【おらしょ通信】 vol.334「冬至」

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【おらしょ通信】vol.334「冬至」 

今日12月21日は二十四節気(にじゅうしせっき)の一つ「冬至」です。

二十四節気は、古代中国で農業の目安としてつくられた暦のことで、これをさらに約5日ごとに分割した七十二候(しちじゅうにこう)をもとに人々は季節をとらえて農業に活かしていたようです。

冬至は一年で夜が最も長い日で、別名「一陽来復(いちようらいふく)の日」と呼ばれています。つまり冬から春になる兆しのことで、これを境に力がよみがえり運も上昇するともいわれています。

だから寒い冬を乗り切るためにかぼちゃを食べて栄養をつけたり、身体を温めるためにゆず湯に入ったりするのですね。

日本にキリスト教が伝えられたのは戦国時代ですが、信徒になった人々の多くが農民だったことを考えると二十四節気や七十二候は生活の指標となる大切な暦だったのでしょうね。

冬至の日には神社でお祭りが行われるようですが、古代ヨーロッパでも「ユール(Yule)」という冬至祭が行われていたらしく、日本などと同じように太陽が力を取り戻す日として神々へ供え物をして盛大に祝っていたそうです。

その後、4世紀頃にキリストの誕生日が12月25日に定められたことから太陽の復活とキリストの誕生が結び付けられ、現在のようなクリスマスの形になったともいわれています。

クリスマスイブに食べるチキンとケーキの前に、今日あたりは無病息災を願ってかぼちゃの煮物と小豆がゆをいただくというのもいいかもしれません。

とにかくコロナ禍の冬を乗り切るために「食」にも気を付けたいものです。

(文:ヒラモトヨシノリ、イラスト:ナカムラタエ)

長崎と天草地方のキリスト教関連歴文化遺産群ウェブサイト(おらしょ-こころ旅-)・おらしょ通信(vol-334)
より(毎週月曜日更新)

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