ジャガイモの低コスト肥料試験の結果を報告します。(7月21日)
【目的】
 日本は資源を持たない国なので、世界情勢の影響をもろに受け、肥料価格も高騰しています。農大ではいろいろな野菜で安価な肥料を使った試験を行っています。そのなかのひとつで「じゃがいも」の春作栽培を紹介します。
 慣行の「BB48(16-16-16)」1袋5700円)に対して、混合堆肥複合肥料「レコアップ(10-5-5)1袋2400円」を試験しました。10a当たりのチッソ成分を15kgにそろえると26790円(BB48)の肥料代が18000円(レコアップ)と8800円安くなります。そこで、ジャガイモの3品種を供試して、低コスト肥料(レコアップ)の収量・品質について調査しました。
【試験方法】
  ①植え付け 2023年2月3日
  ②収 穫  2023年5月10日
  ③栽植密度 株間25cm×条間70cm(5700株/10a)
  ④10a当たり施肥量 堆肥1t+BB48(慣行)94kg
             堆肥1t+レコアップ150kg
【結果】
 慣行肥料(BB48肥料区)に比べて、レコアップ肥料区は、
  ①茎長が同等以下(短く)となった。特に「デジマ」が短くなった。
  ②収量は同等以上(多く)となった。特に「デジマ」が多くなった。
  ③平均1個重は大きくなった。特に「さんじゅう丸」は2倍となった。
【考察】
 BB48はNPKの割合が均等で、大きな芋が取れるものだと思っていましたが、実際はそうではなくレコアップに比べてL以下の割合が多くなりました。一方、レコアップは大きな芋が取れました。肥料は高いものが絶対という訳ではなく、その畑に合ったものを施肥することができればコスト面からも安価な肥料でよいと分かりました。(園芸学科野菜コース 学生)

表 各品種の最大茎長、収量、平均1個重
低コスト肥料の「レコアップ(10-5-5)」
収穫風景 たくさん穫れました