域づくり」を進める施策の推進)

 若年層の県外流出や急速な少子高齢化の進展、厳しい経済・雇用情勢などにより、地域活力が低下する中、「地域発の地域づくり」を実現するためには、自発的な地域づくりに引き続き力を注いでいく必要があります。
 そのため、地域課題の解決に向けたオーダーメイド型の振興策として、新年度は、振興局が主体となって実施する「対馬振興プロジェクト」を立ち上げ、急増する韓国人観光客の受入態勢を整備し、観光産業の振興や雇用拡大を図る各種施策を推進してまいります。
 また、長崎EV&ITS(エビッツ)プロジェクトによる未来型ドライブ観光システムの普及や、五島・壱岐・対馬の三島を周遊する「しま巡りツアー」及び、離島を巡るクルーズ船の誘客促進など、「しまは日本の宝」戦略を着実に推進するほか、国境離島の振興に関する新たな法律の制定に向けて取り組んでまいります。
 一方、国においては、観光や地域振興、高齢者及び子育て世代の移動支援など、生活・移動の質の向上をもたらす新たな自動車として、超小型モビリティの導入を促進し、低炭素・集約型のまちづくりを進めていくこととしております。
 県としては、この動きを捉え、エコアイランドを目指す五島地域において、国の認定制度による超小型モビリティの実証地域を形成するほか、長崎EV&ITS(エビッツ)プロジェクトによる知見や人脈など、その優位性を最大限に活用しながら、EV等関連産業の支援を推進してまいります。
 また、県では、合併市町の支援強化のため、普通交付税の合併算定替終了後の新たな財政支援措置について、国等に対し重ねて要望を行ってきたところであります。
 こうした中、去る1月24日、国の基本的な考え方が示され、合併団体の支所経費に対して、全国で3,400億円に上る規模で、交付税の算定に反映していくことや区域拡大に伴う増加経費を反映した人口密度等による財政需要の割増し、さらには離島合併団体への財政需要の割増しの検討などが明らかにされました。 合併市町の行革効果に加え、新たに措置される財源を有効に活用すれば、行財政基盤が強化されるとともに、地域の維持や活性化、福祉のための財源も確保され、将来の発展につながるものであります。
 この間、制度見直しに当たり、格別のご尽力を賜りました県議会並びに本県選出の国会議員の皆様方に心からお礼を申し上げます。

(安全・安心で快適な地域をつくる施策の推進)

 地域の安全・安心を確保し、快適さを創り出すためには、防災・防犯対策や循環型社会の推進、人と自然の共生により、県民の皆様が癒しや安らぎを感じていただけるような暮らしづくりを進めていくことが重要であります。
 そのため、防災や住まいの対策では、耐震改修促進法に基づき、来年末までに耐震診断の実施及び報告が義務付けられた大規模な民間建築物の耐震診断に要する経費に対して助成を行い、緊急的に安全性を高めてまいりたいと考えております。
 また、今年度創設した住宅リフォーム支援制度については、住宅の安全性を向上させる「バリアフリー・安全型」、環境に優しい「省エネ型」、台風被害等の低減を図る「防災型」を対象に引き続き助成することとし、新年度からは、さらに多くの県民の皆様にご活用いただけるよう、補助単価を見直し、件数枠を倍増して、安全で快適な住環境の整備を促進してまいります。
 一方、本県の発展のためには、環境と経済の両立を図りながら、持続可能な社会を構築することが重要であります。
 一定規模の工業団地を造成する際などに必要な本県の環境アセスメント制度については、条例制定から約15年を経過し、この間、環境に関する各種法令の整備も進み、事業者の環境配慮にかかる意識も高まっておりますが、その手続きに約2年以上の期間を要するなど課題も見受けられるところであります。
 こうしたことから、今回、制度の見直しと併せて、環境情報の整備を行い、本県の豊かな自然環境の保全に配慮しつつ、個別事業ごとにアセスの要・不要を判定することや、評価項目の絞り込みを行うなど、効果的な環境アセスメントを実施してまいりたいと考えております。

(地域づくりを支えるネットワークをつくる施策の推進)

 人口減少や少子・高齢化に対応しつつ、競争力のある地域づくりを進めるためには、交流や県内産業を支える高速・広域交通体系の整備を促進するとともに、離島・半島等のくらしを支える地域交通の基盤強化を図る必要があります。
 そのため、鉄道や道路、航路、航空路などの交通ネットワークの整備を推進しておりますが、今般、国は西九州自動車道について、松浦市から佐々町間の新規事業採択時評価の手続きに着手されたところであります。
 今回の事業評価手続きは、西九州自動車道の中で唯一の未着手区間である松浦市から佐々町間の新規事業化を行う上で、必要不可欠な手続きであり、これまで平成26年度新規事業化に向けて取り組んできた本県にとって、大変喜ばしいことであります。今後、一日も早い全線開通を目指して、県議会のご協力を賜りながら、沿線自治体と一体となって円滑な事業進展に努めてまいります。
 松浦鉄道及び島原鉄道については、レール等の安全施設整備を対象に、引き続き沿線自治体と支援を行い、公共交通の安定的な運行を確保するとともに、島原鉄道に関しては、経営を取り巻く厳しい環境を踏まえ、新年度から当整備にかかる事業者負担をなくし、沿線自治体の負担を松浦鉄道と同様に拡充することとしております。
 一方、島原半島地域において、熊本県と本県を結ぶ口之津−鬼池航路を運行する老朽船舶については、国の交付金を活用した船舶リプレイス助成制度を適用することにより、船舶の更新を行い、航路及び安全性の維持に努めるとともに、運賃低廉化等による交流人口の拡大を通して、地域の活性化を図ってまいります。
 また、対馬市においては、韓国からの観光客数が、昨年は約18万人と急速に増加しており、その窓口となる比田勝港の国際旅客ターミナルの整備は重要な課題となっております。
 そのため、県としては、待合スペースの拡充などにより、円滑な出入国手続きが実施されるよう、来年度から計画されている新国際旅客ターミナル整備に対する助成を行い、観光交流の拡大を促進してまいります。

 以上、来年度の主な施策について、ご説明申し上げましたが、なお、補強を要する政策的な事項については、県議会のご意見を賜りながら、さらに十分な検討を重ねたうえで、次の機会に必要な予算を提案したいと考えております。

 それでは、次に、これまでの3つの柱に沿った事業以外の主な施策や懸案事項などについてご報告を申し上げます。

(カジノを含む統合型リゾートの推進)

 統合型リゾート(IR)については、佐世保市と共同でIR調査検討協議会のもとに、各分野の有識者による専門家会議を設置し、IR導入に伴うメリットやデメリット等の客観的な分析・検証とともに、県内外の経済及び教育・防犯関係団体、地域住民団体等と幅広く意見交換を行ってまいりました。
 こうした中、去る2月22日に、専門家会議から協議会に対して意見書が提出されたところであります。
 その意見として、本県へのIR導入については、「IR導入に伴うマイナス面の課題への万全の規制や対応策を国や自治体が講じるとともに、県民に対し、高い経済効果や雇用創出と併せ、同課題への対応策を十分に説明・周知し、県民の合意形成を図ることを前提に、長崎県全体の振興に資するようIR導入を目指すことが適当である」、また、設置地域については、「佐世保市ハウステンボス地域が有力な選択肢として考えられる」というものでありました。
 県としては、こうした検討結果や各界各層からのご意見などを十分に踏まえ、IR導入に伴う経済効果等を最大化する一方、治安や青少年教育への影響等を最小化するため、引き続き、具体策を検討しながら、佐世保市のハウステンボスを核とした地域へのIR導入に向けた取組を推進してまいります。
 今後、本県が国によるIR導入の対象地域に選定されるよう、関係自治体や経済界等と共同して県民組織を立ち上げるとともに、地域資源を最大限に活かした魅力溢れるIR像の構築や、県民の合意形成、国への強力な働きかけなど、県議会並びに県民の皆様のご意見を伺いながら、全力で取り組んでまいりたいと考えております。

(企業誘致の推進)

 去る2月7日、世界的な保険グループであるAIGグループ傘下のAIU損害保険及び富士火災海上保険は、長崎市常盤町において、契約管理や保険金支払い関連業務を行うビジネスセンターを新設し、AIGジャパン・ホールディングス並びに、グループ内の共通業務を担当するAIGビジネス・パートナーズとともに、4社共同で立地することを決定されました。
 本年5月から業務を開始し、平成26年度中に、約200人の雇用を行うことが発表され、進出後の雇用拡大についても期待を寄せているところであります。
 今回の立地は、地震・津波などのリスクの少なさや、優秀な人材を安定的に確保できることなど、本県の優位性を高く評価いただいた結果であると伺っており、全国の候補地の中から、本県への進出を決定されたことは、大きな喜びであり、心から感謝を申し上げます。
 県としては、円滑な事業運営に向けて、引き続き、地元長崎市と協力しながら支援を行うとともに、さらなる企業誘致の推進に努めてまいりたいと考えております。

(世界遺産登録の推進)

 「明治日本の産業革命遺産 九州・山口と関連地域」は、構成資産である「端島炭坑」「高島炭坑」について、長崎市とともに国史跡指定に取り組んでまいりましたが、本年1月に同市から国に対し、意見具申書が提出されたことにより、国指定に向けて大きく前進いたしました。
 また、県では、国や長崎市、三菱重工業などとともに、世界遺産登録推薦書に添付する管理保全計画の作成や調整を図り、同1月に、国からユネスコに推薦書が提出されたところであります。平成27年の登録実現に向けて、周知啓発やイコモスの現地調査への対応など、国や関係自治体と連携しながら、引き続き積極的に取り組んでまいります。
 一方、「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」については、去る12月26日、世界遺産登録推進県民会議の総会が開催され、平成28年の世界遺産登録実現へ向けて、推薦決定が今年なされるよう、海外や全国に向けたPRなど一層の気運醸成に取り組むことが決議されました。
 こうした中、昨年10月に本県のカトリック関係者を介してローマ教皇及びローマ教皇庁文化評議会議長へお渡しした親書に対して、教皇からは招聘に対する感謝の意が、評議会議長からは、「長崎の教会群」の世界遺産登録を支援する旨を文部科学大臣に文書で伝えられたことが示された返書をいただきました。
 また、去る1月15日には、バチカンで行われた一般謁見において、教皇が弾圧・潜伏・復活という日本におけるキリスト教の歴史と潜伏キリシタンの信仰を特に紹介されました。
 この演説は、広く世界中に発信されたものであり、教皇の長崎への関心の深さを思わせるとともに、「長崎の教会群」の世界遺産登録に向けた大きな弾みになると考えております。
 「長崎の教会群」については、今後とも着実な登録実現を目指して、準備に万全を期するとともに、関係者の皆様のご理解のもと、登録後を見据えた受入体制の整備等に取り組んでまいります。

(諫早湾干拓事業における開門問題)

 諫早湾干拓事業の開門問題については、昨年11月12日の長崎地裁における開門差止めの仮処分決定以来、県及び県議会、並びに諫早市や雲仙市、地元関係者の皆様から、今回の決定に対して、異議申立を行わないことや開門方針を白紙の段階から見直すことなど、繰り返し要請してまいりました。
 一方、国は、去る1月9日、佐賀地裁に対して、開門を認めた確定判決の執行力の排除を求める「請求異議の訴え」及び「強制執行停止の申立て」を行うとともに、長崎地裁に対し、仮処分決定に対する「異議」の申出を行ったところであります。
 このため、排水門開放差止弁護団は、去る1月27日、国に対して、仮処分決定において提出された保全異議意見を撤回し、保全異議申立てを取り下げるよう要請するとともに、仮に、2月3日までに、その対応が行われない場合は、仮処分決定に基づく間接強制の申立を行う旨を伝えました。
 これに対し、国は、同月3日、同弁護団に対して、「開門義務と開門禁止義務という相反する2つの法的義務が存在している状況においては、双方の義務に対して司法の場で国としての考え方を申し上げることが必要」との回答がなされました。
 地元の地域住民及び農業者、漁業者の方々は、この回答について、国は、開門方針を堅持し、仮処分決定に対する保全異議審を継続する意向が明らかであると判断せざるを得ないとして、翌4日、潮受堤防排水門を開けた場合に制裁金の支払いを求める「間接強制」を長崎地裁に申し立てられたところであります。
 県としては、異議申立を取り下げないという国の姿勢は残念であり、引き続き、訴訟の推移を見極めながら、仮処分決定の重大性を踏まえ、県議会並びに関係者の皆様とともに、開門方針の見直しを強く求めてまいりたいと考えております。

(石木ダムの推進)

 石木ダムについては、残る地権者の皆様に対して、地元川棚町や佐世保市とともに、週一回の戸別訪問や生活相談所の開設など、積極的に話し合いのお願いに取り組んでおりますが、未だ応じていただけない状況が続いております。
 こうした中、昨年12月、ダム建設のため用地を提供していただいた地権者団体の皆様から、「石木ダムの建設促進」にかかる強い要望を受けたところであり、県としては、早期完成のために、今後、取得済用地内での付替道路工事の準備を進めてまいりたいと考えております。
 川棚川の抜本的な治水対策と佐世保市の慢性的な水不足の解消のためには、必要不可欠なダムであり、引き続き、ご理解を得られていない地権者の皆様について、対話の機会をいただき早期解決が図られるよう、これまで以上に、県及び関係市町が一体となり、誠心誠意取り組んでまいります。

(県庁舎の整備)

 新県庁舎の整備については、先月末に、行政棟、議会棟、警察棟、駐車場棟の実施設計が完了したところであります。
 現在、新年度の工事着手に向けて、発注手続きのための諸準備を進めており、平成29年度の早期の完成を目指して取り組んでまいりたいと考えております。
 また、県庁舎の跡地活用は、今年度末の提言に向けて、検討懇話会の中で、ご議論をいただいているところであり、引き続き、県全体にとって最良の活用策となるよう、県議会をはじめ、県民の皆様のご意見をいただきながら、地元長崎市と連携して検討を進めてまいります。

(新県立図書館の整備)

 新しい県立図書館については、現在、専門家等のご意見を伺い、関係市とも十分協議しながら、「県立・大村市立一体型図書館(仮称)」並びに「県立図書館郷土資料センター(仮称)」の図書館サービスや運営の考え方、施設規模などを定める整備基本計画の策定を進めているところであります。
 今後、県議会のご意見をいただきながら、パブリックコメント及び地区別説明会等における県民の皆様のご意見も伺い、本年5月を目途に最終案をとりまとめ、新年度中の基本設計及び実施設計の着手を目指してまいりたいと考えております。

(県立ろう学校の整備)

 大村市では、九州新幹線西九州ルート(長崎ルート)の開業に合わせた新大村駅周辺の整備計画において、新駅前に位置する県立ろう学校用地については、防災公園を含む業務施設ゾーンとして整備する方針を示されました。
 これを受けて、県では、幼児・児童生徒の教育環境を第一に、保護者や同窓会、学校関係者と協議を重ねた結果、県立大村城南高校竹松農場を移転候補地として、建替整備を行うことで、一定のご了解をいただいたところであります。
 今後、新幹線工事の進捗を見据えながら、新しいろう学校に求められる機能や規模等について、検討を進めてまいりたいと考えております。

(長崎がんばらんば国体・長崎がんばらんば大会の開催)

 今年は、いよいよ長崎がんばらんば国体・長崎がんばらんば大会が本県で開催されます。 45年ぶりの本県開催となる「第69回国民体育大会 長崎がんばらんば国体」は、10月12日から22日にかけて、2つの公開競技を含む39競技と19のデモンストレーションとしてのスポーツ行事が実施されます。
 一方、本県初開催の「第14回全国障害者スポーツ大会 長崎がんばらんば大会」は、11月1日から3日にかけて、2つのオープン競技を含む15競技が行われるものであります。 県としては、広報活動や各種県民運動のさらなる推進に努めるとともに、選手育成並びに競技団体の強化など競技力の向上に力を注ぎ、県民総参加のもと、皆様の心に残る素晴らしい大会となるよう開催準備に万全を期してまいりたいと考えております。
 また、大会期間中は、延べ90万人の参加者が見込まれ、全国から多くの方々が本県を訪れることから、花いっぱい運動の展開など、県を挙げておもてなしするとともに、この機会に本県の多彩な魅力を全国に向けて発信し、交流人口の拡大につなげてまいります。

(スポーツの振興)

 去る1月5日から東京都で開催された「第66回全日本バレーボール高等学校選手権大会」において、九州文化学園高校女子バレーボール部は、見事に全国制覇を成し遂げました。
 また、本県男子中学生選抜チームは、12月25日から大阪市で開催された「第27回全国都道府県対抗中学バレーボール大会」において準優勝、12月29日から東大阪市で開催された「第19回全国ジュニア・ラグビーフットボール大会」で第3位と、年末年始にかけての全国大会における本県中高生の活躍は、県民に大きな感動を与えてくれました。
 さらに、1月19日に広島市で開催された「第19回全国都道府県対抗男子駅伝」において、本県選抜チームは終盤まで優勝争いを展開する見事なレースで、県勢過去最高タイムの4位入賞を果たしております。
 選手並びに関係者の皆様のご健闘を心からたたえるとともに、これを弾みとして、本年開催の「長崎がんばらんば国体」における天皇杯・皇后杯の獲得に向けて、各競技団体や関係機関と一丸となって、スポーツの振興に全力で取り組んでまいります。

 次に、議案関係についてご説明いたします。

 まず、平成26年度予算については、編成時期の関係もあり、政策的経費を除いた、いわゆる骨格予算を予定しておりましたが、県内経済の活性化に向けて切れ目なく対応するため、県民所得向上対策を含め、政策的経費を可能な限り計上した予算として編成いたしております。 一般会計の予算額は、
6,934億22万7千円
特別会計の予算額は、
548億8,880万6千円
企業会計の収益的支出及び資本的支出の総額は、
213億8,376万4千円
となっております。

 次に、平成25年度補正予算でありますが、今回の補正予算は、「国の好循環実現のための経済対策」補正予算への対応と国庫支出金の決定等に伴う事業費の増減、その他年度内に執行を要する緊急な事業費について計上いたしました。 一般会計 41億6,407万1千円の増額 特別会計 25億8,499万2千円の増額 企業会計  2億5,542万9千円の増額 補正をしております。

 この結果、平成25年度の一般会計の累計予算額は、  6,956億9,751万7千円 となっております。

 次に、予算以外の議案のうち、主なものについてご説明いたします。

 第168号議案「長崎県小児科・産科医師確保緊急対策資金貸与条例の一部を改正する条例」は、小児科・産婦人科の勤務医を確保し、離島・へき地地域への勤務を促進するため、所要の改正をしようとするものであります。
 第183号議案「長崎県環境影響評価条例の一部を改正する条例」は、環境アセスメントに関して、新たに事業者の届出による判定手続きを導入するため、所要の改正をしようとするものであります。
 第188号議案「長崎県道路占用料徴収条例の一部を改正する条例」は、消費税法の一部改正に伴い、本年4月1日から消費税率が引き上げられることなどから、所要の改正をしようとするものであります。

 なお、消費税率の引き上げに伴い、「長崎県手数料条例」ほか、20件の改正を予定しております。
 その他の案件については、説明を省略させていただきますので、ご了承を賜りたいと存じます。
 以上をもちまして、本日提出いたしました議案の説明を終わります。
 なにとぞ、慎重にご審議のうえ、適正なるご決定を賜りますようお願い申し上げます。

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