【卒論紹介】じゃがいも「ながさき黄金」の大いも化(10月6日)
1.はじめに
  「ながさき黄金」は長崎県で育成され、果肉が鮮やかな黄色で、とてもおいしいじゃがいもである。しかしながら、主力品種に比べて、
 イモの1個重は小さく収量も少ない(坂本ら、カロテノイド高含量バレイショ新品種「ながさき黄金」の育成、長崎研報、9、2019)。
  一方、じゃがいもは茎数が多いほどイモ数は増えるが、養分競合により子イモが増える。
  そこで、「ながさき黄金」の1個重を大きくするために、生育初期の除茎処理を試みた。

2.材料および方法
 1)試験の実施場所 農業大学校野菜コース露地圃場
 2)供試品種 「ながさき黄金」
 3)試験方法
  (1)植付 2023年2月3日
  (2)収穫 同年5月10日
  (3)内容 慣行栽培VS除茎栽培
  (4)除茎方法:10cm以上に萌芽した主茎数本のうち最も太い茎を1本残して、種イモの基部から除去
          (うねを押さえながら、種いもが浮き上がらないようにゆっくり引き抜く)

3.結果
  「ながさき黄金」の除茎処理は、慣行に比べて、いも数が12%減少したが、平均1個重は17%増加し、収量は同等となった。
  以上のことから、生育初期の除茎処理が大いも化に有効であることが分かった。(園芸学科野菜コース 学生)

表 いも数、収量、1個重
【慣行】                      【除茎処理】