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平成24年6月29日 臨時記者会見

 ●会見内容●

九州新幹線西九州ルート(長崎ルート)武雄温泉〜長崎間のフル規格着工認可について

九州新幹線西九州ルート(長崎ルート)武雄温泉〜長崎間のフル規格着工認可について


○新幹線・総合交通対策課長  ただいまから、九州新幹線西九州ルート(長崎ルート)武雄温泉〜長崎間の着工認可に係ります長崎県及び沿線3市によります合同記者会見を開催いたします。
 はじめに、長崎県知事から認可について発表をいたします。

○知事  今日は、皆様、大変お忙しいところありがとうございます。
 まず、私の方からご報告をさせていただきます。今日は嬉しいご報告をさせていただきます。
 九州新幹線西九州ルートの武雄温泉〜長崎間につきましては、本日、国土交通大臣から認可がなされました。今回の認可は、現在順調に工事が進められております武雄温泉〜諫早間に加えまして、新しい区間であります諫早〜長崎間を一体的な事業としてフル規格で整備しようというものでありまして、概ね10年後に完成、開業予定となっております。
 また、西九州ルートには、現在耐久走行試験を行っておりますフリーゲージトレインを導入することも盛り込まれておりますが、もう一つの課題でありました肥前山口〜武雄温泉間の単線区間につきましても、新幹線スキームによって複線化されることになったところであります。
 この西九州ルートは、昭和48年に整備計画路線として決定・建設指示がありましたものの、その後、オイルショックによる新規着工の凍結、短絡ルートへの変更、並行在来線の取扱いなど、さまざまな課題に直面し、この着工認可に至るまでの道のりは決して平坦なものではありませんでした。
 しかしながら、それでも長年にわたり関係者皆様方の並々ならぬ熱意とご努力に支えられまして、本日を迎えることができました。
 特に、県議会の皆様、地元の経済界の皆様、関係自治体の皆様方におかれては、国などへ働きかけを行っていただくなど、幾度となくお力添えをいただき、さらにまた、本県選出国会議員をはじめ、関係議員の皆様方にも強力なご支援をいただいたところであります。
 そして、何よりも県民の皆様方の熱い思いを総決起大会など、さまざまな場面で結集していただき、大変心強い限りでありました。この場をお借りして、これら関係の皆様方に対し、心から深く感謝申し上げる次第でございます。
 昨年開業した鹿児島ルートを見ますと、現在までその高い開業効果が示されているところでありますが、これは新幹線を軸にした二次交通の整備にあわせ、駅周辺のまちづくり等に積極的に取り組まれ、また、地元を挙げた観光誘致の取り組みが着実に推進されてきた結果であるとお聞きしております。
 私も長年にわたる本県最大の課題の一つでありました九州新幹線西九州ルートの開業に向けて、大きな一歩が踏み出されることとなったことを大変嬉しく思っておりますが、同時に本県においてもこの新幹線の効果を最大限に発揮することができるよう、ソフト、ハード両面から全力でまちづくりに取り組んでいかなければならないと決意を新たにしているところでございます。
 沿線市であります長崎市、諫早市、大村市におかれては、既に新しいまちづくりに取り組んでいただいているところでありますが、その他の県内すべての地域においても、それぞれの地域の魅力や個性を活かしたまちづくりが促進されることによって、この新幹線の整備効果を実感していただけるものと確信しておりますので、どうか地域住民の皆様方、関係者の皆様方の今後なお一層のご理解とご支援をお願い申し上げる次第であります。
 また、本年2月に本格的な運航を始めました長崎上海航路がございますが、今後整備されるこの西九州ルートと連結させることによって、新しいアジアとの交流軸が完成するものと考えており、引き続き県としましてもこの航路を大きく育ててまいりたいと思っております。
 県としましては、今後、一日も早い全線開業に向けて建設工事が順調に進められるよう、用地取得など地元としての全面的な協力に力を注いでまいりますとともに、西九州ルートの新幹線効果が最大限発揮されるよう、各種の施策を展開してまいりたいと思います。
 引き続き県民の皆様方のご支援を賜りますよう、お願い申し上げる次第でございます。
 私の方からは以上でございます。

○新幹線・総合交通対策課長  続きまして、新幹線の沿線3市長がそれぞれコメントいたします。

○長崎市長  長崎市長の田上です。私の方から、お話をさせていただきたいと思います。
 先ほど知事からお話がありましたように、ここまでの今日の認可までの道のりは決して平たんではありませんでした。その意味で、多くの関係者の皆様のこれまでの努力が実を結んで、今日の認可の日を迎えられたことを、素直に喜びを分かち合いたいと思います。
 今回のこの新幹線の認可はゴールではなくて、新しい長崎の交流時代、あるいは西九州の交流時代のスタートであると思っています。
 その意味で、これから新幹線が来ればまちが栄える、地域が栄えるということではありませんので、新幹線が来るまでの概ね10年間、この10年間の間にどういうまちづくりを進めてより魅力のあるまち、行きたいまちになれるかどうかということが非常に大きなポイントになると思っています。
 駅周辺はもちろんですけれども、港・水辺の魅力アップ、それから、港湾施設も含めた機能のアップ、それからまちなかの和華蘭の魅力の見える化といった作業を「まちぶらプロジェクト」という形でスタートしていますけれども、こういったものをしっかり進めて長崎に行きたいという皆さんを増やしていく、そういう魅力づくりの10年間にしたいと思っています。
 また、もう一つは長崎市ということだけではなくて、今、諫早市さん、大村市さん、それから嬉野市さん、武雄市さん、一緒に5市で「5市サミット」という形で、新幹線の沿線の駅がある5市で連携しながら、共同でそのまちづくりのプラス効果をより高めていこうという動きをずっと続けています。この新幹線の効果が5市はもちろんですけれども、県内全体、あるいは西九州全体に広がるようにどういう仕組みをつくっていけばいいか、どういう連携をしていけばいいかということについてもこれからしっかり準備を進めていきたい。これからの10年間が、新幹線が来るまでの10年間が非常に重要だと、ポイントになるということを改めて重く感じています。
 これまでも県はもとより経済界の皆さん、あるいは多くの周辺の地域の皆様、市民の皆様の力を得てここまで来ましたけれども、これからもまちづくりについてもぜひ多くの皆さんのお力添えをいただきますようお願いいたしまして、私からの話とさせていただきたいと思います。

○諫早市長  諫早市長の宮本でございます。先ほど知事からも田上長崎市長からもございましたように、今回の認可・着工に至るということは、従来からの長年の念願でございましたので、この日がようやく訪れたという思いでいっぱいでございます。皆さんとともにお喜びを申し上げたいと思います。
 これまで、いろんな曲折を迎えながら、先輩諸氏がいろんな努力を数十年にわたってされてこられました。その成果が今ここに出てきたということでございますので、多くの先輩諸氏、そして重鎮の方々にこの場をお借りして御礼を申し上げたいと思います。
 諌早市は、島原半島3市と合わせますと約30万人の人口を抱える諫早駅がございまして、ここに新幹線が停車をするということは、大きな可能性と希望があると思っております。
 雇用の問題にしても、交流の問題にしても、やはり新幹線は血管だと思っておりますので、血の巡りをよくすることによりまして、この効果が発揮されるものと思います。
 長崎駅の乗降客は、年間820万人です。諫早駅は470万人ということで、長崎県では第3の都市ですけれども、駅の乗降客で言いますと第2番目と。長崎市の半分以上はあるということで、これを活かしたまちづくりを行いたいと思っております。そういった意味では大きな可能性を与えていただいたということでございます。また、その責任も大きいと思います。
 今まで、私どもはいろんなプランを温めてまいりました。駅前周辺の再開発にいたしましても、プランをあたためてまいりましたけれども、いよいよそれが具体化に一歩ずつ近づいていくということでございますので、長崎県の将来にとって、そして西九州全体の浮揚のためにこの機を、この10年間を大事に使っていきたいと思います。それだけの責任も大きゅうございますし、希望も大きいということでございます。
 これまで交通の要衝の地として諌早市は旧来から発展を続けてまいりました。新幹線が入ってくるということは、一つの大きな変革が起こると思っております。これをどう活かしていくかというのが、長崎県央の地域の発展につながりますし、ひいては佐世保を含めた長崎県全域の、西九州全域の発展につながるものと思っております。
 重ね重ねでございますけれども、これまで30数年間にわたり努力をしていただきました先輩諸氏に厚く御礼を申し上げましてコメントとさせていただきます。

○新幹線・総合交通対策課長  続きまして、大村市長からのコメントでございますが、市長が所用のため、代理で吉野副市長がコメントいたします。

○大村市副市長  まず初めに、先ほどから出ていますように、これまで努力をしていただきました先人の方々に感謝を申し上げたいと思います。
 本日、市長があいにく上京中でこざいまして、コメントを預かってまいりましたので読ませていただきます。
 「本日、武雄温泉〜長崎間として21キロ延伸を含めた認可となり、これまで活発に要望等を繰り返した実績がやっと実を結ぶ形となりました。我が大村市におきましても、大変喜ばしいことだと思っております。
 認可にあたり御尽力いただきました国土交通省、鉄道・運輸機構九州(新幹線)建設局、そして長崎県知事をはじめ県関係部局の皆様方に対しまして、沿線自治体の市長としましてお礼とお喜びを申し上げます。
 我が大村市におきましても、新幹線がもたらす地域振興に大きく期待しているところでございます。終点長崎までの延伸がさらに大きな力となるものと信じております。
 今、大村市では、大村市の新幹線開業に向けた基本計画を策定中であり、長崎までの延伸が認可されましたことで、空港、長崎自動車道、新幹線と日本有数の高速交通の要衝の地として大きく飛躍することになります。この県央地区の飛躍するまち、夢にはばたくまちとして、今後とも県の関係者、また沿線の各市の方々にはお力添えをいただきながら、まちづくりを進めてまいりたいと思います。
 大村市長 松本 崇」
 以上でございます。

○新幹線・総合交通対策課長   それでは、質問をお受けしたいと思いますが、まず、幹事社の方からお願いいたします。

○記者(NBC)  いつもより力が入っていらっしゃいますね。

○知事  そうですね。やはり歴代の皆さん方が一生懸命前進を目指されて、なかなか手が届かなかった事業でありますので、それがようやく実現の運びとなったということ、大変うれしく思っております。

○長崎市長  やはり恐らく皆さん同じ気持ちだと思うんですけれども、40年近い時間を経て、ようやく今日認可の日を迎えたということで、これまでご努力いただいた多くの皆さんに感謝したいという気持ちは共通だと思います。
 それと同時に、こういった日を迎える、こういう立場で迎えることができたということを大変光栄に思いますし、もう一つは先ほど申し上げた、新幹線が来ればよくなるという単純なものではありませんので、これからのまさしく10年間、どれだけ魅力アップして、長崎に行きたいという人を増やしていけるか、そして、長崎に来て満足してもらえる仕組みや体制などをどうやってつくっていくか、その責任といいますか、責任感の方がどちらかというと強い。新しい交流の時代を迎えるというわくわく感と同時に、これからの10年間しっかり力をあわせてまちづくりを進めなければならない。そして、それを県内、それから西九州全体に及ぼしていかなければならないと、そういう責任感を強く感じています。

記者(NBC)  第一報を聞かれたときにやっぱり責任感の方が強かったということですね。

○長崎市長  第一報を聞いた時には、やはり喜びの方が大きかったんですけれども、その後、新幹線は道具なので、本当に力のある重要なツールだけれども、これはあくまでもツール、ルートであって、これが来ればすべて解決するというものではありませんので、これからやらなければならないこと、やりたいことという方にすぐ気持ちは移っていきました。

○諫早市長  (平成)20年3月の武雄温泉から諫早までの認可というものがございました。これはスーパー特急方式という形でちょっと私どもが願っていたものとは少し違うと。そして、諫早市民の間でも、武雄温泉から諫早までという認可区間になっているものですから、当然諫早駅が入っていると思われていたふしがありまして、現在の認可、今日以前の認可ですけれども、20年3月の認可では、極端に言うと諫早駅はそのままで、諫早駅の手前までが認可区間ですよと、具体的にはそういう話になってしまうと。諫早駅は現状のままと。武雄温泉から諫早までが認可ということで、もう既に諫早駅は入っているからいいじゃないかというような安易な気持ちがあったのも昔は事実なんですよ。その認可が行われた頃ですね。4年前の話ですけれども、そういうことがあったのも事実ですが、今回、それでは長崎県域の浮揚にもならないし、諫早駅の再開発もできないということで、念願がかなったと。一つ課題が解決したというか、先ほど長崎市長もおっしゃいましたけれども、新幹線は一つのツールです。これをどう活かしていくか。歴史的には、諌早は交通の結節点として長崎県の中では発展してきました。その一つのツールがまた変わることというのは、将来の諫早市、そして県央地域にとりまして、今日は大きな変革点のスタートの日だというふうに私は思っております。そういった意味で我々が目指しておりました武雄温泉〜肥前山口間の新幹線スキームによる複線化、それから諌早駅から長崎までの認可、それからフル規格、この3つの要素を全部満足させていただいたということは、望外の喜びと思っておりまして、そういった意味では責任も重くなったと思っております。

○大村市副市長  正直な話、(平成)20年3月に武雄温泉〜諌早間、今回、長崎までの延伸ということで、大村市とすれば路線的にはあまり変わりはないんですけれども、やはりその効果とすれば長崎まで通ってなんぼだというふうな気持ちでおりました。
 そういった意味で、ある程度、いろんな事業計画等も検討はしてまいりましたけれども、どうも今までは何かこう胸に引っかかるものが少しあるみたいな感じで、今回の認可ですっきりとした形で、さらに新たなスタートが切れるのではないかというふうに思っております。

○記者(NBC)  今、大村市は交通の部分でいうと、空港と、もちろん高速ということで、あと新幹線がということをよく言われていましたけれども、そういった部分がやっぱり。

○大村市副市長  そうですね。全国的にも空港と高速道路のインターですね、それと新幹線の駅、これがそろっている都市というのは数少ないと思っております。ただ、先ほどから出ていますように、私どもは、それらはあくまでも一つのツールということですので、それをいかにまちづくり、地域の活性化につなげていくのかということを今からさらに取り組む必要があると思っております。
 したがいまして、喜びも半分、責任の重さという部分が、まさにひしひしとのしかかってきている状況でございます。

○記者(長崎新聞社)  幹事社の長崎新聞です。まず中村知事にお尋ねなんですが、現時点では県民の新幹線に対する賛否が割れているような状況だというふうに思うんですが、特に県北だったり離島など、そういった所までさっきおっしゃったような整備効果を実感できるようにするために、どのようにされていくのかということをお伺いいたします。

○知事  新幹線の整備効果というのは、先般、開業しました鹿児島ルートの状況を見るとご理解いただけるのではないかと思います。鹿児島中央駅の旅客数が7割増えていると。しかも、鹿児島中央駅から50キロ近く離れた指宿、あるいは霧島地域の方にもお客様が相当増えて、5割ないし7割ぐらい増えているというお話をお聞きして、まさに新幹線効果というのは現実のものであるという思いを強くしました。
 例えば県北地域、武雄温泉から35キロ、島原半島もむしろ道路を急いでくれという話がありましたが、40キロなんですね。したがって、当然ながら新幹線でお客様をお呼びして、そして二次交通機関を整備することによって、それだけの距離を移動していただけるという先進実例ができたと、こう思っておりますので、やはりそれぞれの地域の魅力にさらに磨きをかけてお客様においでいただきやすいような環境を整備することによって、必ずや多くのお客様にお出かけいただけると思っております。もともと本県は観光県でありますので、そうした思いで地域の皆さんと一緒になって取り組んでいければ、間違いなく地域の活性化に効果をもたらしてくれるものと思っております。
 離島地域も、やはり長崎までお出かけいただいて離島地域まで足を延ばしていただく。そういった仕掛けづくりをこれからしっかり進めていかなければならないと思っております。

○記者(長崎新聞社)  これは今の段階で話すのはまだ早いと言われるかもしれませんけれども、投資効果をさらに上げるには、将来的な話だと思うんですが、全線フル規格化というのを求める声がやはりあると思うんですけれども、今後、国や佐賀県に対して理解を求めていくというお考えはございますか。

○知事  まずは、今日、認可をいただいた段階でありますので、今のスキームの中での工事の推進に、当面、全力を挙げる必要があるだろうと思っております。
 ただ、フル規格にするかどうかというのは、ご承知のとおり、佐賀県内の話になってきますので、佐賀県の地元負担等との兼ね合いの問題も出てくると思います。それについては、将来的な課題になってくるものと思います。

○記者(長崎新聞社)  まだかなり先の話と。

○知事  そうですね。まだ認可をいただいたばかりでありますので、次にまたフル規格をというのは、やはり関係の皆様方の理解もいただきながら、議論をいただく必要があると思います。

○記者(長崎新聞社)  知事と宮本市長にお伺いしたいんですけれども、肥前鹿島〜諌早間ですね、開業後20年間、運行を継続されるということになっておりますが、10年プラス20年、30年後になりますが、今からどういった準備をしようとされているか、何かあればお伺いします。

○知事  まだ今は具体的な並行在来線の運行の問題について協議を進めているという状況ではありませんが、従前のスキームに沿ってこれから協議を進めていくことになると思います。

○諌早市長  当時、3者合意というものがございまして、長崎県、それからJR九州、地元という形であると思いますけれども、それが基本になるということは間違いないと思います。
 10年後の開業ということでございまして、20年間、JRで継続して運行しますよと。それから、上下分離方式と申しまして、運行はJRがやるけど、軌道敷とか駅舎についての財産部分、そういうものについては長崎県の方で受けますよということだと思っておりますけれども、それが基本になっているというのは間違いないと思います。
 ただ、それよりももっと良い方法とか、もっとここを改善したいなとか、開業して20年後はどうなんだということは当然論議をしなければならないと思っておりますけれども、今、具体的にその部分をどうするということは考えておりません。これから具体的なお話をさせていただきながら、よりよい方向に導きたいと思っております。

○記者(朝日新聞社)  観光客の誘致の話を先ほどされていましたけど、これは知事に伺いたいんですが、新大阪との直結をもちろん期待されていると思いますが、ただ、JR西日本が難色を示している、最高速度の問題とかがあってですね。それについてどんなふうに受け止めていらっしゃるのか、もしくは直結することについて期待していることも含めてお話しいただければと思います。

○知事  やはり地域の皆さん方は、直行できるような形の運行を当然希望されていると思っております。最高速度が違うのでJR西日本がというお話でありましたが、現に、今、さまざまなスピードの列車が運行されているわけでありますので、そこについては十分理解がいただけるものと思っております。
 具体的な本数その他の問題については、やはりこれからの協議事項という形になっていくのではなかろうかと思います。

○記者(朝日新聞社)  理解を得られないということはないだろうというふうにお考えだということでしょうか。

○知事  スピードの違う新幹線が何種類かありますよね。そういう列車が運行されているわけですので。フリーゲージトレインは、技術的な課題を解決するための新車両の製作なども、今後さらに進められていくわけでありますので、実際、導入される段階で具体的にどのような技術的な課題が残るのか、それを見極めた上で検討をする必要もあろうかと思いますが、そこは理解を得ていく必要があると思っています。

○記者(朝日新聞社)  (新大阪との)直結に期待する部分はどんなところなのかも改めて教えてください。

○知事  集客圏域を考える時に、3時間ないし4時間ぐらいの移動距離というのが一つの目安にされているのではないかと思います。そういう意味では福岡圏域はもとより、中国圏域、関西圏域、ここまで入りますと大体3,000万人の方々が集客ターゲットの圏内に入ってくると。もちろん、新幹線を整備することによって逆にストロー効果で県民の皆さん方が外に出てしまうんじゃないかというお声もある一方で、そういった圏域から足を延ばしていただいてお客様を迎え入れるという効果も、これは間違いなく生じてまいりますので、よりそういった効果を発現できるように地元としてしっかり努力していかなければならないと思っています。

○記者(毎日新聞社)  知事に伺いますが、熊本は、鹿児島に比べるとあんまり効果が出ていないということですが、価格設定について自治体側からJRの方に要望することはございますか。

○知事  あり得ると思います。価格の設定というのは非常に大きな問題、焦点の一つだろうと思いますので、しかるべき段階で要請等も行っていかなければならないと思っております。

○記者(毎日新聞社)  佐世保なんですけれども、フリーゲージを佐世保まで通してくれという要望がこの前もあったと思うんですが、そこら辺はどんなふうにお考えですか。

○知事  それは既に県の政策要望の中でも要請をしているところでありまして、フリーゲージトレインの車両の開発が進められて、あとは実際、運行をしていただく、走行試験などを行っていただくように要請をしておりますので、できるだけ早期にそういった取り組みが実現できるようにこれからも努力を重ねていきたいと思います。

○記者(朝日新聞社)  地元の自治体の長として知事にお聞きしたいんですが、まさに今、消費税増税の議論が国会でなされている最中で、3路線全体で3兆円を超える事業費がかかって、長崎新幹線だけでも5,000億円というかなり巨額のお金が必要とされる事業ですけれども、まさに税と社会保障の一体改革という議論がされて、国民に広く新たな負担を求めるというこの今の状況の中で、これだけの巨額の公共事業をやるということについて批判の声もあると思うのですが、自治体の長としてその辺の批判についてはどういうふうにお考え、もしくはお答えになられますか。

○知事  公共事業すべてが悪だという考え方は毛頭持っておりません。やはり国家の基盤として必要なものはできるだけ早く整備するという考え方は、必要だと思っております。
 長崎ルートは40年間かかってようやく認可をいただけたわけでありますが、例えば中国では、その間に全く計画もなかった新幹線がもう走っているわけですよね。
 国家戦略等を考える際に、政策のスピードというのは欠かせない視点だと思っておりまして、そういった意味では国の高速幹線鉄道体系を整備する、そのネットワークの中にこの長崎も組み入れられるということについては、非常に嬉しく思っております。
 これが全く無駄な公共事業かというのは国民の皆さん方がご判断される形になるのだろうと思いますが、韓国にしろ、中国にしろ、既に(長崎ルートが認可される間に)新幹線が走っているということでありまして、私もやはりこういった高速幹線鉄道体系は必要だと思っております。

○記者(共同通信社)  消費税増税とか、そういう財源の問題が今問題になっている中での公共事業ということで、それでこれから反対されている方への理解をしてもらう努力を続けられると思うんですけれど、理解いただけるようになるというのは、やっぱり整備効果を県民に還元した時に、その時に理解いただけるんじゃないかという考えですか。

○知事  私は、因果関係をそう取り立てて評価する話ではないのではないかと思います。新幹線というのは計画的に大分前から進められてきているわけでありますので、それが所期の計画の推進のレールに乗ったということであろうと思っております。
 もちろん県民の皆様方に(整備効果を)実感していただくということは必要だと思いますので、先ほど申し上げたように、より幅広い地域にその効果が波及できるようにいろんな政策で努力をしていかなければならないと思います。

○新幹線・総合交通対策課長  そろそろ時間ですので、最後にどうぞ。

○記者(NIB)  厳しい(財政状況の)中で地元負担分というのはどのようにお考えですか。

○知事  今回、西九州ルートは5,000億円の事業費だと想定されておりますが、まだ貸付料の財源が全く見えません(注1:貸付料とは、鉄道・運輸機構が線路など既存の新幹線の施設をJRへ貸付け、JRが受益の範囲内で支払うリース料のことです。新幹線の財源は、まずこの貸付料等を充当し、残りの3分の2を国が、3分の1を地方公共団体が負担する仕組みになっています)。極めて大ざっぱな話をいたしますと、貸付料がゼロだとした時に、長崎県の負担と佐賀県の負担がありまして、それをどう経費をお互いに捻出するかというのも決まっておりません(注2:貸付料等がゼロの場合、長崎・佐賀両県の実質負担額は総事業費の18.3%とされていますが、それぞれの負担割合が決まっていないため、負担額も具体的に示されていません)。
 ただ、例えば線路延長で按分した時にどのくらいになるか試算しますと、(国からの交付税措置分を除いた長崎県の実質負担額は)670億円前後になるのではないかと。これは地元負担が18.3%の新幹線スキームで試算を大ざっぱにやってみたところそういう形になります。
 これが10年間で施工されるわけですね。そうすると(1年あたり)60億円から65億円、70億円ぐらいの負担になってくると思いますが、これまでもご議論いただいてきたように、県の単独建設事業だけでも450億円、500億円、毎年実施している状況にあります。したがって、新幹線の整備費が直ちに県の財政に重大な影響を与えるということはないものと思っております。

○新幹線・総合交通対策課長  それでは、予定の時刻になりましたので、これをもちまして合同記者会見を終了いたします。どうもありがとうございました。

○知事  どうもありがとうございました。

★発言内容については、わかりやすいように一部変更している部分があります。
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