2月11日は建国記念の日、そして万歳三唱の日。
1889年(明治22年)のこの日、大日本帝国憲法発布の式典で初めて万歳三唱を行ったことにちなんで制定されたようです。
東京帝国大学の学生が明治天皇を奉送迎する際に最敬礼だけではなく、何か歓呼の言葉を挙げようと思ったのがきっかけらしく、同大学の教授が「万歳、万歳、万々歳」という万歳三唱を考え出したそうです。
明治天皇が臨時観兵式のために青山練兵場へ馬車でやってきたとき、学生たちはまず一声高らかに「万歳」と叫んだのですが、馬車馬がそれに驚いて立ち止まったため、第二声は小声になってしまい、最後の「万々歳」は言えずに終わってしまったとのこと。
しかしこれを聞いた観衆は、学生たちが「万歳」を3回言ったと思い込み、以後祝賀の歓呼は「万歳」だけとなったようです。
この憲法では信教、言論、出版、集会、結社などの自由が国民に認められました。
信教の自由について現代風に表記すると、「日本臣民は安寧秩序を妨げず、かつ臣民としての義務に背かない限りにおいて信教の自由を有する」となります。
臣民とは、天皇、皇族以外の国民のことで、天皇への絶対服従が規範とされていました。
憲法が発布された1889年前後というと、多くの潜伏キリシタンがカトリックに復帰し、自らの手で次々と教会堂を建てていた時期です。
新たな祈りの場の完成に信徒たちも万歳三唱をしたのでしょうか。それともその喜びにただ感謝の祈りを捧げたのでしょうか。
今でも式典や集会などで万歳三唱が行われる場面がありますが、それがどうも苦手だという人、あまり馴染みがなくて戸惑う人もいると思います。
そんなときはまわりの人にあわせて黙って両手を挙げましょう。軽い体操のつもりでね。まず気付かれることはありません。
(文:ヒラモトヨシノリ、イラスト:ナカムラタエ)
長崎と天草地方のキリスト教関連歴文化遺産群ウェブサイト(おらしょ-こころ旅-)・おらしょ通信(vol-289)
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