【卒論紹介】ニンニクの生育、収量に及ぼすマルチ資材の違いの影響(10月2日)
1.はじめに
 ●にんにくは大田市場の市場価格が1kg約1000円と高い。
 ●にんにくの産地は北海道から香川県と比較的全国的に栽培が行われているが、長崎県ではにんにく栽培は盛んではないため
  試験事例がほとんどない。
 ●そこで、私は、長崎でにんにく栽培をしようとしたときに、どのようなマルチを使用すれば、多くの収量を得られるかとい
  うことに興味を持ち、試験を行った。
2.材料および方法
 1)試験の実施場所  農業大学校野菜コース露地圃場
 2)供試品種     平戸(暖地型大玉品種)
 3)試験の方法(播種期、定植期、施肥設計、区の設定などを記述する)
  (1)栽培様式:株間15cm×条間15cm 5条千鳥植え
  (2)施肥設計:10aあたり堆肥3t、苦土石灰100kg、たまねぎ名人130kg
  (3)試験区の設定:①白黒マルチ、②茶マルチ、③黒マルチ
3.結果および考察
 ●全重は、黒マルチが一番大きく次いで白黒マルチ、茶マルチの順になった(図1)。これは、4月から5月の間で白黒マルチの
  ニンニクの葉が一番早く枯れたので、黒マルチが白黒マルチより大きくなったためと思われる。
 ●球重(収量)は、黒マルチが一番大きく次いで白黒マルチ、茶マルチとなった(図2)。4月時点では白黒マルチがいちばん大
  きかったが、5月になると黒マルチが大きくなっている。これは、全重と同じで白黒マルチのニンニクの葉が最初に枯れ始め、
  収穫時点で十分育ち切れなかったのに対して、黒マルチのニンニクは収穫時点でも十分、生長していたためと考えられる。
 ●今回の試験では白黒マルチに腐れが出てしまい、少し差が出てしまったが、黒マルチと白黒マルチはともに目標の1個150g
  以上に育ったので、ニンニクを育てるときは、その二つをお勧めしたい。茶マルチは、除草に労力を割かれるためニンニクでの
  使用はあまりお勧めできないと思った。 (園芸学科野菜コース学生)

図1 全重(g/個)
図2 球重(g/個)
図3 好評販売および次年度種子用の大きいバラニンニク