脳卒中は、脳血管が突然閉塞することによって起こる虚血※性脳卒中(一過性脳虚血発作、脳梗塞)と、脳血管が破裂し、血液が脳細胞の周囲に流出する出血性脳卒中(脳出血、くも膜下出血)に大別される救急疾患です。 ※虚血:血流が不十分なために脳細胞に必要な酸素や養分が足りない状態。
脳卒中は、我が国の死因の第4位、寝たきりとなる原因の第1位を占める疾患であり、喫煙、動脈硬化や高血圧などの生活習慣に起因する危険因子の予防や、予後に地域で安心して暮らすためのリハビリテーションや在宅医療など、幅広い分野での一貫した対策が必要です。
t-PA静注療法※など、脳卒中急性期の画像検査、治療法の進歩は目覚しく、脳卒中診療は新時代に突入しています。それに伴い、脳卒中患者の死亡率は徐々に改善していますが、種々の後遺症を残すことが依然多く、リハビリテーションも治療の大きな柱となります。 ※t-PA静注療法:t-PAは、血管を詰まらせる原因である血栓(血の固まり)を溶解させる薬のこと。t-PA静注療法とは、脳梗塞が起きた際、脳の細胞が死んでしまう前に血栓を溶かし、血流を再開し脳の働きを取り戻す治療法。
脳卒中では急性期の治療から回復期、慢性期のリハビリテーション、退院後の安心・安全な地域生活に至るまで切れ目のない医療が提供されるような体制が必要です。
【脳卒中診療ネットワーク】
本県は、脳卒中に関する医療機能の役割分担を推進し、急性期における拠点化と急性期から回復期に至る連携を図るため、「脳卒中診療ネットワーク」を構築しています。
具体的には、県が、急性期に必要な医療機能を有する医療機関を、その機能に応じて、「脳卒中支援病院」「地域脳卒中センター」「高次脳卒中センター」として認定することで、広く県民が脳卒中急性期の専門医療機関を認識できるようにしています。これにより、脳卒中発症時の救急医療機関として、救急隊員、医療関係者、県民が適切な判断を行えるようにします。