【おらしょ通信】 vol.323「買い物カゴとレジ袋」

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【おらしょ通信】 vol.323「買い物カゴとレジ袋」

子どもの頃、母が市場などに行くときは、決まって専用の買い物カゴを持って出かけていました。それはビニールを巻いた針金で編んだもので主婦の定番グッズでした。

1960年代に入ると、当時流行していたストッキングが買い物カゴにひっかかってよく伝線するということで、ある袋メーカーがビニール袋を開発。

丈夫で水濡れにも強いことからスーパーマーケットやコンビニエンスストアで大量に使われるようになりました。

しかしレジ袋は軽くて飛びやすく、分解しないことから環境に悪影響を与える一方、野生動物が誤飲して死んでしまうといった問題が発生。

そこでスーパーマーケットの業界団体である日本チェーンストア協会がマイバッグの持参を呼びかけるようになり、2002年10月5日にレジ袋ゼロデーが制定されました。

古くから人は物を包んだり運んだりするときに麻などで作った布や、わらを編んだむしろ、樽や桶、風呂敷など、廃棄しても自然に還すことのできる天然素材を使ってきました。

江戸時代、魚売りや干物売りなど行商人が行き交った都市部の人々も、人里を離れて自給自足の生活をしていた潜伏キリシタンも同じような暮らしぶりだったと思います。

暮らしの進化によって私たちは便利なものを生みだし、その大量使用によって問題を抱え、さらにその解決のために奔走するという歴史を繰り返してきました。

これからは便利さを追求するだけでなく、少しは不便さも享受する大らかな気持ちで自然とともに生きる日々を取り戻すことができればいいなと思います。

そういえばキャンプに最適なシーズン、久しぶりにたき火をしてぼんやりと眺めていたいですね。

 

(文:ヒラモトヨシノリ、イラスト:ナカムラタエ)

長崎と天草地方のキリスト教関連歴文化遺産群ウェブサイト(おらしょ-こころ旅-)・おらしょ通信(vol-323)
より(毎週月曜日更新)

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