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【卒論紹介】アスパラガス後作野菜の検討(1月24日) |
1.はじめに
アスパラガス栽培では、堆肥や肥料を多投するため、土壌に多くの成分が残っている可能性がある。そこで今回、アスパラガス栽培を
終了し た圃場において、土壌分析の結果に基づき施肥量を調整して野菜を栽培し、生育の状況や経営収支を検証する。
2.材料および方法
1)供試品種 1作目 ハクサイ「春到来」(トーホク)、キャベツ「金系201」(サカタ)、レタス「アモーレ」(ツルタ)
2作目 ハクサイ「CRお黄にいり」(タキイ種苗)、キャベツ「ゴールデンエーカー」(アタリヤ)、
レタス「グレートレーク」(アタリヤ)
2)試験の方法
(1)1作目 ハクサイ、キャベツ、レタス
播種 2022年11月14日 (128穴セルトレイ)定植 2022年12月14日
(2)2作目 ハクサイ、キャベツ、レタス
播種 2023年3月10日 (128穴セルトレイ)定植 2023年4月10日
※アスパラガス掘り取り 2022年11月14~17日
3)施肥量 土壌分析の結果、1作目、2作目ともに施用せず。
4)調査項目及び調査方法
(1)土壌分析 アスパラガス掘り取り後、各栽培後
分析項目:pH、EC、CaO、MgO、K₂O、リン酸、腐植
(2)1作目 ハクサイ、キャベツ、レタスの収穫調査
(3)2作目 ハクサイ、キャベツ、レタスの収穫調査
5)経営調査
1作目+2作目の経営収支 ・アスパラガスが減収した場合の収支との比較
3.結果
1)土壌分析結果
アスパラガス終了後はすべての項目で基準値よりも高いが、とくにECが高かった。そのため、肥料は施用せずに栽培した。
1作目後、2作目後ECは徐々に低下したが、まだ各成分ともに多く残存していた。
2)1作目の収穫調査
ハクサイはほぼ基準値、レタスは基準値よりも多収だった。キャベツは基準よりも少なかった。
3)2作目の収穫調査
ハクサイ、キャベツは、収穫できるものが少なかった。レタスが一番商品化率がよかった。
4)経営収支
農業所得:レタス>キャベツ>ハクサイとなった。
アスパラガス栽培の経営収支と今回の試験結果との比較
※アスパラガスの単収1,000㎏~1,500㎏の場合
レタスの農業所得は、アスパラガスの単収1.400kg/10aの場合の農業所得より上回った。
キャベツの農業所得は、アスパラガスの単収1.100kg/10aの場合の農業所得より上回った。
ハクサイの農業所得は、アスパラガスの単収1.000kg/10aの場合の農業所得より上回った。
4.考察
アスパラガスにはアレロパシーがあるため、すぐに改植してアスパラガスを植えるより品目転換を行うのは有効だと思われる。
アスパラガスの単収が1,500kg/10aより少なくなれば品目転換を検討する目安になると考えられた。
(園芸学科野菜コース学生) |
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