数年前まで県内にあるキリシタン関連史跡をよく訪れていました。
その多くは人里離れた小さな集落の片隅や、険しい山を越えた谷間、うっそうとした森や茂みの中にありました。
そういった場所を夏に訪れるときは、いろんなことを想定してある程度の装備をしてでかけていました。
ズボンはしっかりとした生地でストレッチがきいたもの。靴は登山用でなくてもいいけれど足首がかくれるくらいの滑りにくいブーツ型のもの。
上着は襟が付いた長袖シャツ。帽子をかぶり、首にタオルをまき、手には軍手、リュックの背中には携帯用の蚊取り線香、動物よけに音の鳴るものを取り付け、熱中症対策にスポーツドリンクを保冷用の水筒に入れて持参していました。
しかし、こうした準備とは関係なくハチに追いかけられたり、ヘビやイノシシに出くわしたりするのですから、やはりこの時期の訪問は控えたほうがいいのかもしれません。
潜伏していたキリシタンの中にも虫が苦手な人や、ヘビが怖くておびえていた人もいたでしょう。棄教してもいいから早くここから出たいと思ったこともあったでしょう。
同じ空間に数人が居るのにもかかわらず高い確率で蚊に刺されてしまう私には、そんな人たちの気持ちが少しはわかるような気がするのです。
茂みに隠れていた家族3人が処刑されたという平戸市生月町のダンジク様や、潜伏キリシタンを指導した日本人伝道者バスチャンが隠れていた長崎市外海地区の屋敷跡などを訪れてみると、なるほど・・・と納得していただけると思います。
もちろん夏は避け、森にすむ生物たちがおとなしくなる頃に出かけてみてください。
ところで皆さんに質問です。
蚊に好まれない体質をつくるにはどうしたらいいのでしょうか。
(文:ヒラモトヨシノリ、イラスト:ナカムラタエ)
長崎と天草地方のキリスト教関連歴文化遺産群ウェブサイト(おらしょ-こころ旅-)・おらしょ通信(vol-311)
より(毎週月曜日更新)
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