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平成22年10月28日 定例記者会見

 ●会見内容●

1.諫早湾干拓・新幹線にかかる中央要望について
2.中国訪問について
3.九州地方知事会議について
4.教職員の不祥事について
5.九州総合特区について
6.平成23年度予算編成方針について
7.世界体操内村航平選手の活躍について
8.関西広域連合について
9.九州新幹線西九州ルート(長崎ルート)について
10.中国訪問について
11.石木ダムについて
12.海砂採取の許認可区域の管轄問題について

○広報広聴課長 それでは、ただいまより、知事の定例記者会見を始めさせていただきます。
 よろしくお願いいたします。

1.諫早湾干拓・新幹線にかかる中央要望について

○知事 こんにちは。よろしくお願いします。
 今日は、まず最初に3点だけ報告をさせていただきたいと思います。
 まず、第1点は、去る10月15日でありましたが、末吉(県議会)議長にもご同行いただきまして、中央での要請活動を展開いたしました。
 1つ目は諫早湾干拓事業の開門の問題、2つ目は新幹線の問題であります。
 まず、1点目の諫早湾干拓事業の開門調査に関わる問題でありますが、ご承知のとおり、農林水産大臣がお替わりになりました。鹿野大臣ということで、実は、諫早湾干拓事業の着工式のときの大臣をなさっておられた方であります。そういうこともありまして、改めてこの諫早湾干拓事業の開門問題について、長崎県の考え方についてご説明をし、要請をいたしました。
 論点はこれまでも申し上げてまいりましたとおり、まずは開門を行う前提として、環境アセスメントを実施し、科学的、客観的に検証していただいた上で検討をしていただき、地元の同意なくして開門調査が行われるようなことがないようにというのが1点。
 それから、もう一点は、あたかもこの諫早湾干拓事業が有明海の水産資源の影響の最大の原因者であるというような議論がなされておりますが、そのほかにもさまざまな要因が複合的に関連して今の現状をきたしているのではないかと、(諫早湾干拓事業)検討委員会の報告(平成22年4月28日)にもそういった点が触れられておりました。したがって、いろいろな要素について科学的に検証を進めていただき、有明海の再生に向けて具体的な道筋をつけていくのが先ではなかろうかというような趣旨で、この2点について要請をいたしました。
 大臣からは、「現在、環境アセスメントを実施しているところであって、これからも真摯に取り組んでいく、そしてまた、いろいろな関係者の意見も聞いていきたい。さらには、検討委員会の報告もあっているので、これについても精査をしなければいけないということで、直ちに結論を出せるような状況にないけれども、ご意見については承っておく」という趣旨のご発言がありました。
 その後も、実は本日から、地元の諫早湾防災干拓事業推進連絡本部の方々が上京されて、大臣はじめ関係国会議員にも要請をされるというお話をお聞きしております。引き続き慎重に検討をしていただけるものと考えているところであります。
 それから、2点目は、九州新幹線西九州ルートの問題について要望活動を実施いたしました。
 現状については既にご承知のとおりでありまして、整備新幹線問題等検討会議において、この西九州ルートについても、全体としての論点としては、まず、整備のための財源が見当たらないということが大きな要因でありますが、この西九州ルートについては、特にフリーゲージトレインの取り扱い、あるいはまた、肥前山口〜武雄温泉間の単線区間の取り扱いについて明確な方針が定まっていないということで、まだ未着工区間について認可ができないというような考え方が示されておりましたが、現況についてはご承知のとおり、このフリーゲージトレインの早期開発、そしてまた、単線区間についての新幹線スキームでの複線化、これについてはもう着工以前から強く国に要請活動を展開してきた事項そのものでありまして、特段、環境が変わったということではありません。したがって、一刻も早く諫早〜長崎間の認可をお願いしたいということを申し上げてまいりました。
 また、あわせて単線区間の複線化についても、新幹線スキームで実施していただきたいという要請を行いましたが、その際、財源が確保できないというお話でありました。ご承知のとおり、鉄道運輸機構(鉄道建設・運輸施設整備支援機構)の利益剰余金が1兆4,500億円あるわけでありまして、これが先の事業仕分けで国庫に返納するというような議論がなされました。これを受けて、野田財務大臣は、これを一般財源として活用したいというような方針を示されたところでありますが、もともとこの利益剰余金のこれまでの発生の経緯等を見た場合に、こうした財源については、ぜひ新幹線整備を含む鉄道施設整備に活用してもらいたいということで、そうした要望も強く行ってきたところであります。
 いずれにいたしましても、こうした財源を有効に活用していただき、西九州ルートについてはわずか21キロ、1,100億円の財源で整備ができるわけでありますので、今年度の予算等も活用していただき、早期認可をいただきたいという要請を行ってきたところであります。
 これについては、「そうした意向は十分承っておきたいけれども、なかなかに財源の見通しをつける上で難しい」というような趣旨のお話がございました。

2.中国訪問について

○知事 それから、3点目でございますけれども、来る11月15日から20日までの6日間、中国訪問を予定しております。今回の訪問では、友好県省の関係にあります福建省を訪問し、友好親善の絆をさらに深め、交流分野の拡大を目指していきたいと考えております。
 福建省におきましては、本県の歴史文化博物館と福建省の福建博物院間の交流協定の締結なども予定をいたしております。さらに、将来の国際定期便の開設に向けて、福建省、あるいは香港からの国際チャーター便の誘致活動を展開してまいりたいと思っております。あわせて、10月31日から香港〜福岡直行便が開設をされますので、これを機に本県の観光PR等を実施し、誘客に努めてまいりたいと考えているところであります。現在、議長をはじめ県議会議員の皆様方、あるいは経済界の方々にもお声をかけておりまして、多数ご参加いただく中で誘致活動等を展開してまいりたいと考えております。
 以上、3点、とりあえず私の方から報告をさせていただきます。

○記者(読売新聞社) ありがとうございました。幹事社の方から質問させていただきます。
 まず、中国の問題に関連してですが、前回もお聞きしたんですけれども、梅屋庄吉の巡回展の方ですが、その後の経過はどういった状況かということと、もう一点、九州地方知事会議に出席されたと思うんですが、長崎県として要望されたことであったり、そこら辺で検討された内容について何かあればご報告をお願いします。

○知事 まず、孫文と梅屋庄吉関係の企画展でありますが、北京まで開催したところで延期になっておりました。その後、武漢で開催予定であるということを申し上げておりましたが、その後、まだ動きは見られておりません。
 ただ、いずれにしても、来年が辛亥革命100周年で、非常に交流の絆の深い梅屋庄吉と孫文の関係、そして、中国と長崎との関係、これについては大変中国側でも重要視されているものと思っておりますので、しかるべき時期には開催が実現できるものと思っております。

3.九州地方知事会議について

○知事 それから、今回の九州地方知事会議での議論でありますが、大きく協議の対象になったのは、いわゆる地域主権の考え方の中で、国の地方機関の廃止・見直しが大きな課題になっておりますが、現状を見ますと、国の方で地方移管に向けた事務の仕分けをされたところ、全体の1割程度であったと、ほとんど進んでないという状況であります。
 そうした議論の根本には、受け皿がないのではないかというような議論もあるやに聞いておりまして、例えば単独のそれぞれの県で受け入れられる業務も当然にあると思っております。ただ、少し各県にまたがるような広域的な課題、これについて受け皿をどう整備して国の地方機関の業務等を受けていくかということになりますが、その際、九州広域行政機構(仮称)のような組織をつくってはどうだろうかという議論がございました。
 今の国の地方機関業務の実情についてはおわかりいただいていると思いますが、さまざまな地方機関がございます。警察局から行政評価局、あるいは財務局、税関等いろいろな地方機関がありますが、このうち、地方機関の廃止の検討になったのが8府省、15系統ということであります。総合通信局であるとか、労働局、地方整備局、運輸局、厚生局、農政局、こうした機関を地方に移管してはどうかという検討がなされたわけでありますが、基本的にその8府省15系統の地方機関は、この九州広域行政機構でできるだけ幅広く、丸ごと受けていってはどうかという議論になりました。
 当然ながら、その中でも、例えば電波の周波数の割り当てであるとか、国の方に残さなければならないだろうという業務も一部あるだろうと。そうした部分は、国の地方機関がどうなるかわかりませんが、それは国に残すとして、共通の広域的な業務についてはこの機構で受ける。そして、例えばハローワークみたいに各県単位で出先機関が配置されているものは各県単位で受け入れることができるのではないかという議論が重ねられまして、結果として、こういう行政機構をつくってはどうかということで意見の一致を見たところであります。
 広域連合の議論がご承知のとおり関西地域で進められておりますが、広域連合になると、参加自治体の意向がばらばらになってくる可能性があります。したがって、九州地域は九州全体として、いわゆる一部の県が参加しないというようなことがないように、そういう行政機構を立法措置によってつくってはどうかというような議論になりました。
 その際、できるだけ簡略化するために組織を、例えば各県の首長で組織する執行機関だけで運営できないかという議論でありますとか、いやいや、やはり議会の機能も必要ではないかというような議論もありましたが、最終的には私の方からも意見を申し上げて、こうした地域主権の時代であって、住民自治という観点からは、やはり議会代表者の会議といったものも必要ではなかろうかというようなことで、そういう機構をつくり、知事連合会議、そして議会代表者会議といった組織立てをして、この受け皿を整備していってはどうかという議論が一つございました。
 それから、2点目は、本県から提案をさせていただきましたが、今の離島が置かれている非常に厳しい現状に鑑みて、離島地域における揮発油税の減免について、知事会として特別決議を行ってはどうかという提案でした。既にご承知のとおり、ガソリン価格は本土と比べて20円ないし30円高いという現状にありまして、生活を行うにしても、産業活動を展開するにしても、さまざまなコストアップの要因になっておりますので、この際、離島地域について揮発油税を減免していただくような特例措置を講じていただきたいということで特別決議をいたしました。

4.教職員の不祥事について

○記者(NCC) 先日から教員の不祥事が相次いでいますが、知事としてはどのように受けとめられているかということと、今後の防止策というのは、何か具体的に考えられているんでしょうか。

○知事 前回の定例会見の直後にまた、深刻な事件が発生をいたしまして、大変申し訳なく、また遺憾に思っております。本来、子どもたちの手本になるべき大人である教職員の中に、こうした不祥事が繰り返されているというのは、本当に遺憾であります。
 そういうこともありまして、教育長ともすぐ協議をいたしました。これまで繰り返し、繰り返しこうした事件、不祥事等の再発がないように伝えてきたところでありましたが、一人ひとりの教職員の心に届いていないのではないかということもありまして、改めて直接すべての教職員に話をして、事態の重大さを認識していただく必要があると、教育長もすぐにそうした機会を設けたいということで、それぞれの地域の学校に出向いて、教職員の皆様方と、全員お揃いいただいた中で、そうした再発防止についてお話をしていただいているところであります。

○記者(NHK) 教育長が直接出向いて指導するというほかには何か考えていらっしゃることはありませんか。

○知事 まずは、今、そこからかかろうと考えておりますが、これまでもいろんな研修の機会があり、その都度そうした内容についても繰り返し触れてきているというような状況であります。そうしたやり方をさらに工夫する必要があるのかどうか、あるいはもっと別の取り組み方が可能なのかどうか、その辺も含めて、これから十分協議をしていかなければならないと思っております。
 とりあえず、急ぎすべての職員の皆さんと直接対話をして、そうした思いを伝えるようにということで教育長にも早速動いていただている状況です。

○記者(読売新聞社) 関連してよろしいでしょうか。臨時の文教厚生委員会が先日開かれまして、その中で民間の意識と差があるんじゃないかと、教職員の世界がですね。それと再発防止策、これまでも県教委が取り組んできた再発防止策が実を結んでいないんじゃないかと、不十分なんじゃないかということで具体的な案を再検討するべきだという話が出て、今それに取りかかっているところだと思うんですが、その中に具体的にこういう項目を入れたらいいんじゃないかという、知事の方からアイデアというか、現時点で考えられていることというのはありますでしょうか。

○知事 やはり心に響く、意識を変えないといけないと思うんですね。いかに文書を出しても、それが一人ひとりの心に届かないと変わっていかないわけでありますので、そういった機会をどうやってつくっていくかというのが、まず一番重要だろうと、私は思いました。先ほど申し上げましたように、いろんな研修の場等は既に存在しているわけです。定期的にそれぞれの経験年数等に応じて研修の場を設けて、これは県の職員の場合も同じでありますが、その都度そうした事例についてはいろんなやり方で一方的にその意向を伝えるというのではなくて、事例等の研修等を通して行ってきたわけであります。しかし、これが現実問題として(不祥事が)繰り返されるということでありますので、非常に悩んでおります。これまた、具体的に学校現場の方々のご意見等も吸い上げながら、どういった取り組みが有効な手法として考えられるのか、再度、今回の取り組みの後にでも、また現場の方からご意見がいただけていると思いますので、協議していかなければならないと思います。これをやれば大丈夫だろうというところは、なかなかに難しいなと思います。

○記者(読売新聞社) その委員会の中で委員の方から、弁護士等々を含めた第三者が再発防止策を考えたり、検証したりということが必要なんじゃないかという意見もあったんですけれども、そういう必要性についてはどのような認識を持たれていますか。

○知事 第三者の方々からご意見をいただく場があってもいいのかもしれませんが、どうでしょうね。その形としてこういう形をつくればすべて防げるというのは、なかなか難しい。というのは、これまでいろんな事件が発生した経過を見ますと、やはりそこはその業務に携わる職員一人ひとりの倫理観、そこによるところが非常に大きいという現実もまた片方にありますので、そうした部分をしっかり訴えていくというのが当面急がれることだと思います。仕組みとして有効な仕組みがあれば検討をしてみたいと思います。

5.九州総合特区について

○記者(長崎新聞社) 話は変わりますけれども、国が来年度創設する総合特区について、長崎県として何か提案されたことがあれば教えていただきたいと思います。

○知事 総合特区は、実は2種類あります。国際戦略総合特区と地域活性化総合特区というのがございました。この国際戦略総合特区といいますと、これは基本的に区域が相当限定をされて、国際的な、戦略的な地位を高めるというような考え方で提案が求められました。
 そういう中で、実は九州全域でそうした特区としての申請ができないかということで提案をさせていただきました。これは九州地域戦略会議、九州の知事会と経済界で構成する会議であります。ここで、まずは国際競争力強化のために幾つかの観点で九州の総合特区を提案してはどうかということで、方向性としては「国際観光アイランド九州」、そして「国際医療ツーリズムの拠点九州」、3点目は「国際産業アイランド九州」、4点目は「食の輸出王国九州」、5点目は「資金の地産地消」、そういう観点から特区に手を挙げてはどうかというような提案をこの戦略会議に行い、さまざまな議論をいただきました。九州には共通する推進組織として九州観光推進機構がありますので、そこでまず観光関係は各県の意向を盛り込んだ形で国に提案をしようということになりました。先ほど5点申し上げましたけれども、「国際観光アイランド九州の形成」、そして、「国際医療ツーリズムの拠点九州の実現」、こうした点については機構の方から特区の提案をさせていただこうという動きになっております。
 その他の「国際産業アイランド」の形成といいますと、これはどういった観点かというと、九州にいろんな産業クラスターが存在します。自動車産業、造船、機械、電子、あるいは次世代の成長産業と言われる環境関連技術であるとか、あるいは長崎で行っておりますエビッツの取り組み、あるいはそういった電気自動車を活用したさまざまな取り組みは他の地域でも取り組まれております。そうした特性を活かして、産業としてのますますの発展、そして育成、そういう推進力となり得ないかということですが、九州全体を満遍なくというのは、なかなか難しいところがあるだろうと思いますので、そういう産業が所在するクラスターを結びつけて九州の特区として提案できないだろうかというような、そうした「産業アイランド」。
 あるいは「食の輸出王国」として、(九州は)さまざまな食材に恵まれており、食の安全・安心に関する関心の高まりは非常にこれからも大きくなるものと思っておりまして、東アジア地域を中心に輸出戦略等について力を入れていく必要があるのではないかと、そういう取り組みでありますとか。
 さらに、ちょっと「資金の地産地消」というのでわかりにくかったかと思いますが、九州内で預金として集められた資金がなかなか具体的な融資に回っていっていない部分があるのではないか。したがって、そうした資金をもっと九州地域に投下していただくような、例えば新たなビジネスを起こすときの投資のもとになるファンドの形成であるとか、そういう積極的な資金の活用を考えるべきではないかと、そういった観点から提案をしていました。以上、3つの分野については九州各県で引き続き検討しようということになりまして、この分の検討については本県が幹事県として、これから九州各県や経済界と研究会を立ち上げて、具体的な内容を検討していくということになっております。
 それから、また、県の単独でも地域活性化特区等についてはいろいろな切り口から提案等もさせていただいております。

6.平成23年度予算編成方針について

○記者(KTN) 先ほど各部局の担当者に、来年度の予算編成の方針について説明がありましたが、知事としては、来年度の予算編成、どういうところにポイントを置きたいなとお考えでしょうか。

○知事 やはり今、策定作業を進めております総合計画、これが新たなスタートの年を迎えるわけであります。私も知事に就任して8カ月ぐらい経過しようとしておりますが、その思いの一端を6月補正予算、あるいは9月補正予算等で計上させていただきました。来年度は総合計画の本格的なスタートの年度になりますので、財源的には非常に厳しい状況にあろうかと思いますが、できるだけそうした新しい取り組みの芽を出していけるような予算を編成したいと思っております。

7.世界体操内村航平選手の活躍について

○記者(KTN) それともう一つ、全然話は変わるんですが、長崎県出身の内村航平選手が、(体操の)世界選手権で個人総合では日本人初の連覇を果たしましたが、県としては何らかの表彰とかをされる予定というのはありますか。

○知事 それはぜひ検討しなければいけないと思っております。
 大変活躍をしていただいて、県民も大きな自信と感動をいただいたと思いますので、これからも頑張っていただくように願っております。

8.関西広域連合について

○記者(時事通信社) 話は、また変わってしまうんですが、先ほど関西広域連合の話が出たんですが、九州知事会の中では、各自治体ばらばらということで、そういうような議論があったということなんですが、知事自身としては、関西広域連合、新しい取り組みとして始まるんですが、それをどのように見ているのかと、どういう評価をしているのかをお聞かせ願いたいんですが。

○知事 私どもも受け皿になって、例えば大きな河川があって、この河川を管理するためにどこにダムをつくるかとか、どこの河川改良、拡幅をやるかとかという問題は、非常に利害関係を伴う調整作業が必要になってきます。そういう利害調整の場として、広域連合というのは今ある仕組みの中で一つの非常に有益な手法だろうと思いました。
 ただ、一部、すべての地域が連携して参加するということになると、その場が利害調整の場になるし、事業推進の場になってくるんですが、現状を見ると、いやいや、屋上屋ではないかというような議論があったりして、一部参加しない団体もあるわけですね。そういう現状を考えるときに、九州全体としても、そういう手法もありますが、やはり一部不参加になるというのはなかなか難しい組織になるだろうということで、言葉は悪いかもしれませんが、歯抜けを許さないようなそういう機構を立ち上げる必要があるのではないかという議論になり、それはそうだということで一定の方向性に合意を見たわけであります。これについては沖縄県は別に考えたいというお話でありますし、また、山口県も、区域的にちょっと離れますので別になるということで、九州7県でこういった推進組織をつくってはどうかと。
 そしてまた、いろいろな今の広域連合では、構成団体の議会の意向というのが相当大切になってきますし、その財源が、広域連合の財源をどうやって調達、確保するか。例えば国費を直接受け入れることができるかどうかというのも大きな問題になってくるわけです。今、国が地方機関で支出している予算を、どういう形でこの広域連合まで回していくかということなんですが、例えば構成団体経由になると、構成団体の議会の意向によっては財源の調達も思い通りにならないというようなことにもなりますので、いわばそこは国の財源を直接受け入れることができるようなそういう面を含めて、人、権限、財源を含めて調達できるような、特別立法でそういう組織立てが必要ではないかという議論になりました。

9.九州新幹線西九州ルート(長崎ルート)について

○記者(長崎新聞社) 鉄道運輸機構の利益剰余金の件でお伺いしたいんですが、国交省は、財務省の動きに対して、どう対応していこうとおっしゃっているのでしょうか。

○知事 国土交通省も、直ちにそうしなければいけないというような方向性はまだ感じられませんでした。これから関係省庁間で調整が進められるものと思っておりますが、先ほど申し上げたように、これまでの経過を見る時に、やはり新幹線整備の財源として有効に活用していただければ、西九州ルートも前に進む大きなきっかけになるものと思っておりまして、そういう声を大きくしていかなければならないと思っております。

○記者(長崎新聞社) もし、仮にこの利益剰余金が一般財源化されるようなことになれば、長崎ルートはどうなるんでしょうか。

○知事 それはまだ予断を許しません。今、中央の方でも(民主党)新幹線議連ができ、さまざまなご議論をいただいております。そうした幹事長、副会長の皆さん方にもお話をさせていただきましたが、大変に厳しい状況だと、どなたもおっしゃっておられました。
 したがって、当面の財源として目の前に可能性があるのは、この1兆4,500億円でありますので、やはり議連の皆様方は、これは国庫に一般財源として返すのはおかしいと、ぜひ新幹線整備の財源として使うべきだというような議論が進められていると聞いております。しかし、まだ政府のお立場で一定の方針をお答えいただくような状況ではありませんでしたが、これからもそうした皆さん方と力を合わせて、整備財源として確保できるように努力していかなければならないと思っています。

10.中国訪問について

○記者(西日本新聞社) 中国福建省への訪問についてなんですが、反日デモがあったりしていますが、そういう中でも中国を訪問する意義について改めて・・・。

○知事 これは実は8月にも中国を訪問させていただきまして、国家副主席ともお話をさせていただいたんですが、習近平副主席ご自身も、地方政府間の交流というのは非常に大切であると、そうした動きに今後も期待しているというような趣旨のご発言もいただきました。
 そして、こうした事態を踏まえて、福建省の方にも受け入れ可能なのかどうかという、その状況等をお尋ねしましたところ、ぜひ受け入れたいというお話をいただきましたので、訪問をさせていただこうと思っております。
 国家間の問題というのはさまざまあるだろうと思いますが、まさに地方政府・地域間の交流というのは、そうした個別の課題に限らず、さまざまな交流が展開されており、また、そうしたことが相互の国民の相互理解につながっていく可能性が非常に強いと思っておりますので、今回の訪中に当たっては、そうした姿勢で臨んでいきたいと思います。

○記者(読売新聞社) 互いの地域間での交流という話なんですが、長崎県の方でも高校の修学旅行生が延期で様子を見ているところがあったり、慎重に検討しているところがあると思うんですけれども、そういう意味では地域間での交流というところにも影響が出てきているのかなと思うんですが、改めて反日デモが実際こういうふうな尖閣問題を発端として起こっていることについて、どういうふうな目で見られているんでしょうか。

○知事 そこはやはりそれぞれの国の立場について、国民の皆さん方にどういう説明をしてきているのかということなんだろうと思いますが、私たちは今回の尖閣列島の問題は、日本として日本の固有の領土であるという立場でこれまでも取り組んできたところであるし、そういう形であると思っておりますので、そうした部分についてはしっかりと理解をいただけるように、国の間で決着をつけていただく必要があるものと思っております。

11.石木ダムについて

○記者(NBC) 石木ダムに関連してなんですけれども、国の方から再評価を求められたと思うんですが、これに関連して県としての取り組みといいますか、進捗状況、佐世保市などと協議しているのか。もしくはその後、大臣の方から連絡などなかったのかをお伺いしたいんですが。

○知事 前回の会見の際に、通知文書が来たというお話をさせていただきました。その後、私も見せていただきましたが、これは、地方公共団体による検討の場を設けなさい、となっているようでありますので、関係地方公共団体となると県、佐世保市、川棚町、あるいはその流域を含んだ波佐見町にもお願いする形になるのかもしれませんが、そうした検討の場をまず設けていかなければならないだろうと思っております。そうした準備作業に取りかかっていく必要があると思っております。

○記者(NBC) まだその予定などは。

○知事 具体的なスケジュール等はまだ聞いておりません。

12.海砂採取の許認可区域の管轄問題について

○記者(長崎新聞社) 佐賀県が近く総務省に海砂採取の許認可区域の問題で調停を申し立てるということになっておりますが、長崎と佐賀のこれまでの協議で合意があったとか、なかったとかということになっております。長崎県としては合意があったということですが、佐賀県に合意がなかったというふうに言われるような余地を残すような協議だとか、そういった事務処理をされたことについて、長崎県の過去の行政事務、協議について不適切だったというふうなご認識はございませんでしょうか。

○知事 福岡県との間でもそういった協定を結んでいるわけではありません。双方の県が協議をして、どこのラインで最終許可を行うか、それは一つずつ正式に文書で交わすというような形では行われておりません。これは佐賀県と長崎県の間の海底ケーブルの敷設許可など、離島からいろんな敷設をする際の許可をどこからどこまでどちらの県が与えるかとか、そういういろいろな場面がありますが、その都度両者で合意を得て、では、ここからここまで長崎県、ここから佐賀県、あるいは福岡県ということで合意をして具体的な事務を取り扱ってきたわけであります。
 先ほど申し上げたように、長崎と福岡の県境においても全く同様の状況でこれまで問題なく業務が行われてきておりますし、特に今回は、佐賀県との間でどうしようかという協議をこちらの方から出向いていって行ってきた経過があるわけでありまして、しかも許可をしたということについては、その後、佐賀県も十分ご認識され、一切反論等もいただいてこなかったという経過があるわけですので、今になって実はまだ合意してないんだと、協議中なんだということであれば、なぜ今頃というのが私たちが一番疑問に思うところなんであります。
 仮にそうした文書による合意がなかったから無効だというようなことになると、これはもう大変な問題になってくる具体的な実例が数多く生じてくるものと思っております。

○広報広聴課長 それでは、以上で知事の定例記者会見を終わらせていただきたいと思います。

★発言内容については、わかりやすいように一部変更している部分があります。
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