平成25年5月定例月議会

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意見書・決議

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離島・半島地域の振興に関する意見書

 離島・半島地域が抱えている諸問題については、改善に向けこれまで多年にわたる努力が続けられている。
しかしながら、直視すべき離島・半島地域の現状は、依然厳しく、高齢化の進行や若年層をはじめとした人口の流出などにより、地域や集落そのものを維持することの困難さも増している。
 とりわけ、離島地域における物流コストの重い負担や離島・半島地域の脆弱な医療体制等の問題は、県民の生活に直結する問題であり、早急に対策をとるべきである。
 また、離島・半島地域の交流人口の拡大を図る取組も重要であり、体験型旅行事業などの効果的な取組を、積極的に推進することが必要である。
加えて、昨今の不穏な国際情勢は、離島の役割とその重要性を浮き彫りにしており、県内にとどまらず、県外に対しても、離島地域に対する認識をより深めるべく、情報発信をしていくことが重要である。
 離島振興法の改正により、新たな離島地域への支援措置として、離島活性化交付金が創設されるなど、一定前進した点もあるが、自助努力のみでは克服できない、大変深刻な現状に直面している地域へ、力強い積極的支援を推進していく必要がある。
 よって、県におかれては、下記の事項について、積極的かつ真摯に取り組むよう、強く求める。

  1. 物流対策について
     燃油代高騰に対する支援等、離島地域における物流コスト軽減のための取組を、積極的かつ十分に実施すること。そして、県の取組とあわせて、離島活性化交付金などの国の制度を十分に活用し、その効果を丁寧に検証することで、物流対策の絶えざる改善に努めること。
  2. 離島の果たす役割の発信について
     二次離島を含め離島が日本国内で果たす役割とその重要性を、県内にとどまらず県外にも十分にPRし、情報発信していくこと。
  3. 体験型旅行事業への取組について
     体験型旅行に取り組む地域を、部局横断的に支援することで、より成功する体験型旅行をつくっていく役割を果たすこと。また、そうした体験型旅行の成功事例を蓄積し、県内外に発信するため、県庁全体で情報共有と情報発信を十分に行えるような体制をつくること。
  4. 医療体制の確保について
     関係市町と連携を密にし、医療体制の確保に向けた協議を実施していくこと。
    特に、二次離島と呼ばれる地域や、離島・半島地域の中で、生活圏内に十分な医療機関が整備されていない地域においては、緊急時の患者の移動・移送手段等の確保に努めること。
  5. 小児医療対策について
     特に小児科医師の少ない島原半島地域、離島地域等、小児科医療体制の不十分な地域においては、関係市町と十分な連携をし、小児科医療体制の崩壊を防ぐ取組を実施すること。十分に小児科医師を確保し、安心できる小児科医療体制を確立すること。
  6. 独居老人対策について
     独居老人世帯の状況把握を実施するよう県内の市町に働きかけを行った上で、新しく発足した「庁内高齢者対策連絡調整会議」では、独居老人対策がどのような成果を生んだのか徹底的な効果分析を行うこと。また、新しく設置された「高齢者相談窓口」は、その成果を十分に検証し、不断の改善を実施すること。

以上、意見書を提出する。


平成25年5月22日


長 崎 県 議 会

(提出先)

長崎県知事  中 村 法 道  様



経済・雇用対策に関する意見書

 

 我が国の景気は、一部に弱さが残るものの、このところ持ち直しの動きがみられ、輸出環境の改善や経済対策、金融政策の効果などを背景に、次第に景気回復へ向かうことが期待される。
 一方、本県の景気は、全体としてはなお弱含んでいるものの、内需を中心に下げ止まりつつある。また、雇用・所得環境は、厳しい状況が続いており、これまでみられた緩やかな改善のテンポが鈍化している。
 これまで県においては、地場企業の支援、企業誘致、観光の活性化、雇用対策など様々な施策を講じているところであるが、一人当たり県民所得の低迷や人口減少などの構造的な課題を抱えるとともに、有効求人倍率が低水準で推移するなど依然として厳しい経済・雇用情勢が続いているため、その改善に向けてなお一層の支援が必要である。
 よって、県におかれては、下記の事項に対し、さらに積極的に取り組まれるよう強く要望する。

  1. 県民所得の向上対策について
    所得向上につながる力強い地域経済の実現のため、一人当たり県民所得低迷の原因分析の結果等に基づき、本県としての短中長期的な戦略について数値目標を明示し、雇用の場づくりなどによる就業率の向上対策をはじめ様々な産業政策に積極的に取り組むこと。
  2. 地場企業の振興について
     地場企業に対する支援制度については、一定の充実が図られているが、活用が十分とは言えない。よって、商工関係団体等との密接な意見交換を通じて地場企業のニーズを把握し、支援制度の一層の充実を図るとともに、広く普及に努めること。
     また、去る平成25年2月15日に指定を受けた「ながさき海洋・環境産業拠点特区」による、本県基幹産業の造船業及び関連産業の振興をはじめとして、地場中小企業の振興に積極的に取り組むこと。
     なお、雇用情勢の厳しい離島地域をはじめとして、市町、商工団体等の各支援機関と連携を図り、地域産業の担い手となる創業・起業者の創出、育成に積極的に取り組むこと。
  3. 企業誘致の推進について
     リーマンショック以降の景気低迷により、本県の企業誘致は苦戦を強いられているが、雇用拡大のためには企業誘致の推進が不可欠であり、今後とも市町と連携し、工業団地の造成など様々な課題に対する支援策の充実を図りながら、積極的に取り組むこと。
     また、工業団地における長期未売却地については、用途変更の検討も含めて早期売却に向けた取組を進めること。
  4. 観光の振興について
     東日本大震災の影響や長引く景気の低迷、中国との関係悪化の影響など、本県観光を取り巻く状況は厳しいものがある。しかしながら、今後予定されている長崎がんばらんば国体及び長崎がんばらんば大会や世界遺産登録の実現などを絶好の機会と捉え、加えて、九州新幹線西九州ルートの開業も見据えながら、本県の歴史、文化、食、産業などの地域資源を活用し、交流人口の拡大に向け、さらなる観光客の誘致に努めること。
  5. 農林水産業の振興について
     農林業では、農業産出額は近年増加傾向にあるが、燃油や飼料価格の高騰、就業者の高齢化や担い手の減少など、依然として厳しい環境にあるため、農業所得の向上対策等に積極的に取り組み、強い経営力を持った経営体の育成や新規就農者の確保に努めること。
     水産業では、水揚げの減少・魚価安・燃油高騰・担い手不足など、厳しい経営環境が続いている状況であり、生産量の急激な増加が望めない中、収益性の高い安定した経営体の育成や新規漁業就業者の確保に努めること。
  6. 県産品のブランド化と販路拡大について
     本県の豊かな農水産物をはじめとする県産品のブランド確立と地場産業の振興のため、県産品の県内における消費拡大や県外及び海外も視野に入れた販路拡大に努めること。
  7. 雇用対策について
     人口減少の中で若年者の雇用機会を確保するため、新卒者の県内就職率の向上及び離職防止に関する様々な支援策に取り組まれているところであるが、関係部局で連携しながら引き続き雇用対策の推進を図ること。
     また、地域や企業のニーズに応じた人材育成に対する支援策の充実を図ること。

 

以上、意見書を提出する。


平成25年5月22日


長 崎 県 議 会

(提出先)
長崎県知事  中 村 法 道  様



再生可能エネルギーの積極的導入促進等に関する意見書

 

 東日本大震災による福島第一原子力発電所事故は、「原子力の平和利用」に伴う原子力発電所の安全性に大きな警鐘を鳴らし、それに代わる新しくかつ安全なエネルギーへの転換を大きな課題として提起した。
 また、1997年の第3回気候変動枠組条約締約国会議(COP3)において採択された京都議定書において、我が国は2008年から2012年の第一約束期間における温室効果ガスの排出量を、基準年である1990年の排出量から6%削減するとの目標が割り当てられた。
 2013年からは、2050年までに現状から80%削減する旨の第四次環境基本計画における長期目標を見据え、国内における排出削減対策及び吸収源対策を引き続き積極的に推進していくことが求められる。
 県民の生活環境の保全及び経済活動の成長・発展という両面を鑑みるとき、今こそ、再生可能エネルギーの積極的な導入促進等を図る必要がある。
 よって、県におかれては、県内それぞれの地域特性を活かし、県民の生活環境を守るとともに、地域経済の発展に寄与できる再生可能エネルギーの積極的な導入促進等のため、以下の項目について、十分な対応を行うよう強く要望する。

  1. 再生可能エネルギーの積極的な導入促進について
    (1)京都議定書の発効とともに進んでいた再生可能エネルギー導入量は、現在、県内消費量に占める割合が4%程度と推測されている。昨年度、「ながさき海洋・環境産業拠点特区」が地域活性化総合特別区域に指定されるなどの新たな動きもあるが、本県の持つポテンシャルを活かし、太陽光、風力、海洋、地熱、小水力発電など、それぞれの地域特性に応じた更なる再生可能エネルギーの導入の促進を図ること。

    (2)県主導のもと、市町や民間と常に連携して導入促進を図るとともに、新エネルギー産業に伴う雇用の創出等による地域経済の活性化にも貢献できるようにすること。

    (3)長崎県再生可能エネルギー導入促進計画を速やかに策定すること。また、その際は、計画の実効性を高めるため、目標値を設定のうえ推進すること。
  2. 官民一体となった省エネ・節電対策の取組について
     東日本大震災後、九州管内の原子力発電所の稼動停止を受けて、九州電力は県民に対し、夏期に10%程度、冬期に5%程度の節電を呼びかけ、官民ともに概ね目標値を達成することができた。
     しかしながら、今後も電力の需給バランスが不安定となることが予想されることから、これまでの省エネ・節電の取組を県民の日常生活や事業者の経済活動にしっかりと定着させることが肝要である。
     このため、とりわけ電力需給が逼迫する夏期・冬期においては、県自らが国・九州電力からの要請を上回るよう、率先して省エネ・節電に取り組むのはもちろんのこと更には県民や事業者による節電取組や省エネルギー対策を一層促進し、官民一体となった取組を推進すること。
  3. 本県の再生可能エネルギーの普及のための国への要望について
     県において、地域特性を活かした再生可能エネルギーの普及につき急速に取組を進めるにしても、国の支援が必要不可欠であるため、下記については、国に対し特に強力な要望活動を行うこと。
    (1)新たなエネルギー基本計画の速やかな策定
    (2)離島を含む再生可能エネルギー導入のための送電網の整備に向けた支援制度の新設
    (3)発電事業者に対する大型蓄電池の設置に対する財政の支援
    (4)海洋再生可能エネルギーにかかる実証事業の積極的な推進と固定価格買取制度の早期実現

 

以上、意見書を提出する。


平成25年5月22日


長 崎 県 議 会

(提出先)
 長崎県知事  中 村 法 道  様


 

 

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