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令和3年2月16日 記者会見

 ●会見内容●

1. 令和2年度2月補正予算(経済対策)(案)と令和3年度当初予算(案)について

1. 令和2年度2月補正予算(経済対策)(案)と令和3年度当初予算(案)について

○知事 配布しております「令和3年度当初予算(案)のポイント」に沿って当初予算、補正予算の概要等について発表をさせていただきます。
 まず1ページをご覧いただきたいと思います。ご承知のとおり、令和3年度は「長崎県総合計画チェンジ&チャレンジ2025」の初年度となってまいります。これを受け、3つの柱の下、予算を編成いたしました。1つは「新型コロナウイルス感染症の予防・拡大防止対策」、2つ目は「社会経済活動の回復・拡大対策」、3つ目は「人口減少等の社会的課題の克服を目指し、デジタル改革やSociety5.0を強力に推進していきたい」との思いを込めて編成したところであり、下に書いておりますように令和2年度国の補正予算措置が講じられ、その補正予算と一体的な編成を行うことによって切れ目のない施策を推進していくこととしているところであります。一般会計予算総額は7,486億円。7,500億円台の大規模予算は17年ぶりということになってまいります。
2ページをご覧いただきたいと思います。2月補正予算につきましては、経済対策を含め600億5,000万の規模であります。これは防災・減災対策を含め公共事業費等が500億円、新型コロナワクチン接種体制確保等の関係予算も補正予算で対応しております。こういった国の施策と連動した予算に加え、県独自の臨時交付金を活用した新型コロナ緊急対策に要する経費として41億3,000万円を計上いたしております。当初予算と合算いたしますと8,086億8,100万円の予算規模ということになってまいりまして、令和2年度当初予算並びに令和元年度2月補正予算と比較し7.0%という大きな伸びを示しているところであります。
 3ページ目をご覧ください。2月補正予算の600億5,000万の主な内容でありますけれども、経済対策に係る公共事業費の追加が行われており、501億7,000万円。このうち、主な部分として「防災・減災、国土強靭化のための5カ年加速化対策」ということで、415億円前後の関係予算が含まれているところであります。
 4ページをご覧いただきたいと思います。補正予算で対応いたします新型コロナウイルス感染拡大防止対策であります。ワクチン接種体制の確保のために7,900万円。これは国の具体的なスケジュールが固まらないということで、市町から一刻も早く明らかにしてほしいというご要請をいただいているところでありますが、県民の皆様方に順調にワクチン接種を受けていただくことができるように万全の体制で臨んでまいりたいと考えております。
 それから、その下にも新たな取組として1億3,500万円の予算計上しておりますが、発熱患者の皆様への対応、事業者の皆様方が独自にPCR検査等を行いたいというようなご希望等もお持ちであり、そのような相談に対応していただけるような体制を保険薬局等に開設していただくということにし、所要の経費を計上しているところであります。
 続いて6ページをご覧いただきたいと思います。緊急対策として不要不急の外出自粛、県境を超える往来自粛、飲食店等に対する時短要請などをしたところでありますが、様々な分野に影響が生じているという状況にあります。支援についてのご要請等も、たび重ねていただいてきたところでありますが、この飲食店等についてはご承知のとおり「協力金」という形で然るべき支援対策も講じたところでありますが、その他の事業者の方々、具体的には飲食店と直接・間接の取引があり、大きな影響を被られた事業者の方々、不要不急の外出自粛をお願いしたことに伴いまして、経済的な大きな影響をお受けになられた方々、長崎市に対しては、飲食店に加えまして運動施設、映画館、遊戯施設等についても、時間短縮の要請をさせていただいたところでありますが、そうしたご要請に応じていただいた企業の皆様方を含めて50%以上売上高が減少している事業者の皆様方に対して1事業者当たり20万円の給付金を支給させていただくということにいたしました。これは県と市町の共同で支援を行うものであり、申請受付は各市町に事務手続きを担っていただくということにいたしております。
 それから、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、様々な分野の産業が影響を被っているところであり、そのうち製造業については7ページをご覧いただきたいと思います。特に本県の成長分野として大きく育てていきたいと考えております、半導体、ロボット(産業用機械)、造船・プラント、航空機、医療関係、こういった分野で設備投資等を計画していただいている各企業の皆様方の新たな取組について支援措置を講ずることといたしております。1つは小規模な研究開発、設備投資等に対する支援措置で、上限100万円として1億円の予算枠を確保いたしました。また大規模投資、県外から需要を持ってきていただいて、県内企業へ波及をさせていただくという目標のもと1億円を上限として5億円の支援枠を設けたところであります。併せてその下に記載しておりますがサービス産業も新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受けているところから、経営の多角化、業種転換等への取組に対して、支援措置を講じることといたしております。
 8ページをご覧ください。観光関連業界の支援策といたしまして、県独自の誘客キャンペーンを展開するために、この補正予算で4億円、当初予算で5億円の支援措置を予定いたしております。いずれもGo Toトラベルキャンペーンと重複しないような形で支援策を発動し、より多くの皆様方をお迎えできるように工夫してまいりたいと考えております。その下は県産品のネット販売の拡大のための支援措置5,800万円を計上いたしております。
 9ページをご覧ください。特にコロナの影響を受けて水産物の流通が思わしくないという状況に直面しているところであり、特に最近は天然魚の荷動きが悪化しているという状況にあります。したがって、量販店等において販売促進キャンペーンを展開することとし、1億円の支援措置を講じていきたいと考えております。併せて、大変厳しい状況であります公共交通事業者に対する緊急支援措置として8億8,800万円。これは航路、バス路線等の事業者に対する緊急的な支援措置を講じていきたいと考えております。
 次に、当初予算の状況についてお話をさせていただきます。10ページ以降、資料を添付させていただいておりますが、まず11ページをご覧いただきたいと思います。県税等の収入の状況でありますが、ご承知のとおり、新型コロナウイルス感染症の影響により、大変深刻な影響を受けているところであり、県税で約90億円の減収、地方譲与税関係で同じく90億円の減収、総額180億円の減収を来すということになっております。これに対して12ページをご覧いただきたいと思います。財源調整機能、財源保管機能ということで地方交付税、臨時財政対策債が準備されているところであり、増加額190億円前後を見込んでいるところであり、減収分がこれによって補填されるという形になっております。なお11ページ左下に記載しておりますが、令和2年度においても相当規模の減収を来しているところでありますが、この減収分については減収補填債という特別の県債を発効して対応することといたしているところであります。
 それから、歳出の概要でございますが、13ページをご覧いただきたいと思います。令和3年度の当初予算については、対前年度比226億の増、3.1%増の伸びとなっておりますが、その増加要因の最たるものは新型コロナウイルス感染症対策であり、406億円の関係予算を計上いたしております。その他に県立大学のセキュリティ産学共同研究センターの整備において新たな建設事業に着手してまいりまして10億円の増、選挙関係経費が16億円の増、緊急浚渫推進事業・緊急自然災害防止対策事業は近年、大規模な災害が頻発する傾向にあり、未然に災害発生を防止するために起債措置を活用しながら河川の浚渫作業等に精力的に取り組んでいく必要があると考え、この有利な県債を活用して事業費を大幅に増やしているところであります。こういった内容が大きな増減要因となっているところであります。
 15ページをご覧ください。令和3年度の公共事業費のご紹介をしておりますが、いわゆる防災・減債対策が令和2年度は当初予算に計上されておりましたけれども、令和3年度は2月補正予算に国の予算が計上されております。そういったこともあり、当初予算の公共事業費は大幅に減少し、15.8%の減となっておりますが、補正予算を加えて比較いたしますと、一番下にございますように、令和2年度の補正予算を含めたところの額が1,290億円に対して、1,390億円ということで7.8%と大幅に伸びているところであります。県民の皆様方の安全・安心確保対策の充実に力を注いでまいりたいと考えております。
16ページは基金の取り崩し状況であります。先ほど申し上げましたように大幅な減収が交付税、臨時財政対策債等で措置されましたことから、財源調整のための基金の取り崩しは令和2年度とほぼ同一水準となっているところであります。なお、県債の状況については浚渫事業あるいは自然災害防止事業に積極的に取り組むということとしたことなどの影響もあり、県債の残高は前年から増加しているという状況であります。
続いて、令和3年度の主な予算の内容について若干触れさせていただきます。まず18ページに感染症の予防・拡大防止対策をご紹介しておりますが、相談体制の確保、検査体制の充実・強化、ワクチン接種体制の整備、医療機関や施設における感染予防・拡大防止対策、医療提供体制の確保は令和2年度に引き続き必要な額を積極的に計上したところであります。具体的な説明は省略をさせていただきます。
その他の新たな取組であります。22ページをご覧いただきたいと思います。県民生活の安全・安心確保対策といたしまして、小規模の予算ですが新規事業を幾つかご紹介をさせていただいております。がんの妊孕(にんよう)性温存療法に要する支援措置、骨髄等移植ドナーに対する支援制度の創設、歯・口腔機能の維持増進対策、若年層や女性の消防団加入促進対策。予算規模は小さいながらも、これまでになかったような新たな事業にも取り組みを進めていくことにいたしております。
それから、ポストコロナを見据えた環境整備のための対策であります。24ページをご覧いただきたいと思います。デジタルトランスフォーメーション(DX)への積極的な対応を進めていく必要があると考えており、まずリーダーの方々の意識醸成を含め、積極的なお取り組みを促進していくために必要なセミナーの開催、相談窓口の設置、アドバイザーの派遣等の支援措置を講ずることとして9,100万円の予算。製造業におけるDX促進対策として2億3,000万円、サービス産業のDX促進対策として2億2,700万円、DX促進のための高度専門人材の育成のために3,000万円という関係予算を計上させていただきました。
 次の25ページであります。成長産業など新たな産業構造への転換に向けた施策といたしまして、幾つか新規事業を計上しておりますが、AI・IoT・ロボット等の先端情報関連産業の強化支援策として1億1,900万円。これは県内にも、この情報関連産業がありますけれども、より一層企業ニーズに対応でき、具体的な提案力を強化していく必要があると考えており、誘致企業の皆様方のご支援をいただきながら各企業の課題に応じた具体的な提案・実証を進めるための支援措置等を講じることといたしております。成長ものづくり産業のサプライチェーンの支援強化2億8,100万円、そしてCO-DEJIMAの機能拡充によるスタートアップ支援機能強化ということで2,100万円の関係予算を計上しております。
 次に、事業承継支援であります。コロナ感染症で非常に深刻な経済状況等を受け、廃業の増加等も懸念されるところであり、積極的な事業承継、新事業の展開、新分野進出等を支援していく必要があるものと考えており、新たな支援策を講じることといたしております。併せてスマート農業、スマート水産業の推進に必要な支援策等も関係予算を計上させていただいているところであります。
 27ページをご覧いただきたいと思います。教育分野の情報化の推進に要する経費として1人1台パソコンの導入を進めることに要する経費に1億400万円、そして、その下には交流人口の拡大を目指してアウトドアスポーツツーリズムの推進に要する経費400万円。世界遺産の構成資産等を歩いて巡るルートの開発を進める経費として2,500万円を計上しておりますが、これはまた担当部局の方から来週にでも具体的な形でご説明をさせていただきたいと思いますのでよろしくお願いをいたします。
 30ページをご覧いただきたいと思います。県産農水産物の流通促進・販売拡大対策であります。コロナの影響を受け、特に高品質の農水産物の価格下落というのが非常に深刻な状況にございます。ブランドみかんや高級魚でありますアカムツといった農水産物に対して幅広く認知度の向上を図っていきますとともに、県内消費者の方々のニーズ把握等も進めていく必要があるものと考えており、量販店等における販売実証等を支援してまいりたいと考えているところであります。
 31ページは、公共交通機関の感染防止対策のさらなる強化のため、新たな追加対策等も講じることといたしております。
 最後に38ページをご覧いただきたいと思います。Society5.0の推進のために幾つか関係事業所をご紹介させていただいておりますが、このSociety5.0を推進する上で、一番重要な基盤になる部分といたしまして、ビッグデータを民間の研究者、事業者の方々にも活用をいただけるような形で情報基盤を整備する必要があるというご指摘等もいただきまして、この利活用に必要なデータ連携基盤の構築を進め、人材育成等に積極的に取り組んでまいりたいと考えており、そのための経費6,600万円を新たに計上させていただいているところであります。
 非常に雑駁(ざっぱく)な説明で恐縮でありますが、以上、令和2年度2月補正予算並びに令和3年度当初予算の概要の説明とさせていただきたいと思います。あとはどうぞ、よろしくお願いいたします。

○広報課長 それでは、まず幹事社からご質問をお願いいたします。

○記者(NBC) 説明ありがとうございました。今回17年ぶりの大規模な予算ということですけれども、大きな柱となるのは、やはり新型コロナウイルス対策でしょうか。もう一度、知事のお言葉をお聞かせいただければと思います。

○知事 そうですね、私も長く予算に近いところで仕事をしてきましたけれども、これまでこういった予算を編成したのは初めてであります。まさにコロナ感染症と向き合い、これを乗り越えていくための予算を、こういう形で具体化させていただいたと考えているところであります。

○記者(NBC) この新型コロナ対策の他に、今回のこの予算規模を象徴する、県としての事業などあればお話いただけないでしょうか。

○知事 コロナ感染拡大防止対策に併せて、ウィズコロナ、アフターコロナを見据える中で、県の産業をどういう形で構築していくのか、日本全体の課題ともなっておりますけれども、国民・県民の安全・安心確保対策が極めて重要な課題となっているところであり、国の防災・減災対策事業を活用しながら、県民生活の基盤として安全・安心な環境を整備していくというのは、重要な使命であろうと考えて、その対応に全力を注いでいかなければいけないと考えたところであります。

○記者(NBC) 今、ご説明いただいたとおり防災・減災なども含めた、県民の生活を守るために非常に重要な今回の予算ということですけれども、県としてはそうした中でも、財政面はまだ厳しい状況にあると思います。今後のコロナの感染状況も、まだまだ見通しは立たない中で、大きな予算規模になりますが、来年度1年間を通して何か懸念することなどがあればお話いただけないでしょうか。

○知事 財政状況は、従前からご説明申し上げておりますように、非常に厳しい状況であるわけでございまして、そういった中で可能な限りの感染拡大防止、そしてアフターコロナ等も見据えながら、社会経済活動の拡大支援対策を講じたところでありますが、財政的な余力がなくなってきているという状況は、もう目の前に来ているわけであり、そういった中でコロナ感染症を何としても早期に克服していく必要があるものと考えております。まだまだ第3波に続いて4波が来るのではないかといった話もありますけれども、一刻も早く終息が期待できるような環境になることを望んでいるところであります。

○記者(NBC) ありがとうございました。私からは最後になりますが、6ページ目の事業者への給付金についてですが、改めてまだ調整中ということでしたけれども、今後の開始時期など見通しが立っているものがあれば教えてください。また、今回支給要件の記載がありますが、対象にした背景などをお教えていただけないでしょうか。

○知事 営業時間短縮要請をさせていただき、県民の皆様方にも不要不急の外出をできるだけ自粛していただくようお願いをさせていただいた結果、飲食店はもとより、その他の時間短縮要請をさせていただいた事業者の皆様方や、様々な小売店等を含めてサービス産業の分野にも非常に大きな影響が生じており、飲食店等に対する協力金支給に留まらず、色々な分野に目を配って欲しいというご要請をたび重ねていただいてきたところであります。国でも緊急事態宣言対象地域の影響を受ける事業者に対する一定の支援措置が予定されているところでありますので、県としても各市町と相談をさせていただき、力を合わせて深刻な影響を受けておられる事業者の皆様方を一緒になって支援していこうということで、こういった措置を講じてきたところであります。各市町も具体的な支援条件などを整理されているような状況であり、県はここに記載しておりますように、前年度と比較して50%以上売上高が減少してきたような事業者の皆様方を中心に支援措置を講じていきたいと考えております。各市町においてはさらに幅広い支援策も検討していただいているという状況でありますので、いま少し、各市町の独自の支援策の検討にも時間が必要になってくるのではなかろうかと考えているところでありますが、できるだけ早く安心していただいて、次なる営業活動に着手していただけるように努力していきたいと思います。

○記者(NBC) 私からは以上です。ありがとうございました。

○記者(毎日新聞社) 2点お伺いいたします。県の財政状況について、財政的な余力がなくなる状況は目の前にあるとおっしゃられました。改めて、県内の財政状況を踏まえて中長期的にどのように見直していきたいのかお考えがありましたら教えてください。

○知事 コロナ感染症の影響によって県税収入は、大幅な影響を受けるということが想定されておりましたので、令和3年度の予算編成はどうなるのだろうかと危機感を持っておりましたが、一定、地方財政対策を講じていただく中で、交付税あるいは臨時財政対策債という形で所要の措置を講じていただいたということで、当初予算は一定、編成をすることができました。ただ、問題はコロナの今後の動向が読めないという状況であります。先ほど、資料としてご覧いただきましたけれども、臨時交付金なども残しておりますのが15億円ほどしかありません。さらに第4波あるいは、その後の感染拡大が見られるということになってまいりますと、独自の予算・基金を取り崩して対応せざるを得ないという状況でありますので、何としても早期終息を目指していかなければいけない。そのためにも引き続き県民の皆様方には、感染拡大防止のためにご協力をいただいていく必要があるのではなかろうかと考えているところであります。

○記者(毎日新聞社) もう1点お伺いいたします。他県の予算を見ておりますと、税収が減った分は、歳出をなるべく減らすという措置もあったと聞いております。長崎県の場合は、今回は攻めの予算と捉えてよろしいのでしょうか。

○知事 コロナ感染症は様々な分野に影響が及んでいるところであり、地域に雇用を維持する上でも、経済活動というのは一刻も早く回復させていかなければいけない課題であると考えております。今回、可能な限りの産業活性化、雇用の拡大対策を当初予算から計上していこうという方針で編成をいたしました。新型コロナの中で、色々な制約を受ける場面があるかもしれませんけれども、そういった分野については直接、対面方式からリモート方式へ変える等、色々な工夫をしながら所要の事業を組み立てておりますので、できるだけスムーズな推進を図り、一刻も早く経済活動が通常の状況に戻るよう、そういった思いで当初予算を編成しておりますので、これはまさに積極的に必要な予算を計上させていただいた当初予算であると考えているところです。国の財源支援措置が準備されて、こういった予算編成が可能になったものと受け止めております。

○広報課長 それでは、各社の皆様からご質問をいただきたいと思います。

○記者(日本経済新聞社) 産業活性化関連と人口減対策について、それぞれ2問ずつお伺いします。まず産業活性化関連についてです。長崎では色々と暗いニュースがある一方で、今季の連結計上利益も1兆円を超えるようなソニーが長崎で設備を増強しています。このソニーの新しい工場は、県民の方に知られていない部分が多いので、県で把握してる内容について、報道できる範囲で構いませんので教えていただければと思います。
 2点目は、長崎県はこれまで造船産業が支えてきてたというイメージがありますけども、先般、佐世保重工業の新造船事業休止に象徴されるように、かなり厳しい状況にあります。県としてはこの資料にもあるように基幹産業の構造転換にもかなり取り組んできています。これまで県として、どういった成果があり、今度どのように考えているのか教えてください。

○知事 まずソニーのその後の動きであります。世界シェアナンバーワンでありますCMOSセンサーは、非常にきれいな動画、鮮やかな写真の撮影が可能になるような付加価値の高い機能を備えたセンサーでありますけれども、その世界最先端を走る工場が諫早市にあり、新たな設備投資がなされているところであります。諫早の工場においては1,000億円程度の投資、1,000人規模の新たな雇用が創出される予定であると伺っているところであります。こういった取り組みが進んでいくということになりますと、高度技術を要する産業でありますので、人材の集積、技術的・経済的にも非常に高い波及効果が期待できるものと考えているところであります。現状を見ますと、新型コロナウイルスの感染によって様々な影響が生じている面があろうかと思いますけれども、こういった様々な機器を活用して、世界でまた動きが活発化するということになると、より需要は拡大していくわけであり、半導体関連産業の一層の発展も期待できるのではなかろうかと考えているところであります。新たな工場の規模、その広さなどについては公表されていませんが、相当大規模なものになってくるものと期待いたしているところであり、工場の稼働については予定どおり4月の予定であるとお聞きしているところであります。
 それから、県内産業の構造改革に向けた動きであります。お触れいただきましたように、県内はこれまで造船関連産業が基幹産業という状況でありましたけれども、造船関連産業は、近年非常に厳しい状況であります。そういった中、これまでの人的な蓄積、技術の集積等を生かしながら、新たな成長分野として育てていきたいと考えておりました分野で、海洋エネルギー関連、航空機関連、AI・IoT・ロボット関連、前々から大きく育ててきておりました半導体関連、そういった分野がしっかりと県内経済を支えることができるような産業として育てていく必要があるものと考えて必要な施策を講じてきたところであります。そのうち幾つか申し上げますと、例えば航空機関連産業では県内の地場企業の新たな参入等が進んでいるところであり、参入の際の参加要件となります高度の技術認証取得企業は県内で既に8社となっており、九州では一番多い県となっているところであります。また、昨年の11月には三菱重工航空エンジンの長崎工場が予定どおり竣工し稼働を始めたところであり、その流れの中で地場企業との連携を進めていただき、県内の産業が力を合わせてサプライチェーンの構築を目指していくという取組を進めていただいており、こういった動きをさらに加速化させていかなければいけないと考えているところであります。半導体関連については、先ほど申し上げましたように、規模拡大、人材確保などを求めておられる企業様もいらっしゃるわけであります。したがって、その他の分野を含めて、こういった新たな成長分野の産業が県内に定着し、大きなサプライチェーンとして新たな商取引を拡大していただけるよう必要な支援策をしっかりと講じていきたいと考えているところであります。

○記者(日本経済新聞社) 人口減少関連でお伺いします。ジャパネットのスタジアムシティ構想が少しずつ明らかになってきています。コロナ禍で大都市から地方へという人の流れが、かなり出てきていますが、その一方で都市間競争もかなり厳しくなってくることが予想されます。その際、若者やファミリー層にとってエンターテイメントの要素は、かなり大事なものになってくると予想されますが、県内の若者定着につなげるため、人口減少を抑制するため、こうした動きと連携を深めていくというお考えはあるのでしょうか。
 もう1点。長崎県は、ソニーやジャパネット、その他にも新幹線やIT企業の誘致の成功等、他地域にはなかなか見られないような好条件がそろっていると思うのですけれども、こうした好条件がそろっているにもかかわらず、なかなか人口減少に歯止めがかからない要因はどの辺にあると認識されてるでしょうか。この2点お願いします。

○知事 まず1点目のジャパネットのスタジアムシティプロジェクトではご承知のようにサッカー専用スタジアムに留まらず、新たなホテルやオフィス、商業施設等の複合的な施設を整備される予定であり、新たにアリーナが整備され、Bリーグへの取組も計画をしていただいているということです。このアリーナでは様々なエンターテイメントなども計画をしていただけるものと考えているところであり、そういう意味では若い方々、ファミリー層にとっても非常に魅力ある施設になっていくのではなかろうかと考えているところであります。良質な雇用の場の確保、さらなる交流人口の拡大、何よりも長崎のまちの魅力そのものが大きく向上していくきっかけになるものと考えているところであり、そういった意味では、私どもも市内に様々なプロジェクトを推進中でありますけれども、こういったプロジェクトと連携を図りながら、より一層、まちの魅力が高まるように努力していかなければいけないと考えているところであります。これまでも、こういったプロジェクトの推進に当たってはジャパネットホールディングスの皆様方と一緒に推進会議を開催する形でありますとか、民間の経済界の皆様方、県だけではなくて市もご参画いただく中で、意見交換会を開催しております。今後はさらにより具体的なプロジェクトの推進に移ってまいりますので、県市各部局のメンバーも加わる形で、この推進会議なるもの、地方創生推進会議という名称になるのかどうかわかりませんけれども、様々な議題について支援・連携をさせていただくような場を立ち上げていきたいと考えているところであります。力を合わせて長崎の魅力化、交流人口の拡大に具体的な成果が得られるよう努力していきたいと考えております。
 それから、様々なプロジェクトが進む中、悪い条件ばかりではなく、幾つかの新しい取組なども見られているわけでありますけれども、具体的な情報が県民・市民の方々に十分届いてないのかもしれないという思いは、兼ねてより感じていたところであります。大きなプロジェクトが進められ、まちの佇まいが変わり、産業の動きが見られるという大きな動きに目を向けていただいて、長崎の近未来像について期待を持ってご覧いただけるような機会を増やしていく必要があるのではないかと考えているところでありますが、県民・市民の皆様方と直接お話をする場においては、そういったことなどもお話をさせていただく機会もあったのですが、コロナ禍の中、そういった機会をいただきにくい環境になっております。これまでは「NAGASAKI Revolution 4.0」といった冊子なども配布させていただいたところでありますが、なかなかご覧いただく機会も少ないのではないかという反省も含め、新しく動画を作成いたしました。若い方々にもこういった動きを知っていただきたいと考え、今日から配信をさせていただいております。またそうした取組についてご紹介をさせていただきながら、若い方々の県内定着についても一層、理解がいただけるように努力していかなければいけないと考えているところであります。

○記者(日本経済新聞社) 今のお答えの中で1点だけ確認をさせてください。ジャパネットの質問のお答えで「推進会議」というワードが出てきましたが、これはジャパネットのスタジアムシティに関して、官民連携した推進会議を設立するということでよろしいでしょうか。

○知事 県とジャパネットさんとの協議の場について、プロジェクト全体を都市政策の面や、観光振興等の面で連携しながらお互いの事業を計画的に進めていくという意味でのプロジェクト推進会議は、平田副知事を県のトップとし、県の幹部で構成した会議を開催させていただいております。それから2つ目の意見交換会は特別の会議の名称は伺っていないところでありますけれども、地元経済界の有志の方々、県市の関係部課長等が参画する形で、スタジアムシティプロジェクトと、官民のまちづくりとの連携による賑わい創出などを目標にして意見交換を行う場として設けられているものであります。そして3点目の推進会議と申し上げましたのは、これから立ち上げる予定でありますけれども、県の関係部課長、市の関係部課長、ジャパネット様による、誘客拡大に向けた取組等、様々な課題について連絡・調整・連携を図らせていただくための会議も立ち上げていきたいと考えているところであります。

○記者(日本経済新聞社) わかりました。ありがとうございます。

○広報課長 他にございませんでしょうか。

○記者(朝日新聞社) 予算の関係の話の中で、このような予算を編成したのは初めてと先ほどおっしゃいましたが、「初めて」というのは、県庁職員時代を含めて「初めて」ということで理解してもよろしいでしょうか。

○知事 40数年間仕事させていただいておりますがこのような予算を編成したのは初めてです。

○記者(朝日新聞社) こういった予算が初めてというのは、どういった予算のどういうところが、どう初めてかというのをお教えいただけますか。

○知事 新型コロナウイルス感染症に、ここまでの関係予算を投入していく、そしてそれに関連して、様々な施策を構築していく。まさに新型コロナに向き合いながら、必要な施策を組立てていく。これが予算の大勢を占めるというような予算になっているのは過去、例がなかったような予算であります。

○記者(朝日新聞社) 金額の規模であり、事業の数が新型コロナ感染症に関連してということが初めてだということでしょうか。

○知事 そうです。これは恐らく全国、各県ともそうではなかろうかと思います。

○記者(朝日新聞社) もう1点。国の地方交付税などの措置によって助かったということで理解してるのですけども、自主財源比率は36%ということで、直近の平成30年度の決算ベースでも全国で42番目ぐらいだったと思います。それがなかなか上がっていかないことに対してどう受け止められているかお聞かせいただけないでしょうか。ある程度仕方ない面があるのか、対策が必要なのか、必要だとしたら、どういうところに手をつけられるのかという点をお聞かせ願えないでしょうか。

○知事 自主財源比率が低い最大の要因は、県税の構成割合が低いということに尽きると思います。これまで長崎県は造船関連産業が基幹産業として非常に重要な役割を担ってきたところでありますが、ご承知のとおり、長崎造船所、佐世保の地域経済を担ってきた佐世保重工業といった大規模な造船分野に取り組む企業が、いずれも大変深刻な状況であり、新造船・商船事業などは、これを休止するというような形で人的な配置も大きく変わってきているところであります。したがって、先ほどからご指摘等いただいておりますように、こういった産業構造を一刻も早く変えて、しっかりと地域経済を支えるような産業を育て上げていかなければいけないということで、その可能性として海洋エネルギー関連産業、AI・IoT・ロボット関連産業、本県の特色を生かして航空機関連産業、そういった分野に特に注力をして新たな産業を根づかせていこうと考えているところでありますが、まだまだ造船関連の厳しい環境は続いていくという状況でありますので、新分野の産業をこれまで以上にしっかりと誘致し、立地を促進していくような施策を積極的に講じていく必要があるものと考えているところであります。

○記者(NCC) 2点お伺いします。まず定番ですけれども、今回の予算に知事が名前をつけるとしたら、どのような思いを込めた予算なのかをお伺いしたいです。

○知事 名前というのは何でしょうね。先ほど申し上げたように、コロナと向き合い、これを乗り越えていくための予算でしょうか。そこに主眼を置いた予算ではなかったかと思います。

○記者(NCC) ありがとうございます。あともう1点、今回、新たな総合計画の初年度ということで、様々な事業の着手を検討されていたとは思いますが、まずは喫緊の課題となっている新型コロナ対策や、経済対策に予算を割かなければいけないという都合があったと思います。その都合上、見直した事業や、今後補正で対応していきたい分野、何か削らなければいけなかった予算・事業というのがあったら教えてください。

○知事 環境をどう読むかということでもありますが、長崎県は古くから海外を含めて外からお客様をお迎えし、交流を重ねる中で発展してきたまちであり、これからも恐らくそういうまちであり続けていくことが本県の発展戦略の1つではなかろうかと思いますけれども、客観的な状況を見ますときに、コロナ感染症が一定終息は、世界規模での動きになってまいりますので、そういった環境の実現には、少し時間がかかるんではなかろうかと思います。例えばコロナ拡大の前には、新しい海外との定期航空路線の開発、クルーズ船の受け入れ体制の整備といった交流人口の拡大を地域の活性化に結びつけていくような対策に、しっかりとこう力を注いでいきたいと思っておりましたけれども、そのような予算が組めないような状況であるというのは非常に残念だと思っております。
 あとは地方創生に向けて地域づくりを、どういう形で進めていくのかというのも大きな課題になってくるわけでありますけれども、それぞれの地域の特色を生かしながら、まちづくりに取り組み、地域間交流について、外からお客様をお迎えするような戦略を練っていきたいと考えてきたところでありますけれども、これも環境が整わないと、アクセルを踏み込むわけにはいかないという状況にあるわけでありますので、そういった面では少し長崎県としては不満が残るような予算ではなかったかなと感じております。

○記者(NCC) ありがとうございました。

○記者(長崎新聞社) 先ほど知事のお話の中で、今後、またさらに新型コロナウイルスの感染が拡大した場合に、独自の基金の取り崩すということをおっしゃられました。独自の基金というのは、財源調整の3基金のことであり、別の特別な目的で積み立てられている基金ではないということでよろしいでしょうか。

○知事 どういう財政需要が生じてくるか、どのような事態にどういった施策を講じるかということにもよるものと思いますけれども、まずは財源調整のための3基金は柔軟に活用していかなければいけないと思いますが、ある意味で、これは貯め基金であり、毎年の予算編成を進めていく上では、余裕はほとんどないというような状況であり、先の動きがまだまだ読めない中で申し上げることは難しいのですけれども、どういった事態が生じてくるのか、場合によっては別の基金を活用するようなことも考えられないことはないのかもしれない。これは臨時交付金の余りもほとんどないぐらいの予算を編成しておりますので、そういった意味では、今後の対応に向けて余力はほとんど残されてないというような状況であります。

○記者(長崎新聞社) わかりました、以上です。

○記者(朝日新聞社) 新幹線のことで1点だけお尋ねします。諫早〜肥前山口間の並行在来線の費用負担の割合が佐賀県との間で合意されました。この2対1という割合をめぐって、当初の松浦鉄道の基準からJRの基準になり、費用負担が6.6億円に増えた際の、知事の新たな合意が必要という発言が佐賀県側に反発を持って捉えられたようなことがありました。結果として同じ割合で合意に至ったということを、今、どう受け止めておられるかというのをお聞かせいただけないでしょうか。

○知事 この件の経緯についてはこれまでお話をさせていただいておりましたが、当初、維持管理経費は年間所要額2.3億円位であろうと想定し、長崎県2、佐賀県1という割合で負担しましょうということで、大まかな合意ができてきたわけであります。その後いざ間近になって具体的な形で法人が立ち上がるという段階になり、当初想定していなかった様々な経費が出てくるということが明らかになりました。単純に2.3億円が、時代が変わって人件費が上がる、諸経費が高騰する、所要の必要な経費がかかるというのは当然、従前と同じように2対1だろうと我々も理解しておりましたけれども、1つは、この2.3億円というのは第3セクターによる鉄道の運営を念頭にJR、長崎県、佐賀県が参加して試算した数字でした。ところが、蓋を開けてみますと上下分離ということで、JR九州による鉄道の運行がなされないといけない。そうするとその下の維持管理はJR基準によってしっかりとした保守管理をしなければいけないという定めにより相当の経費の増高が新たに出てきました。
 それともう1つ、JR九州は、九州全域のJR線と連絡運行をするために、24時間の監視体制を構築しておられるわけであります。この新たな運行対象となる路線も、この監視体制を構築しなければいけない。そのことによって、相当経費が膨らんできた。そういった2つの点については、これまで考えてなかった経費でしたので、改めて内容を精査し、どうするか協議をしなければいけない経費ですねということでお別れしていたわけです。そうしたら突然、佐賀県で、長崎県から従前の約束と違うような話が出てきたという発表がなされましたが、まだ話し合いの途上の問題であり、長崎県として結論出したような話ではありませんでしたので、そういう時点の話だと受け止めていたのでありますが、再度、その後の動きについて申し上げますと、具体的な経費の内容、必要な事業規模をヒアリングいたしまして、双方、確認をいたしました。その結果、そういった部分については必ずそうしなければいけない。それを継続しなければ運行できないということでありますので、内容を確認した上で、それは2対1の対象としましょうということで、佐賀県との間で協議・合意が得られました。
 あと、もう1つ協議していなかった事項で、新たな法人を立ち上げるわけでありますけれども、この法人の運営経費自体を、どういった割合で負担するのかという課題があっておりました。これについては令和4年秋の具体的な営業が始まるまでは、これまでになかった経費であるので、1対1で負担し、そして具体的な維持管理業務がスタートした後は、これも維持管理業務の一環として2対1で負担するということで合意が得られました。
 それともう1つは、税の負担があります。佐賀圏域の固定資産、長崎圏域の固定資産、あるいは都市計画税、法人事業税。こういったところをどういう形で負担するかということで2対1になると、佐賀県にお支払する佐賀県内の税金を長崎県が負担しなければいけないというようなことにもなってくるわけでありますので、そこは継続して協議するという状況になっております。
それから、その他にも、維持管理と言いながら、20数年間運営をするわけですから、相当規模の改修、設備更新といった投資的な経費が必要になってきます。これについては、改めて長崎県からもJR九州に対して、できるだけ運営コストを縮減するために協力をして欲しいというお願いをさせていただきました。当然ながら20数年間のうちに改修をしなければならない、例えばこ線橋の塗装の塗替えに要する経費といったものは前もってJR九州で取り組んでいただくということになり、今後、20数年間の運営期間に新たに大規模な投資が出てくる余地はあまり想定されにくい状況になっています。こういった諸々の要素を判断いたしまして、原則的に従前と同じように長崎2、佐賀1ということで、両県が協議・調整の上、合意をしたという経緯であります。

○記者(朝日新聞社) 当時発言された新たな合意が、今回の2対1という合意が新たな合意であったという認識でよろしいでしょうか。

○知事 新たに両県で協議の場を持って調整をした結果であるということでありますので、言葉使いはどうなのか分かりませんけども、こういう形で合意が得られたということではなかろうかと思います。

★発言内容については、わかりやすいように一部変更している部分があります。
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