医療法の規定に基づき病院、診療所又は介護老人保健施設を開設しようとする社団又は財団で、都道府県知事認可を受けて設立される特別法人です。
開設する病院、診療所又は介護老人保健施設の業務に支障のない範囲において、医療法第42条第1項各号に定める次のような業務(附帯業務)のすべて又は一部を行うことができます。ただし、これらの業務を行う場合は、必ず定款(寄附行為)に定めておく必要があり、設立後新たに附帯業務を実施する場合は、事前に定款(寄附行為)変更認可申請を行うことになります。その際、通常の添付書類以外に事業計画書・2年間の予算書等が必要となります。
また、法人成り直後に、附帯業務を行う予定がある場合は、医療法人設立認可申請協議の際にに必ずご相談ください。
詳しくは医療政策課 医事・医療相談班へお問い合わせ下さい。
不動産賃貸業は、社会医療法人以外は行うことができません。
医療法人には、理事を3名以上(理事長を含む)置かなければなりません(医療法第46条の5)。医療法但し書きでは、「都道府県知事の認可を受けた場合は、1人又は2人の理事を置けば足りる」との規定がありますが、長崎県においては、医療法人としての適切な運営を担保する等の観点から、原則として、理事は3名以上必要であると指導しております。
なお、2.の「医療法人と取引関係のあるメディカルサービス法人(営利法人)の役員」であっても、次の場合であって、かつ医療機関の非営利性に影響をあたえることがないものであるときは、例外として取扱いことができますが、詳しくは事前に医事・医療相談班にご相談ください。
理事は非常勤であっても差し支えありませんが、理事は法令及び定款(寄附行為)並びに社員総会(評議員会)の決議を遵守し、医療法人のため忠実にその職務を行うことが求められており、職務倦怠によって医療法人に損害を生じた場合には損害賠償責任を負うとされていることから、実際には法人運営に参画できない者が名目的に選任されていることは、適当ではありません。
医療法人には、監事を1名以上置かなければなりません。
監事には、医療法人の業務・財産の監査のほか、理事会への出席義務及び社員総会の議案等の事前調査義務が課せられ、業務倦怠により医療法人に損害を生じた場合には、損害賠償責任を負うことが定められていることから、名目だけの監事は許されません。
医療法人の理事長は、「医療法人の業務を執行し」、「医療法人を代表し、医療法人の業務に関する一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する」と規定されており、医療法人においては理事長だけが代表権を持っています(医療法第46条の6の2及び第46条の7の2が準用する一般社団財団法第91条)。非常勤の理事長について、医療法及び運営管理指導要綱に明確な定めはありませんが、医療法人において理事長だけが代表権を持っていることからも、非常勤の理事長が法人の代表として責務を果たせるか疑問があるところです。
このことから 県では非常勤の理事長を原則として認めていません。
ただし、理事長が非常勤であることについて、特別の理由・必然性があり、かつ、法人代表として責務を果たせる方法が提示可能である場合は個別の協議に応じます。
なお、ご来庁される場合は、準備の都合や他の相談者のお約束が入っている場合がありますので、必ず事前にご連絡をお願いいたします。
医療法第46条の6は、「医療法人の理事のうち一人は、理事長とし、医師又は歯科医師である理事のうちから選出する」とし、理事長は原則、医師(歯科医師)でなければならない旨を規定していますが、同条但し書きでは「ただし、都道府県知事の認可を受けた場合は、医師又は歯科医師でない理事のうちから選出することができる」としています。
この「但し書き」に基づく都道府県知事の認可要件は、医療法人制度の改正及び都道府県医療審議会について(S61.6.26健政発第410号厚生労働省医政局長通知)[PDFファイル/183KB]に示されています。要件の概要は、次のとおりです。
「但し書き」に基づく都道府県知事の認可のうち、1.のケースが大半を占めています。
このときの認可申請書類は、次のとおりです。
非医師理事長認可申請書(子女が理事長となるまでの間)[Wordファイル/44KB]|PDFファイルは非医師理事長認可申請書(子女が理事長となるまでの間)[PDFファイル/16KB]
3.については、県において県医療審議会に諮る基準を定めておりますので、事前に協議が必要となります。
非医師(非歯科医師)理事長については、個別のご相談に応じます。なお、ご来庁される場合は、準備の都合や他にご相談される方がいらっしゃいますので、事前に医事・医療相談班までご連絡をお願いいたします。
これまで、理事長個人と医療法人の利益が相反する取引(利益相反取引)を行う際には、取引の公正性を担保する観点から、医療法人は長崎県知事に申請のうえ「特別代理人」の選任を行い、契約は、理事長個人と医療法人の「特別代理人」が交わすという手続きが義務付けられていました(改正前医療法第46条の4第6項)が、平成28年9月1日に施行された改正医療法では、この「特別代理人制度」が廃止されています。
その代わりとして、今後、「利益相反取引」を行う場合には、理事会において、「取引につき重要な事実を開示しその承認を受け」、さらには「取引後には事後報告を行う」ことが義務付けられました。つまり今後は、利益相反取引を行う場合であっても、長崎県知事への「特別代理人選任申請」は必要でなく、理事会の事前承認と事後報告という、いわば医療法人の内部手続きのみで足りるようになったということです(改正医療法第46条の6の4、第46条の7の2)。
ただし、改正医療法では、「利益相反取引によって医療法人に損害が生じたときは、理事又は監事は、医療法人に対し損害を賠償する責任を負わなければならない」と定められていることから、取引の是非を判断する理事会には、これまで以上に慎重な判断が求められると言えます(改正医療法第47条)。
なお、理事長個人と法人理事長(同一人物)の契約は、民法が「双方代理」として禁止していますが、改正医療法では、「理事会の承認を受けた利益相反取引については、民法第108条の双方代理の禁止は適用しない」旨を規定しています(改正医療法第46条の6の4が準用する一般社団財団法第84条第2項)。
例え期限付きの仮移転であっても、旧診療所の廃止、新診療所の開設となり、定款に規定されている「医療法人が開設する診療所の住所」が変更になるため、本来であれば定款変更認可申請が必要になります。ただし、長崎県では内規により、診療所を現在地で建替えるために、その建築期間中、他の場所へ一時的に移転する場合は定款変更を不要としています。これは、診療所の仮移転・本移転の都度に定款変更を行わねばならず、円滑な移転に支障が生じること、また、現在地の敷地に余裕があって住所地が同じ敷地内で建替える場合には定款変更が不要であることから、こうしたケースとのバランスを取るための措置です。
定款変更に代わるものとして、仮移転前に、次の書類を提出していただく必要があります。
医療法人診療所仮移転届[Wordファイル/55KB]|PDFファイルは医療法人診療所仮移転届[PDFファイル/15KB]
建替え工事が完了し、新しい診療所に移転後は、次の書類を提出していただく必要があります。
医療法人診療所仮移転終了[Wordファイル/51KB]|PDFファイルは医療法人診療所仮移転終了[PDFファイル/14KB]
前述の届は2部提出です。1部は医療政策課が保存、1部は受付印押印後に医療法人に控えとしてお渡しし、診療所の住所移転に関係して九州厚生局長崎事務所及び所管保健所から確認の求めがあった場合に提示することになります。