令和6年11月定例会
意見書・決議
五島海域における中国軍機の領空侵犯に関する意見書
本年8月26日、中国軍のY-9情報収集機が長崎県五島市の男女群島付近の我が国領海上空を侵犯した。防衛省によると、当該軍用機は約2分間にわたり我が国領空内を飛行した後、1時間半にわたり周辺空域で旋回を続けた。防衛省が中国軍用機による領空侵犯を確認し、公表したのはこれが初めてである。
当該事案に対して、自衛隊が領空侵犯を防ぐために緊急発進(スクランブル)を行ったが、領空侵犯を阻止できず、その後も中国軍機が領空周辺空域の飛行を継続していたことは極めて深刻な問題である。
こうした領空侵犯は、国際法上違法な行為であり、我が国の主権の重大な侵害であるだけではなく、国民の安全を脅かすものであり、断じて容認することはできない。
去る11月19日、中国政府が日本政府に対して当該事案の事実関係を認めた上で再発防止に努める旨を伝達してきたことが明らかとなったが、技術的な問題による領空侵入であったとの中国政府の説明に対して日本政府は疑問を呈している。
当該事案を風化させることなく、毅然とした態度を取り続けなければ、今後さらに領空侵犯が増加し、我が国領空を侵す事案が常態化する危険性がある。
よって、国境離島を有する本県議会は、県民の安全を守る立場から、国におかれては下記事項について、特段の措置を講じるよう強く要請する。
記
- 中国政府に対する外交努力を継続し、再発防止策を講じること。
- 関係自治体及び国民への情報提供を適時・適切に実施すること。
- 我が国の領土・領海・領空侵犯を防ぎ、国民の安全確保に万全を期すこと。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和6年11月26日
長 崎 県 議 会
衆議院議長 額賀 福志郎 様
参議院議長 関口 昌一 様
内閣総理大臣 石破 茂 様
防衛大臣 中谷 元 様
外務大臣 岩屋 毅 様
内閣官房長官 林 芳正 様
核兵器禁止条約の署名・批准を求める意見書
2020年10月24日、国連において122か国の賛成で採択された核兵器禁止条約の批准国が50か国となり、同条約は2021年1月22日に発効されました。
2017年にこの条約への調印・批准が開始されて以降、国際社会において前向きな変化が生まれたことによるものであり、核兵器の禁止・廃絶につながるものであります。
このような中、2025年には被爆80年の節目の年を迎えますが、日本原水爆被害者団体協議会がノーベル平和賞を受賞するなど、核兵器廃絶に向けて大きな転機を迎えております。
一方で、核兵器を取り巻く国際情勢は、ロシアによるウクライナ侵攻や、緊迫化する中東情勢を背景に、核兵器使用のリスクの高まりが懸念されるなど大変厳しい状況にあります。
こうした中、唯一の戦争被爆国である日本が、核兵器のない平和な世界の実現に向け、リーダーシップを発揮することが強く求められております。
よって、国におかれましては、唯一の戦争被爆国として一日も早く核兵器禁止条約の署名・批准を行い、それまでの間は、オブザーバーとして締約国会議及び検討会議に参加するよう強く要望します。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出します。
令和6年12月20日
長 崎 県 議 会
衆議院議長 額賀 福志郎 様
参議院議長 関口 昌一 様
内閣総理大臣 石破 茂 様
外務大臣 岩屋 毅 様
内閣官房長官 林 芳正 様