●会見内容●
1.諫早湾干拓事業について(1) |
○広報課長 それでは、改めまして定例記者会見を始めます。 よろしくお願いいたします。
○知事 よろしくお願いします。私の方からは、特にございませんので、あと、よろしくお願いいたします。
○広報課長 それでは、幹事社の方から、ご質問をお願いしたいと思います。
○記者(読売新聞社) この4月で諫早干拓は営農から10年を迎えますが、その現状の受け止めを聞かせていただけますでしょうか。
○知事 干拓地営農、環境保全型の大規模営農を目指して取り組んできたところでありますけれども、大変なご苦労もおありだったろうと思います。干拓地ならではの土壌の性質等もありまして、また反面、非常にミネラル分が豊富で生産物等については高い評価が得られているということで、本当にご苦労もあり、また、それぞれの経営体によって少々違う面はあるかもしれませんけれども、これまでしっかりとした経営をつくり上げてきていただいているという現状については、大変ありがたいことだと思っております。 私も、これまで干拓営農地については幾つか現地見学等もさせていただいたことがありましたけれども、ややもすると農地が別の用途に転用されたりというような事例も散見される中で、この諫早湾干拓営農についてはリース方式を採用させていただいているということで、継続して農地をフル活用しながら営農が行われているということを、本当に生産者の皆様方のご努力の賜であろうと考えているところであります。今後さらに、地域の特色を生かして立派な営農を確立していけるように、我々も行政として頑張っていかなければいけないと思っております。
○記者(読売新聞社) 当初思い描いていたものと、今、10年たっての現状と比較してみて、うまくいっているのか、もうちょっと足らないのか、そこら辺のご所感というか、どうお感じになりますか。
○知事 私は、もう少しいろんな課題が出てくるのではなかろうかと。さまざまな事案等が生じてくる可能性もあるのではないかと思っておりましたけれども、これも本当に営農者のご努力のおかげだろうと思いますけれども、比較的順調に推移しつつあるのではなかろうかと受け止めております。
○記者(読売新聞社) 関連してなのですが、営農者の2者の方から、県が提訴されるという形になりましたけれども、このことをどのように受け止めていらっしゃいますか。
○知事 今回、訴訟が提起されるに至りましたけれども、やはり当初は、この営農地を活用して立派な干拓地営農を実現していこうという思いを持って努力をしてこられた方々であるのは間違いないと思っておりますが、今、訴訟が提起されるというような状況に立ち至っておりますこと、大変残念に思っております。 具体的な中身についてはいろいろあるのだろうと思いますけれども、それはもう訴訟案件でありますので、訴訟の中で対応をさせていただく必要があるのではなかろうかと思っております。
○記者(読売新聞社) もう一点なのですが、宮内県議の社会福祉法人への監査が行われていましたけれども、これの結果というのはもう出たのか。出てないとしたら、目処はいつぐらいになるのか、お話をいただいてよろしいですか。
○知事 今、監査は、社会福祉法あるいは障害者福祉法に基づいて、法人運営あるいは施設運営が適切になされているかという確認がなされているというふうに理解をいたしております。具体的な内容等については、これは現在、監査中のことでもありまして、実効性を担保していかなければいけないという事柄の性格上、お答えしにくい点があるということはご理解いただきたいと思いますけれども、これまでの実例等を見ましても、どのくらいにめどが立つのか、相当時間を要する場合もありますし、事例によって、期間等についてもまだ予見できないという状況ではなかろうかと考えております。
○記者(読売新聞社) まだ監査が続いているという理解でいいですか。
○知事 担当課はいらっしゃいますか。まだ続いてますか?
○監査指導課長 監査中でございます。
○記者(NCC) 諫早湾干拓に、先ほどの営農者の方の話に関連してなんですけれども、野鳥の食害被害に対しての県の考え方と、これからの対応について教えてください。
○知事 野鳥対策。
○農山村対策室長 私の方からお答えさせていただきます。カモの被害対策につきましては、先進県におけます対策の状況を把握いたしまして、その実施を農業者の方々に働きかけております。 また、被害防止対策として、天敵の鳴き声により追い払いを行うような先進的な機械の実証を今、行っております。また、カモの飛来時期に、被害を受けにくい作型に変えるなどの対策も含め、営農者の方々と協力して総合的な対策をしっかりと支援いたしまして、被害の軽減を今、図っているところでございます。
○知事 よろしいでしょうか。
○記者(NCC) その予算的なものと申しますか、営農者の方々に自主的に、そういった野鳥被害を防ぐ部分に関しての、何か支援ということに関しては、変化、変更はあるのでしょうか。
○農山村対策室長 支援というよりも、今、どういった機材が一番効果的かというところを、確認、実証をしております。この効果が確認できましたら、国の鳥獣被害防止総合対策交付金がございますので、その対象にいたしまして補助ができるようにしていく予定でございます。
○記者(NCC) わかりました。ありがとうございます。
○記者(NCC) 2つ目です。石木ダムについて質問です。知事は、知事選期間中に地権者の方と、前提のない話し合いの場を持つというふうにお約束をされていましたけれども、これはいつごろ実現を考えていらっしゃいますでしょうか。
○知事 今、具体的な話し合いの場の持ち方について、担当部局と地権者の皆様方と協議がなされているところであります。条件が整えば、できるだけ早くお会いする機会をいただければと思っております。
○記者(NCC) 事業認定取り消しの判決が7月9日出される予定ですけれども、それよりも前、後、何かその想定はありますでしょうか。
○知事 その前に、さほど時間を置くことなくというのが、当初の考え方でありましたので、そんなに時間を置くことは想定しておりません。
○記者(NCC) 最後の質問です。V・ファーレン長崎について、新スタジアム構想について伺います。 三菱重工の幸町工場移転跡地にV・ファーレン長崎の高田社長が新スタジアムをつくる構想を発表されておりましたけれども、来月にも事業者が認定されるということで、県として、この本拠地移転に対しての考え方を伺えればと思います。
○知事 幸町の跡地の利活用方策の一つとして、そういったご提案がなされているのだろうと。実は、具体的な話は、まだどこの社の方から、どういったご提案があるというのは、三菱重工さんからもお聞きしていない状況でありますが、そういった機能を備える施設ができるということは、町の魅力をさらに高める上では非常にすばらしいことであろうと思っておりますが、ただV・ファーレン長崎の件については、これまで諫早市さんも、ホームスタジアムとして、さまざまな機能整備等についてもご負担をいただき、またサブグラウンドを整備されたり、あるいは交通対策等についてお力添えをいただいたり、県、市一体となって取り組んできた経過もあるわけでありますので、そこはやはり諫早市さんとしてどんなふうにお考えなのか、そういった点についてもお考えをお聞かせいただきながら進めていく必要があるのではなかろうかと考えております。
○記者(NCC) ありがとうございます。
○広報課長 それでは、各社の皆さんからどうぞ。
○記者(NHK) 先ほどの読売新聞さんの宮内議員の施設に対する監査なのですけれども、宮内議員の持っている施設の職員の方とか、元職員の方の中には、県の監査がちゃんとやってくれるのだろうかと、県議会議長を2度も務めて大変大物の議員がその施設の理事長をやっていらっしゃるので、本当にちゃんと県がやってくれるのだろうかという不安の声も聞かれていますが、改めて、県の監査を厳正にやられるとは思うのですけれども、そちらの決意みたいなものをお聞かせ願えませんでしょうか。
○知事 国から受託した事務を進めさせていただいているわけでありますので、法律に則って適正な運営がなされているかどうかというのはしっかり監査をさせていただいているところであると理解をしております。
○記者(NHK) ありがとうございました。
○広報課長 ほかにございませんか。
○記者(共同通信社) 今日、カズオ・イシグロさんが名誉県民に選ばれたのですけれども、具体的に贈呈の方法、どういうものを検討しているかということについてと、あと来県の見通し、以前の会見だと、厳しいのではないかというお話だったのですけれども、そこから何か変化はありますか。
○知事 今、イシグロ様は執筆活動を進めておられて、なかなかご来県いただく機会をいただくというのが難しい状況にあるというようなお話をお聞きしているところであります。したがって、どういった形で名誉県民としての顕彰をさせていただけるのか、これから検討してみなければいけないと考えております。
○記者(共同通信社) その以後というと、贈呈の方法じゃなしに、やっぱり来県は常に働きかけていくような考えでいらっしゃいますか。
○知事 そうですね。本当に大切にふるさと長崎のことを思っていただいておりますので、ぜひ今後来県の機会をいただければと思っております。ただ、そのタイミングと顕彰の機会というのが大幅にずれていいのかというと、なかなか好ましい形でもないだろうと思いますので、どういった形で接点が設けられるのか、これから検討していかなければいけないと思っております。
○広報課長 ほかにございますか。
○記者(NHK) 昨日、佐世保市の相浦、陸上自衛隊の方に水陸機動団という離島に特化した部隊が新設されたと聞きましたが、それについて知事の所感を聞かせてもらえますか。
○知事 長崎県は一番国境離島が多い県でありますし、やっぱり離島の防衛というのは重要な観点であると思っております。そういった意味で、離島県長崎にそういった水陸機動団といった国家防衛の組織が設けられるということは、大変心強いものだと受け止めております。
○記者(NHK) 一方、災害とかの面ではいかがでしょうか。
○知事 いつも防災訓練の時にもご参加いただいておりますし、特に、長崎県はこれまで大規模自然災害の経験をして、その都度、自衛隊の皆様方には本当にありがたいご支援をいただいてきているわけでありますので、離島地域を含めて、機動力の高いそういった部隊が身近に存在するということは、いざという時には本当に頼りがいのある存在になってくるのではなかろうかと思っております。
○記者(NHK) あともう一点、西海市の米軍のLCACの問題についてなんですけれども、去年、今年に入ってからも、西海市が望まない形で夜間航行が繰り返されています。また、4月と5月にもやるというふうに米軍の方から通知があったというふうにありますが、西海市が望まない中で夜間航行が繰り返されるということについて、知事自体、どのようにお考えでしょうか。
○知事 これは協定書の中に、九州防衛局との間で調整するといった趣旨の内容が盛り込まれているわけでありまして、西海市の皆さん方は、良好な関係のもと、これを受け入れてこられたわけであります。したがって、そういった信頼関係は大切にしていただきたいと、こう思っておりますので、一刻も早く調整が進められて、双方の理解が得られるようになることを期待しておりますし、また県としても、そういう趣旨で防衛省に対しても申し入れ等を行ってきたところであります。
○記者(NHK) 信頼関係というのは、西海市とアメリカ軍という意味ですか、それとも西海市と九州防衛局という意味。
○知事 3者それぞれの関係だろうと理解をしております。
○記者(NHK) すみません、最後に、米軍基地を抱える都道府県で渉外知事会というものがあると思いますが、例えば、そこの話題、議題として、西海のLCACの夜間航行のことを挙げて、渉外知事会として、例えば、防衛省だったり、米軍に対して申し入れを行うとかというお考えというのは、知事の中ではいかがですか。
○知事 さあ、そこまで。未解決のままずっと時間が経過するということであれば、そういった手法もあるいは考える必要があるのかもしれませんけれども、もっと早期の解決を目指して関係機関に努力していただければと思っております。
○記者(長崎新聞社) IR関係でお伺いしたいのですが、IRは、推進室を格上げされて、IR推進室が独立して、さらに誘致に向けて力を入れる事案だと思うのですけれども、昨日か、自民と公明党が、週に3回、月10回とか、IRというか、カジノの利用できるところを合意されたりしていまして、その辺については、ギャンブル依存症対策の議論がいろいろある中で、知事としては、妥当と受け止めていらっしゃるのか、その辺、どういう所見を持っていらっしゃるのか、伺えればと思います。
○知事 IRというのは、さまざまな規制のあり方というのは、やっぱりそれぞれの国の特性のもと、考えられるのだろうと思います。最も日本国民の皆様方が懸念されておりますのは、ギャンブル依存症の問題であろうかと思いますので、そういった意味では、一定の回数制限等を設けられるということは考えられ得る話であろうと理解をしてきましたけれども、むしろ、私どもが強く期待していきたいと思っておりますのは、国内客もそうなのでしょうけれども、インバウンド客、そういったお客様をいかに数多く迎え入れることができるかというところが非常に大切な視点になってくるものと思っておりますので、今、検討が重ねられておりますのは、それはそれで私は理解できるところではなかろうかと思っております。
○記者(長崎新聞社) あと一点なのですが、IR実施法案の中身の中で、やっぱりMICE施設をセットでつくるべきだということは、国の方針としては固いように受け止めているのですけれども、そうなってきた時は、佐世保市のハウステンボスのどこか近くに、中なのか、そばなのかわからないですけど、MICE施設をつくることになるかもしれないと思うのですね、認定された場合に。その時は、県としては、何かそれは、その施設に対して助成をするとか、そういうお考えはあるのですか。
○知事 それはあり得ない話だと思います。というのは、IR施設として認定を受ける必須要件として、MICEは我が国を代表するような、国際競争力の高いものを設けなさいと、必須要件に今までは位置づけられてきているわけであります。それは、やはりIR事業に取り組む事業主体、いわゆる民間の方々がすべて出資、経営をなさるわけでありますので、行政はそれを認定する立場だったかな、承認する立場だったかな。
○IR推進室長 選定する立場です。
○知事 選定する立場ですので、一切そこに対して助成措置を講ずるなんてことはあり得ない話であります。したがって、全く民間の判断によって、規模であるとか、そういった機能であるとか、そういったものが、いかにIR全体としての集客力に機能を果たすことができるか、そういう観点で判断がなされるものと理解をしております。
○記者(長崎新聞社) そうなってきますと、ハウステンボスとかが、実際つくるというか、中心になってIR施設をつくるという。
○知事 IR区域の中に設けられるという形に。
○記者(長崎新聞社) MICEをですよね。
○知事 はい。
○記者(長崎新聞社) それは、そうなるかもしれないことは、ハウステンボスは了解しているという理解でいいですね。
○知事 もちろん、前提として受け止めていただいているものと思っております。
○記者(長崎新聞社) そうなった時にちょっと想像されるのが、田上市長が長崎市にMICEをつくろうとしている件と、佐世保市にMICEができる件というのが2つあって、そうなってきた時に、それほど学会とか大きな会議とかが、長崎に来れば一番いいことだと思いますが、結構分散というか、ニーズが割れるというか、そういうことも考えられるのかなと思うのですけど、その辺、何かお考えがあれば伺いたいのですが。
○知事 先ほど申し上げたように、いろんなIRの構想を策定される際に、国の要件としては、先ほど申し上げたような、要は、我が国を代表するような機能を備えたものを必須要件として整備していきなさいという話でありますので、そこに対して、実は行政が制約を加えるというようなことはあり得ない話だろうと思います。 したがって、そういった中で、少しタイミングが同時で進んでいくのか、ずれていくのかよくわかりませんけれども、そうした動きがあるということは、十分、お互いに念頭に入れておいていただく必要があるのではなかろうかと思っております。
○広報課長 それでは、時間もまいりましたので、これで終了させていただきます。
○知事 どうもありがとうございました。