【おらしょ通信】 vol.338「怖い話」

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【おらしょ通信】 vol.338「怖い話」

今日はちょっと怖いお話を・・・。

明暦3年(1657年)1月18日から20日にかけて、江戸城天守閣および市街のほとんどを焼失するという大火災が起きました。

一般には明暦の大火といわれていますが、出火の状況から振袖火事、火元の地名から丸山火事などとも呼ばれたそうです。

話のあらすじはこうです。

上野の立派な商家の娘が花見のときにある美しい寺小姓をみそめ、小姓が着ていた着物の色柄と同じような振袖を作ってもらい、毎日小姓を想いながら過ごしていたのですが、いつしか恋の病にかかり、明暦元年1月16日に16歳という若さで亡くなってしまいました。

法事が終わり、しきたり通りに古着屋へ売り払らわれた振袖は、次に本郷元町の麹屋の娘の手に渡りました。しかしそれ以来、その娘も病気になり、翌年の同じ日に死亡してしまいます。

そして振袖は再び古着屋を経て、今度は麻布の質屋の娘のもとに渡ったのですが、この娘も同じようにその翌年の1月16日に亡くなったそうです。

そこで三家は相談してお寺で振袖を供養してもらうことにしたのですが、和尚が経を読みながら振袖を火の中に投げ入れた瞬間、突然のつむじ風によって振袖が舞い上がり本堂へ燃え移り、江戸中へと広がっていったのでした。

1657年といえば、長崎の大村領でキリシタンの弾圧「郡(こおり)崩れ」が起きた年。悪いことは重なるといいますが、どうやらこの年は災難続きだったようですね。

ところで初詣でおみくじをひいた皆さん、今年の運勢はどうでしたか?

 

(文:ヒラモトヨシノリ、イラスト:ナカムラタエ)

長崎と天草地方のキリスト教関連歴文化遺産群ウェブサイト(おらしょ-こころ旅-)・おらしょ通信(vol-338)
より(毎週月曜日更新)

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