Q.開門して調整池に海水を入れた場合、調整池以外に農業用水は確保できないのですか?

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 調整池以外に農業用水の水源を確保すると考えた場合、調整池に注ぐ最大の河川である本明川は、長さが短く、勾配が急で、大きな流れを貯える河川ではないため、新たに農業用水を取水するための十分な水量はありません。その特徴は調整池に注ぐ他の小河川も同じです。仮に河川で海水が遡上しないところから取水しようとしても、取水や送水のための施設に莫大な経費がかかったり、送水するためには市街地を通る必要があるなど多くの課題があることが考えられます。

 また、「下水処理水を農業用水として利用することができないか」との意見もありますが、下水処理水は窒素分が調整池の約8倍もあるなど水質に問題があり、希釈して使用するにも結局はその希釈するための水が確保できません。

 一方、国の環境アセスメントでは地下水案が提案されていますが、ガタ土の諫早平野において農業用水として大量の地下水を汲み上げた場合、地盤沈下や地下水枯渇の危険が高いことが科学的に明らかになっています。地下水案の問題点[PDFファイル/253KB]

 更に、開門調査にあたり国は地下水案に替えて海水淡水化案を提示しました。しかし、海水淡水化案は莫大な費用を要するうえ、濁っている箇所での事例がないなど諫早湾周辺地域で本当に稼働できるのか実現性が担保されていません。海水淡水化施設の問題点[PDFファイル/1MB]

 このように、そもそも水源に乏しい諫早湾周辺地域において、調整池に替わる農業用水源の確保は極めて困難です。

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