諫早湾干拓農地
諫早湾干拓事業で造成された農地は全て畑で、標準的な区画が中央干拓地では6ヘクタール(100メートル×600メートル)、小江干拓地では3ヘクタール(100メートル×300メートル)と、平野が少ない長崎県では貴重な大規模農地です。
諫早湾干拓農地には調整池を水源とするかんがい用水を供給する施設が整備されているので、かんがいも天候によらず適切な時期に行うことができます。また、広大な農地では大型機械の使用が可能で、移動等のロスもないため効率的に農作業を行うことができ、また、施設園芸についても、大区画を活かして大規模に集約してビニルハウスを建設することができます。このように、諫早湾干拓農地は効率的で大規模な農業経営を可能とする農地です。
諫早湾干拓農地の営農
諫早湾干拓農地の利用形態と経営の特徴
諫早湾干拓農地では、平成19年度の国営事業完了後、平成20年度から本格的な営農がはじまっており、営農開始にあたり新規就農を含む県内外の農業法人や、認定農業者である県内農家が入植しました。現在は、レタス、ブロッコリー、たまねぎ、キャベツ等の露地野菜、ミニトマト、きく等の施設園芸作物や麦、大豆、飼料作物等が生産されています。
令和5年度(令和6年3月31日時点)収穫面積 | |
露地野菜 | 445ヘクタール |
単棟ハウス | 57ヘクタール |
施設園芸 | 22ヘクタール |
麦・大豆 | 185ヘクタール |
飼料作物 | 250ヘクタール |
緑肥 | 208ヘクタール |
合計 | 1,167ヘクタール |
露地野菜、施設園芸の主要品目(令和5年度収穫面積) | |
レタス | 138ヘクタール |
ブロッコリー | 101ヘクタール |
たまねぎ | 89ヘクタール |
キャベツ | 67ヘクタール |
にんじん | 14ヘクタール |
ミニトマト | 8.4ヘクタール |
きゅうり | 5.6ヘクタール |
きく | 5.7ヘクタール |
諫早湾干拓農地は農地利用の効率化を図るため、露地野菜の栽培、ビニルハウスによる施設園芸、麦や飼料作物等の生産と大きく3つの類型で農地利用を区分しており、それぞれ諫早湾干拓農地の特性を活かした農業経営が展開されています。
露地野菜の栽培では、大区画ほ場で大規模かつ効率的に作業を行うことができるため、青果用野菜だけでなく、レタス、たまねぎ、キャベツ等の加工業務用野菜も多く生産され、国内有数の産地が形成されています。
麦等の土地利用型作物や飼料作物の栽培にあっては大型機械によって効率的な農作業が行われ、大規模な自給飼料の生産は畜産経営における飼料代のコストの削減に寄与しています。
施設園芸では、ビニルハウスが大区画ほ場に集約して建設され、大規模なハウス団地が形成されています。ビニルハウスには作物の生産に必要な日射等を制御し、二酸化炭素を発生させる環境制御装置が導入されたものもあり、先進的な農業生産が展開されています。
環境保全型農業
諫早湾干拓農地では環境保全型農業を推進しており、諫早湾干拓農地の農業者は全員が「ながさきグリーンファーマー」(みどりの食料システム法に基づく長崎県の認定)に認定されており、また、GAP(農業生産工程管理)に取り組むこととしております。
環境保全型農業は、農業の持つ物質循環機能を生かし、生産性との調和などに留意しつつ、化学肥料、化学農薬の使用等による環境負荷の軽減に配慮した持続的な農業のことです。具体的には、堆肥や緑肥を利用した土づくりや環境にやさしい技術を用いた虫害や雑草害の防止によって、化学肥料と化学農薬の使用量を減らした農業生産方式のことを指します。気候変動や社会情勢の変化に対応し、環境と調和のとれた持続可能な食料システムの確立を図るための重要な取組みの一つとなっています。
GAP(ギャップ、GoodAguriculturalPractices)とは、農産物の安全の確保と、持続可能なより良い農業経営の実現に向けて、食品安全、環境保全、労働安全等、農業生産工程の各項目の記録・点検・評価を行い、継続的に農作業や経営管理を改善するための管理方法のことで、GAPの認証が取引上、必要な場合もあります。認証を受けるためには第三者機関による厳格な審査が必要となります。
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- 諫早湾干拓課
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