今日から3月。日本では年度替わりの時期として卒業式や人事異動などが行われ、新しい生活の準備を始める慌ただしい月でもあります。
一方で希望の学校に合格できなかったり、憧れの会社に就職できなかったりした人にとっては、改めてこれからの進路について考えなければならない不安な時期でもあるのです。
もう一度挑戦して同じ道を目指すのか、方向転換を図って新たな道に進むのか、いろいろな人からのアドバイスも必要でしょう。
若いときだけではなく長い人生にはいくつもの岐路があり、その時々の選択が自分にとって良かったのかどうかはたぶん人生を終える瞬間までわからないような気がします。
江戸幕府がキリスト教禁教令を発布してから高札が撤廃されるまでの250年以上の間、キリシタンの多くは迫害の恐怖におびえながら信仰を守り続けてきました。
なかには弾圧に耐えきれずに改宗したり、棄教して集落を離れたりする人もいたでしょう。信仰を続けるのかやめるのか、とても難しい選択だったのだと思います。
苦悩、決断、納得、後悔・・・・・・私たちは様々な想いに揺れながら生きています。そんななかでも新しい命の誕生を喜び、巣立っていく若者たちの姿に目を細め、巡り来る季節の息吹に生きる勇気をもらっているのです。
いっこうにおさまる気配をみせない感染症の脅威のなか、今年も多くの人たちが春は名のみの寒い風に向かって歩き出していきます。
春よ来い! 早く来い! と心で歌いながら。
(文:ヒラモトヨシノリ、イラスト:ナカムラタエ)
長崎と天草地方のキリスト教関連歴文化遺産群ウェブサイト(おらしょ-こころ旅-)・おらしょ通信(vol-344)
より(毎週月曜日更新)
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