4月 6日は「城の日」。お察しの通り語呂合わせのようですが、財団法人日本城郭協会が1974年度の事業で制定したそうです。
1990年には兵庫県姫路市が姫路城を中心とした市の復興のために同日を「しろの日」としたことから、今日は「城の日」と「しろの日」の二つが存在する珍しい記念日となりました。
城とは、敵を防ぐために土や石で堅固に築いた建物や設備のことで、環濠集落や台場、陣屋などを含めると日本には数万箇所もあるといわれています。
長崎県にも数多くの城跡がありますが、そのなかでも「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の構成資産の一つになっているのが原城跡です。
島原半島の南部にある原城跡は、キリシタン大名有馬氏が1598年から1604年にかけて築いた城跡。苛政と飢饉をきっかけに勃発した島原・天草一揆の舞台として知られています。
この戦いによって一揆軍2万数千人が全滅、幕府軍も8千人以上の死傷者を出したといわれています。
そしてこの出来事を契機に、宣教師が潜入する可能性のあるポルトガル船の来航は禁止され、海禁体制が確立されることとなり、残された潜伏キリシタンは自らで信仰を続けることを余儀なくされたのです
原城跡の発掘調査では、本丸の虎口や櫓台の石垣などの遺構のほか、多量の人骨と信心具が出土されています。
信心具には、宣教師から授かり、代々受け継がれてきたメダイや、鉄砲玉を原料に作られた十字架などもあったそうです。
これらは立て籠もったキリシタンが禁教後も信仰組織を維持し、一揆が鎮圧される最後まで信仰を続けていたことを物語っています。
桜の名所としても知られている原城跡。
このコラムを書いているのは3月中旬なので、新型コロナウイルスの感染状況がどうなっているのかはわかりませんが、散歩がてら出かけて花見を楽しめるといいなと思います。
(文:ヒラモトヨシノリ、イラスト:ナカムラタエ)
長崎と天草地方のキリスト教関連歴文化遺産群ウェブサイト(おらしょ-こころ旅-)・おらしょ通信(vol-297)
より(毎週月曜日更新)
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