今年は大型で非常に強い台風が立て続けに日本に接近、上陸して大きな被害をもたらしています。
このコラムを書いているのは台風10号が通り過ぎた週末。もうこれ以上台風にはきてほしくないと思う一方で、窓ガラスに貼った養生テープを剥がすべきかそのままにしておくべきか悩んでいる自分がいます。
私たちが普段口にしている「台風」という名称や表記が定まったのは意外と新しく、1956年(昭和31年)のことだといわれています。
明治時代は「大風(おおかぜ)」、江戸時代は「颶風(ぐふう)」、もっと古くは「野分(のわき、のわけ)」などと呼ばれていたそうです。
歴史的に有名な台風といえば、1274年と1281年の二度にわたり日本に侵攻してきたモンゴル軍を襲い、撤退に追い込んだ暴風雨。いわゆる文永・弘安の役の神風でしょう。
また、1543年に伝来した鉄砲は、暴風雨で種子島に漂着した南蛮船が運んできたものですし、フランシスコ・ザビエルに続いて日本に向かった宣教師のなかには激しい嵐に遭い、目的を達成することできなかった人もいたと思います。
これまで経験したことのない、特別警戒級の、非常に強い、猛烈な、などと形容される昨今の台風。
命の危険を知らせるための適正なニュースや防災情報はもちろん必要ですが、だからと言って情報を発信すればそれで終わりというわけにはいきません。
それらを充分に受け止めることができない、また情報源にたどり着くことができない方々がいることを私たちは知らなければなりません。
そしてそんな方々のためにはどのような伝達方法があるのか、また台風通過後は避難方法や避難所のあり方に問題はなかったかなど、あらためて検証する必要があるのではないかと思います。
もはや自然災害は毎年発生するといっても過言ではないのですから・・・。
(文:ヒラモトヨシノリ、イラスト:ナカムラタエ)
長崎と天草地方のキリスト教関連歴文化遺産群ウェブサイト(おらしょ-こころ旅-)・おらしょ通信(vol-322)
より(毎週月曜日更新)
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