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知事のページ - 長崎県知事 中村法道

平成29年4月3日 平成29年度知事訓話

 皆様、こんにちは。
 きょうは、年度初めの大変お忙しい中に、こうして皆様方にお集まりをいただき、本当にありがとうございました。
 人事異動もあり、皆様方には、新しいメンバーも迎えられ、新年度の事業に取り組んでいこうとお考えのさなかではなかろうかと思います。
 私も、知事に就任をさせていただき、2期目の最後の年となっております。少しでも県勢の浮揚の役に立つことができるよう全力を注いでまいりたいと考えておりますので、どうかこの1年、お力添えを賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

 今年は、また、新しい県の総合計画 チャレンジ2020の実施2年度目を迎えているところであります。さまざまな分野にわたってご苦労をいただいておりますけれども、具体的な成果を県民の皆様方にお示しすることができるよう全力を注いでいかなければならないと考えているところであります。
 特に、有人国境離島法については、もうご承知のとおり、本県選出国会議員の皆様方の大変なご努力により新法が成立し、この4月から施行されることとなってまいりました。航路・航空路運賃の低廉化、物資の輸送コストの低減、滞在型観光の推進、起業・創業・事業拡大に向けた支援施策の展開、そして、併せて雇用の場の確保・拡大に向けた具体的な政策が進められようとしているところであり、また、併せて、離島地域商社のプロジェクトも推進していくことといたしているところであります。
 これまで以上に、部局間の垣根を越えて力を合わせて、県の組織力を生かしながら、併せて、また各市や町、企業の皆様方、団体の方々、幅広い地域住民の皆様方と思いを一つにして、一つひとつの事業の推進に全力を注いでいかなければいけないと考えているところであります。
 どうか、皆様方のご協力をお願い申し上げる次第であります。

 また、そのほかの総合計画に基づくさまざまなプロジェクトについても積極的な取り組みが求められているところでありますけれども、この点につきましては、今年の年明け、そしてまた、先般の2月定例県議会の冒頭説明でも私の考え方を説明させていただいたところであります。この場では重複を避けたいと思いますので、後ほど、ぜひゆっくり読み返していただければ大変ありがたいと思っているところでございます。
 きょうは、皆様方に少し視点を変えながら、お願いをさせていただきたいと思っております。

 まず、我々が、今、認識をしなければいけないと、こう思っておりますのは、これまでにないような大きな環境変化が起こりつつある時を迎えていると考えております。環境変化といいましても、これは今いま始まった話ではありませんで、前からさまざまなことが指摘されてきたわけであります。いま一度、地方自治を取り巻く大きな環境変化について、思いをはせていただきたいと思います。

 その一つは、厳しい財政状況であります。これは、国も地方も同じであります。国においては、国債残高が990兆円を超え、借金残高も1,000兆円を超えるという大変深刻な状況であります。
 一方、また、本県経済も、基金残高が今年度末取り崩しを行いますと9億円しか残らないということで、非常に危機感を持って県民の皆様方に受け止められたことと思っておりますが、まさに、そういう意味では、行財政改革待ったなしの状況であります。
 また、併せて、これからは一層の施策の集中・重点化を図りながら、骨太の方針としてまとめて打ち上げていかなければいけない時代を迎えているなという感じがいたしております。
 もともと、この地方財政を取り巻く環境でありますが、大分前から国政が厳しい状況にありますことから、地方も例外であることは許されないと、こう指摘をされてきました。私も全く同じ思いでありましたけれども、ただ、そういった厳しい状況の中で、直ちに財政の多様力を回復するということになりますと、これ、たび重ねて行財政改革に取り組んできたところでありますので、さらなる財源を確保するためには歳出を大幅にカットする以外に手がないという状況でありました。歳出を大幅にカットするということになりますと、例えば、地方単独事業などについて大幅に切り込みをしていかなければならない。そうすると、これは地域経済が少なからぬ影響をこうむることになってくるなと考えておりました。当時は、消費税の増税が議論されておりまして、その増税財源を社会保障費の財源に充てようというようなことが議論されていたわけであります。
 地方財政は、地方財政計画の中で地方交付税が一定額確保されるのでありますが、この地方交付税の算定に当たって、毎年毎年増えてくる社会保障関係経費、これは地方交付税の財政需要額の中に取り込んでしまわれると。では、地方交付税が増えるかというと、増えていかない。地方交付税の中でちゃんと算定されていますよと言われながら、地方交付税は増えていかないという状況にあったわけであります。
 したがって、その際に私は、いま少し時を移せば消費税が増税される、そうなると、国の多様力も向上してくる、地方財政措置も間違いなく回復の基調で推移していくのではなかろうかと、こう考えておりました。したがって、当座は基金を取り崩しながら県民サービスの低下を招かないように財政運営を進めていきたいと、こう考えたところでありますが、一旦8%まで増税された後、再増税が延期されるという状況になってきているわけであります。もうこれ以上、長崎県においても、ない袖は振れないという状況になっておりますので、さらなる行財政改革に取り組むとともに、先ほど申し上げました、さらなる施策の集中・重点化を図っていかなければいけないと考えております。

 2つ目の環境変化は、少子高齢化、人口減少の進展であります。これも大分前から言われておりました。現在、本県の最大の課題として、人口減少対策に取り組んでいるところであります。婚活の支援対策、少子化対策、移住促進対策、そして、さまざまな分野の産業活性化と雇用の場の確保・拡大に向けた施策を推進しているところでありますが、こういった施策はどういう観点からの政策かというと、人口減少に歯止めをかけよう、かけたいという思いを込めた対策なのであります。もう一つ重大な視点は、仮に人口の社会増減の均衡が図られたとしても、今のような少子化の状況であれば、向こう20年間ぐらいは合計特殊出生率が改善されても人口減少は続いていくということ。何を言いたいかというと、そういった人口減少社会に対応するための対策、これもまた極めて重要な政策になってくるのではなかろうかということであります。特に、限界集落と言われるような非常に厳しい状況にあって、具体的にどういった政策を進めて地域の機能を維持していくのか、高齢者の方々に不便を来さないようなコミュニティーをどう実現していくのか、そういった観点からの施策も併せて進めていかなければいけないのではなかろうかと考えております。

 3つ目は、グローバル化であります。これはもう国内市場が人口減少に伴って圧縮されていくわけでありますので、市場を海外に取りにいくということは必要な施策であろうと思っております。国際戦略の展開、輸出促進対策、あるいは外国人労働者の有効活用に向けた取り組みなど、視野を国際的な社会に置いて、さまざまな施策も検討していかなければいけない時代を迎えていると思っております。人材の育成対策等を含めて、グローバル化にどう対応していくのか、どういう戦略を練っていくのか、非常に重要な視点であろうと思っております。

 そして、もう一つはIT化、IoT化への対応です。私どもは、ここまで急速にIoT化が進んでくるとは正直予測しておりませんでした。しかしながら、さまざまな経済社会活動の中で、IoTを念頭に置いた取り組みが進められようとしているところであります。つい先般も工事現場の視察をさせていただきました。GPS機能を活用して、大きな建設機械が、若い女性の皆様方によって操縦されておりました。測量もドローンを飛ばして撮影され、それが即図面に落とされて、どこの部分をどのくらい削ればいいのか、そして、その図面に従って、その重機がこれ以上は掘らないというようなミリ単位でのコントロールがなされているというそういう時代がやってきております。

 そのほかの分野でも、こういった流れに応じて、これからさまざまなサービス分野の産業創出が必要になってくるものと思っております。こういった大きな流れに、これからどう対応していくのかというのは、今のうちから十分将来を見極めながら、これに適正に対応していかなければいけないのではなかろうかと思っております。
 そういったさまざまな環境変化があるわけでありますけれども、そういった状況の中で、ぜひ、これから皆様方には次の4つの視点を持って県の政策に取り組み、具体的な成果を目指していただきたいと考えております。

 一つは、皆様方、それぞれ業務分担の上、独自の課題の解決に向けて施策の推進を進めていただいております。そういった一つひとつの課題について、いま一度、現状分析、要因分析をしっかりと進めて、具体的な原因を明らかにして、その原因を取り払うための政策の立案・推進に全力を注いでもらいたい、政策の効率化を図ってもらいたいというお願いであります。
 なぜ、人口減少に歯止めがかからないのか。なぜ、若い人たちが、男性では5人に1人が結婚しないんだろうか。なぜ、長崎県の産業の労働生産性は全国最下位なんだろうか。なぜ、長崎県の有効求人倍率は、いつもいつも全国平均を下回るんだろうか。さまざまな「なぜ」が存在するわけであります。
 人口減少の大きな要因の中に社会減があります。長崎で言われておりますのは、2つの中核都市、長崎市と佐世保市の人口流出が極めて大きい数字になっております。普通は、県庁所在地であれば、人口のダム機能ということで、周辺の地域から人口を集めて、さほど大きな社会減にならないというのが県庁所在都市の普通のあり方なのでありますが、長崎にしても、佐世保にしても、大きな転出超過の市となっております。なぜ、そういう動きになるんだろうか。しっかりと原因を究明しながら対策を講じていかないといけません。放置すると、毎年毎年、数千人の人口減少に歯止めがかからないのであります。ぜひ、皆様方、一つひとつの課題について、その原因がどこにあるのか、それを解決するためにはどういう施策を打っていかないといけないのか、しっかりと議論を重ね、施策の立案・推進に力を注いでもらいたいと考えているところであります。
 もちろん、具体的な政策を展開してまいりますためには、予算措置が必要であります。多額の財源を必要とするところもあるでしょう。しかしながら、県単独でなかなか対応できるものばかりとは限りません。そういった際には、地域の実情を訴えて、国策の中に反映していただけるよう努力をしていかなければいけないと思っております。どうかいま一度、それぞれの担当される職務の中で、現状の分析にしっかり取り組んでいただき、これは職員自ら原因究明が難しいのであれば、外部に委託することも含めて、ぜひ検討をしていただきたいというのが1点目のお願いでございます。

 2点目のお願いは、先ほど、さまざまな環境変化の時代にあると、こう申し上げました。環境変化、あるいは時代の流れをくみ取りながら、一歩先、半歩先の政策を先取りして取り組んでいってほしいというお願いであります。さまざまな環境変化には、プラス要因もあれば、必ずマイナス要因もあると思います。その中で、プラス要因をいかに早く取り込んで発現させていくのか、地域間競争の時代でありますので、そういった環境変化をいかに有利に本県の活性化に取り込んでいくのか、そういった視点が強く求められているものと思っております。IT化、IoT化の流れ、まさにしかりだろうと思います。
 もっと身近なことを申しますと、クルーズ船の寄港数が過去最大規模になってまいります。一時の爆買いは徐々に沈静化しつつあり、これからは、数多くお越しいただく観光客の皆様方を、どうお迎えして経済効果を期待していくのか、そういった仕掛けづくりもしっかり考えていかなければいけません。
 また、先ほど国境離島新法のお話をさせていただきました。今までは、輸送コストに相当の経費がかかり、本土との競争で不利でありましたので、なかなか産業の立地が難しいという課題がありました。これからは、輸送コスト等についても支援施策が講じられます。そういった環境変化を生かしながら、どういった産業を離島地域に根づかせていくのか。そういった半歩とも言えないかもしれませんけれども、少しでも環境の変化を先取りしながら、次の施策を組み立てていかなければいけないのではないかと考えております。
 また、本県にとっての成長産業はどういう分野の産業であろうか、そういう戦略も念頭に入れ、検討を進めていく必要があるものと思っております。

 3つ目のお願いです。これは、政策の深化とスピード化を図ってもらいたいというお願いであります。県の総合計画に基づいて、さまざまな政策を進めていただいております。その中では、少しずつ具体的な成果が見え始めている分野もあります。
 例えて申しますと、高校生の県内就職率。これはスタートの時点の数値は57.7%の県内就職率でありました。関係皆様方のご努力、ご理解があって、29年3月の県内就職率は、まだ具体的には定まっておりませんが、恐らく62%を超えるか超えないかぐらいであろうと。この間、4%、4ポイントほど改善傾向で推移しております。具体的な成果が見え始めているわけであります。5年間に県内就職率を8%引き上げようという目標でありました。
 その一方で、では大学生の県内就職率はどうか。一向に上がる気配が見えません。こういった分野について、今の施策で十分であるのかどうか、課題を分析した上で、施策もまた見直していかなければいけないのではなかろうかと思っております。その時その時の現状に応じて、次の政策をどう打っていくのか、今打っていかないと、成果が見えるのは1年後なんです。今から取り組みを進めて、1年後の成果を残していかなければいけない。常時、施策の深化を遂げさせていかなければいけない。そして、スピード感をもって対応していかなければいけない。そういう課題が数多く存在しているものと思っております。少子化対策、移住促進対策、あるいは医療や介護、保育人材の確保対策、女性・高齢者の活躍促進、いずれもその時々の状況に応じて、政策を深化させていただきたいと願っているところであります。

 最後に、4点目のお願いであります。これは施策の推進に当たって、ぜひ市町村、民間企業、関係団体を巻き込んで施策を進めていってほしいということであります。
 人口減少、県民所得の低迷、地域活力の低下といった構造的な課題に直面し、そうした課題の克服のために、さまざまな政策に取り組んでおります。いずれも、ソフト中心の政策課題になってまいります。ハードであれば、行政が計画的に財源を確保し、物をつくれば、一応完成いたします。しかしながら、今申し上げた課題は、いずれも行政がかけ声をかければ動いていくというものではありません。行政は、単なる旗振り役なのであります。思いを、課題を、県民の皆様方としっかり共有して、そして、民間の方々に積極的な取り組みを進めていただき、それを行政がしっかりと後ろから支える、そういう体制をつくらないと、こうした課題は解決できないものばかりであります。
 そういう意味では、例えば、県民所得向上対策、これを一つとってみましても、県民所得向上のために頑張ろう、企業所得をいかに引き上げていくかと考えていただくのは企業経営者の方々、その方々がその気になっていただかないと、少しも動かないのであります。
 皆様方は、農業は農業、水産は水産、福祉、建設、産業労働、それぞれの分野でパートナーをお持ちであると思います。そういった方々に県の思いをしっかりと伝えていただき、力を合わせて頑張ろうという体制づくりを進めていただきたいと考えているところであります。行政だけが一生懸命予算化を図り、政策を進めていっても、民間の皆様方の理解と協力がなければ、結果を期待することは不可能であります。
 そういう意味では、これまで以上に県民の皆様方と思いを一つにする、そして、県を挙げて、県民を挙げて、その総合力を発揮していかなければいけない、そういう課題ばかりでありますので、ぜひ、一つひとつの課題に取り組まれる際に、県民の皆様方に対する説明責任と理解促進に力を注いでいただきますようお願いを申し上げる次第であります。
 以上、4点を、これからの施策推進に当たっての新たな視点という形で大切にしていただければ大変ありがたいと思っております。

 そのほかにも大きな課題が山積をいたしております。もう改めて申し上げることは避けたいと思いますけれども、九州新幹線西九州ルート、諫早湾干拓事業、石木ダムの建設問題、新庁舎の建設と仕事の進め方の改革、IR構想の推進、世界遺産の登録実現など、なお努力が求められている課題は多々あるわけでございますが、この1年間、引き続き、皆様方のお力添えをいただきながら、全力で頑張ってまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。
 今年1年も力を合わせて頑張りましょう。
 ご清聴ありがとうございました。

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