令和5年度ながさき農業オープンアカデミー ~第2回講座(令和5年8月3日)~
 令和5年8月3日(木)、壱岐市の一支国博物館を主会場、各振興局をサテライト会場とし、第2回講座を開催しました。参加者は、主会場での参加17名と、他会場合わせて合計56名となりました。
 初めに(一社)日本野菜テロワール協会 代表理事で、愛の野菜伝道師 小堀夏佳氏より「「つくる」私たちが伝える~売るちから」と題して講演をいただきました。小堀氏は野菜のバイヤーとして多くのヒット野菜に携わっており、バイヤー時代の経験談を中心にお話いただきました。購入サイドの立ち位置にいるのではなく、生産した農家に寄り添い、長い時間をかけて一緒に考えながら動くこと、また売り出したい野菜については、特徴や生産までの背景をわかりやすく、消費者に強い想いを伝えることの重要性について説明がありました。また「テロワール」とは、それぞれの土地独特の文化や歴史が織りなす土地の個性であり、「テロワール」をストーリーに組み込みながら、生産者も消費者もWKWK(=ワクワク)するような価値創造を作り出して欲しいというアドバイスもいただきました。
 今後の受講者の商品づくりの取組みのきっかけやヒントになったものと思います。
 続いて、(株)ファーム・サポーターズ・ラボ 代表取締役 岡部由美子氏を講師して「顧客視点」、「戦略立案」に関する講義がありました。顧客視点も以前と大きく変わり、「顧客が求めるものを作る」から、「生産されるまでのストーリーがわかり選ばれるものを作る」ことに変化していること、また過去の常識で消費者を見ていると理解できない、コモディティ(消費財があふれている)時代の現在では、買ってもらうことから、自分の強みを見つけ、顧客のニーズに提案する時代になっていると状況の変化について詳しく説明がありました。
 また、戦略立案の考え方として経営環境が大きく変わる現在だからこそ、現状維持の考えにとらわれず、自らの経営の強みと弱みを知ること、脅威やチャンスといった外部環境の変化に敏感に反応しながら戦略を立案していくことを学びました。
 次回、第3回講座は8月30日、県央振興局を主会場に、実行計画、経営計画について学びます。また、江藤農園 江藤国子氏(大分県由布市)を講師に迎え「”リアル”小さな農家の取組みの仲間の力」と題して講演いただきます。
(一社)日本野菜テロワール協会 代表理事
愛の野菜伝道師 小堀夏佳氏
(株)ファーム・サポーターズ・ラボ
代表取締役 岡部由美子氏
グループに分かれて発表(岡部氏からのアドバイスも)
会場:一支国博物館(壱岐市)