2月15日は「春一番名付けの日」。1963年(昭和38年)2月15日の朝日新聞の朝刊に「春一番」という言葉が新聞で初めて使われたことに由来しています。
「春一番」はその年に初めて吹く南寄りの強い風のことで、例年2月から3月半ばに吹くとされています。
語源については諸説があるようですが、一般的には1859年(安政6年)2月13日、長崎県壱岐郡郷ノ浦町(現在の壱岐市)の漁師が漁に出た際、強風によって船が転覆し多くの犠牲者を出したことから「春一番」「春一」と呼ばれるようになったといわれています。
壱岐市は玄界灘に浮かぶ南北約17km、東西約15kmの島。中国の歴史書「魏志倭人伝」に記された「一支国(いきこく)」の王都といわれる原(はる)の辻遺跡や、数多くの神社があることでも知られています。
そんな古代の歴史が息づく壱岐にキリスト教関連遺産があることをご存じでしょうか。
かつて平戸領だった壱岐でも禁教期には信徒たちが殉教したり、潜伏したりしていたと考えられています。
キリシタン大名大村純忠の五女を祀ったといわれる「メンシアの拝塔」、マリアを象徴する三日月とキリストの象徴である太陽を組み合わせたという「日月水盤」。
「サンタマリア」を漢字で書いたと思われる「参多大明神」、礼拝の対象だったのではないかといわれている「長泉寺跡のマリア観音」など、キリシタンの歴史を物語る遺跡が島内に点在しています。
コロナ禍で観光に出かけることは難しいと思いますが、収束したあかつきには壱岐の新たな魅力を満喫していただきたいと思います。
できれば海がエメラルドグリーンに輝く夏がいいかもしれませんね。
(文:ヒラモトヨシノリ、イラスト:ナカムラタエ)
長崎と天草地方のキリスト教関連歴文化遺産群ウェブサイト(おらしょ-こころ旅-)・おらしょ通信(vol-342)
より(毎週月曜日更新)
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