鰆(さわら)
成長するに従ってサゴシ(サゴチ)、ヤナギ、サワラと名前が変わる出世魚です。細長い体形で背びれと尻びれの後方に離れびれがあります。口先は尖り、歯は鋭いです。体の色は、背側が青灰色、腹部が銀白色、体側には黒っぽい斑点列が縦方向に並びます。胴体が細長く、『狭い腹』から『狭腹』(サワラ)と呼ばれるようになったと言われています。サワラの漢字は魚偏に春で「鰆」と書きますが、これは春に産卵のために沿岸へ寄るため人目につきやすいことから、「春を告げる魚」というのが字源となったといわれています。春が旬の魚とイメージされているが、本当に味がよいのは秋・冬であるといわれ、特に冬に漁獲されるサワラは「寒ザワラ」といい、身がしまり、脂ものって美味です。美味しいサワラを選ぶポイントは、目が澄んでみずみずしいもの、身が締まって硬いもの、背の斑点がはっきりと出ていて表面にツヤがあるものです。新鮮なものは刺身で食べると美味しいです。身が柔らかいので、照焼き、味噌漬けにすると食べやすいです。サワラの卵巣を塩漬けにして、カラスミの代用にすることもあります。