閉会中の活動 令和5年度分

文教厚生委員会

現地調査

委員会名 文教厚生委員会
目的 文教厚生行政現地調査
日時 令和5年11月6日(月)~7日(火) (2日間)
調査先 長与町、大村市、佐世保市、東彼杵町、諫早市
出席委員 委員長 千住 良治
副委員長 山下 博史
委員 堀江 ひとみ
委員 浅田 ますみ
委員 深堀 ひろし
委員 吉村 洋
委員 山本 由夫
委員 堤  典子
委員 白川 鮎美
委員 冨岡 孝介
委員 湊  亮太
概要
1.長与町役場(長与町)

「部活動地域移行」について調査

○地域スポーツ活動の実施に向けた取組
方向性:生涯スポーツ社会の実現を目指す。
・ 少子化に伴う中学生世代の部活動改革を契機に、学校を含めた地域の中で活動を進化させる。
・ 令和5年度から7年度までの改革推進期間に、長与町総合型地域スポーツクラブの充実を図る。
・ 将来的には、中学生世代にとらわれない持続可能な地域のスポーツ活動ができる環境整備を目指す。
令和5年度より、休日の運動部活動は地域スポーツ活動。平日は部活動として各学校で3日間実施。
○長与町の地域スポーツ活動の概要
・ 参加者は町立中学校の生徒で、地域スポーツ活動に参加を希望する全生徒。
・ 活動場所は、町立中学校の体育施設、町立スポーツ施設等。
・ 受け皿は、町教育委員会及び長与スポーツクラブ。
・ スポーツ種目は各中学校の平日に実施する運動部活動を基本とし、その他ニーズに
応じてエンジョイスポーツや海洋スポーツなど多様なスポーツイベントを開催。
・ 大会の参加は、国等のガイドラインを遵守し年間7回を上限(中体連主催の試合は除く)。
・ 指導者は、生徒の安全等を確保するため、原則複数名を配置。
・ 係る経費は、月会費3,000円。 その他スポーツ安全保険(年間800円)等への加入を推奨。
※以上のほか参加状況等の説明後、活発な意見交換が行われた。

2.まつなぎや(大村市)

「ヤングケアラー専門窓口」について調査

○ヤングケアラー支援事業(内容)

① 相談支援事業(ヤングケアラーに特化した専門窓口(対面・電話・SNS等))
② 広報・啓発活動
③ 子どもの居場所事業
※ 相談事業だけでなく、居場所の運営も支援の中核に据え、単発だけの関りではなく、いわゆる
伴奏型支援を行い、時間をかけた関りが重要と考えている。

○「まつなぎや」とは

・ 「ひと・ばしょ・とき」 間をつなぐ、子どもや若者のための居場所。 相談の有無に
かかわらず利用が可能。
・ 開所日:火・水・木・金・土   利用時間:10:00~18:00
・ 種イベントの開催:当事者の会(ピアサポート)、子ども食堂、地域交流ワークショップ
※以上のほか、市・学校、地域との連携等の説明後、活発な意見交換が行われた。

3.東彼杵町立東彼杵中学校(東彼杵郡東彼杵町)

「ふるさと教育」について調査

○ 小中連携ふるさと・キャリア教育重点目標(9年間見据えたキャリア教育)

「主体的に夢や希望の実現を目指す児童生徒の育成」
・ 探究的な学習に主体的・協働的に取り組む態度を養い、ふるさとに関する課題を
創造的に解決する力。
・ ふるさとへの愛着と誇りを持ち、ふるさとの将来を担おうとする実践力。

○ 東彼杵中学校総合的な学習の時間 学習テーマ 「東そのぎ町学」

~ふるさと東彼杵町を学び、地域とともにたくましく生きる生徒の育成~

○ 学年別研究課題 「ふるさと教育」における3年間の系統的な体験学習プログラム

1年生【地域を知る】地場産業学習、地域伝統芸能学習、事業所体験学習
2年生【地域に学ぶ】町おこし学習
3年生【地域に活かす】起業家体験学習
この取組により、令和4年度3年生は地域の事を考えた企業11社を設立しCMの作成等を行った。
※ 以上のほか、修学旅行先での特産品販売やふるさと教育の成果(アンケート結果)や今後の課題の説明後、活発な意見交換が行われた。

4.鎮西学院大学(諫早市)

 「留学生の受入・進路状況及び卒業生の県内・県外就職状況」について調査

○ 2024年4月に現代社会学部から「総合社会学部」に名称変更

・多文化コミュニケーション学科(2024.4に外国語学科から名称変更)
・社会福祉学科
・経済政策学科

○ 総合社会学部が目指すもの(平和・多様性・共生社会・ウェルビーイング)

・大学機能の総合化
鎮西学院3部門(幼・高・大)の資源活用。 大学3学科+留学生、副専攻と全学連携開設科目。 敬天愛人を教育目標とし、140年以上の歴史、被爆体験、鎮西平和学への展開。
・地域連携の総合化
諫早-長崎-九州-東アジアの同心円的連帯と地域貢献による相乗効果を目指す。 学生・教師・大学間の交流と連携、東アジアのゲートウェイに。
・人間理解の総合化
学生、LGBTQ、発達障害、外国人、留学生、障がいの有無など様々な違いを超え、誰一人とり残さない人の見方。 インクルーシブな理解。 人間の尊厳、人権感覚。

○ 留学生の受入状況

中国・韓国・台湾のほか、ネパールやインド、東南アジア各国の留学生が多数在籍しているが、多くは1年間の語学留学であり、その後は首都圏へ活躍の場を広げている。 長崎県に定着してもらいたいとも考えるが、1年間とはいえ、地域の交流や労働力に繋がっている。

○ 卒業生の県内就職状況

卒業生の約半分は県内に就職しており、就職先では、長崎県内の福祉・医療関係、公務員、公的団体、教育職、一般企業、金融機関、食品・農業系団体など、多岐にわたって活躍している。
※以上の説明後、活発な意見交換が行われた。

以上のほか、大村市あおば教室において「不登校児童対策」、県立大村高等学校において「文理探究学科の取組」、佐世保こども・女性・障害者支援センターにおいて「児童虐待等の現状等」について調査を行った。

現地調査

委員会名 文教厚生委員会
目的 文教厚生行政現地調査
日時 令和5年7月26日(水)~28日(金) (3日間)
調査先 愛知県刈谷市、岐阜県美濃市・岐阜市、京都府京都市
出席委員 委員長 千住 良治、副委員長 山下 博史
委員 堀江 ひとみ、委員 浅田 ますみ
委員 深堀 ひろし、委員 吉村 洋
委員 山本 由夫、委員 宮本 法広
委員 堤  典子、委員 白川 鮎美
委員 冨岡 孝介、委員 湊  亮太
概要
1.愛知県刈谷市役所(愛知県刈谷市)

 「刈谷スマートウェルネスプロジェクト」について調査

(1)5Gを活用した救急医療分野のフィールド実証 ⇒急性期の医療分野のスマート化
 医師を現場まで派遣し、より早期に重症患者に対応するドクターカーにおいて、5Gを活用して救急現場のリアルタイム映像等を病院へ伝送することによる、早期治療への効果などを検証し、地域の救急医療水準の向上につなげる。
(2)スマートデバイスによる遠隔診療 ⇒回復期から慢性期の医療分野のスマート化
 スマートデバイスで取得したバイタル情報を活用して、施設間の患者転院時等における患者情報の連携向上の効果を検証するとともに、在宅におけるリモート診療や見守りなどの実施による新たな患者・市民サービスの有効性について検証する。
(3)パワーアシストスーツ、歩行訓練ロボット等のフィールド実証⇒医療分野から介護・在宅につなげる福祉分野のスマート化
 増加する介護需要に対応するとともにサービスの維持向上を図るため、パワーアシストスーツを導入し、介護現場の負担軽減、業務効率化の効果を検証する。ロボットを活用した歩行訓練と、デジタル技術による歩行状態の可視化を実施し、歩行訓練の精度向上及び職員の負担軽減の有効性を検証する。
※以上の説明後、活発な意見交換が行われた。

2.ドローンミュージアム&パークみの(岐阜県美濃市)

 「ドローンを活用した学校教育等」について調査

(1)施設概要

1. 旧美濃市研修施設を改装整備し「ドローンミュージアム&パークみの」を開設
2. ドローンミュージアム:ドローン飛行シュミレーターや動画配信、ショップも併設
3. 屋内外施設にてドローンパイロットの養成やドローン操縦体験が可能
4. 精華学園高等学校岐阜中央校(通信制)を併設し、高校卒業とドローン技術の習得(日本初)

(2)視察内容

1. ドローンミュージアム見学・説明
2. 株式会社ROBOZ(運営会社)からドローンの最新情勢や関連技術・産業、活用事例等の講義
3. トイドローン、高性能ドローンの操縦及びプログラミング体験

3.柳ケ瀬子育て支援施設「ツナグテ」・健康運動施設「ウゴクテ」(岐阜県岐阜市)

   「新設の全天候型子育て支援施設及び健康運動施設」について調査

(1)子育て支援施設「ツナグテ」

 「あそび場はまなび場」遊びを通して学び、成長し、探求力を高め天候に関係なく遊び込める場所をつくり、それぞれの子どもの興味・関心等に応じ自ら考え選択できる多様な学びや、子育てに希望と安心のあるまちに向け地域の子育て力の向上を図る。
・キッズエリア(有料):元気よく遊べるフィールドやアトリエ、乳幼児向けスペース。
・ふぁみり-エリア:多目的施設(そうだんしつ・まなべルーム・あずかルーム・ふれあいひろば)
子育てに関する相談やイベント、就学前のこども一時預かり、市立図書館との連携による読み聞かせ。

(2)健康運動施設「ウゴクテ」

健康寿命を伸ばし楽しく豊かな生活を営むため、身体活動・運動の習慣とその“きっかけ”の場所として作り、子どもから高齢者まで幅広い世代の交流を通じこのまちが守り育ててきた豊かな自然や歴史文化、都市の資源・機能を活かし身体活動・運動の習慣づくりを支援する。
・フィットネススタジオ(エアロビクス、ヨガ、ストレッチ、体操など、年齢や目的に合わせて選べ、初めての人でも気軽に参加できる多彩な教室を開催。また、教室を開催しないときは貸しスタジオとしても利用可能。)
 利用料1回250円ほか
・トレーニングルーム(ランニングマシン、エアロバイク、筋力トレーニングマシンなど、ひとりひとりの健康づくりに合わせて使用できる運動器具を用意。)
 利用料1回250円ほか
※再開発ビル「柳ケ瀬グラッスル35」35階建ての3階に「ウゴクテ」、4階に「ツナグテ」があり、また、3階には「岐阜市中保健センター・中母子健康包括支援センター」も併設されており、地域と密着し平日休日ともに大きな賑わいを創出している。

4.京都市立堀川高等学校(京都府京都市)

 「文理探究学科の取組」について調査

○すべては君の「知りたい」から始まる

【最高目標「自立する18歳」の育成】
生きていくための知識・教養に裏付けられた判断力と行動力を備え、人や社会に関わりあう中で育まれる想像力と創造力を活かし、自他の存在や価値の尊さを感じつつ、自己実現を図ろうとする生徒を育成する。それは、学校による学びの機会の提供と指導、そして生徒の姿勢と行動によって構築される「豊かな学校」において実現される。

○文理探究学科

【1999年に既存の普通科に加え文理探究学科「人間探究科(文系)」「自然探究科(理系)」を新設】
校舎の建替えに当たり新しい教育を目指す機運が高まり、当時、阪神・淡路大震災等未曽有の出来事が起きた背景もあり、単に勉強だけではなく、自らで考え行動できる人材をつくろう、そして、大学に入るための学校ではなく卒業後も光る生徒の育成の方向性が、当時の京都市教育委員会のビジョンとも一致し、「探究」に取り組むことになる。
※1期生卒業の際は、国公立大学現役合格者が前年の6名から106名と急増し、以来、毎年高い進学率を維持している。
 長崎県も令和5年4月1日から公立高校5校において、「文理探究科」を新設。
 活発な意見交換がなされた。