地方公務員災害補償制度とは
地方公務員災害補償制度(以下「災害補償制度」という。)は、地方公務員等が公務上の災害(以下「公務災害」という。)又は、通勤による災害(以下「通勤災害」という。)によって生じた身体的損害を補償し、必要な福祉事業を行い、もって地方公務員等及びその遺族の生活の安定と福祉の向上に寄与することを目的とする制度です。
昭和42年に地方公務員災害補償法(以下「地公災法」という。)が制定され、この法律により、常勤の地方公務員等の公務災害によって生じた身体的損害について、統一的な災害補償制度が確立しました。また、昭和48年には、災害補償制度の一つとして、通勤災害補償制度も創設されました。
地方公務員災害補償基金について
地方公務員災害補償基金(以下「基金」という。)は、地公災法によって設置された法人であり、職員が公務災害又は通勤災害によって被った身体的損害を地方公共団体等に代わって補償を行うものとされており、本部を東京に、各都道府県及び地方自治法(昭和22年法律第67号)第252条の19第1項の指定都市にそれぞれ支部を置いています。長崎県支部の事務局は、長崎県庁の人事課内に設置されています。
各種職員に対する災害補償制度の適用関係
地方公務員等の公務災害又は通勤災害に対する補償は、常勤職員(以下「職員」という。)については、一般職員、特別職を問わず基金がその実施に当たります。
職員には、常時勤務に服することを要する者のほか、非常勤職員のうち、その勤務形態が常勤職員に準ずる常勤的非常勤職員を含みます。
また、再任用職員については、勤務形態が短時間勤務であっても、基金が補償を行います。
なお、その他の非常勤職員については、地公災法に基づく条例、労災法等の法令により、地方公共団体等がそれぞれ補償を実施する仕組みとなっています。
地方公務員災害補償制度の特徴
補償は基金が行う(第三者的補償制度)
地公災法により、職員が公務災害又は通勤災害を受けた場合に、被災職員の属する地方公共団体に代わって補償の実施に当たる専門機関として設置された法人が基金です。(基金は、平成15年10月地方公共団体が主体となって業務運営を行う、いわゆる地方共同法人として新たにスタートしました。)
災害補償責任は、本来的には地方公共団体に存ずるものですが、迅速かつ公正な補償を統一的に、専門的に実施するために、地方公共団体に代わって基金が補償を行うこととしています。
請求主義
基金は、被災職員の使用者ではないため災害の事実を知りえる立場にありませんので、被災職員又は遺族は、まず、基金に対して任命権者を経由して公務災害又は通勤災害の認定請求を行うことが必要になります。
その後、基金が公務上の又は通勤該当の災害と認定した上で、更に、被災職員等からの補償請求があって、初めて基金は具体的な補償を行うことになります。
使用者の過失の有無を問わない(無過失責任主義)
災害補償制度は、使用者の支配管理下において被用者が被った災害について、使用者の責任を客観的に定めるものであり、故意、過失という主観的な帰責事由に基づいて、原因者の責任を相対的に決定する民事上の損害補償制度とは基本的に異なるものであり、使用者の過失の有無に関係なく補償が行われます。
補償対象は身体的損害のみ
物質的損害(眼鏡、車の修理代等)、精神的損害(慰謝料)は補償の対象とはなりません。上記で述べたとおり、災害補償制度では、無過失責任主義を採用し、その災害が公務に起因する場合には類似化された客観的な基準により一定の補償を行うこととしているためです。
補償は各地方公共団体からの負担金でまかなわれている
地方公共団体は、職員の給与の総額に、職種ごとに定められた負担金率等を乗じて算出される金額を負担金として基金に納付することとなっており、この負担金が補償や福祉事業の給付の財源となっています。
不服申立ては二審制
基金支部が行った補償に関する決定に不服がある場合、基金支部審査会に対して審査請求をすることができます。
また、その基金支部審査会の裁決に不服がある場合は、基金本部審査会に対して再審査請求をすることができます。
なお、基金支部が行った福祉事業に関する決定に不服がある場合は、補償に関する決定に不服がある場合と異なり、審査請求をすることはできませんが、基金支部長に対して不服を申し出ることができます。
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