劇症型溶血性レンサ球菌感染症(streptococcal toxic shock syndrome : STSS)とは
- 溶血性レンサ球菌(いわゆる溶連菌)による感染症です。溶連菌は一般的には急性咽頭炎の原因となる細菌ですが、稀に通常は細菌が存在しない組織(血液、筋肉、肺など)に侵入して急激に症状が進行する劇症型溶血性レンサ球菌感染症(STSS)を引き起こすことがあります。
- 初発症状は咽頭痛、発熱、消化管症状、全身倦怠感、筋痛などですが、明らかな前駆症状がない場合もあります。発病から数十時間以内にショック症状、多臓器不全、呼吸不全、壊死性筋膜炎などを起こし、死に至ることもある感染症です。
- 感染経路は不明な場合が多いですが、飛沫感染や接触感染のほか、傷口から感染することもあります。
- 感染を防ぐためには手洗い等の基本的な感染対策と傷口を清潔に保つことが重要です。
長崎県の発生状況(2024年12月5日時点)
劇症型溶血性レンサ球菌感染症の患者報告数
診断年 | 2015 | 2016 | 2017 | 2018 | 2019 | 2020 | 2021 | 2022 | 2023 | 2024 |
長崎県 | 3 | 3 | 5 | 11 | 7 | 2 | 10 | 7 | 9 | 17 |
全国 | 415 | 494 | 587 | 694 | 894 | 718 | 622 | 708 | 949 | 1751 |
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2024年は、長崎県は第48週、全国は第47週までの報告数を掲載しています。
性別・年代別の状況(2019年から2024年第48週)
- 2019年から2023年に報告された患者は、80歳以上が4割を占めました。
- 2024年に報告された患者は、すべて40代以上となっています。
感染経路に関する情報(2019年から2024年第48週)
- 報告のあった患者の半数が「創傷感染」と推定されています。
病原体に関する情報(2019年から2024年第48週) ※医療機関からの発生届に基づく集計
- 原因となる溶血性レンサ球菌のうち、A群、G群の検出割合が多くなっています。
- 2024年に報告された患者の6割以上から、A群溶血性レンサ球菌が検出されています。
医療機関関係者の方へ
劇症型溶血性レンサ球菌感染症は、感染症法の五類感染症に位置付けられています。劇症型溶血性レンサ球菌感染症と診断した場合には、最寄りの保健所へ届出をお願いします。
- 劇症型溶血性レンサ球菌感染症 届出基準[PDFファイル/398KB]
- 劇症型溶血性レンサ球菌感染症 届出様式[PDFファイル/290KB]
- 劇症型溶血性レンサ球菌感染症 届出様式[Wordファイル/61KB]
参考情報
このページの掲載元
- 環境保健研究センター
- 郵便番号 856-0026
長崎県大村市池田2丁目1306番地11 - 電話番号 0957-48-7560
- ファックス番号 0957-48-7570