【途中経過】ミニトマトにおける定植方法の省力化の検討(2月6日)
1.はじめに
 ミニトマト栽培は一般的にセルトレイで育苗し、その後、ポットに鉢上げを行い、第1果房が咲きはじめるまで育苗します。そのため、育苗には労働時間を要しています。そこで、セルトレイで育苗したセル成型苗を直接、圃場に定植することで育苗の省力化を図る試験を実施し、生育や収量を調査しています。

2.材料および方法
 1)試験の実施場所  ガラス温室
 2)供試品種     小鈴キング(ヴィルモランみかど)
 3)試験区の設定
 (1)セル成型苗定植区
 (2)ポット苗定植区(慣行)
 4)耕種概要
 (1)セル成型苗定植区
   ①定植日     2023年10月20日
   ②収穫開始日   2024年 2月予定
 (2)ポット苗定植区
   ①鉢上げ日    2023年10月20日
   ②定植日     2023年11月17日
   ③収穫予定日   2023年 2月予定
 5)調査項目
 (1)生育調査
   ①茎長、②茎径、③果房の形状
 (2)収穫物調査
   ①収量、②品質、③糖度

3.結果および考察
・厳寒期での栽培となり、夜間は7℃程度の低温になっていることから、茎葉の生長量は小さくなっています。
・特にセル成型苗定植区では茎長が短く、葉の退色がみられました。一方、ポット苗定植区の葉はきれいな状態を保っています。セル成型苗定植区はポット苗定植区と比べて、根の伸長が悪くなっていることが原因の一つと考えられ、低温の影響を受けやすいと思われます。
・果房の形状は両方の区において、複果房がみられました。通常は樹の栄養状態の良い場合に複果房になる傾向がみられ、収量の増加につながりますが、今回は夜間の低温の影響等、別の要因によるものと考えられることから、今後、着果負担が大きくなる可能性があります。強めの摘果が必要になると思われます。
・今後は気温の変化と、果房の形状や茎葉の状態との関係を観察していきたいと思います。(園芸学科野菜コース学生)


セル成型苗定植区
※茎葉の退色がみられる。
ポット苗定植区
※茎葉の退色はあまりみられない。