緊急事態宣言が解除された数日後、ニュース番組で多くの人たちがボウリングに興じている姿が映し出されていました。
1970年前後、スタープレイヤーの登場などにより、ボウリングは若者を中心に一大ブームを巻き起こしました。
それから50年ほど経った今、昔取った杵柄でしょうか、当時さながらのしっかりとしたフォームで投げる年配の方々の笑顔がとても印象的でした。
今日6月 22日は「ボウリングの日」。1861年のこの日、長崎の外国人居留地に日本で最初のボウリング場が開設したことを記念して、1972年に日本ボウリング場協会が制定したそうです。
開設当時はプレイの合間に軽い飲食もできることなどから外国人に人気の社交場だったらしく、その後、大正、昭和と時代が進むにつれて日本人にも広まっていきました。
ボウリング場が誕生した1861年というと、まだまだ禁教期の真っ只中。翌年62年は西坂で殉教した26人が聖人に列せられた年であり、さらに63年はプティジャン神父が長崎にやってきた年、そして旧グラバー住宅が完成した年でもありました。
その後、大浦天主堂の誕生、信徒発見、浦上四番崩れへと続いていくのですが、こうやってみると、日本の近代史とキリシタン史がまるで地層のように折り重なっていたことがよくわかります。
ボウリング場の受付で専用の靴を借り、好みの重さのボウルを選び、腕が痛くなるまで投げ続けた青春時代。
ストライクが出た瞬間のピンがはじけ飛ぶ光景と、爽快な音がなんとも懐かしく、久しぶりに行ってみたくなりました。
ボウルを持ってレーンに立ち、並んだピンめがけゆっくり助走して投球する。
さて、踏み出す一歩目は右だったのか左だったのか、思わず立ち上がってフォームを確認するのでした。
(文:ヒラモトヨシノリ、イラスト:ナカムラタエ)
長崎と天草地方のキリスト教関連歴文化遺産群ウェブサイト(おらしょ-こころ旅-)・おらしょ通信(vol-308)
より(毎週月曜日更新)
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