神道や仏教の国だった日本にキリスト教が伝えられたのは16世紀半ばのことでした。
当初、南蛮貿易の利益に心ひかれた大名たちは布教を容認していたものの、信徒の数が増え勢力が拡大するにつれて禁教へと動き始めました。
そして仏教徒が教会を焼き討ちにすると、キリシタンが寺社を破壊するという、やられたらやりかえす泥沼の関係を生みだしたのです。
古今東西、禍根を残す闘いは世界中にあふれています。
一度火が付いた争いは世論の高まりなどによっていったんは沈静化するものの、そのしこりが火種となってくすぶり続け、何かのきっかけで簡単に再燃してしまうのです。
先のアメリカ大統領選挙でも同じようなことを感じました。
討論会では候補者同士が罵り合い、選挙が始まると集計の中止を呼びかけたり、一方が勝利宣言をすると一方が選挙の不正を声高に叫んだり・・・。
まともな選挙ができない国の現状に落胆した人も大勢いたと思います。
勝敗を決める、白黒をつける、それだけではおさまらない憎しみにまみれた闘争。この分断によって選挙後に暴動や内乱が起きるのではないかと予想する人もいます。
互いの想いをくみ取り、建設的な議論を交わして解決の糸口を探る。
そんなこともできない大人を子どもたちはどんな想いで見つめているのでしょうか。
(文:ヒラモトヨシノリ、イラスト:ナカムラタエ)
長崎と天草地方のキリスト教関連歴文化遺産群ウェブサイト(おらしょ-こころ旅-)・おらしょ通信(vol-331)
より(毎週月曜日更新)
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