1.「食品開発支援センター(県工業技術センター敷地内)」について調査を行った。(大村市)
                  
                  (1)設置の目的 
                  
                     令和3年4月、県の研究機関である工業技術センターと農林技術開発センターの食品加工関連部署の業務を統合し、新たな部門として「食品開発支援センター」を開設。
                     県産農産物等を原材料とした加工食品の高付加価値化に向け、生産から加工、流通まで、きめ細かな一体的な支援を実施。
                   
                    《センター内見学》 
                  (2)センターの主な支援内容 
                  
                    ①企画支援(商品開発、デザイン、加工技術各種相談等) 
                    ②技術支援(商品開発、既存商品のブラッシュアップ等) 
                    ③設備開放・依頼試験(加工食品の試作、栄養成分分析) 
                    ④技術開発(事業者との共同開発、機能性食材や食品等の製品開発等)
                   
                  2.五島市における「浮体式洋上風力発電施設」について調査を行った。(五島市)
                  
                  (1)施設概要 
                    《模型による概要説明》 
                  
                    発電所名称: 崎山沖2MW浮体式洋上風力発電~はえんかぜ~ 
                    所 在 地: 五島市崎山沖(約5.0km) 
                    所 有 者: 五島市 
                    運転管理者: 五島フローティングウィンドパワー合同会社 
                    船   名: (非自航船)はえんかぜ 
                    風力発電所: ダウンウィンド型 HTW2.0-80(日立製作所、2MW級)
                   
                  (2)発電事業の経過 
                  
                    - 平成22年度、環境省における浮体式洋上風力発電の実証事業を戸田建設(株)が受託。
 
                    - 小規模試験機を活用した試験期間を経て、平成27年に日本初となる商用スケール浮体式洋上風力発電施設を崎山沖に設置。
 
                    - 平成27年度の環境省同事業が終了後においては、五島市再生可能エネルギー基本構想のもと、浮体式洋上風力発電の普及促進を目指し、五島市が発電所の運転を継続している。
 
                   
                    《崎山沖設置箇所》 
                  (3)発電事業のポイント 
                  
                    - 環境省の事業を通じて、浮体式洋上風力施設は、安全で環境への影響が小さい発電施設であることが確認されている。
 
                    - 風車1基の重さは約3,400トン、発電の規模は、2,000kWで、およそ1,600~1,800世帯分の発電量となっており、福江島をはじめ五島市住民の方々に供給されている。
 
                    - 世界初となるハイブリッドスパー型(浮体部の下部をコンクリート、上部を鋼で構成した浮体形式)は、日本生まれの最先端技術である。
 
                    - 風車はどんなに傾いても起き上がり、もとの状態に戻るように設計されており、台風時においても、風車の回転を止めて風を受け流すようになっている。
 
                   
                  3.株式会社アグリ・コーポレーション(五島市)
                   「農産物の生産から加工」等について現地調査を行った。 
                  (1)事業概要 
                    《加工場での概要説明・試食等》 
                  
                    ・所 在 地 五島市三井楽町浜ノ畦2969-3 
                    ・事業概要 安納芋・紫芋の栽培・加工・製造、栽培面積40ha、 
                          従業員:社員9名・常勤パート20名 
                    ・沿  革 
                     2011年 8月 農業生産法人 
                           株式会社アグリ・コーポレーション設立 
                     2012年12月 エコファーマー認証 
                          (持続性の高い農業生産方式の導入に関する認定) 
                     2018年 7月 有機JAS認証取得 
                     2019年 8月 食品工場建設
                   
                  (2)会社の取組 
                    《廃校を利用した貯蔵施設》 
                  
                    - 安心安全な有機質な堆肥・肥料を使用してオーガニック認証を取得。安納芋、紫芋、芋おとめの3品種を栽培。糖度10度以上で出荷保証し、各種要望に応じ全国へ発送。
 
                    - 芋の一次加工からOEM商品の受注、ベビーフード「おしゃぶー」や「ワンちゃんのおやつ」など自社による添加物を使わない加工から商品の開発。
 
                    - 地域の廃校を利用し、3週間以上、温度や湿度を管理しながら貯蔵し熟成させ、芋の味や糖度が収穫後すぐより高い状態とし、熟成芋の商品や地域振興にも取り組んでいる。
 
                    - ベトナムからの技能実習生や島内の新入社員の採用など積極的に受け入れている。
 
                   
                  4.ごとう農業協同組合(五島市)
                   「JAごとう子牛共同育成施設(キャトルセンター)」について現地調査を行った。 
                    《キャトルセンター内見学》 
                  (1)施設概要 
                  
                    ①第1キャトルセンター 
                    ・事業名:平成18年度長崎県強い農業づくり交付金事業 
                    ・事業実施主体:JAごとう 
                    ・総事業費:131,035千円(補助率 国:50%、県:20%、市8%) 
                    ・事業内容:子牛育成牛舎1棟(2,443㎡) 
                     、飼料・敷料庫1棟(160㎡)、集出荷棟1棟(105㎡)、 
                    管理棟1棟(48㎡)、子牛運搬車、堆肥運搬車、飼料運搬機 各1台 
                    ②第2キャトルセンター 
                    ・事業名:平成28年度長崎県畜産クラスター構築事業 
                    (畜産・酪農収益力強化整備等特別対策事業) 
                    ・事業実施主体:JAごとう 
                    ・総事業費:167,996千円(補助率 国:50%、県:12.5%、市8%) 
                    ・事業内容:子牛育成牛舎1棟(2,744㎡)、 
                     飼料・敷料庫1棟(160㎡)、集出荷棟1棟(270.6㎡) 
                   
                    
                  (2)キャトルセンターの取組 
                  
                    - 繁殖農家から、生後3~5ヶ月齢の離乳した子牛をセリ出荷まで預かることで、農家における省力化を図るとともに、斉一性に富んだ優良子牛の生産により市場価値を高め、繁殖雌牛経営の安定を図る。
 
                    - 受け入れ料金:682円/日(うち事故積立金22円/日を含む)
 
                    - 収容可能頭数及び年間出荷計画:
 
                       収容可能頭数600頭、年間出荷頭数1,200頭(年2回転) 
                    - 成果・効果
 
                      繁殖農家の子牛の飼養管理にかかる労働時間が削減され、現在の家族労働力のままで飼養頭数の増加や高齢者等でも繁殖経営の継続が可能。また、統一された飼育管理により均一な子牛の生産や繁殖牛の分娩間隔短縮が期待される。 
                   
                   以上のほか、有限会社イー・ウィンド(五島市)において「浮体式洋上風力発電施設のメンテナンス等」、株式会社ビーイングDC(五島市)において「誘致企業の現状等」について調査を行った。 
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