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ホーム知事の部屋発言集令和5年2月20日 令和5年2月定例県議会における知事説明

令和5年2月20日 令和5年2月定例県議会における知事説明

 本日、ここに、令和5年2月定例県議会を招集いたしましたところ、議員の皆様には、ご健勝にてご出席を賜り、厚く御礼を申し上げます。

 説明に入ります前に、去る2月6日、トルコ南東部で発生した地震では、隣国シリアも含め多数の死傷者が発生するなど、甚大な被害が生じました。お亡くなりになられた方々に深く哀悼の意を表しますとともに、被害を受けられた皆様に衷心よりお見舞いを申し上げます。

 それでは、開会に当たり、県政運営についての所信を申し述べますとともに、令和5年度当初予算案について、その概要をご説明申し上げます。

 私が知事に就任して間もなく1年が経とうとしております。
 新型コロナウイルス感染症への対応は約3年となり、先般、政府において、本年5月8日以降、季節性インフルエンザウイルスと同じ「5類」への引き下げが決定されるなど、社会経済活動は正常化の方向に大きく前進していくものと考えております。
 一方で、ロシアのウクライナ侵攻等を背景とした物価高騰が続いている中において、エネルギー価格の高騰や生活必需品の度重なる値上げなどが、県民の日常生活や県内経済活動に大きな影響を与えており、先行きについては、なお不透明であると認識しております。
 こうした中、私はこれまで、新型コロナウイルス感染症対策や物価高騰対策を、緊急的な対応として、最優先に取り組んでまいりました。来年度においても、まずは足元の物価高騰に対して、適切に対策を講じていく必要があると考えております。そのため、国の総合経済対策補正予算を活用しつつ、本県独自の経済対策を盛り込んだ令和4年度の補正予算を、令和5年度当初予算と一体的に編成のうえ、県民生活の下支えと県内経済活動の活性化に資する施策を切れ目なく講じてまいります。
 また、私は、県政運営を行っていくうえで、県民の皆様との対話が重要との考えのもと、車座による「こんな長崎どがんです会」の開催を重ねるなど、県民の皆様の様々な声に耳を傾けることを心掛けてまいりました。
 さらに、行政の継続性を重視し、令和2年度に策定された、現行の総合計画に基づく各種施策に取り組んできたところであります。私は、こうした土台をしっかり継承しつつ、新しい視点や発想のもと、最先端のテクノロジー等を駆使し、さらなる熱意とスピード感をもって、すべての県民皆様が県内どこでも、幸福で、豊かで、安心・継続して暮らしていただける長崎県の実現に向けて、使命感と不退転の決意で挑戦していく所存であります。
 令和5年度当初予算は、知事就任以来、初めての当初予算となります。人口減少が進行する中、私は、子どもたちへの投資を未来への投資と捉え、子育てを中心とする「子ども施策」を県政の基軸、県政の一丁目一番地として位置づけ、子ども施策は国が基本と認識しておりますが、急ぐべきものから積極的に施策を講じてまいりたいと考えております。
 具体的には、市町が高校生世代に対して行う医療費助成費用を県が負担する本県独自の医療費助成制度について、市町と連携のうえ導入し、既存制度と併せ、18歳までのすべての子どもたちが安心して医療を受けることができる体制を構築することとしております。また、不妊治療費のうち、保険適用外の先進医療費について、その一部を新たに助成するなど、不妊に悩む方々へのきめ細かな支援を行ってまいります。
 こうした子ども施策の着実な充実・強化を契機として、若者や女性、子育て世代等から選ばれる、魅力ある長崎県の実現を目指し、本県の最重要課題である人口減少の抑制にもつなげてまいります。
 さらに、これまでにない新たな施策も積極的に講じてまいります。具体的には、スタートアップ集積に向けた取組やメタバース空間の活用、しまでのビジネスコンテストの開催、戦略的な情報発信など、様々な分野において、新しい視点での施策を展開してまいりたいと考えております。
 このほか、医療・介護・福祉の充実強化や農林水産業の振興、新たな基幹産業の創出、インバウンドを含む観光振興、長崎空港24時間化等の推進、県産品の輸出・販路拡大、平和の発信、文化・スポーツの振興などについても、しっかり取り組んでまいります。
 さらに、本県が抱える重要課題やプロジェクトについて、その解決・推進に努めてまいります。まず、九州新幹線西九州ルートについては、関係皆様のご尽力により、長崎〜武雄温泉間が「西九州新幹線」として、令和4年9月に開業を果たしたものの、新鳥栖〜武雄温泉間の整備の在り方について協議がなされているところであり、課題解決に向けては、佐賀県の理解を得ることが必要であります。
 去る2月1日には、与党整備新幹線建設推進プロジェクトチーム「九州新幹線(西九州ルート)検討委員会」において、独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構から、「佐賀空港を経由するルートは、安全な運行に支障を生じさせる恐れがあることなどから現実的な選択肢とはなり得ない」ことが示され、2月9日の「幅広い協議」の中で、国土交通省から佐賀県に対して報告されたところであります。
 県としては、新大阪までの直通運行により交流人口を拡大することが極めて重要と考えており、引き続き、国の議論を注視しつつ、関係者との様々な話し合いを重ねながら、フル規格による整備実現を目指してまいります。
 次に、特定複合観光施設(IR)区域整備については、昨年4月に国へ認定申請を行い、現在、国が設置した審査委員会において審査が行われているところであります。認定時期については、見通せない状況でありますが、認定後速やかに各種施策を進められるよう、準備に万全を期してまいります。
 本県は、長崎市における新幹線開業を契機とした駅前の再整備及び民間主体のスタジアムシティプロジェクトや、佐世保市におけるIRの区域整備など、各地域において、まちづくりの大きな変革の時期を迎えております。また、社会全体のデジタル化や仮想空間(メタバース)の利活用をはじめ、テクノロジーが加速度的に進化するなど、時代は目まぐるしく変化しております。
 私は、こうした変革の機会をチャンスと捉え、何事にも積極的に挑戦していくことで、県内外・多方面の方々が、「長崎だったら、新しいものが生まれる」という期待を広く・強く持っていただけるような、選ばれる「新しい長崎県づくり」を目指してまいります。
 そのために必要な各種施策を講じるため、国の有利な財源の有効活用や、ふるさと納税といった自主財源の確保に注力しつつ、事業の選択と集中を図りながら、費用対効果を最大限意識した県政運営を行ってまいりたいと考えております。
 また、これまで以上に、県民の皆様との対話を重ね、市町や関係団体、民間企業の皆様とも連携のうえ、一緒になって知恵を出し合いながら、「長崎県が変わった、元気になった」と、どなたにも実感していただけるような具体的な成果につなげるため、私自らが先頭に立ち、さらなる部局間連携のもと、職員と一丸になって、全力を尽くしてまいりたいと考えております。
 どうか、県議会をはじめ県民の皆様には、引き続きご理解とご協力を賜りますよう、お願い申し上げます。

 このような基本的姿勢に基づき、新年度の主な施策について、先に申し述べたこととの重複をできるだけ避けながら、ご説明いたします。

子どもが夢や希望を持って健やかに成長できる社会の実現

(安心して結婚、妊娠・出産、子育てできる環境づくりや、子育て支援施策等の充実・強化)

 県民が希望どおりに結婚、妊娠・出産し、安心して子育てできる社会の実現に向けては、段階に応じた切れ目のない施策の充実・強化が必要であると考えております。
 そのため、市町と連携し、高校生世代を対象とした本県独自の医療費助成制度を導入するほか、不妊に悩む方々に対して、不妊治療のうち先進医療費の一部を助成いたします。
 また、児童相談所等と連携のうえ、地域に密着した相談支援を行う児童家庭支援センターについて、現在、長崎、大村、島原地区に設置しておりますが、新たに佐世保地区に設置することとしております。
 さらに、会員制データマッチング「お見合いシステム」のオンライン登録など会員の利便性向上に向けた機能強化や、社会全体の子育てを応援する機運醸成を図るための効果的な情報発信などに取り組んでまいります。
 このほか、子ども食堂や学習支援等の子どもの居場所づくりに関心のある団体等に対する研修会や交流の場の提供により、居場所づくりの後押しを進めるとともに、食品関連事業者等からの寄付を受け、必要としている人や施設に食品等を提供するフードバンクの活動をサポートし、居場所等と連携することで、各地域の子どもや子育て世帯への支援を推進してまいります。
 加えて、子育て世帯の移住を促進するため、都市部での移住相談会開催時にキッズルームを併設するほか、東京圏からの移住者に対する支援金について、子育て加算の増額を行うこととしております。

(子どもたちの教育環境の充実、学校と地域が連携した地域活動等を通した教育力向上)

 本県の未来を担う子どもたちが、その能力と可能性を高めることを積極的に支援し、社会での多様な活躍につなげるとともに、ふるさとを愛する心を育ててまいりたいと考えております。
 こうしたことから、幼児教育・保育の質の向上を図るため、幼児教育センターを本年4月に設置することとしており、幼児期に生涯にわたる「生きる力」の基礎を培い、小学校以上の教育へ円滑に接続することができるよう、市町や関係団体とともに取り組んでまいります。
 また、これまで中学生を中心に研究を進めてきたふるさと教育を拡大し、小中高の発達段階に応じた一貫性・系統性のあるカリキュラムを構築のうえ、一体的に実践するほか、市町と連携して地域の核となる高校の機能強化を図ってまいります。
 さらに、近年増加傾向にある不登校の児童生徒に対して、市町が行う多様な学びの創出を後押しするほか、特別支援学校に通う生徒に対して、キャリア教育の機会を充実することにより、児童生徒が、将来の社会的自立に向け主体的な生き方の選択ができるよう、しっかり支援してまいりたいと考えております。

1全世代の豊かで安全・安心な暮らしの確保

(県民に寄り添った医療・福祉・介護の確保・充実)

 私は、すべての県民の皆様が、誰も取り残されることなく、住み慣れた地域で安全・安心に暮らし続けていただけるよう、医療・福祉・介護のさらなる充実に向けた取組を進めてまいりたいと考えております。
 そのため、離島病院での遠隔専門診療を実施する遠隔診療センターの運営費を支援するほか、周産期医療及び救急医療における診療科の地域偏在などの課題解決に向け、ワーキンググループ等において検討を重ね、持続可能な医療提供体制の構築を目指してまいります。
 また、医療的ケア児等の家族の負担を軽減するため、医療機関が実施するレスパイト及び医療保険の適用外となる通院等外出先への訪問看護に要する経費の一部を助成するほか、長崎県ケアラー支援条例の施行に伴い、有識者会議の意見に基づく実態調査を実施のうえ、ケアラー支援計画を策定し、推進体制を構築したいと考えております。
 このほか、県民の皆様が適切なタイミングで医療機関を受診していただけるよう、救急医療電話相談「#7119」の導入に向けた検討を進めてまいります。

(保育・看護・介護人材の確保・育成及び離職防止や職場環境の改善)

 少子化により労働人口が減少する中、県内各地域の保育・看護・介護人材を確保することは、持続可能な各サービスの提供の観点からも、重要な課題であると認識しております。
 そのため、保育については、オンライン面談会を実施し、離島等の施設や県内外の学生、潜在保育士が参加しやすい環境を整えるとともに、潜在保育士の再就職を支援するため、保育士修学資金貸付等事業のメニューを拡充することとしております。看護については、県病院企業団の看護師修学資金貸与制度の返済免除要件を緩和するほか、離島病院に加え、人材不足となっている島原病院を新たに貸与制度の対象に追加いたします。介護については、中高生など若い世代を対象として、介護の魅力・やりがいを情報発信するとともに、介護事業所の人材獲得力強化に向けた支援を実施してまいります。

(健康長寿日本一を目指した「長崎健康革命プロジェクト」の推進)

 人生100年時代に、県民の皆様が生涯を通して健康で元気に活躍し続ける社会を目指し、引き続き、本プロジェクトを推進してまいりたいと考えております。
 具体的には、これまでの運動や野菜摂取等を促進する様々な取組に加え、本年4月からの県庁行政棟の敷地内全面禁煙をはじめとした禁煙対策を実施することとしております。また、「ながさき健康づくりアプリ」の内容の充実を図るとともに、アプリを活用したイベントとして、企業やグループ対抗による1カ月間の歩数を競うコンテストを開催するなど、県民の皆様が健康管理や生活習慣改善に興味を持って取り組んでいただけるよう努めてまいります。

(若者、女性、外国人など多様な人材が活躍でき、個々の希望に応じて働き方や暮らし方を選択できる環境づくり)

 私は、人々が互いに理解し合い、誰もが生きがいを感じながら、働き方や暮らし方を希望どおり選択できる、人にやさしい共生社会を目指してまいりたいと考えております。
 そのため、経営者や管理職等を対象として、広くジェンダー平等の意識醸成を図る企業向けセミナーを実施するほか、男性の育休取得や家事・子育て参画促進を目的としたイベントについて、規模を拡大して開催するとともに、子育てしやすい職場づくりに取り組む県内企業に対して、アドバイザーを派遣し、職場環境改善を支援してまいります。
 また、適切な外国人材受入れのためのセミナー開催や、海外の送出機関と県内受入団体とのマッチング支援、外国人住民が地域社会の一員として地域づくりに参画する際の地域日本語教室の設置促進、企業等が行う外国人労働者向け日本語教育への支援を行ってまいります。
 このほか、国や市町、関係団体等と連携し、イベントや啓発、研修等を継続的に実施しながら、多様な人材が自由に希望どおり活躍できる、偏見や差別のない社会づくりに努めてまいります。

(人と動物の共生に向けた動物愛護管理施策の推進)

 近年、動物愛護の機運が高まる中、本県においても、人と動物が共生できる住みよい社会を実現する観点から、動物殺処分ゼロに向けた取組を進めてまいります。
 具体的には、本県における犬猫殺処分数を令和11年度までにゼロにすることを目標として、収容数を削減する入口対策と、譲渡を推進する出口対策の両輪で取り組んでいくほか、動物愛護に関する周知・啓発を強化してまいります。
 まず、入口対策として、これまで動物病院のみで実施していた不妊化手術を獣医師会と連携のうえ、アニマルポートでも定期的に実施すると同時に、出口対策として、譲渡情報や適正飼養方法等を掲載した総合WEBページの構築やボランティアと連携した譲渡活動を推進してまいりたいと考えております。
 また、老朽化したアニマルポートの再整備に向けて、PFI導入可能性調査を実施することとしております。

(ハード・ソフト一体となった防災・減災対策や、地域経済の活性化などを通じて豊かな暮らしにつながるインフラ整備の推進)

 近年、激甚化・頻発化する自然災害から県民の皆様の生命・財産を守るため、防災・減災対策を講じるほか、交通ネットワークの形成等インフラ整備により、産業の活性化や交流人口の拡大に努めてまいりたいと考えております。
 まずソフト面では、地域防災力の向上に資する消防団活動の充実・強化のため、市町が実施する若者や女性に向けた消防団の勧誘対策を支援するとともに、特に幼少期から消防団に対する理解や関心を高めるための啓発に力を注いでまいります。
 次にハード面では、危険な盛土を規制し、がけ崩れなどの災害を防止するため、宅地造成及び特定盛土等規制法の規制区域を設定するために必要な基礎調査や既存盛土の安全性調査を実施することとしております。
 また、国の「防災・減災、国土強靭化のための5か年加速化対策」に対応する公共事業費を確保するとともに、有利な地方債を活用し、砂防、地すべり、急傾斜など県単独事業による自然災害防止対策を講じるほか、河川やダムなどにおける緊急的な浚渫工事等により、防災・減災対策を実施してまいります。
 交通ネットワークの整備については、去る2月18日に、西彼杵道路の時津工区3.4kmが、無事、開通いたしました。今後、移動時間の短縮や慢性的な交通混雑の緩和など様々な効果が現れてくるものと期待しております。また、東彼杵道路については、昨年12月に開催された国の社会資本整備審議会九州地方小委員会において、バイパスによる整備方針が示されたところであり、事業化に向けた手続きが大きく前進しております。
 今後も、地域の活性化や交流人口の拡大を図るため、西九州自動車道や西彼杵道路、島原道路等の高規格道路をはじめ、長崎港松が枝国際観光船埠頭の2バース化など、効率的かつ効果的な交通ネットワークの整備等に力を注いでまいります。

2みんながチャレンジできる環境づくり〜「みなチャレ長崎」の推進〜

(イノベーション創出に向けた都市部企業等との連携によるスタートアップ支援や地域課題解決に向けた取組への支援、人材の育成・確保)

 県内外から長崎で新しいことにチャレンジしたいと思っていただけるような取組により、「長崎だったら新しいものが生まれる」といった機運の醸成を図ってまいりたいと考えております。
 そのため、交流イベント等を通して、都市部スタートアップ等を県内に呼び込むとともに、交流拠点「CO−DEJIMA」等と県外コミュニティとの連携強化に取り組むことで、新たなイノベーションを生み出す土壌を創出してまいります。
 また、新たにリーダーシップ研修を開催し、県内若手経営者等の新規ビジネスや第二創業などにつなげるほか、今年度初めて実施した投資家とスタートアップとのマッチングイベントについて、新たに他のイベントと連携する形で「ミライ企業Nagasaki2023」として開催し、スタートアップの資金調達等を支援してまいります。
 さらに、新たなチャレンジができるしまづくりの実現に向け、本県にゆかりのある起業有識者と連携し、島外事業者への積極的なアプローチを展開するとともに、ビジネスコンテストの開催を通して、地域課題の解決に導く事業の誘致を促進することで、さらなる雇用の場の創出及び移住・定住の促進につなげてまいりたいと考えております。

(新たな基幹産業創出や成長分野参入促進、IT企業等の誘致、人材の育成・確保)

 世界的な脱炭素の動きによる産業分野の変革期において、今後の需要拡大が見込まれる半導体・航空機関連産業といった成長産業分野や海洋エネルギー関連産業を、本県の新たな基幹産業として確立させていくことが重要であります。
 このうち、半導体関連産業については、さらなる成長に向けた機運醸成を図るため、「ながさき半導体ネットワーク」を活用し、企業と大学等との連携交流促進にかかるマッチングイベントの開催や産学共同研究等の取組を支援することとしております。
 また、航空機関連産業については、新たな中核企業の育成や県内への需要獲得を図るため、海外大手メーカー等との直接取引を目指す企業の海外展示会への出展を後押しするなど、事業拡大にチャレンジする企業を支援してまいります。
 さらに、海洋エネルギー関連産業については、令和6年度から全国で実施される浮体式等の次世代技術開発の大規模実証事業開始を見据え、県内企業の新規参入及び受注獲得に向けた支援を実施してまいります。
 加えて、特に成長が期待される半導体・情報関連産業分野の人材確保について、企業の体験就労を通した正規雇用への支援を実施するとともに、IT分野の未経験者を対象に訓練から就職まで一貫して支援するほか、経験者を対象に半導体・IT分野に特化したオンライン転職フェアを開催し、県内外から広く専門人材の確保に努めてまいります。
 このほか、企業誘致については、去る1月19日、京都市に本社を置く株式会社島津製作所が、長崎市への立地を決定されました。同社は、5年間で10名を雇用し、長崎大学、長崎県立大学と連携して感染症対策や海洋事業、情報セキュリティなどの研究開発を行うこととされております。
 また、1月26日には、トランスコスモス株式会社が、「長崎スタジアムシティプロジェクト」のオフィス棟に、BPOとDXを融合したサービスを提供するフラッグシップセンターとなる新センター設立を決定されました。同社は、令和6年の設立から3年間でIT人材など約400名を雇用し、業務の生産性向上を実現するためのDX活用に加え、AIの研究開発等を行うこととされており、先に同オフィス棟への入居を発表された長崎大学の情報データ科学分野の大学院と連携した新たな事業展開も期待されております。さらに、将来的な拠点設立の可能性検討を目的とした五島市でのワーケーションを計画されていることから、県としても、離島地区における企業誘致の新たなモデルケースとなるよう、五島市とも連携して取り組んでまいります。

(キャリア教育の充実や、チャレンジしたい人の活躍につながる環境づくり)

 社会的・職業的自立に向けて必要な基盤となる資質・能力を身に付けるキャリア教育や、県内企業の魅力を感じていただく環境づくりの充実により、本県でチャレンジしたい人材の育成・定着を図ってまいります。
 そのため、企業と密接な連携を図り、より実践的な職業教育を行う専門学校への経費助成や、学生が深く企業を知ることができ、企業の採用リテラシー向上にも資する長期有償型インターンシップ導入促進の取組、県内就職応援サイトにおける学生とのマッチング強化を実施してまいります。

(儲かる農林水産業のための環境づくりとチャレンジする人材の育成やUIターンを含めた人材確保)

 本県の基幹産業である農林水産業においては、新規の就農者数及び漁業者数は堅調に増加しているものの、少子高齢化が進む中、新たな担い手を確保・育成することは、今後の維持・活性化に必要不可欠であると考えております。
 そのため、農林業については、移住就農希望者向け総合サイトを開設のうえ、就農支援の情報に加え、儲かる農業の姿と暮らしの情報を一体的に発信することで移住就農者の増加を図るとともに、オンライン就農セミナーや農業インターンシップ、お試し移住体験を実施するなど、地域の受入態勢を整備してまいります。また、市町や農協等による園芸リースハウスの整備を支援し、移住就農者の負担軽減につなげることとしております。
 水産業については、就業に関する情報発信強化により移住者を呼び込み、漁具等への支援や技術習得研修を実施するとともに、特に就業後2年以内の移住者を重点的に支援することで、漁業定着率向上を図ってまいります。また、市町・地域と連携のうえ、地域資源を活かした海業コンテンツを創出するためのサポート態勢を確立し、地域のにぎわいや所得向上、雇用創出を推進してまいります。

(脱炭素社会の実現に向けた環境整備の推進)

 脱炭素社会の実現に向け、県内における温室効果ガスの削減目標を達成するため、行政部門自らの率先した取組をはじめ、民間部門への働きかけを通して、県全体の脱炭素化を推進してまいりたいと考えております。
 そのため、今年度実施している太陽光発電設備導入可能性調査で有効性が確認された県有施設について、国の地域脱炭素移行・再エネ推進交付金を活用し、第三者所有方式にて設備を導入することとしております。
 また、県の公用車に電気自動車を導入し効果を検証するほか、県営空港について、新たに脱炭素化計画を策定し、具体的な方針等を取りまとめたうえで、脱炭素化を進めてまいります。
 さらに、省エネ住宅等の脱炭素に向けた普及促進を図るため、事業者向けの説明会を開催するとともに、国の動向を踏まえ、令和2年度に策定した「第2次地球温暖化対策実行計画」の中間見直しを行ってまいります。

3「長崎県版デジタル社会」の実現

(先端技術を活用した地域課題解決のための事業者の呼び込みや、実証フィールド等の創出・拡大、社会実装の推進)

 地理的条件など本県が有する多くの地域課題をチャンスと捉え、新しいソリューションが生み出されるフィールドへと変えていきたいと考えております。
 そのため、ドローンの社会実装促進に向け、国と自治体が共同で主催する「ドローンサミット」を本県で初めて開催するとともに、民間との共催により、先端技術の普及と企業間のマッチング等を行う産業展示会「ながさきデジタルDEJI−MA産業メッセ2023(仮称)」を開催することとしております。
 また、民間や市町におけるデジタル化及びDX推進の取組支援や、データ連携基盤を活用したサービスの創出、効率的なデータ活用を可能とする連携機能の開発などにより、県内各地域の課題解決に向け、力を注いでまいります。
 さらに、メタバース空間による、新たなコミュニケーション手段の構築や各分野における活用推進に取り組んでまいりたいと考えております。

(一次産業も含めた多様な産業分野におけるデジタル化やDXの推進による生産性向上)

 デジタル化やDXの推進は、様々な産業分野の生産性向上や高付加価値創出において、不可欠の取組であると考えております。
 そのため、県内中小企業に対しては、これまでのDXセミナーの開催や相談窓口の設置に加え、デジタル化やDXを支援できる人材の育成を後押ししてまいります。
 また、観光分野においては、国内観光の価値・形態の変化に迅速に対応するため、効果的な観光プロモーションに向け、宿泊や観光客人流データ等を活用したデジタルマーケティングの強化を図ってまいります。
 農業分野においては、各産地のデジタル化をけん引する人材の育成や、収量・品質の最大化と働き方の変革を図るため、環境制御装置等のデータ駆動型技術や遠隔・自動化技術の導入を支援するほか、水産分野についても、水産加工業の効率化・省力化を図り、さらなるマーケットイン型の商品開発や供給体制の構築に注力するため、デジタル機器の導入を支援してまいります。

(行政におけるマイナンバー制度の利活用やキャッシュレス等による県民サービスの向上)

 日常生活におけるオンライン化やキャッシレス化が加速する中、行政手続においても、県民サービスの向上につながる各種取組に力を注いでまいります。
 具体的には、行政のデジタル化の基盤であるマイナンバーカードの普及促進に向け、自動車を活用した出張申請サポート等により申請を支援するほか、オンライン化の拡大を捉え、必要に応じたマイナンバー制度の利活用を推進してまいります。
 また、県が管理する道路、港湾、河川等の占用許可手続に関するシステムを一体的に構築するほか、各種行政手続について、汎用的電子申請システムを活用し、申請から手数料納付までのオンライン化を推進してまいります。
 このほか、県民サービスの向上や県庁業務の効率化のため、AI等のICT技術・システムの導入を進めるとともに、職員のデジタル人材育成を促進してまいりたいと考えております。

(最先端の学びや学習環境改善に向けた教育におけるAI等の活用)

 これからの時代を担う児童生徒に対して、最先端のテクノロジーを活用し、多様な学びの提供や、教育の質の向上を図ってまいりたいと考えております。
 そのため、大村市内にある県教育センター内に「長崎県遠隔授業配信センター(仮称)」を令和7年度から開設し、離島半島の小規模校への遠隔授業配信など他校や外部とつながる「長崎ならではの学び」を展開することとしており、そのための計画策定や機器整備、試行配信等の準備を進めてまいります。
 また、県立高校にAIドリル等学習データの蓄積・分析が可能なエドテックサービスを導入し、「個別最適な学び」を推進するほか、小中学校においては、ICT等を活用した学習環境改善の取組について、離島と本土のモデル校で研究を進めているところであり、その成果を県内全ての小中学校に発信することにより、学力向上につなげてまいりたいと考えております。

4選ばれる長崎県のためのまちづくり、戦略的な情報発信・ブランディング

(西九州新幹線の開業効果を継続・波及させる取組のほか、本県ならではの強みやまちの佇まいの変化も踏まえた観光・文化・スポーツのまちづくり)

 西九州新幹線の開業をはじめ、大きな変化を続けている本県の動きを汲み取った施策を官民一体となって推進することで、本県に「にぎわい」を創出してまいりたいと考えております。
 そのため、新幹線開業1周年を記念したイベントを沿線市やJR九州等と連携して開催するほか、多くの子どもたちに新幹線を体験する機会を創出するため、臨時列車による小学生向け無料乗車会や、県内小中学生が修学旅行等で新幹線を利用していただけるような支援を実施することとしております。加えて、今後の各種施策検討に活用するため、開業効果に関する実態調査を実施いたします。
 また、長崎空港の24時間化及び航空ネットワーク拡充を目指し、運用時間外の臨時便や、未就航地へのチャーター便等を誘致することで実績を重ね、運用時間延長に向けた運航や新たな路線の開設につなげてまいりたいと考えております。
 さらに、県内を訪れた観光客の満足度を高め、再び訪れたいと思われる観光地を創出し、将来的に移住・定住人口の拡大にも結び付けていくために、市町や観光関係団体が取り組む地域の魅力に磨きをかけながら賑わいを創出する観光まちづくりを支援してまいります。
 このほか、令和6年度に開催する「日本スポーツマスターズ2024」や、令和7年度に開催する「第40回国民文化祭、第25回全国障害者芸術・文化祭」に向け、着実に準備を進めるとともに、国際スポーツ大会等の開催を目指し、各種競技団体等と連携した誘致活動を実施してまいります。

(若者・女性やUIターン者に向けた新しい長崎のまちの魅力や活躍できる場の発信)

 若者・女性や移住検討者をターゲットに、戦略的な情報発信を推進し、まちの魅力や活躍できる場を効果的に発信していくことにより、選ばれる長崎県を実現してまいりたいと考えております。
 そのため、移住検討者に対して、長崎の歴史や自然の魅力、先輩移住者の声、子育て支援情報、仕事の情報、農林水産業における支援策など、ターゲットに応じて戦略的に情報発信するほか、移住の検討段階からサポートいただいている県内の移住コンシェルジュ等に対し、移住が実現した場合に県産品を贈呈するなど、さらなる移住促進に努めてまいります。
 県外大学生については、Uターンに加えIターン対策を強化するため、大手就職ナビサイトとの連携強化や県外大学との連携協定により、県内企業と県外学生との交流機会の拡大を推進してまいります。
 このほか、女性に選ばれる環境づくりにつながる経営者の意識醸成や、女性ロールモデルの見える化、固定的な性別役割分担意識の解消などの取組と併せ、県外に向けた本県の魅力発信に努めてまいります。

(知事のトップセールスも含めた、県産品や観光・文化・スポーツ資源など本県のPR)

 ウィズコロナの考えのもと、社会経済活動の正常化に向けた動きが見られる中、本県の多様な観光資源等を活かした国内外からの誘客や、県産品の輸出・販路拡大に向け、私が先頭に立ってPRしてまいりたいと考えております。
 具体的には、インバウンドの需要を他地域に先駆けて取り込むため、九州のゲートウェイとなっている福岡県からの誘客や、戦略的な情報発信、富裕層やテーマ意識を持った中間層に訴求する観光コンテンツの磨き上げ、デジタルマーケティングを推進してまいります。
 また、本県産品の輸出拡大に向けては、中国をはじめとするアジア地域を中心に、これまでに構築した現地パートナーとの関係性を最大限に活用するほか、本県産品の効果的なトップセールスを実施してまいります。
 さらに、輸出対象国の消費者ニーズ等に対応した品目に重点化し、民間事業者のノウハウや専門性を活用した海外新規販路拡大にも挑戦するとともに、国内販路拡大に向けては、新たに民間のインフルエンサーと連携した情報発信等に取り組んでまいりたいと考えております。
 なお、来年度からは新たに「ながさきPR戦略課」を設置して推進体制の強化を図り、様々な広報媒体を通した県の魅力発信やトップセールスを分野横断的な視点で戦略的に実施するとともに、各部局が行う情報発信についても専門的知見からサポートを行い、選ばれる長崎県の実現に向けて、効果的・効率的に県内外へ情報発信してまいります。

(グローバルな視点に基づく本県ならではの強みや取組の発信)

 国際分野においては、国際会議や他国との周年事業などの機会を活用しながら、海外における認知度向上・友好交流の促進に向け、本県の魅力を力強く発信してまいります。
 具体的には、本年5月に開催されるG7長崎保健大臣会合について、長崎が医療・公衆衛生分野の発展に貢献してきた実績や、平和への思い、歴史・文化、自然、食など本県の多彩な魅力をしっかり発信できるよう、開催準備に万全を期してまいります。
 また、「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の世界文化遺産登録5周年、日越外交関係樹立50周年等の機会を捉え、交流や人的ネットワークの強化、本県のプレゼンス向上を目指してまいります。
 加えて、平和を願う被爆地の思いを世界に広げていくため、平和に関する各種取組を推進してまいります。

 県としては、「新しい長崎県づくり」の実現に向けて、社会情勢の大きな変化も踏まえながら、概ね10年後の本県のありたい姿をお示しするビジョンの策定を進めるとともに、中長期的な視点による施策のさらなる充実・強化などを図るため、総合計画の一部見直しを進めているところであります。現在、有識者による懇話会を開催するなど、幅広くご意見をお伺いしているところであり、今後、県議会をはじめ、県民の皆様からのご意見もいただきながら、検討を深めてまいります。

 このほか、国の総合経済対策補正予算を活用しつつ、本県独自の経済対策を盛り込んだ令和4年度の補正予算を本定例会に提案しております。
 具体的には、物価高騰等の影響を踏まえ、子育て世帯の家計の負担軽減及び子どもたちへの食育推進等を目的として、県産米限定のお米券を配布するほか、学校給食費等の支援や、経済的に困窮している学生や生徒への授業料減免の支援を行うこととしております。また、県内事業者について、公共交通事業者の事業継続に向けた支援や、県内中小企業等の生産性向上・業務効率化を図るためのデジタル人材育成への支援、国・県・市町等の各種支援制度の周知及び適切な活用方法の提案・書類作成等の支援、賃上げが可能となるような、サービス産業事業者の経営多角化・業態転換等の事業再構築を目指す取組への支援などに取り組んでまいります。
 さらに、県内経済の回復・成長に向けた需要喚起を図るため、国内外から観光客を取り込むための企画乗車券の造成や誘客プロモーション等を実施するほか、国の追加交付を受け、全国旅行支援にかかる事業費を増額することとしております。加えて、国の予算を最大限活用のうえ、高齢者福祉施設の非常用自家発電設備整備及び障害者支援施設等の耐震化整備に要する経費等について、必要な予算を計上したいと考えております。

 それでは次に、その他の主な施策や懸案事項などについてご報告を申し上げます。

(新型コロナウイルス感染症にかかる本県の対策)

 本県における新型コロナウイルス感染症については、年明け以降も感染拡大が継続するとともに、季節性インフルエンザについても流行期入りするなど、医療機関への負荷が増大し、救急外来や入院医療等がひっ迫する状況となったことを踏まえ、去る1月17日に、本県独自の『医療ひっ迫警報』を発出いたしました。併せて、県民の皆様に、県内医療の現状をお伝えするとともに、保健医療の負荷を軽減するための取組等について呼びかけを行ったところであります。
 その後、病床使用率や新規感染者数は減少傾向で推移したことから、2月10日には、『医療ひっ迫警報』を解除すると同時に、感染段階もレベル2からレベル1に引き下げたところでありますが、引き続き、関係機関とも連携のうえ、医療提供体制をしっかり維持していく必要があると考えております。
 また、新型コロナウイルスワクチンの接種については、昨年11月から約3か月間にわたり、県内4箇所で県の接種センターを設置するなど、オミクロン株対応ワクチンの接種促進に努めてまいりました。引き続き、県民の皆様に積極的な接種を呼びかけるとともに、希望される方々が円滑に接種できるよう、市町と連携して接種体制の整備に取り組んでまいります。
 国においては、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置付けを、5月8日に、新型インフルエンザ等感染症と同等の2類相当から季節性インフルエンザと同等の「5類」に引き下げることを決定のうえ、現在、具体的な対応方針について検討が進められております。
 私はこれまでにも、長期化するコロナ禍によって、医療スタッフの負担が限界に達しているという現場の声を踏まえ、コロナとの共生に向けた出口戦略と、そのロードマップについて、国が早急に示すよう全国知事会を通して訴えてまいりました。
 国におかれては、医療機関における厳しい実態を十分認識のうえ、病原性等のデータなども踏まえ、重症化リスクの高い高齢者への対応など、必要な対策は維持することとし、医療費の公費負担の在り方や、定点調査など感染動向の把握方法等、どのように通常医療へ移行していくのか、出来るだけ早く明確な方向性を示していただきたいと考えております。
 引き続き、国の動向や県内医療の状況をしっかりと見極めながら、新型コロナウイルス感染症への適切な対応に注力してまいります。

(県庁舎の跡地活用)

 県庁舎の跡地活用については、昨年7月にとりまとめた県庁舎跡地整備基本構想に基づき、先行して開放していた第二別館跡地に加え、昨年10月末から旧県庁正面玄関前などのエリアを開放しているところであります。
 これまで、敷地内の見学や子どもの遊び場、楽器の練習といった日常的な活動の場としての利用に加え、キャンプイベントやミニコンサート、トークイベントなど、県民の皆様が主体となった催しも開催されております。
 また、県においても、地域の皆様や現地で活動されている方々と連携し、ワークショップや古写真展を開催するとともに、幅広い分野にわたって、さらなるイベント等の準備を進めているところであります。
 県庁舎跡地については、本年半ば頃までには敷地内の整地を完了し、全体をオープンスペースとして開放する予定であり、今後、利活用の幅も広がることから、関係皆様方との連携を深めながらさらなる活性化を図りつつ、賑わいの創出と基本構想の具体化に向けた検証を進めてまいりたいと考えております。

(核兵器廃絶に向けた取組)

 核兵器廃絶のためには、世界中の人々が、自分ごとの問題であると捉え、自分の未来につながっていくと認識する必要があると考えております。
 そのため、県では広島県等と連携し、次期国連開発目標(ポストSDGs)に核兵器廃絶が位置づけられることを目指した取組を進めており、昨年の核兵器不拡散条約の再検討会議においても、「核軍縮と私たちの持続可能な未来」をテーマとしたシンポジウムを開催したところであります。
 また、昨年12月、広島県知事とともに、核兵器廃絶の実現を求める提言書を岸田内閣総理大臣にお渡しいたしました。提言書には、G7広島サミットにおいて、G7参加国が、「核戦争は断じて引き起こさない」とするメッセージを共同して発出することなどの要望を盛り込んでおります。
 さらに、先月には、在日米国大使館を長崎市長とともに訪問し、G7広島サミットに合わせ、被爆地長崎を訪問していただくよう、バイデンアメリカ大統領あての要請書をお渡しいたしました。長崎県民・市民の強い思いに是非ともお応えいただき、現職のアメリカ大統領として初めての長崎訪問が実現すれば、被爆者の皆様に大きな勇気を与えるものと考えております。
 本年のG7広島サミット及び長崎での保健大臣会合開催をはじめ、様々な機会を通して、国や関係自治体等と連携を図りながら、核なき世界の実現を訴えてまいります。

(長崎の黒い雨等に関する専門家会議報告書に対する国の見解)

 広島で黒い雨に遭われた方の被爆者認定が昨年4月から始まっております。しかしながら、長崎で黒い雨に遭われた方については、長崎における過去の被爆体験者訴訟の最高裁判決との整合性や黒い雨が降ったとする客観的な資料がないことを理由として対象外とされたことから、県において、長崎の黒い雨等に関する専門家会議を立ち上げ、昨年7月、課題を検証した報告書を厚生労働省に提出いたしました。
 報告書では、長崎で黒い雨に遭われた方を被爆者健康手帳交付の対象とすることは、過去の被爆体験者訴訟の判決と矛盾せず、また、「平成11年度原子爆弾被爆未指定地域証言調査証言集」は、降雨があったことを示す客観的な資料であるという検証結果となっております。
 県としては、専門家会議の報告書を判断材料として評価していただき、広島と同様に救済につながることを期待しておりましたが、去る1月16日に、示された報告書に対する国の見解は、過去の被爆体験者訴訟の判決が判示する事実認定と整合性を欠く施策を実施することは困難であり、現時点で被爆体験者の救済は難しいという内容でありました。
 報告書の内容が評価されず、認定・救済につながる回答が得られなかったことについては、非常に残念であります。今後も、長崎市と連携のうえ、被爆体験者の支援に向けて、国との協議を継続してまいります。

(離島の振興)

 離島の振興については、昨年11月に成立した「改正離島振興法」を踏まえ、県議会や県民の皆様のご意見を伺いながら、今般、しまの将来を見据えた新たな離島振興計画(案)を取りまとめたところであります。
 計画(案)においては、離島の不利条件を克服するため、生活環境・産業基盤の整備のほか、離島の医療・介護・教育のさらなる充実や離島航路・航空路をはじめとする交通の確保などの施策を掲げております。
 併せて、離島のデジタル化の推進や再生可能エネルギーの活用、ジェットフォイルを含めた船舶の更新等に対する一層の支援、小規模離島に対する支援の充実など、「改正離島振興法」に新たに追加された施策を数多く盛り込んでおり、本年4月の策定・公表を目指しているところであります。
 なお、計画策定後は、関係市町と連携を図りながら、計画に盛り込んだ施策を着実に推進していくとともに、法律に基づく新たな支援制度の創設等について国に強く要請を行うなど、離島地域のさらなる振興に力を注いでまいります。

(離島航空路線の維持・確保)

 本土と離島を結ぶ航空路線は、オリエンタルエアブリッジ社(ORC)が保有する39人乗りのQ200型機により運航されておりますが、現在、ATR社の48人乗り2機への更新が進められております。
 このうちATR1号機は、昨年12月に長崎空港に到着し、パイロット等の実機訓練を重ね、本年7月の就航を目指しております。また、ATR2号機は本年5月頃に到着し、令和7年度からは、ATR2機体制での運航を予定しております。
 また、ORCにおいては、収益確保策の一環であるANAとの共同運航を3月下旬以降拡大することとしております。
 県としては、関係市町と連携しながら、離島航空路線の安定的な運航をしっかりと支え、離島住民の高速移動手段の確保や交流人口の拡大を図ってまいりたいと考えております。

(高病原性鳥インフルエンザへの対応)

 昨年12月21日、佐世保市の養鶏農家において、本県で初めてとなる高病原性鳥インフルエンザが発生しました。
 県では、発生を受け直ちに私を本部長とする長崎県鳥インフルエンザ総合対策本部を設置し、関係機関や庁内関係部局と連携しながら、防疫措置等の早急な対応を行いました。
 具体的には、翌12月22日午前7時から飼養羽数約3万羽の殺処分作業等を開始し、24日20時30分に終了いたしました。また、殺処分等と併せ、12月22日から移動・搬出制限区域を設定のうえ、関係車両の消毒作業に取り組み、その後新たな鳥インフルエンザの発生が認められなかったことから、去る1月15日に全ての制限区域を解除し、一連の防疫措置を完了いたしました。
 今回の防疫措置に多大なるご協力を賜りました佐世保市並びに関係団体や企業等の皆様に深く感謝を申し上げます。
 全国的に過去最大規模で鳥インフルエンザが発生しており、県としても、引き続き、市町や関係団体等の皆様と十分連携を図りながら、最大限の危機意識を持って、的確な防疫対策を実施し、県内での発生防止に全力を注いでまいります。

(石木ダムの推進)

 渇水や洪水などの自然災害から県民の皆様の安全・安心を確保することは、行政の重要な責務であり、早急に石木ダムを完成させる必要があります。また、県議会をはじめ佐世保市等から早期完成を求める意見をいただいていることも踏まえ、工事工程に沿って事業を進めていく必要があると認識しており、県としての役割を果たしていきたいと考えております。
 一方、川原地区にお住まいの皆様のご理解とご協力をいただいたうえで、事業を円滑に推進していくことも重要であり、知事就任以降、繰り返し現地に足を運び、川原地区にお住まいの皆様のお話をお聞きしたり、一緒に現地を歩いて見て回る中で、ふるさとへの思いは大きいと改めて実感したところであります。
 県としては、県民の皆様の安全・安心を確保するという行政の責務を果たすため、工事工程に沿って着実に事業を進めつつ、引き続き、佐世保市及び川棚町とも連携のうえ、困難な中にあっても、川原地区にお住まいの皆様に事業へのご理解とご協力をいただけるよう、努力を重ねてまいります。

(スポーツの振興)

 昨年12月22日から12月25日に東京都で開催された「令和4年度天皇杯全日本レスリング選手権大会」では、本県出身の吉武まひろ選手が女子65kg級で優勝を飾りました。
 また、2月10日から2月12日にカザフスタンで開催された「第10回アジア室内陸上競技選手権大会」では、本県出身の山粼有紀選手が、五種競技で日本記録を更新し3位入賞を果たすなど、県民に大きな夢と感動を与えてくれました。
 選手並びに関係者の皆様のご健闘を心からたたえるとともに、今後とも、本県スポーツの振興と競技力の向上に力を注いでまいります。
 サッカーJ2リーグの2023シーズンが2月18日に開幕し、V・ファーレン長崎は、新たなスタートを切りました。
 昨シーズンはリーグ11位で、J1復帰は叶いませんでしたが、今シーズンは、昨シーズン後半から指揮をとっているファビオ・カリーレ監督のもと、選手やスタッフ、そして、サポーターが一体となって、リーグ優勝とJ1昇格という2つの目標に向かって突き進んで行かれることを期待しております。
 また、長崎ヴェルカは、現在、男子プロバスケットボールリーグB2において奮闘されており、次シーズンのB1昇格を目指して、勝ち星を重ねられることを願っております。
 県としても、県民応援フェアの開催等によりホームゲームを盛り上げるなど、県議会をはじめ、市町や関係団体、県民の皆様と一体となって、両チームを力強く応援してまいります。

 次に、議案関係についてご説明いたします。
 まず、令和5年度の当初予算については、先の11月定例会での重点テーマに基づく主要施策素案に対する議論、政策評価の結果等を踏まえて編成いたしております。
 一般会計の予算額は、7,514億9,937万6千円
 特別会計の予算額は、2,399億3,861万8千円
 企業会計の収益的支出及び資本的支出の総額は、80億7,369万5千円となっております。
 次に、令和4年度補正予算については、国の総合経済対策補正予算への対応に要する経費、本県独自の経済対策に要する経費、国庫支出金の決定等に伴う事業費の増減、その他年度内に執行を要する緊急な事業費等について計上いたしました。
 一般会計105億9,163万円の減額
 特別会計5億6,352万円の減額
 企業会計2億2,845万7千円の減額補正をしております。
 この結果、令和4年度の一般会計の累計予算額は、8,239億3,258万6千円となっております。
 次に、予算以外の議案のうち、主なものについてご説明いたします。
 第16号議案「内部組織の設置に関する条例の一部を改正する条例」は、秘書及び広報並びに危機管理等の体制を強化するため、内部組織及びその分掌事務の一部を改正しようとするものであります。
 第27号議案「長崎県主要農作物種子条例」は、本県の稲、麦類及び大豆の優良な種子の安定的な生産及び普及を図ることで、本県農業の持続的な発展と消費者への安全で安心できる良質な食料の安定供給に寄与することを目的として、基本理念、県の責務、県が実施する施策その他必要な事項を定めようとするものであります。
 第30号議案「長崎県公立大学法人の中期目標〔第4期〕について」は、地方独立行政法人法の規定により、長崎県公立大学法人が達成すべき業務運営に関する目標を定めようとするものであります。

 以上をもちまして、本日提出いたしました議案の説明を終わります。
 なにとぞ、慎重にご審議のうえ、適正なるご決定を賜りますようお願い申し上げます。