6月は雨の季節。
できればウイルスも雨に打たれて流されてしまえばいいのに・・・。ありえないことだと知りつつもそんなことを願ってしまう自分がいます。
人類の歴史は感染症との闘いの歴史でもあるといわれています。
日本ではすでに平安時代に天然痘が大流行したという記録が残されており、感染の大きな要因が当時新羅に派遣されていた遣新羅使の往来によるものだという説もあります。
その後もこの天然痘をはじめ、赤痢や麻疹(はしか)、咳病(インフルエンザ)といった感染症が幾度となくうねりのようにこの国を襲いました。
時は過ぎ、16世紀の半ば、キリスト教の布教を目的にフランシスコ・ザビエルが日本にやってきます。そしてこれを機にはじまった南蛮貿易がもたらした感染症が梅毒でした。
さらに安政年間に長崎から全国に広がったコレラ、明治時代、横浜港に入港した船から蔓延したペスト、第一次世界大戦における軍隊の遠征が流行の要因だともいわれているスペイン風邪、太平洋戦争後に浦賀港に停泊中の引き揚げ船から蔓延したコレラ・・・。
海を越えた往来が感染症の拡大を招いてきたのです。
グローバル化が進む一方で不安が高まる新たな感染症の出現と拡大。そんな状況の中でも国境を越えた交流は国際平和への原動力として期待されているのです。
ウイルスと共存しながら私たちはどのように暮らしていけばいいのでしょうか。何を優先し、どのように行動すればいいのでしょうか。
過去と現在に学び、未来につなげていける社会の仕組みを子どもたちに示すことができればいいなと思います。
(文:ヒラモトヨシノリ、イラスト:ナカムラタエ)
長崎と天草地方のキリスト教関連歴文化遺産群ウェブサイト(おらしょ-こころ旅-)・おらしょ通信(vol-306)
より(毎週月曜日更新)
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