1月13日は「たばこの日」。1946年のこの日、高級たばこ「ピース」が発売されたことを記念して制定されました。
当時、既存の10本入りたばこは20銭から60銭。これに対しピースは10本入りで7円と高額だったにも関わらず、一人あたりの販売数が制限されるほど人気があったそうです。
それまで配給制だったたばこが自由販売になった第一号であることや、最高級バージニア葉を使用した香り高さが人気の要因だったのかもしれません。
たばこの伝来については諸説あるようですが、日本には16世紀頃、ポルトガルの宣教師によって持ち込まれたのではないかといわれています。
フランシスコ・ザビエルが鹿児島に上陸した際、同行した船員たちが葉巻を吸っている姿を見て地元の人たちは「南蛮人は腹の中で火を焚いている」と言って驚いたという話も残っています。
江戸時代、高価な薬品として全国に普及したたばこは、明治時代に入るとさらに人気が高まっていきました。
そこに目を付けた日本政府は、たばこを税収入の手段と考え、製造販売の国営化に踏み切り、国をあげて喫煙を盛り上げたのでした。
しかし1960年代に喫煙と健康に関する報告書が発表された頃から健康への影響が懸念されるようになり、分煙や広告の規制などが積極的に行われるようになったのです。
今では喫煙場所を見つけるのもひと苦労だという愛煙家の方も多いでしょう。
戦後初めて自由販売されたたばこの名前は公募で決定されたそうですが、実はこのとき1等だったのが「ニューワールド」。しかし製作技術の面で難しかったことなどから2等の「ピース」に決まったそうです。
いずれにしてもこのとき国民が願っていたのは、争いのない新しい世界、夢と希望に満ちた平和な未来だったことを決して忘れてはならないのだと思います。
(文:ヒラモトヨシノリ、イラスト:ナカムラタエ)
長崎と天草地方のキリスト教関連歴文化遺産群ウェブサイト(おらしょ-こころ旅-)・おらしょ通信(vol-285)
より(毎週月曜日更新)
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