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本県の離島地域の多くは、本土から遠く離れており、地理的条件が厳しく、産業の振興及び医療や福祉といった生活インフラ整備の遅れなどの課題を有している。
また、半島地域は、地理的要因から幹線交通体系から離れているため、交通基盤の整備や医療体系の整備などの課題を抱えている。
離島・半島地域では、このような厳しい環境から、産業が衰退し、交流人口の拡大も難しく、人口流出が続き、少子高齢化や過疎化に歯止めがかからない状況にある。
これらの課題に対し効果的な対策を講じていくには、それぞれの地域について現状に至る経緯や実情を把握したうえで、県内一律ではなく、各地域の状況に応じた施策を展開する必要がある。
有人国境離島地域については、平成29年4月に施行された有人国境離島法の支援策を活用し、人口減少を打開するチャンスを結果につなげる使命がある。
「人口が定常的に社会増となる状態を実現する」という国の基本目標を達成するため、基本方針に掲げられた、「人の往来・物の移動に係る条件不利性の緩和」、「交流促進のためのきっかけづくり」、「島の魅力の再発見と島での人づくりの推進」の3つの施策の方向性を踏まえ、関係市町とともに国の交付金を最大限活用し、県計画を着実に遂行していかなければならない。
法施行の初年度である本年度においては、350名程度の新たな雇用の創出や航路・航空路の運賃低廉化による離島住民の利便性の向上など、一定の成果が生じているところであるが、これらについては今後の継続的な取組が重要であり、引き続き国の交付金を最大限に活用するとともに、この法律をきっかけとして新しい施策にも取り組みながら、
総力を挙げて離島地域の振興に取り組む必要がある。
よって、県におかれては、下記の事項について、積極的かつ真摯に取り組まれるよう、強く求める。
記
平成30年3月5日
長 崎 県 議 会
(提出先)
長崎県知事 中村 法道 様
厚生労働省の平成28年人口動態統計によると、出生数が976,978人と、昭和22年の統計開始以来、初めて100万人を下回るなど、国全体で少子化が進んでいるなか、本県の人口は、国立社会保障・人口問題研究所の推計では、2010年の142万人から、2040年には104万人に減少するとされている。
こうした中、本県では、人口減少による影響などの危機意識を共有し、将来にわたり持続的に発展していくため、2060年に目指すべき人口水準を示す「長崎県長期人口ビジョン」と、人口減少対策の具体的取組等を示す「長崎県まち・ひと・しごと創生総合戦略」を策定し、企業誘致等による良質な雇用の場の確保や、新産業の創出、県内で活躍する人材の育成、結婚から子育てに至る支援等、様々な施策に取り組んでいるところである。
経済面においては国の景気動向と同様、本県の景気も全体として緩やかな回復基調を続けているとされ、有効求人倍率が1.2倍を超えるなど、県の取組の成果が一部には現れつつあるものの、今もなお、本県の人口は他県を上回るスピードで減少し続けている。この深刻な状況を克服するため、県と市町が人口減少対策についての認識と危機感を共有し、それぞれの自治体が、その存亡をかける覚悟で取り組まなければ、将来の人口減少を食い止めることはできない。
よって、県におかれては、下記の事項に対し、さらに積極的に取り組まれるよう強く要望する。
記
平成30年3月5日
長 崎 県 議 会
(提出先)
長崎県知事 中村 法道 様
本県は、古くからの海外との交流によってもたらされた様々な文化を取り込んだ「歴史」「食」などの優れた観光資源が存在し、国内外の多くの観光客を惹き付けてきた。
このうち、世界遺産では、平成27年に登録された「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」に続き、「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の平成30年の登録実現に向けて準備が進められていることから、観光客の受入体制の整備や県内の日本遺産などの観光資源も活用した広域周遊ルートの整備に取り組む必要がある。
さらに、インバウンド対策では、国において、「2020年東京オリンピック、パラリンピック」開催国としての国際的注目度を活かした訪日プロモーション等によるインバウンド誘致を促進しており、本県においても、こうした流れを捉え、海外からの誘客等に取り組む必要があり、さらに特定複合観光施設(IR)の誘致についても、本県の観光振興に大きな貢献が期待されるところである。
ついては、魅力のある観光資源が多く存在し、高いポテンシャルを有する本県において、これらを活用した積極的な誘客やインバウンド対策に取り組み、裾野の広い観光産業を本県の主要な産業として振興するにあたり、県におかれては、下記の事項について真摯に取り組むよう強く求める。
記
平成30年3月5日
長 崎 県 議 会
(提出先)
長崎県知事 中村 法道 様
平成27年9月の関東・東北豪雨、平成28年8月の北海道・東北豪雨や、昨年7月の九州北部豪雨など、近年、地方における中小河川の被害として、土砂の流出や流木等による橋梁での河道閉塞が発生しており、中小河川の河道の断面不足が洪水被害拡大の一つの原因となっている。
今回、国土交通省は中小河川の豪雨対策を強化するため、全国の中小河川の緊急点検の結果を踏まえた「中小河川緊急治水対策プロジェクト」を取りまとめ、中小河川の河道掘削等についても再度の氾濫防止対策の一つとして緊急対策プロジェクトに盛り込んだ。
しかし、この緊急治水対策プロジェクトは、概ね3か年の時限的措置であり、河道掘削等の対策箇所についても「重要水防区間のうち、近年、洪水により被災した履歴がある区間」を対象としている。
よって、国におかれては、今回の緊急治水対策プロジェクトが、中小河川を管理する地方自治体にとって真に活用しやすい施策となるよう、下記の事項について取り組むことを強く求める。
記
平成30年3月28日
長 崎 県 議 会
(提出先)
衆議院議長 大島 理森 様
参議院議長 伊達 忠一 様
内閣総理大臣 安倍 晋三 様
財務大臣 麻生 太郎 様
国土交通大臣 石井 啓一 様
内閣官房長官 菅 義偉 様
県民の誰もが犯罪被害者等(犯罪被害者及びその家族又は遺族)となる可能性があり、犯罪被害者等となれば、直接的な身体的被害のほか、医療費の負担や失職等の経済的負担、捜査や裁判、周囲の目線、マスコミ取材対応などといった精神的被害を受けることになる。
そのため、犯罪被害者等の視点に立った支援施策を講じることにより、権利利益の保護が図られる社会の実現が必要であると考える。
国においては、犯罪被害者等の権利利益の保護を図ることを目的に、平成16年12月に犯罪被害者等基本法を制定するとともに、平成17年12月には施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、犯罪被害者等基本計画を策定し、平成28年4月には第3次犯罪被害者等支援計画を閣議決定している。
また、同法第5条において、地方公共団体に対し、犯罪被害者等に対する支援等に関し、国との適切な役割分担を踏まえて、その地方公共団体の地域の状況に応じた施策を策定し、及び実施する責務を明記されたことに伴い、本県においても、平成20年1月に長崎県犯罪被害者等支援計画が策定され、平成29年3月には第3次長崎県犯罪被害者等支援計画(以下、「支援計画」という。)が策定されている。
その中には、重点課題として「損害回復・経済的支援等への取組」、「精神的・身体的被害の回復・防止への取組」、「刑事手続への関与拡充への取組」、「支援等のための体制整備への取組」、「県民の理解の増進と配慮・協力の確保への取組」が挙げられている。
しかしながら、犯罪被害者等を支援していく上で、支援計画をもってしても、犯罪被害者等を十分に支援しきれないケースが発生しているのも事実である。
具体的には、犯罪被害者等給付金の申請から支給までに半年以上を要し、その間の生活をどのようにしていくのか、また、加害者に対する慰謝料請求についても、被害が重くなればなるほど、加害者の刑も重くなり、慰謝料の支払いを求める判決が絵に描いた餅となっているケースも多く発生している。
さらに、犯罪被害者等は、裁判や報道等において、時に加害者以上に好奇の眼にさらされ、日常生活に戻りたいと考える犯罪被害者等の足かせになりかねない。
そのためには、犯罪被害者等の痛みを自らのものとして感じ、県民の総意として犯罪被害者等に寄り添うことが必要であり、犯罪被害者等がいつでもどこでも必要な支援を途切れることなく受けられるよう、支援計画の趣旨を更に一歩進め、県下市町の犯罪被害者等の対策に必要な支援を行うことが必要である。
よって、県におかれては、支援計画にある重点課題に正面から取り組む施策を総合的・体系的に推進し、誰もが安心して暮らすことができる社会を実現するため、
・犯罪被害者等に対する迅速な経済的支援
・犯罪被害者等が二次被害に遭うことを防止するための施策等
を盛り込んだ、「長崎県犯罪被害者等支援条例」の制定を強く求める。
平成30年3月28日
長 崎 県 議 会
(提出先)
長崎県知事 中村 法道 様
現在、我が国は、2025年国際博覧会の誘致に向けて、「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマとして、大阪・関西での開催を実現すべく立候補を行っている。
国際博覧会は人類が抱える地球的規模の課題に対し、世界から英知を一堂に集め、解決方策を提言する場でもあり、新しい時代を生きる知恵を発信することにより、世界と日本の平和的発展に大きく寄与することが期待されている。
2025年に「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマとする国際博覧会を大阪・関西が一体となって開催することは、新たな産業のイノベーション創出や観光振興が期待できるなど大きな経済効果をもたらすとともに、全世界に向けて我が国の存在感を示す絶好の機会となり、極めて大きな意義がある。
加えて、国際博覧会の開催実現による経済波及効果は、開催地にとどまることなく、国内外からの多数の観光客を本県に呼び込む大きなチャンスともなりうるものであり、観光をはじめとする産業振興や交流人口拡大などを通じて、本県のさらなる活性化につなげていくことが期待できるものである。
よって、長崎県議会は、大阪・関西における国際博覧会の開催に深い意義を認め、誘致実現に向けた機運の醸成など、必要な取組を全面的に支援し、協力するものである。
以上、決議する。
平成30年3月28日
長 崎 県 議 会