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知事のページ - 長崎県知事 中村法道

平成27年11月25日 平成27年11月定例県議会における知事説明

 

 本日、ここに、平成27年11月定例県議会を招集いたしましたところ、議員の皆様には、ご健勝にてご出席を賜り、厚く御礼を申し上げます。

 説明に入ります前に、去る11月13日、フランスで同時多発テロ事件が発生しました。これは、罪もない数多くの人々を標的にしたテロ行為であり、決して許されるものではありません。
 県民を代表いたしまして、犠牲となられた方々に深く哀悼の意を表しますとともに、フランス国民の皆様に心からお見舞いを申し上げる次第であります。
 去る10月19日、金子原二郎前知事が、中日友好協会から、名誉ある「中日友好の使者」の称号を受称されました。
 この称号は、長年に亘り中日友好事業に尽力された方々に授与されるものであり、本県では、高田勇(※高ははしごたか)元長崎県知事、故松藤悟元長崎県日中親善協議会副会長に続く3人目の受称となりました。
 今回の受称は、金子参議院議員が知事在任中、全国の先頭に立って中国との友好交流の促進に尽くしてこられたご功績によるものであり、心から敬意を表し、お祝いを申し上げます。
 金子参議院議員におかれましては、国政の場においてますますご活躍されますとともに、中国との交流をはじめ県政発展のために、なお一層のお力添えを賜りますようお願い申し上げます。
 また、このたび、35年以上の永年勤続により、都道府県議会議員及び市町村議会議員総務大臣感謝状を受けられました宮内雪夫議員に心からお祝いを申し上げます。
 宮内議員は、昭和42年に初当選されて以来、県議会の幅広いご信任とご推挙により、第49代県議会議長並びに第61代県議会議長に就任されるとともに、九州議長会会長や全国議長会会長も歴任されるなど、その卓越した識見と豊富な経験により、我が国の地方自治並びに本県の発展のために多大なご貢献をいただいてまいりました。
 宮内議員におかれましては、今後とも、さらなる県勢発展のため、なお一層御活躍されますことをご祈念申し上げます。

 それでは、開会に当たり、当面する諸課題について所信を申し述べますとともに、前定例会以降、今日までの県政の重要事項について、ご報告を申し上げたいと存じます。

 

新たな総合計画の策定

 新たな総合計画については、県議会でのご議論や県民の皆様、市町、関係団体、有識者による懇話会等からのご意見を踏まえ、このたび、「長崎県総合計画 チャレンジ2020」として取りまとめ、本議会に議案として提出しております。
 私は、知事就任以来、人を大切にする県政を推進し、県民の皆様方が生きがいを持って暮らせる、活力に満ちた長崎県を築くため、経済・雇用対策に最優先で取り組むとともに、子育て環境の整備や暮らしの安全・安心の確保、地域発の地域づくりなどの各種施策に力を注いでまいりました。
 とりわけ、県民所得の向上に関しては、何とか現状を打開し、少しでも改善の道筋を示したいとの思いから、具体的な数値目標を掲げた県民所得向上対策を推進してきたところであります。
 これら様々な施策の展開により、一部に具体的な成果も見え始めておりますが、構造的課題の解決までには至っておりません。
 我が国が本格的な人口減少社会を迎え、地域間競争が一層激しさを増す中、本県が将来にわたって持続的に発展していくためには、本県の強みを最大限に活かしつつ、人口減少対策や産業振興・雇用対策等の一層の強化を図り、活力ある、たくましい長崎県を創り上げていくことが重要であります。
 このため、本計画では、「人、産業、地域が輝く たくましい長崎県づくり」の基本理念のもと、世界遺産などを活かしたさらなる交流の拡大や、県民一人ひとりが互いに支えあい、生きがいを持って活躍できる社会づくり、次代を担う子どもたちや産業を支える人材の育成、力強い産業と良質な雇用の創出、安全・安心で快適な生活環境の整備などの政策群を盛り込んだところであります。
 また、計画の実現に向けては、限られた予算や人員等の行政資源を重点的かつ効果的に投入するとともに、計画推進に寄与する評価制度の構築により施策の検証と見直しを図りつつ、県民の皆様や企業、大学、NPO、市町など、地域社会の様々な力を結集して取り組んでまいりたいと考えております。
 今後、県議会でのご議論も十分に踏まえながら、たくましい長崎県づくりを目指し、本県の未来を切り開く新たな施策や様々なプロジェクトについて、戦略的かつ積極的に展開してまいりたいと考えております。

 

平成28年度の重点戦略

 人口減少や少子・高齢化の急速な進行、グローバル化の進展や地球規模での環境問題の発生など、本県を取り巻く社会経済情勢は大きく変化しております。
 こうした中、来年度は、新たな総合計画の初年度にあたり、計画に掲げる5つの将来像の実現を目指していくため、既存事業を大幅に見直しつつ、他県や市町との連携を図りながら、新たな視点や発想を積極的に取り入れた施策を戦略的かつ分野横断的に展開することにより、着実な前進や具体的成果に結び付けることができるよう、全力を傾注してまいります。
 さらに、県民と想いを共有しながらたくましい長崎県づくりを進めるため、新たに計画の重要指標を設定したほか、「世界文化遺産」、「新幹線」など、長崎ならではの強みを活かし政策横断的に取り組む6つのプロジェクトや、県内各地域がそれぞれの特色ある地域資源や特性を活かし個性的な地域づくりを進めるための指針となる地域別計画などを盛り込んでおります。
 そして、地方への新たな人の流れを生み出すとともに、地域に活力をもたらし、県民の皆様が安心して生活を営み、子どもを産み育てられる社会環境を創り出すことによって、「まち・ひと・しごとの創生と好循環」の確立を目指してまいります。
 それでは、平成28年度の重点戦略の素案において検討を進めていく主な施策について、「長崎県総合計画 チャレンジ 2020」で実現を目指す5つの将来像に沿ってご説明いたします。

 
1 交流でにぎわう長崎県

 今後、2つの世界遺産登録や新幹線開業を契機として、様々な分野において、国内外からの需要を取り込みながら、さらなる交流拡大を図り、本県経済の活性化へ具体的に結びつけていかなければならないと考えております。
 そのため、国内外の富裕層をターゲットとした質の高いサービスの提供、2つの世界遺産等を活用した県内周遊対策やストーリー性を重視した戦略的な情報発信、観光客受入体制の強化などにより、一層の誘客促進並びにリピーターの獲得につなげ、観光消費額の拡大を図ってまいります。
 また、来年3月東京都に開設予定の情報発信拠点アンテナショップの活用や新幹線開業を見据えた関西地域企業等との連携によるPRなど、文化・観光・物産にわたる総合的な情報発信を強化してまいります。
 そして、中国や韓国における本県の認知度向上や観光客誘致を促進し、長崎空港の24時間化や国際定期航空路線の拡大に向けた対策を推進するとともに、県産品の輸出促進対策を強化し、本県とのゆかりを活かした東南アジアや欧米との交流拡大を図るなど、海外からの活力の取り込みを進め、アジア・国際戦略の一層の充実に力を注いでまいります。
 さらに、ターゲットを絞った施策の展開などによるさらなる移住促進対策、集落圏維持・活性化による定住促進対策などを一体的・効果的に展開するとともに、スポーツコミッションを中心としたスポーツツーリズムの推進など、本県へ人を呼び込む施策を強力に推進してまいります。

 
2 地域のみんなが支えあう長崎県

 全国に先行して人口減少、高齢化が進む中、これからは、高齢者、若者、女性、障害をお持ちの方々など県民一人ひとりが、様々な分野で役割を担いつつ、互いに支えあいながら、いつまでも健康で、生きがいを持って活躍していただけるような社会を実現しなければならないと考えております。
 そのため、高齢者がスポーツ、文化活動や世代を超えた交流を行う「第29回全国健康福祉祭ながさき大会」の開催、高齢者の就業や社会参加の機会を拡大するための仕組みづくりなどにより、元気な高齢者の活躍の場を創出してまいります。
 また、女性のライフステージに応じた就労支援や働きやすい職場環境の整備、女性の登用等促進に向けた人材育成など、女性の活躍を推進する施策を実施してまいります。
 一方、生活に困窮している世帯等の子どもに対する教育支援やひとり親世帯の保護者に対する就労支援等を推進し、すべての子どもが、生まれ育った生活環境に左右されず、健やかに成長できる環境づくりに力を注いでまいります。
 きめ細かな対応が必要な子どもに対しては、関係機関による総合的な支援体制を構築し、成長段階に応じた、切れ目のない支援を推進してまいります。
 そして、県民が住み慣れた地域で安心して暮らせるよう、 ICTを活用した医療連携体制の強化、子育て中の女性医師等による離島・へき地の日帰り診療応援システムの構築等医師の地域偏在是正のための対策、介護職員等の定着に向けた支援等介護・福祉人材確保対策などにより、地域の実情に応じ、必要な医療・介護・福祉サービスが受けられる体制の整備に努めてまいります。

 
3 次代を担う「人財」豊かな長崎県

 若者の県外流出に歯止めをかけるためには、県内産業の成長や活性化を支える人材を育成し、その人材を県内に定着させていくことが重要であります。
 そのため、長崎県産業人材育成産学官コンソーシアムでの協議を踏まえ、学校教育から企業現場までの切れ目のない人材育成を行う独自のプログラムの構築や県内大学と連携した次世代の経営者等を対象とした専門的・実践的な講座の開講、将来の地域産業の担い手として県内に定着する大学生の奨学金返還を支援するための基金の造成など、産学官が連携した人材育成と県内就職促進に力を注いでまいります。
 一方、県民が希望する結婚、妊娠・出産、子育てが実現できる社会を築いていくためには、それぞれのライフステージに応じた、切れ目のない支援が重要であります。
 また、学力調査結果の迅速な分析・検証に基づく授業改善に向けた取組や県内各地での外国人との英会話体験活動を通じた英語コミュニケーション力の向上などにより、子どもたちの確かな学力の育成を目指してまいります。

 
4 力強い産業を創造する長崎県

 人口減少対策に不可欠な県民所得の向上を目指していくためには、力強い産業の育成と良質な雇用の場の創出につながる施策を展開していかなければならないと考えております。
 そのため、製造業においては、地域経済を牽引する中堅ものづくり企業層の拡大を目指した総合的な支援や、高付加価値化が期待される食品製造業への重点的支援を実施してまいります。
 また、本県の持つ強みを活かし、将来成長が期待できる新たな産業を創出するため、海洋エネルギー関連産業の拠点形成に向けた取組を進めるほか、県内造船業の振興及び水素関連産業の創出を目指した燃料電池船の研究開発を促進してまいります。
 そして、県有地を活用してオフィスビルを整備し、本社機能移転などの動きを捉えたオフィス系企業の誘致活動を展開してまいります。
 一方、力強く豊かな農林水産業を実現していくためには、 生産規模の拡大や低コスト化、収益性の向上、競争力のある強い経営体の育成などを進めていく必要があります。
 こうしたことから、農林業においては、生産基盤の整備や担い手への農地集積等に加え、省力化機械の導入や労力の軽減のための体制整備など労働生産性向上による規模拡大を図ってまいります。
 また、産地と加工業者の連携による加工用産地の育成や6次産業化の規模拡大を目指すフードクラスターの構築、畜産クラスターの取組に基づく牛舎等整備、省力化・低コスト化のためのICT機器等の導入等による肉用牛の増頭など、品目別戦略を再構築し、産出額の拡大を図るとともに、低コスト化や差別化を進め、農業所得の向上を推進してまいります。
 そして、新規就農者の受入団体等登録制度の充実や初期投資の負担軽減のための支援など新規就農者を地域に呼び込む仕組みを強化するほか、雇用型経営や法人化を目指す経営体を育成してまいります。
 水産業においては、離島等での重要な雇用の場となっている定置網等の雇用型漁業の育成を図るため、生産性の向上や経営多角化を目指す経営体を支援するほか、中国をはじめとする海外への水産物輸出拡大に向けた生産・流通体制の構築や魚市場の高度衛生管理施設の整備、大消費地のニーズに対応した流通・加工体制づくりなど、収益性の向上に向けた施策を強化してまいります。
 そして、浜の魅力発信による漁業者の呼び込み、就業前後の技術習得研修、経営開始後の定着促進や離職防止のための各種支援など、一貫した総合的な支援による漁業就業者の確保を目指してまいります。

 
5 安心快適な暮らし広がる長崎県

 しまをはじめとする地域活力の低下が懸念される中、各地域が持つ豊かな自然や歴史、文化といった地域資源を活かした地域づくりを進める必要があります。
 そのため、しまの地域資源を活かし、大手宅配業者とタイアップしてしまの産品を大消費地の飲食店等へ売り込むながさき「しまねこ」プロジェクトを展開するほか、日本遺産に認定された「国境の島 壱岐・対馬・五島 〜古代からの架け橋〜」の魅力発信等による観光振興や地域の活性化を進めてまいります。
 また、諫早湾干拓事業によってもたらされた干陸地や調整池、国立公園雲仙など地域の豊かな自然を利活用し、地域の活性化につながる施策を推進してまいります。
 そして、九州新幹線西九州ルートや島原道路、西彼杵道路など、交流人口の拡大や産業振興を支える交通ネットワークの整備や大規模化・激甚化している自然災害から県民の生命・財産を守るための防災・減災対策など、社会資本の整備を着実に推進してまいります。

 

環太平洋パートナーシップ(TPP)協定の動向

 環太平洋パートナーシップ(TPP)協定に関して、国は、去る10月9日、「環太平洋パートナーシップ(TPP)協定交渉の大筋合意を踏まえた総合的な政策対応に関する基本方針」を公表いたしました。
 この基本方針では、地方の中堅・中小企業の海外市場への進出を後押しするなど、TPPに期待される効果を最大限に発揮するための所要の措置を講ずるとする一方で、TPPの影響に関する国民の不安を払拭し、強い農林水産業をつくりあげるため万全の施策を講ずるとされております。
 本県にとって、地域を支える重要な基幹産業である農林水産業は、特に影響が懸念されることから、国においては、基本方針を踏まえ、速やかに国内農林水産業への影響を明らかにし、今後の具体的対策や構造改革に向けた道筋を示していただく必要があると考えております。
 のため、県としては、去る11月11日、農林水産省に対して、わが国の農林水産業等に与える影響を速やかに公表し、丁寧な説明を行うこと、力強い農林水産業の担い手を育成し、収益力の向上と競争力の強化を図るための対策を講じること、中山間地域においても農林業が存続できるよう、地域の状況に即したきめ細かな対応を可能とする仕組みを構築すること、経営安定対策など、将来にわたって我が国の農林水産業が、確実に再生産が可能となる対策を講じることなどの要望を行ったところであります。
 県としては、国に対し、様々な分野における十分な対応策を講ずるよう強く求めるともに、重大な関心をもって情報収集に努め、本県に与える影響をしっかり見極めながら、輸出促進などが期待できる分野の産業の振興を図りつつ、影響が特に懸念される農林水産業においては、競争力の強化などTPPに対応できる構造改革に力を注いでまいります。

 

世界遺産登録の推進

 「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」については、10月20日から31日の12日間、フランス・パリ市内において、「長崎の教会群」海外パネル展を開催いたしました。
 私も、田中県議会議長や関係県市町の皆様とともに、10月27日にはレセプションを開催し、ユネスコ関係者をはじめ各国の皆様に「長崎の教会群」の価値等について説明してまいりました。
今月23日からは、イタリア・ローマ市内においても、同様にパネル展を開催しているところであります。
 また、「長崎の教会群」の構成資産を適切に保存し、未来へ確実に継承していくため、個人や企業、団体の皆様から寄附を募り、構成資産の保存・修復事業を支援することを目的とした基金を新たに創設することとし、本議会に関係議案を提出しております。
 また、県教育委員会においては、教職員間の確実な情報共有や引継ぎ、関係機関と円滑に連携できる体制づくりを進めるため、「学校と関係機関との連携マニュアル」や「児童生徒の継続的な指導・支援のための引継ぎガイドライン」を作成するとともに、教職員に対する関係法規の研修の充実に努めております。
 今後とも、国内外に広く「長崎の教会群」の価値をアピールするとともに、人類共通の「たからもの」として後世に受け継いでいけるよう、構成資産の適切な保存管理に努めながら、平成28年の世界遺産登録実現へ向けて、引き続き県議会並びに関係者の皆様のご支援とご協力を賜りながら、全力を傾注してまいります。

 

中国との交流促進

 去る11月9日から14日まで、中国駐長崎総領事館の開設30周年を記念して、田中県議会議長をはじめ県議会、市町長、経済界などの皆様とともに中国を訪問いたしました。
 今回の訪問では、北京市において、国務院の劉延東(りゅうえんとう)副総理と会見を行い、日中間の関係改善への一層のご尽力をお願いしたほか、日中友好親善にご貢献をいただいている中日友好協会の唐家セン(とうかせん ※センは王偏に旋)会長と会談し、今後の日中間の交流促進について意見交換を行ったところであります。
 また、福建省においては、尤権(ゆうけん)書記と会見するとともに、平成24年度以降開催延期となっていた本県と福建省との水産交流会議を再開したところであります。
 そして、上海市においては、中国東方航空を訪問し、今後の長崎・上海便の利用促進について協議を行ったほか、「長崎鮮魚中国進出10周年記念祝賀会」へ出席し、長年中国で長崎鮮魚の普及に貢献された方々に感謝状を贈呈したところであります。
 今後とも、中国駐長崎総領事館のご支援をいただきながら、先人の皆様による長年にわたる努力の積み重ねによって築かれてきた本県と中国との友好親善の絆を一層深め、さらなる交流の拡大に力を注いでまいります。

    

第61回パグウォッシュ会議世界大会の開催

 去る11月1日から5日にかけて、世界35か国・地域から世界的な科学者など192名が参加し、核兵器及び戦争の廃絶を訴える国際会議「第61回パグウォッシュ会議世界大会」が長崎市で開催されました。
 会議では、国内外の政府関係者の講演や参加者と被爆者との交流、参加者による精力的な議論が行われ、大会最終日には、「長崎宣言」が採択され、世界に向けて発信されました。
 「長崎宣言」は、「長崎を最後の被爆地に」という言葉で始まり、世界の政治指導者に被爆者の声を受け止めるよう強く促すとともに、核兵器保有国に対し、核兵器の削減にとどまらず、その廃絶を確約するよう求めた内容となっており、被爆70年という節目の年に、被爆者と思いを共有したこのような宣言が、ここ長崎から世界へ情報発信されたことは、大変意義深いことであったと考えております。
 また、会議成果を県民の皆様に広くお知らせするため、会議に参加された下村脩(しもむらおさむ)ボストン大学名誉教授を講師に迎え、 去る11月6日、アルカス佐世保において県民平和講演会を開催したところであります。
 県としては、今後とも、原爆の悲惨さと非人道性を世界の人々に訴え、一日も早い核兵器の廃絶と世界恒久平和の実現に努めてまいります。

 

諫早湾干拓事業の開門問題

 去る11月3日、森山農林水産大臣が来県され、諫早湾干拓事業に係る長崎県関係者との現地視察及び意見交換が行われました。
 はじめに、私から、諫早湾干拓事業の経緯及び現状、開門の影響と対策の問題点、現在の訴訟の状況等を説明し、「開門方針を直ちに見直していただきたいこと」、「関連訴訟において、開門しても有明海の漁場環境の改善につながらないということなどを、しっかりと主張・立証し、開門しない方向で最高裁判所の判断を得ていただきたいこと」、「有明海再生に向けた4県協議について、実効性のある対策を取りまとめ、具体的な成果につなげていただきたいこと」を強く訴えたところであります。
 現地視察に続き、意見交換会において、地元関係者の方々から、仮に開門された場合、農地への塩害や漁業被害の発生等が懸念されること、事前対策について多くの疑問があることなど、開門に反対する切実な意見が述べられるとともに、開門問題を解決し、早く有明海の再生につながる実効性のある対策に取り組むべきであるとの提案がなされました。
 この際、大臣からは、「国は、開門義務と開門禁止義務の相反する2つの法的な義務を負っており、いずれか一方の立場に立つことができない難しい状況にある。我々としても、真摯に努力をさせていただいて良い形での解決方法を見出すことができればと思う。」とのお話がありました。
 一方、地元からの潮受け堤防排水門の開門差止請求を認める仮処分決定に対する国及び開門を求める漁業者の異議申し立てについて、去る11月10日、長崎地方裁判所はこれを認めない旨の決定を出しました。
 県としては、今回の決定等を踏まえ、再度、国に対して、速やかに開門しない方向で裁判所の判断を得ていただくよう求めるとともに、開門により地元の方々に被害が及ぶようなことが決してないよう、引き続き県議会や関係者の皆様とともに、適切に対処してまいります。

 

石木ダムの推進

 石木ダムについては、川棚川の抜本的な治水対策や佐世保市の慢性的な水不足解消のために必要不可欠な事業であり、現在、土地収用法に基づく手続きを進めております。
 本年6月に裁決がなされた迂回道路に必要な用地については、10月30日の明渡期限をもって、県が事業用地として管理することとなり、当該道路の早期完成に向け、準備ができ次第、工事に着手することとしております。
 本年9月の関東・東北豪雨において、河川の氾濫により甚大な被害が発生するなど、全国的に災害が頻発している昨今の状況を踏まえると、いつ起こるか分からない災害に備え、また、慢性的な水源不足から、度々渇水の危機に瀕している佐世保市の安定的な水資源の確保を図るためにも、ダムの早期完成を目指し、事業を着実に推進していく必要があります。
 県は、県民の安全・安心を確保し、地域社会と経済活動の安定的な維持を図る責務を担っており、ダムの早期完成に向け、今後とも、佐世保市及び川棚町と一体となって、事業の推進に全力を傾注してまいります。

 

新たな行財政改革に関する計画の策定

 本県の財政状況は、これまでの行財政改革やさらなる収支改善対策により、財源調整のための基金枯渇という危機的な状況は回避される見通しとなったものの、引き続き、基金を取り崩しながらの予算編成を余儀なくされるなど厳しい状況が続いております。
 このような中、限られた人材や財源を最大限に活用し、組織の総力を上げて総合計画や総合戦略の実現に向けた施策を推進していくためには、それを可能とする組織運営と安定的な財政運営を目指した行財政改革に引き続き取り組んでいく必要があると考えております。
 特に、人口減少などの構造的な課題に正面から向き合い、具体的な成果を県民に実感していただく施策を構築するためには、これまで取り組んできた組織・人員や財政面での見直しにとどまらず、業務の進め方や人材の育成にも踏み込んで見直す必要があると考えております。
 このため、県議会や長崎県行財政改革懇話会のご意見を踏まえ、政策の企画・立案・実施に職員の力を集中させるための仕組みづくりやICT活用による業務の省力化、地域課題や政策課題にしっかりと対応できる人材の育成、歳出面における選択と集中や業務の外部化などによる持続可能な財政運営を内容とする新たな行財政改革に関する計画素案を取りまとめたところであります。
 今後、県議会でのご議論やパブリックコメントによる県民の皆様のご意見をお伺いしながら、さらに検討を重ね、今年度中の計画策定を目指してまいります。

 

長崎県教育大綱の策定

 去る11月18日、地方教育行政の組織及び運営に関する法律の改正を踏まえ、教育等に関する総合的な施策の根本となる方針として、長崎県教育大綱を策定いたしました。
 私は、将来にわたって地域の活性化を図っていくためには、これを担う人材育成が極めて重要であり、人口減少や少子・高齢化、グローバル化など本県を取り巻く環境が大きく変化する中、これらの変化にしっかりと対応できる人材の育成に力を注いでいかなければならないと考えております。
 そのため、今後、本県の将来を担う子どもたちの育成にあたっては、第二期長崎県教育振興基本計画をもとに進めることを基本とし、「確かな学力を身に付け、自己実現ができる人材の育成」、「グローバル化に対応できる人材の育成」、「県内産業や地域を支える若者の地元定着の促進」など6つの取組を更に進めていくことを方針として定めたところであります。
 今後、この大綱のもと、教育委員会と本県教育の課題及び目指すべき姿を共有しつつ、十分な意思の疎通や連携強化を図りながら、本県の教育行政を推進してまいります。

 

ねんりんピック長崎2016の開催

 第29回全国健康福祉祭ながさき大会、愛称、ねんりんピック長崎2016の開催まで1年足らずとなりました。
 去る10月15日には、大会1年前イベントを開催し、競技種目の披露とともに、新たに大会の広報活動に加わっていただくシニア世代のねんりんサポーターの皆様へ委嘱状を交付いたしました。
 市町においても、リハーサル大会を開催するなど準備が進められているところであります。
 また、10月17日に行われた山口大会の開会式には、私も出席し、山口県の歴史とおもてなしの心が詰まった式典並びにアトラクション、多くのスタッフやボランティアの皆さんの活動などを視察してまいりました。10月20日の閉会式では、次期開催県として大会旗を引き継ぐとともに、大会期間中、県・市町・競技団体からも400名以上の方々が運営状況の確認を行ってきたところであります。
 県としては、参加される皆様の心に残る素晴らしい大会となるよう、関係者と一体となって、開催準備に万全を期してまいります。

 

スポーツの振興

 去る9月26日から10月6日まで、和歌山県で開催された第70回国民体育大会において、銃剣道成年男子、バレーボール少年女子、剣道少年男子、剣道少年女子、山岳少年女子、ウエイトリフティング吉岡直哉(よしおかなおや)選手、ライフル射撃西川弥希(にしかわみき)選手が優勝するなど、団体・個人合わせて24競技80種目で入賞を果たしました。

 その結果、総合成績17位と、昨年の「長崎がんばらんば国体」後も本県競技力が高いレベルで保たれていることを証明する好成績を収めることができました。
 今後も県体育協会や各競技団体をはじめ、関係の皆様と一体となって、さらなる競技力の向上を推進してまいります。
 また、同じく和歌山県で10月24日から26日まで開催された第15回全国障害者スポーツ大会において、本県選手団は昨年開催された「長崎がんばらんば大会」に次ぐ58個のメダルを獲得いたしました。
 障害者スポーツにおける本県選手の活躍は、県民に勇気と感動を与え、障害者の社会参加への意欲を高めるものであり、今後とも、障害者スポーツの裾野拡大と「長崎がんばらんば大会」で培われた選手・指導者の育成強化に力を注いでまいります。
 なお、10月23日からイギリスで開催された世界体操競技選手権大会において、諫早市出身の内村航平選手が見事、個人総合で6連覇を達成するとともに、37年ぶりとなる団体総合優勝にも大きく貢献されました。
 内村選手の活躍は、県民に大きな夢と感動を与えるものであり、県民を代表いたしまして、心からお祝いを申し上げます。


 次に、議案関係についてご説明いたします
 まず、補正予算でありますが、今回は、職員給与関係既定予算の過不足の調整、その他緊急を要する経費について編成いたしました。
一般会計 1億7,792万2千円の増額
特別会計 140万4千円の減額
企業会計 55万2千円の増額
補正をしております。
 この結果、現計予算と合算した本年度の一般会計の歳入歳出予算額は、6,987億5,789万1千円
となり、前年同期の予算に比べ、
 22億 144万2千円
の減となっております。
 次に、予算以外の議案のうち、主なものについてご説明いたします。
 第121号議案「長崎県税条例の一部を改正する条例」は、地方税法の改正により、県税の納税に関する猶予制度を規定すること、並びに、地域再生法の改正により、企業の本社機能移転等に対し、事業税及び不動産取得税等を軽減する特例措置を設けることに伴い、所要の改正をしようとするものであります。
 第130号議案「契約の締結の一部変更について」は、長崎県庁舎行政棟新築工事について、工事内容の一部変更に伴い、契約金額を変更しようとするものであります。
 第147号議案「公の施設の指定管理者の指定について」は、長崎港ターミナルビル及び元船広場の管理を行う指定管理者を指定しようとするものであります。
 第153号議案は、長崎県教育委員会の委員の任命について議会の同意を得ようとするものであります。
 委員といたしまして、
 前田(まえだ) さとみ 君
を任命しようとするものであります。。
 第154号議案は、長崎県公安委員会の委員の任命について議会の同意を得ようとするものであります。
 委員といたしまして、
 川添 忠彦(かわぞえ ただひこ)  君 を任命しようとするものであります。  いずれも適任と存じますので、ご決定を賜りますよう、よろしくお願いいたします。
 なお、教育委員会委員を退任されます、永田(ながた) しのぶ君、公安委員会委員を退任されます、前田 一彦(まえだ かずひこ)君には、在任中、多大のご尽力をいただきました。

  

 その他の案件については、説明を省略させていただきますので、ご了承を賜りたいと存じます。

 以上をもちまして、本日提出いたしました議案の説明を終わります。
 なにとぞ、慎重にご審議のうえ、適正なるご決定を賜りますようお願い申し上げます。


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