概要 |
1.対馬市役所
対馬市の「観光振興に関する取り組み、課題」、「インバウンドに対する取り組み、課題」、「日本遺産に対する取り組み、課題」、「国際航路の現状等」について調査を行った。
○対馬市の概要 |
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- 位置
北緯34度42分~34度5分、東経129度30分~129度10分の位置にあり、福岡までの距離(海路)138km、韓国までの距離49.5kmである。
- 人口
31,803人、世帯数 15,133世帯、面積708.65平方キロメートル(平成29年2月末現在)
- 産業
就業人口は15,507人で内訳として、第一次産業は21.7%、第二次産業は12.3%、第三次産業は66.0%となっている。第一次産業の77.4%は漁業に携わっており一本釣り(イカ・ブリ)、延縄などが盛んである。その他、林業は木材生産からしいたけ栽培へ推移、農業については、平野部が少ないため野菜、米などの生産量が少なく島外へ依存している状態である。
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①観光振興及びインバウンドにおける取り組み、課題について |
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○現状と課題
<現状>
- 釜山からの国際航路利用者、特に韓国人の入国者数が平成24年から増加している。
<課題>
- 認知度が低い、外国人観光客のマナーアップが必要、自然、歴史など対馬独特の観光素材の活用・整備が必要、島内交通、食、宿泊施設等受入態勢の充実を図る必要がある。
○観光施策の概要・取り組み状況
<国内に向けた取り組み>
- 情報発信と対馬ファン獲得事業、受入体制整備、観光情報発信事業
- 対馬市福岡事務所、よりあい処つしま、対馬市応援団を活用した情報発信
- 朝鮮通信使ユネスコ記憶遺産登録、日本遺産登録を契機とした誘客・PR活動
- 案内情報設備整備事業(観光案内板、Wi-Fi) など
<インバウンド(韓国)に向けた取り組み>
- 観光客おもてなし事業(観光案内所設置、ガイド育成他)
- 受入施設グレードアップ、魅力発信・観光客誘致、ニーズに対応したパンフレットの作成
- 国際交流イベント(港まつり、国境マラソン、海道音楽祭)
- 大陸と日本を繋ぐ博物館建設事業 など

意見交換の様子

対馬市役所前にて
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②日本遺産に関する取り組み、課題 |
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○実施した取り組み
- 平成27年度、平成28年度にそれぞれ日本遺産に関する講演会を市内で実施。
- 各箇所に日本遺産に認定された旨の認定板を設置。
- 厳原港、比田勝港に電光案内サインを設置。
○今後の取り組み
日本遺産 現地調査(金石城跡、万松院)
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③国際航路の現状等について |
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○出入国者数の推移
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対馬市への出入国者数は平成24年に国際航路運行会社が3社に増えたこともあり、以降増加傾向になり平成28年には525,927人(出国者+入国者)となった。さらに、平成29年に入っても依然増加傾向が続いている。
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厳原港における出入国者数は、平成24年に驚異的な伸びを示したが、それ以降は横ばいであった。しかし、船が大型化されたことや比田勝港が過密化したことにより、平成28年からは再び増加傾向に転じ163,882人となっている。
- 比田勝港は船の大型化と共に、運航ダイヤが過密化してきている。平成28年1月に供用を開始した比田勝港国際ターミナルはすでに増築に向け動き出している。
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2.(一社)対馬観光物産協会
対馬のウェルカムゲートとして、観光客と市民の交流の場所を提供している協会について、概要、取組み、現状、課題について調査を行った。
○対馬観光物産協会の概要 |
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- 設立:平成25年10月1日 役員数:会長、副会長3名、理事9名、監事2名 職員数:11名
- 会員数:414事業所および個人
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○インバウンド誘客に向けた取り組み |
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韓国内での観光展への参加
- 韓国アウトドアメーカーとの対馬キャンプイベント等の開催
- 韓国パワーブロガーの招致 など
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○来島後の対応 |
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- 韓国語対応の案内所(厳原港・比田勝港・ふれあい処つしま)
- 飲食店等の韓国語メニュー化
- 観光パンフレット韓国語版の作成 など
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○課題 |
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- 入出国時のCIQ、ターミナルおよび周辺道路の混雑
- レンタカー、サイクリング等による事故の増加(国のルールの違いで、事故が発生している。)
- 観光消費額の伸び悩み(カード決済の整備がすすんでいない。) など
ふれあい処つしま 現地調査
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3.対馬いづはらペンション
市開発用地のホテル公募で採択された当施設について現地調査を行った。
○ 施設の概要 |
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- 平成29年1月27日オープン
- 部屋総数 26室、宿泊定員 72名
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○宿泊客への対応 |
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- 食堂を併設していないため、観光客は市内の食堂や居酒屋等の利用が多く、送迎は市内消費に貢献するため積極的にしておらず、タクシー利用の案内を行っている。
- ゴミ排出を減らすため、アメニティはボディソープ以外は置いていない。
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○今後の課題 |
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- バーベキュー施設の要望が多いが、周辺環境へ配慮する必要があり検討中。
意見交換会の様子
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以上のほか、厳原港において「厳原港の国内及び国際定期航路の現状」、半井桃水館において「施設の概要、インバウンド向け体験メニューについて」、対馬市内の免税店にて「インバウンドの現状」について調査を行った。
半井桃水館にて
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