開門調査によって、地域住民の安全安心な生活、干拓農地での先進的農業の取組に深刻な打撃を与え、軌道にのってきたカキ養殖漁場等を奪われるなど、大きな影響、被害が危惧されます。(開門の問題点【PDF:590KB】)
国は、これらの開門調査による影響を検証するため、環境アセスメントを行っており、この中で、開門調査の方法として、以下の4つのケースを設定し、検証が行われました。
- ケース1:当初から排水門を全開
- ケース2:調整池への海水導入量や調整池からの排水量を段階的に増加させ、最終的には原則として排水門を全開
- ケース3-1:調整池の水位や流速を制限した開門(調整池をマイナス0.5からマイナス1.2メートルで管理)
- ケース3-2:調整池の水位や流速を制限した開門(調整池をマイナス1.0からマイナス1.2メートルで管理)
このうち、ケース3-2の方法による開門調査については、既に平成14年の短期開門調査において、約1か月間の海水導入が行われています。専門家による開門総合調査検討会議により、この短期開門調査の結果等が分析されましたが、潮受堤防の締め切りによる影響は、ほぼ諫早湾内に止まっており、諫早湾外の有明海全体にはほとんど影響がないとの結論でした。(短期開門調査【PDF:391KB】)
また、短期開門調査の実施により、背後地の農業用水源に塩水が浸入したこと、約1か月の海水導入に対し調整池等の淡水への回復までに約半年を要したこと、調整池では大量の淡水魚介類が、また、海域ではアサリ等が斃死したことなど、地元では大きな被害や影響が生じました。現在では、新たな干拓地での営農も開始され、背後地では畑作も拡大している中で、農業用水の水源が失われ、さらには、塩害や潮風害も懸念されます。
また、諫早湾でのカキ養殖等も軌道に乗り始めている中、万一開門調査が実施されれば、さらなる被害の拡大が想定されます。(諫早湾における漁業【PDF:459KB)
このように水位変動の小さいケース3の方法による開門調査ついては、既に平成14年に実施され、結論が出ているのです。
一方、ケース1の方法(全開)については、この方法による具体的な影響・被害および、その被害回避のための対策工の検討が、環境アセスの中で行われました。しかし、その検討内容は、現在の防災水準を引き下げるなどして行われたにもかかわらず、事前対策費だけでも1000億円を超える費用が必要であることがわかっています。
また、仮に事前対策工を行ったとしても、全ての影響や被害を完全に回避することができるわけではありません。
また、ケース2の方法については、ケース3-2からケース1に段階的に移行していくものですが、最終的には全開するので、ケース1と同様の影響や被害が想定されます。
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