先日、家人から少し口角をあげたほうがいいよ、と言われました。
合点がいかなかったのでどういうことかとたずねると、口が「へ」の字になっていて気難しそうにみえるからとのこと。
鏡をみるとたしかに口元は山なりで表情は険しく、気難しそうというより怖い印象でした。
これはいかんと思い、さっそく口角を上げるトレーニングを始めたのですが、なかなかうまくいきません。
唇の両脇を上げようとすると、わざとらしい笑顔になって自分でも気味が悪い。さらに繰り返しやっていると頬のあたりがこわばってきて断念してしまう始末。
要は表情筋を鍛えることが大切だというので、インターネットの情報をたよりに目元や口元などパーツを意識しながら顔のエクササイズを開始したのです。
少しは効果が現れ始めたのでしょうか、家人からは「少し若くなったかも・・・」なんて本当なのか冗談なのかわからないようなことを言われました。
でも、表情をつくる練習よりも本当は内面を磨くことのほうが大切なのかもしれません。想いは表情に出るといいますからね。
歴史上の人物の肖像画はおおむね風格を感じさせるものが多く、たとえば髭をたくわえたプティジャン神父やド・ロ神父の肖像もそれに違わず、毅然としていて幾分近寄りがたい印象があります。
しかし多くのキリシタンの信仰と暮らしを支え、彼らに生きる勇気を与えた神父たちの行動は慈愛に満ちあふれています。
そしてその精神は、教会を訪れたときに出会った方々の笑顔に受け継がれているような気がします。
悲痛な災害や事故が続く今だからこそ、内面からわき上がる自然な笑顔が求められるのかもしれません。
さぁ、今日も笑顔になーれ!
(文:ヒラモトヨシノリ、イラスト:ナカムラタエ)
長崎と天草地方のキリスト教関連歴文化遺産群ウェブサイト(おらしょ-こころ旅-)・おらしょ通信(vol-281)
より(毎週月曜日更新)
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